2020年4月22日、台湾のADATAは同社のゲーミングブランド「XPG(XTREME PERFORMANCE GEAR)」より、初のゲーミングノート「XPG XENIA」を発表いたしました。
スペック
CPU | Core i7-9750H |
---|---|
GPU | >GeForce RTX 2070 GeForce GTX 1660 Ti |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB M.2 SSD |
network | 1GbE×1、802.11ax+BT5.0 |
USB | TB3×1、3.2(Gen2)×1 3.2 Gen1×2 |
映像出力 | HDMI×1 |
サイズ | 356.4×233.6×20.5mm |
重量 | 1.85kg |
ADATAについて
ADATAは2001年に台湾で設立され、DRAMモジュール、USBメモリ、SSDなどメモリ・フラッシュメモリ分野でシェアを伸ばしてきた企業です。DRAMメモリモジュール市場の販売シェアはキングストンテクノロジーに次ぐ世界第2位とされています。
特にUSBメモリは家電量販店だけでなく、ディスカウントストアにもよく置かれているので、目にしたことのある方は多いと思います。
ゲーミングブランドの「XPG」は2006年10月に立ち上げられています。
特徴
「XPG XENIA」は冒頭のとおり、ADATA初のゲーミングノートです。2020年1月に開催されたCES 2020で初披露されました。
Intelとの共同開発ということですが、Intelのリファレンスデザインを採用したノートではないかと思われます(製品ページにはデザインコラボレーションと書かれています)。
もともとがメモリ・フラッシュメモリのメーカーだけに、メモリとストレージは自社のものを贅沢に使用しています。
メモリは32GB DDR4-2666、ストレージは、「XPG SX8200 Pro」の1TBモデルで、リード3500MB/s、ライト3000MB/sという、超高速モデルとなっています。
また、内部には空きのM.2スロットが一つあるので、増設が可能となっています。
CPUは第9世代のCore i7-9750H(6コア/12スレッド、2.60GHz/TB時4.50GHz、TDP45W)です。
先日、第10世代のComet Lake-Hが登場しましたが、市場予測に基づいてコストパフォーマンスが最も高くなるCPUを選択したとのこと。
コストバランスだけでなく新規参入であることも考えると、いきなり新しいものを導入せず、実績のあるものを取り入れたというのは正しい流れでしょう。
GPUはGeForce GTX 1660 Ti、またはGeForce RTX 2070 Max-Qです。
前述のとおり、ADATAはコストバランスを重視しているようで、ゲームプレイに支障なく、かつ価格が上がりすぎないことを考えた結果、この2つのGPUになったのでしょう。
どちらともVR Readyですし、VR用途でも不自由はしないでしょう。
まぁ、RTX 2080を積んだら最低30万円、下手したら50万円コースですし、その価格になると数も出ませんしね…
ADATAとしては初のゲーミングノートですし、ある程度数を出して実績を作りたいという思惑の結果とも考えられます。
▲斜め前から見たところです。
ちょっとわかりにくいですが、ベゼルがかなり細いです。
左右は4.9mmとのことですが、上下もかなり細いですね。画面占有率は85%となっています。
A. ケンジントンロック | B. 排気口 | C. USB3.2 Gen 2×2ポート | D. マイクロフォン | E. ヘッドホン
A. SDXC 2-in-1カードリーダー | B. USB3.2 Gen 2×1ポート | C. 排気口
A. 排気口 | B. Thunderbolt 3ポート | C. HDMI | D. RJ-45 | E. 電源端子
▲インターフェースは左右と背面に分散しています。
両サイドには頻繁に抜き差しがありそうなUSBとオーディオジャック、SDカードスロットを、背面には半据え置きで使うHDMIやThunderbolt3、有線LANが配置され、なかなかに考えられています。
USBはマニュアル通りに記載していますが、これ、USB3.2 Gen1とUSB3.2 Gen2の間違いと思われます。
USB3.2 Gen2x2(20Gbps)はType-C端子ですし。インターフェース図のマークはハイスピードUSBと10Gbpsになっていますし。
電源端子も背面ですが、これはサイドに配置するのとどちらが正解と言えるんですかね?
また、手前のディスプレイ開閉時に指をかける切り欠き部にはRGB LEDが仕込まれていて(LED Light Bar)、「XPS 13(2020)」のようにバッテリー状況を示したり、自分でカスタマイズができます。
▲底面は手前左右にスピーカーがあり、吸気口はかなり大きめに取られています。
また、ネジを10個外すことで内部にアクセスできるようになっています。
▲内部図です。
ヒートパイプは4本と、かなり大掛かりな冷却システムになっています。
メモリスロットとM.2スロットが二つづつあり、Wi-fiカードも換装可能ということもわかります。
なお、バッテリーは94WHrなので、15.6インチゲーミングノートの中でも多い方です。大容量バッテリーなので、ゲーミングノートでありながら10時間という稼働時間を確保しています。
▲キーボードは”右に一列”タイプで、Optical Mechanical Keyboard(光学メカニカルキーボード)となっています。
光学でメカニカルとは如何に?と思って調べるとRazerも採用していまして、入力判定は高速(レスポンスは0.2ms)な光学スイッチな、メカニカルキーボードということらしいです。物理スイッチでないので静かという特徴も持っています
キーはRGBバックライトで、「XPG PRIME (beta) Control Center」から個別にカスタマイズ可能です。
▲天板はシックで、XPGのロゴがあしらわれていますが主張は少なめです。
筐体はマグネシウム合金なため。1.85kgとゲーミングノートとしては軽量な部類に入ります。
なお、Webカメラの仕様は探したけれども見つかりませんでした。
電源はマニュアルの片隅に230Wと書かれていました。
初のノートPCだけにweb側の洗練がまだ足りていない感じですね。
まとめ
「XPG XENIA」の価格は、GTX 1660 Tiモデルが1699ドル(約18.3万円)、RTX 2070モデルが2199ドル(約23.6万円)とされています。
他のメーカーと比べて極端に安いわけではありませんが、この価格だと他メーカなら16GB RAM/512GB SSDが相場でしょう。
この辺りはメモリ・ストレージを自社製造するメーカーの特権ですね。
また、Thunderbolt 3の搭載など、ゲーミングノートでは省かれがちな要素もしっかり入れていますし、初めてのゲーミングノートとしては十分な出来だと思います。
国内発表はまだされていませんが、ADATAは国内でも流通していますし、XPGのサイトでも国内販売店情報が掲載されているので、おそらく国内でも発売されるでしょう。
コメント