2020年4月4日、スマホメーカーのBlackViewは、FLIR製サーマルカメラを搭載したタフネススマホ「BV9900 Pro」を発売いたしました。
発売特価として、公式ショップにおいて4月10日まで通常価格549.99ドルから20%オフの439.99ドルとなっています。
2020年4月7日追記:肝心の対応バンドとキャリア対応を書いていませんでした。なお、5Gには対応していません。
スペック
比較として、前世代にあたる「BV9800 Pro」のスペックを併記します。
名称 | BV9900 Pro |
---|---|
OS | Android9.0 |
CPU | Mediatek Helio P90 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 128GB |
カメラ | 後:48MP+5MP+2MP+FLIR 前:16MP |
通信 | 3G:B1/2/4/5/6/8/19 4G FDD:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/ 17/18/19/20/25/26/28/66 4G TDD:B34/38/39/40/41 |
キャリア | docomo(B1/3/19):対応 au(B1/18/26/41):対応 softbank(B1/3/8/41):対応 楽天(B3/18):対応 |
サイズ | 156.5×78.3×14.2mm |
重さ | 273g |
名称 | BV9800 Pro |
---|---|
OS | Android9.0 |
CPU | Mediatek Herio P70 |
メモリ | 6GB |
ストレージ | 128GB |
カメラ | 後:48MP+5MP+FLIR 前:16MP |
通信 | 3G:B1/2/4/5/6/8/19 4G FDD:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/ 17/18/19/20/25/26/28/66 4G TDD:B34/38/39/40/41 |
キャリア | docomo(B1/3/19):対応 au(B1/18/26/41):対応 softbank(B1/3/8/41):対応 楽天(B3/18):対応 |
サイズ | 168.5×81.0×14.8mm |
重さ | 322g |
BlackViewについて
BlackViewはいわゆるタフネススマホを多く手掛ける中国・深圳の企業、深圳市多科电子有限公司のブランドです。
2013年の設立ですが、結構ハイペースに製品を出しており、公式サイトの製品リストを見ると、販売終了を含めて38機種がラインナップされています。
BlackViewのラインナップには耐久性に優れたBVシリーズ、価格を抑えたAシリーズ、バッテリーの持ちを重視したPシリーズ、ハイエンドフォンのRシリーズの4シリーズがありますが、最近はBVシリーズに偏っているようです。
国内ではいくつかのストアがAmazonで販売しており、技適を取得したモデルも並んでいます。
BlackView:Amazon
BV9900 Proの特徴
「BV9900 Pro」は2020年4月4日に発売された、BlackViewの最新モデルです。
タフネススマホのBVシリーズではありますが、スペック面でも(あまり)妥協はしていません。
CPUにはMediatek P90が採用されています。
2コアのCortex-A73と6コアのCortex-A55で構成された8コアCPUで、Antutu v7スコアは16万点、Antutu v8で21万~22万点です。
前世代にあたる「BV9800 Pro」が搭載するHelio P70はAntutu v7で14.5万点、Antutu v8で19万点なので順当な上昇ですね。
昨今のハイスペック競争には及ばない数字ですが、ミドル~ミドル上位クラスの性能となります。
まぁ、もとよりゲームをバリバリプレイするような機種ではないので、このくらいあれば十分かと。
メモリは8GBで、「BV9800 Pro」の6GBと比べ、2GB増えています。
最近のミドルハイ~ハイエンドの主流が8GBなので、その波に乗った形です。
ストレージは128GBで変わりませんが、「BV9900 Pro」はUFS2.1対応となりました。
これまでよく使われてきたeMMC5.0は最大400MB/s、UFS2.1は最大1200MB/s(レーン当たり600MB/s)と、最大値で3倍の差となります。
他機種の実測ではシーケンシャルリードで600~700MB/s程度になるようです。
UFSは2018年に最大2900MB/sという爆速のUFS3.0が登場しましたが、現状では「One Plus 7」や「Galaxy Note 10+」、先日紹介したXiaomi「Mi 10」など一部のハイエンドモデルで採用され始めたところです。
ディスプレイは5.84インチ、解像度は1080×2280と、「BV9800 Pro」の6.3インチ・1080×2340から0.5インチ近く小さくなっています。
その分本体サイズもコンパクトになり、本体の幅が81.0mmから78.3mmに、重さが322gから273gになりました。
iPhone 11の幅が75.7mm、重さが194gなので、重さはともかく幅はよく使われるスマホに近いところまで来ているようです。
カメラは48MP+5MP+2MP+FLIRの4眼構成です。
詳細は明らかになっていませんが、広角+サーマルカメラ補助+深度+サーマルカメラの組み合わせと思われます。
サーマルカメラは「BV9800 Pro」にも搭載され、ほかにはキャタピラ社の「S60」「S61」あたりが知られています。
というか、そのくらいしかないと思います。
サーマルカメラを使うとこんな感じの赤外線画像が見れます。
FLIRのサーマルカメラは、サーマルカメラで撮った熱分布と、補助カメラで撮影した輪郭を重ねて表示するので、見やすくなります。
家庭でも暖房・冷房の効率化(熱がどこから逃げて/入っているか調べる)とか、逃げたハムスターを探すとか、揚げ油の温度を測るとか、ネタにするとか、そんな使い道があります。
サーマルカメラはFLIR Leptonが使われています。
FLIRのサイトによると、Leptonはバージョン1.5から3.5まで6モデルあり、解像度は80×60または160×120となっています。
「BV9800 Pro」に搭載されていたサーマルカメラは80×60でしたが、「BV9900 Pro」も同じなのか、新しいバージョンになったのかは不明です。
本体のサイドにはファンクションボタンがついています。
「BV9800 Pro」ではWalkie/Talkie(トランシーバー)ボタン(一応カスタマイズはできる模様)となっていました。
そのほか、防水防塵規格のIP69、ドイツ工業規格のIP69K、そして米軍調達基準のMIL-STD-810Gに準拠しています。
さらに気温が-15℃を下回るとアイスモードとなり、-30℃までは電話、メッセージ、連絡先、カメラの4基本機能が使用できます。
OSはAndroid9.0(Pie)で、広告もプリインストールアプリもない、素に近い状態とのことです。
色はブラックとシルバーがありますが、全体ではなくサイドの色が違うだけとなっています。
まとめ
「BV9900 Pro」は定価が549.99ドル(約60,000円)ですが、AliExpressの公式ストアでは4月10日まで20%オフの439.99ドル(約48,000円)で販売されています。
正直なところ、サーマルカメラを必要としなければ、タフネススマホはもっと安いのがいくらでもあります。
BlackViewに限っても、「BV4900 Pro」なんかはAmazonで1万円台で販売されています(その分スペックも抑えられていますが)。
とはいえ昨今の新型コロナ騒動で、あちこちでサーマルカメラの需要は高まっています。
個人でなくても事業所や店舗の入り口に向けて置いておくとかしてもいいですし、あったらあったで使い道はあるでしょう。
がじぇっとりっぷはレビュー時のノートPCの発熱状況を見るのに欲しいとは思っていますが、予算が…
関連リンク
Blackview BV9900 Pro:BlackView Online Store – AliExpress
BV9800 Pro:BlackView
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