2018年9月11日、台湾のASRock Inc.はデスクトップ向け第8世代Intel CPUを搭載可能なミニPC「Jupiter」シリーズを発表しました。
スペック
メーカー | ASRock | |
型番 | Jupiter Q370 | Jupiter H310 |
幅 | 178mm | |
奥行き | 178mm | |
高さ | 34mm | |
容量 | 1.08L | |
CPU | 第8世代 CoffeeLake(65Wまで) | |
チップセット | Q370 | H310 |
メモリ | SO-DIMM DDR4-2667 | |
メモリスロット | 2 | |
メモリ最大 | 32GB | |
SATAポート数 | 1(<9.5mm) | |
M.2 | Key E(2230) Key M(2280) | |
mSATA | × | |
USB2.0(内部) | × | |
USB2.0(外部) | × | Rear x 4 |
USB3.0(内部) | × | |
USB3.0(外部) | Front x 2 Rear x 4 | Front x 2 |
USB type-C | Front x 2(Gen1) | |
SDカード | × | |
LAN | 1Gb x 1 | |
Wi-fi | 802.11 ac | |
Bluetooth | 不明 | |
D-Sub | △ | ○ |
DVI | × | |
HDMI | Rear x 1(1.4) | |
4K対応(HDMI) | 4K/24Hz | |
DisplayPort | Rear x 2(1.2) | Rear x 1(1.2) |
シリアルポート | × | Rear x 1 |
S/PDIF | × | |
オーディオジャック | Front x 2(in/out) Rear x 1(out) | |
サウンドチップ | Realtek | |
光学ドライブ | × | |
PCI-Eスロット | × | |
eSATA | × | |
赤外線 | × | |
Optaneメモリ対応 | ○ | × |
最大消費電力 | CPUによる | |
電源 | 90W / 19V | |
ノイズレベル | 不明 | |
VESA | 75×75,100×100 | |
その他 | 内部2Wスピーカー |
特徴
「Jupiter」シリーズは178mm×178mmのフットプリントの筐体に、デスクトップ向け第8世代Intel CPU(CoffeeLake)とCPUファンを詰め込んでなお34mmという薄さを実現してきました。
IntelのNUCシリーズ(115mm×111mm×34mm/51mm)と比較すると底面積は2.5倍となりますが、2.5インチストレージのないNUCが高さ35mmなので、2.5インチストレージ込みでほぼ同じ厚みというのはなかなかすごいと思います。
スペック表から分かるように、「Jupiter」シリーズはチップセットの違いで2モデルあります。
大きな違いは背面USBと端子類、Optaneメモリ対応、vPro対応となります。
どちらも第8世代のCoffee-Lakeに対応し、TDP65WまでのCPU(Core i7-8700まで)を搭載することができます。
Q370 | H310 | |
USB2.0(外部) | × | Rear x 4 |
USB3.0(外部) | Front x 2 Rear x 4 | Front x 2 |
D-Sub | △ | ○ |
シリアルポート | × | Rear x 1 |
Optaneメモリ対応 | ○ | × |
vPro対応 | ○ | × |
レガシーよりならH310、D-SubとかシリアルポートがいらないならQ370という住み分けになるでしょう。
インターフェースです。
前面は共通、背面は上がQ370、下がH310となります。
H310はデュアルディスプレイまでしかサポートされていないので、3つあるディスプレイの内同時使用は2つまでと思われます。
カバーを開けた直後の状態です。
内部には余分なスペースがほとんどないことがわかります。
冷却は上部と前面から取り込んだ空気をCPUファンがヒートシンクに送り出し、背面から排気します。そのため、35Wクラスならともかく65WクラスのCPUを搭載する場合は上部にものを置かないようにしたほうがいいでしょう。
CPUファンを外すと下からメモリスロットが出てきます。
メモリはDDR4-2666まで対応で、最大32GBまで搭載できます。チップセット的にECCメモリには対応していないと思われます。
2.5インチストレージの下にはM.2 SSD(おそらくKey-M)とWi-fi用のM.2 Key-Eスロットが隠れています。
製品ページの記載を信じるならIntelのWi-fiカード(802.11 ac対応)が付属しているようです。Bluetoothのバージョンは不明です。
まとめ
デスクトップ向けCPU搭載可能なミニPCとしてはかなりコンパクトな「Jupiter」シリーズですが、ちょっともったいないなぁと感じる部分も残っています。
たとえばQ370はチップセットレベルでUSB 3.1 Gen2(10Gbps)に対応していますが、H310に合わせたのか、USB 3.1 Gen1(5Gbps)しか搭載していません。
また、PCIeに関しては完全に死に機能となっています。
コンパクト機の宿命とはいえ、ひとつでいいからライザーカードなどでPCIeスロットを持たせていれば、評価はかなり違ってくるんじゃないかと思うのですが…
価格については公表されていません。
同じくASRockの製品で人気の高い「DeskMini 310」が無線LAN別売で16,000円強なので、「Jupiter H310」は20,000円程度、「Jupiter Q370」は高くても25,000円を割るくらいじゃないかと思います。
というか、「DeskMini 310」と「Jupiter H310」は同じH310チップセット搭載のミニPCとしてシェアを奪い合うことになる気がするんですが、ASRock的にはいいんでしょうか…
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