2018年11月8日、台湾のPCメーカーASRock Incorporationは、NVIDIA GeForce GTX 1060/1080とIntel Z390チップセットを搭載し、Core i9-9900Kに対応したコンパクトベアボーン「DeskMini GTX (Z390)」を発表しました。
スペック
メーカー | ASRock |
型番 | DeskMini GTX(Z390) |
価格 | |
発売日 | 2018/11 |
幅 | 213mm |
奥行き | 154.5mm |
高さ | 81.9mm |
容量 | 2.7L |
CPU | LGA1151対応 |
CPU世代 | 第8・9世代 Intel CPU (CoffeeLake-S) |
TDP | 最大95W |
グラフィック | GeForce GTX 1080(8GB) GeForce GTX 1060(6GB) |
チップセット | Intel Z390 |
メモリインターフェイス | SO-DIMM DDR4-4000 |
メモリスロット | 2 |
メモリ最大 | 32GB |
ECC対応 | × |
内蔵ストレージ | × |
SATAポート数 | 2 |
M.2 | 3(PCIe 3.0(x4)) |
mSATA | × |
USB2.0(内部) | × |
USB2.0(外部) | Side x 2 |
USB3.0(内部) | × |
USB3.0(外部) | Front x 1(Gen2) Rear x 2(Gen2) Rear x 2(Gen1) |
USB type-C | Front x 1(Gen2) |
SDカード | × |
LAN | 1Gb x 1 (Intel I219V) |
Wi-fi | 802.11ac (カードによる) |
Bluetooth | (カードによる) |
D-Sub | × |
DVI | × |
HDMI | Rear x 2 |
4K対応 | 4K/30Hz |
DisplayPort | Rear x 1 Rear x 1(mini) |
シリアルポート | × |
S/PDIF | × |
オーディオジャック | Front x 2(Headset/Mic) |
サウンドチップ | Realtek ACL283VB |
光学ドライブ | × |
PCI-Eスロット | × |
eSATA | × |
赤外線 | × |
Optaneメモリ対応 | ○ |
最大消費電力 | |
電源 | 270W/19V(1080) 220W/19V(1060) |
ノイズレベル | |
VESA | |
付属品 | |
その他 |
特徴
「DeskMini GTX (Z390)」はMicroSTXという規格のマザーボードを使用しており、mini-STX規格のベアボーンとして人気を博した「Deskmini 110/310」の幅(横向きに置いた場合)を6cmほど、高さを2cm弱広げた大きさとなっています。
DeskMini GTX:213×155×81.9mm
DeskMini 310:155×155×80mm
500mlペットボトル:200〜220×65〜70Φmm(参考)
マザーボードはIntel Z390チップセットを搭載しています。TDP95Wまでの第8/9世代CPU(CoffeeLake-S)をサポートし、8コア/16スレッドのCore i9-9900Kを搭載することもできます。
がじぇっとりっぷは把握していなかったのですが、「DeskMini GTX」はこれまでにB250、Z270、Z370などのチップセットを搭載したバージョンが発売されています。
B250、Z270は第7世代CPU、Z370はZ390と同じく第8/9世代CPUとなるCoffeeLake-Sをサポートしています。
「DeskMini GTX(Z370)」と「DeskMini GTX(Z390)」の違いはTDP95Wまで対応したこと(Z370は65Wまで)、メモリがDDR4-4000対応になったこと(Z370はDDR4-3200まで)、USB3.1 Gen2のサポートの有無です。
Thunderbolt3を搭載していないため、10GbpsのUSB3.1 Gen2があるかないかは結構大きいですね。
外観はシックなのですが、背面パネルが寸足らずなのがなんとも微妙です。
USBは前面の2ポートと背面の2ポートがGen2(10Gbps)となっており、背面の残り2ポートはGen1(5Gbps)となっています。
Z390はUSB3.1 Gen2を6ポート持っているので全部Gen2でも良かったんじゃないかと思ったりもします。
Gen2につなぐと動作が怪しくなる機器があるとか、6ポートフルにすると実は帯域が足りないとか、何か理由があるんでしょうか?
なお、側面はUSB2.0となっています。
サイドパネルを開いたところです。本体サイズに対してGPU部分のファン・ヒートシンクが巨大です。
CPU部分も同じく巨大なものが入るため、組み立てたら”大部分がファン”状態になります。
サイド吸気、上部排気なので、周辺にモノを置くときは注意が必要です。
マザーボード(単体のモデル名は「Z390M-STX MXM」です)上のインターフェースです。
通常ならPCIeスロットが並んでいる辺りがガバッと空いて、MXM(Mobile PCI-Express Module)ボードのスペースとなっています。
このMXMボードにGeForce GTX 1060/1080が搭載されています。
裏側にはM.2スロットが3つ並んでいます。珍しい構成ではありますが、実のところ「DeskMini GTX(Z270)」の頃から変わっていません。
Wi-fiもM.2スロットで提供(Wi-fiカードは同梱)されるため、上位規格への乗り換えもWi-fiカードの変更で対応できます。
M.2スロットの接続はPCI-Express3.0(x4)なので、片方向3.93GB/sとなります。現在の最速クラスのSSDはリード3400MB/sなので、なんとか足りていますね。
また、M.2スロットの内ひとつはIntel Optane Memoryに対応しています。
シャーシの裏側には2.5インチHDD/SSDが2台設置できます。
この数は「Deskmini 110/310」と同じです。縦縦横で並べれば3台入りそうな雰囲気ですが、ダメだったんでしょうね。
シャーシは筐体とマザーボードトレイが分離する設計となっており、メンテナンス性が考慮されています。
他にもゲーミングよりの仕様だからか、RGB LEDヘッダがあり、LEDストリップで内部を飾ることができるようです。
「DeskMini GTX 1080 (Z370)」のものになりますが、パッケージはこんな感じです。
ACアダプタが巨大すぎて実質1.5台分くらいのスペースが必要になりそうな…
まとめ
安価でコンパクトということで人気となった「Deskmini 110/310」に対し、ハイエンド志向の「DeskMini GTX」は値段もハイエンドです。
今回紹介した「DeskMini GTX(Z390)」の価格はまだ公表されていませんが、兄弟機となる「DeskMini GTX 1080 (Z370)」は北米にて1425ドル(約16.2万円)の価格で販売されています。
これにCPU、メモリ、ストレージ代が加算されることを考えると、20万コースどころか、CPUによっては30万コースとなります。
高いなぁとも思いますが、特殊形状のGeForce GTX 1080や、270Wというモンスター級のACアダプターなどが含まれていることを考えると、極端に高いわけでもないような気がしてきます。
「DeskMini GTX(Z390)」は販売されていませんが、国内ではTSUKUMO eX.computerからGeForce GTX 1060と「DeskMini GTX 1060(Z370)」を採用した「G-GEAR alpha」シリーズが発売されており、税別129,800円からとなっています。
GeForce GTX 1080搭載から比べると一段落ちるスペックとなりますが、CPU搭載グラフィックを使う他のNUCからすれば雲泥の差なわけで、コンパクトPCとしてはこのくらいが妥当なのかもしれません。
コメント