5cmキューブ。 SolidRun「CuBox-M」はi.MX8M Plus搭載で99ドルから

シングルボード

2021年2月10日、イスラエルのSBCメーカーSolidRunは、NXP社製i.MX8M Plusを搭載した5cmサイズのキューブ状SBC「CuBox-M」を発表、公式ショップでの予約を開始いたしました。

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スペック

モデル名 CuBox-M
メーカー SolidRun
発売日 2020/02
価格 99ドル(1GB)
160ドル(4GB)
価格(日本円)
CPU NXP i.MX8M Plus(1.8GHz 4コア)
GPU Vivante GC7000UL(3D)
Vivante GC520L(2D)
NPU 2.3TOPS
メモリー 1GB/4GB LPDDR4
サポートOS Debian
Android 10
Yockt
有線LAN 1GbE x 1
Wi-fi 802.11ac(4GBのみ)
Bluetooth ○(4GBのみ)
チップ
ストレージ 8GB eMMC
microSD
USB 3.0 x 2
GPIO ×
映像 HDMI(2.0a 4K/30Hz)
カメラ
オーディオジャック ×
その他インターフェース IR receiver
microUSB(UART)
消費電力
電源 DC 12V
50mm
奥行き 50mm
高さ 50mm
その他 PoE(4GBのみ)

特徴

「CuBox-M」は50×50×50mmの立方体の形状をしています。

がじぇっとりっぷでも2年ほど前に「CuBox-i」を取り上げています。55×55×42mmとサイズはちょっと違っていますが、シルエットはほぼそのままです。

5cm角のミニPC。SoridRunの「Cubox-i」は小さいけれどeSATAやS/PDIFを備える変わり種
小さいことはいいことです、がじぇっとりっぷ(@gadgetrip)です。本日紹介する「Cubox-i」は初登場が2013年12月とちょっと古いですが、スペック的には今でも行けるかなと思ったので紹介します。スペックmodelCuBox-i1/

その「CuBox」シリーズの新作が「CuBox-M」となります。

SoCには引き続きi.MXシリーズを採用しています。

i.MXシリーズはもともとはモトローラからスピンオフしたフリースケール・セミコンダクタ社(2004年設立)が開発したマイクロプロセッサです。2015年12月のNXPセミコンダクターズに買収され、現在はNXPの製品となっています。

フリースケール・セミコンダクタは自動車向け半導体を得意としており、現在でも方針は変わっていないため(NXP公式サイトのカテゴリTOPは自動車です)、SBCではあまり見かけません。

10年単位で使われることを想定した設計と耐久性を持つことから、搭載ボードの価格もRockchip社やAmlogic社のプロセッサを搭載するものに比べて高価になる傾向があります。

「CuBox-M」には4コア1.8GHz駆動のi.MX 8M Plusが搭載されています。

i.MX 8M Plusは2020年1月に発表された新しいSoCで、2.3TOPSのNPU(neural processing unit)を内蔵しているのが大きな特徴です。

ブロックダイアグラムで見るとこんな感じです。

アーキテクチャはARM Cortex-A53で、サブプロセッサとして800MHz駆動のCortex-A7を備えています。

ちょっと面白いのが、オーディオ処理向けDSP(Digital Signal Processor)の「Tensilica HiFi 4 DSP」でしょうか。
このコアのおかげでオーディオ処理に強くなっています。

その他、詳細についてはSolidRunの開発者向けページにがっつり書かれています。

i.MX8M Plus SOM:SolidRun

「CuBox-M」は2モデルがあり、メモリやWi-fi対応に差があります。

価格 160ドル 99ドル
CPU(SoC) i.MX 8M Plus
メモリ 4GB 1GB
ストレージ 8GB eMMC
Wi-fi 802.11ac+BT5.0 ×
PoE ×

i.MX 8M Plusを搭載しながら99ドルスタートは安いと思いますが、上位モデルも捨てがたいです。

▲正面にはIR(赤外線)レシーバーらしき部分

スイッチが見当たらないので、電源挿したら起動ってタイプですかね?

▲インターフェースです。

HDMIは4K/30Hz対応のHDMI 2.0a(2.0aですが4K/60Hzは対応していないようです)、USBは3.0が2ポート、ストレージ拡張にはmicroSDが使え、デバッグ用にmicroUSBを備えています。

電源入力は12V DCジャックですが、上位モデルはPoE(Power over Ethernet)に対応するので、PoE対応機器を使えばLANケーブル一本で稼働させることもできます。

データシートを見ると内部にMIPI-CSIやLVDSがあるようですが、分解しないと使えません。

▲「CuBox-M」全体のブロックダイアグラム

割とシンプルです。microUSBは接続先がUARTなので、完全にデバッグ用ですね。

まとめ

「CuBox-M」の価格は前述の通り、99ドルからです。
あれこれ削っているとはいえ、最新のi.MX8M Plus搭載製品が99ドルを切るというのは割安ですし(他社だとだいたい100ドル台後半)、メモリ4GBにWi-fi、PoEまで付いて160ドルというのも悪くありません。

何より、零細企業発の製品と違って、ソフトウェアのメンテナンスが継続されているのは大きいです。

SolidRunリポジトリ:GitHub
i.MX8M Plus Software:SolidRun

SolidRunの想定用途にはソフトウェア開発・テスト、カメラを利用した画像認識、AI学習エッジインターフェース、デジタル看板、IoTアプリ、スマートホームコントローラなどが挙げられています。

やっぱり産業向けが想定なんだなと感じますが、もちろんそれ以外にも使えますし、コンパクトに遊ぶには良さそうです。

関連リンク

CuBox-M 製品ページ:SolidRun
プレスリリース ※PDF

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