2018年10月30日、クラウドファンディングサイトのKickstarterで、SBC(シングルボードコンピューター)をAll-in-One PC化するDIYキット「Diskio Pi」がファンディングを開始しました。
スペック
モデル名 | Diskio Pi |
メーカー | Diskio |
発売日 | 2018/10 |
価格 | 215ドル |
スクリーン | |
サイズ | 13.3インチ |
解像度 | 1920*1080 |
パネル供給元 | Innolux |
表面 | グレア |
パネルタイプ | IPS |
輝度 | 330cd/m2 |
コントラスト | 800:1 |
視野 | 左右170°、上下170° |
接続 | eDP(30pin) |
タッチデバイス | |
接続 | USB2.0 |
タッチ方式 | 静電容量(Capacitive) |
マルチタッチ | 10ポイント |
表面硬度 | 6H以上 |
ドーターボード | |
USB | 2.0 x3(外:2、内:1) power x 1(2.5A) |
電源 | 入力:9V 出力:5V@4A |
HDMI | 入力 x 1 |
LANボード | |
インターフェース | RJ45 オーディオジャック |
スクリーン制御ボード | |
HDMI | 1.4 |
スピーカー | 1W+1W |
その他 | |
バッテリー (オプション) | 7.4V 7000mAh (Light) 7.4V 10500mAh (Full) |
重量 | 1275g +250g(Light) +375g(Full) |
素材 | ABS |
防塵防水 | IP20 |
保証 | 24ヶ月 |
特徴
「Diskio Pi」は冒頭にもあるように、SBCをAll-in-One PC化するキットです。キットなので、自分で組み立てが必要です。
この手のものはこれまでにもRaspberry PiをAll-in-One化するキットなどが発売されてきましたが、「Diskio Pi」はSBC収納スペースを大きく取ることで複数のSBCに対応させています。
対応機種として挙げられているのは以下となります。
・Raspberry Pi B/B+
・Raspberry Pi ZERO WH
・Odroid XU4
・Odroid C2
・UP Board
といっても内部を見た限りでは、USB電源入力、eDP、LANポートがあって、高さの収まるものならだいたい行けそうな雰囲気です。
外観はよくあるモバイルディスプレイっぽい見た目です。
仕様としては13.3インチ、フルHD(IPS)ディスプレイ、10ポイントマルチタッチ付きとなります。
液晶の供給元はFoxconnグループで世界三大液晶パネル製造会社の一つであるInnoluxです。
上部にカメラがついていますが、ここは穴があるだけで、カメラは自前用意になるようです。
背面です。
SBCを収納する分、通常のモバイルディスプレイより厚みがあります。
説明がありませんが、上部の左右に空いたスリットがスピーカーと思われます。
また、画像にはありませんが、LANポートの上にオーディオジャックが追加されています。
スタンドがついていますが、調達資金が目標の110%を達成した時に追加されるオプション(10ドル)となります。
上部にはGPIOを引き出すスペース(セルフカット)があり、延長ケーブルを介してGPIOを使うことができます。
内部構造です。
真ん中にSBCが収まります。
右側が、逆L字型のボードがLANボード、LANボードにすっぽりハマっているのがスクリーン制御ボード、その下の横に長方形なボードがタッチスクリーンボードです。
SBCを挟むように上下にバッテリー(オプション)スペースがあります。
オプションで用意されるバッテリーは、4セル7000mAhと6セル10500mAh(どちらも7.4V)です。ノートPCでの表記に合わせると、51.8Whと77.7WHrとなります。
バッテリー動作時の稼働時間の目安です。
容量の割に思ったほど稼働時間は長くないですが、ノートPCの計測法で使われるJEITAでなく実測値であることを考えればこんなもんでしょうか。
左側にはドーターボードがあり、USB2.0ハブ、電源、HDMI-IN機能をまかなっています。
ドーターボードの画像です。
内部構造の画像を見れば分かりますが、ドーターボードのHDMI-OUTからスクリーン制御ボードにHDMIケーブルが伸びています。
「Diskio Pi」はHDMI外部入力が可能であり、All-in-One PCでありながら、バッテリー内蔵(オプション)の外付けディスプレイとして使うことも可能という、面白い仕様になっています。
SBCモードと外部ディスプレイモードはスイッチで切り替えます。
これ、何気に便利だと思うのですが、扱いが小さいです…
ドーターボードのダイアグラムはこんな感じです。
HDMIは完全に独立しています。延長ケーブルを直接引っ張ればボード上に載せる必要もなさそうですが、固定させるためには必要なんでしょうね。
カバーには2.5インチストレージのスペースがありますが、SATA-USBコントローラーは調達資金が目標の140%を達成した時に追加されるオプション(17ドル)となります。
VESA(75x75mm)の穴も自分で開ける必要があります。
パッケージはまさにキットという感じです。
1: スクリーンフレームScreen frame, with camera slot
2: スクリーンブラケットScreen brackets, 3D printed
3: SBCプレート
4: リアカバー(2.5インチスロット付き)
5: フロントケース
6: タッチスクリーンコントローラ-ボード
7: スクリーンコントローラ-ボード
8: ドーターボード
9: LANボード
10: OSDボード
11: ボタンボード
12: ケーブル類(電源、タッチスクリーン、ハブ)
13: HDMIフラットケーブル
14: スピーカー
15: SBC to USBハブ ケーブル
16: OSDケーブル
17: 電源アダプター
画像にはありませんが液晶パネルも付属します。
まとめ
この「Diskio Pi」、個人的には非常に気になる製品です。
SBCをAll-in-One化してかつ外付けディスプレイとしても使えるというのは、がじぇっとりっぷが欲しいアイテムの一つです。
「Not-eReader」のような外付けディスプレイとなるタブレットも気になりますが、遊びがいがありそうという意味ではこっちの方がいいですね。
惜しむらくはUSBハブが2.0止まりな点と、Wi-fi用のアンテナスペースがない点でしょうか。
USBハブがUSB3.0対応で、内部電源ケーブルにUSB-C版も用意されていたら出資していたと思います。
「Diskio Pi」の価格は単体で216ドル(約24,400円)、7000mAhバッテリー付きで247ドル、10500mAhバッテリー付きで290ドル(限定60台の263ドルコースは売り切れ)となっています。
本体とは別に、目標額の110%超えでスタンド(10ドル)、120%超えでOdroidやRaspberry Piで使えるヒートシンク付きファン(8ドル)、130%超えでVESAモールド(12ドル)、140%超えでSATA to USB3.0 2.5インチストレージコントローラー(17ドル)が追加されます。
ファンディング終了は12月14日、発送は2019年8月予定とかなり先となります。
目標額約6万ドルに対し、現時点の出資額が22,000ドル、ファンディング方式はAll or Nothingと結構厳しい状況ですが、面白い商品なので是非ともファンディング成功して欲しいですね。
関連リンク
cocopar®2Kモバイルモニタ 13.3インチ2560*1440 (amazon)
Diskio Pi – The Ultimate Open Source Tablet. – Kickstarter
Diskio Pi – 公式サイト
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