Innoview「INVPM001」は15.6インチの安価なスタンダードモバイルディスプレイです。
安価なモバイルディスプレイというと、判を押したように一枚板状+カバースタンドな製品が並ぶ中、U字スタンドを備えている製品は結構目立ちます。
そんな独特なモバイルディスプレイをレビューする機会をいただけたので、さっそく見ていきましょう。
機材を提供いただいたInnoView様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。
Innoview INVPM001

画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | FHD(1920×1080) |
表示色 | 1677万色(8bit) |
輝度 | 250nit |
応答速度 | 5ms |
リフレッシュレート | 60Hz |
色域 | sRGB 80% |
インターフェース | miniHDMI USB Type-C(データ/給電)×2 USB Type-C(OTG)×1 ヘッドホンジャック |
重さ | 865g |
GoodPoint
✔ きっちり横に並べられる
✔ スタンド内蔵
✔ 取り回しがしやすい
BadPoint
✖ スリーブケースがない
✖ やや低めのパネル仕様
外観
外箱
外箱はあまり主張するような文言もなくシンプルです。
裏側は無地。
ここに仕様とか書いてある場合が多いので、ちょっと面喰らいました。
パッケージ
・USB充電器
・Type-C to Type-C ケーブル
・Type-A to Type-C ケーブル
・HDMI to miniHDMI ケーブル
・Type-A to Type-C 変換コネクタ
・クリーナークロス
・マニュアル
・保証書
付属品
USB充電器はQuickCharge3.0対応で、最大出力は18Wです。
ケーブル類は3種類入っています。
USBケーブルはともかく、miniHDMIケーブルは一般家庭には転がっていないと思うので、これは助かりますね。
クリーナークロスと変換アダプタ。
この変換アダプタはOTGポート接続時、iPhone接続時に使いますが、手元にLightningなiPhoneがないので今回は検証していません。
マニュアルは英語と日本語が併記されたものでした。
スタンド
「INVPM001」はスタンド内蔵タイプで、無段階でおよそ170度くらいまで開きます。
インターフェースはスタンドの内側にあるので、閉じているときは端子が保護されます。
インターフェース
左側にはminiHDMIとType-C×2。
こちらは一般的なモバイルディスプレイと同じ構成です。
右側は電源兼「戻る」ボタン、OSD操作ダイヤル、USB Type-C(OTG)、オーディオジャックです。
こちら側のUSBにはキーボードやマウスなどのUSBデバイスを接続できるほか、iPhoneの接続にも使われます。給電には対応していません。
底面にはスピーカーがあります。
音質はそれなりですが、音量はそこそこあるうえ、机面に反射させてくるので広がりも悪くはありませんでした。
ベゼル幅は4.6mmと細めです
背面全体を見ると、厚いのは下半分だけとなっています。
重心が低いので、安定感が高いです。
重量
重さは本体のみで887g。
仕様の865gよりは少し重たいですが、スタンド込みと考えるとこんなものかなぁと。
ただスタンドが一体化しているので、スタンドカバータイプに比べると取り回しがしやすく、場所も取らないので使い勝手がとてもいいです。
ディスプレイ
本体は下部にメーカーロゴ。
個人的にはロゴのコントラストが強すぎて気になるので、もう少し薄い色だと嬉しかったかなぁと。
電源を入れると内蔵アプリの「EZCast Dual」が起動します。
ただどうもiPhone用に入っているようで、そもそも有線キャスト機能がないAndroidスマホやタブレットは反応しませんでした。
ひとまずは普通にWindows機を接続。
特に考える必要もなく、Type-C一本で接続できています。
ベゼルが細めなので圧迫感も感じないです。
OSD
OSDは左下に出現。
4つのモードが用意されています。
そのほかのOSD項目は以下の通り。
注目は一番最後。接続に「LIGHTNING」とあり、iPhone専用の接続が用意されていることがOSDからもわかります。
パネルについて
「INVPM001」を検証していて感じたのは、DELLのノートっぽい感覚です。
なんというか、パネル仕様上ではそれほどでもないのに、ぎらつきがない優しい光で目への負担が少なく、それでいて妙にくっきりしています。
比率 | カバー率 | |
---|---|---|
sRGB | 77.9% | 77.9% |
Adobe RGB | 57.8% | 57.8% |
DCP-P3 | 57.4% | 57.4% |
NTSC | 55.2% | 55.0% |
色域は広くはないものの、エントリー並みに狭いというわけでもなく、言うなればエントリー上位くらいといったところです。
ガンマ特性は比較的まっすぐな線を描いてはいるものの、赤が弱めです。
明るさ | 輝度 |
---|---|
100 | 241 nit |
90 | 209 nit |
80 | 178 nit |
70 | 146 nit |
60 | 118 nit |
50 | 83 nit |
0 | 5 nit |
輝度は0%で5nit、100%で241nitでした。
斜めの表示
斜めからの表示は、表面パネルによるものか、かなり光量が下がります。
実際の表示では45度くらいの角度がつくとちょっと暗くなる程度で、70度くらいから見ても文字は読めますし、実務には影響ないですね。
ノートPCとの比較
ノングレアで落ち着いた表示なので、ノートPC側の表示能力・パネル仕様が問われます。
「IdeaPad 720S」と並べた範囲では、ノート側との差異はそれほど違和感を感じませんでした。
消費電力について
明るさ | 消費電力 |
---|---|
100 | 10.3W |
75 | 8.2W |
50 | 6.5W |
0 | 4.6W |
消費電力は明るさ100の設定で最大10.3W、明るさ0で4.6Wでした。
大きく消費しているわけではありませんが、Type-C一本で接続する場合は重要になる点なので、注意したいところです。
そのほか
実は「INVPM001」で一番感動したのがこれ。
インターフェースが一段引っ込んだ位置にあるので、ケーブルが邪魔することなくノートPCと横並びにできます。
正直、これだけでも「INVPM001」を選ぶ理由になるんじゃないかって思えます。
スタンドを見て思いついてしまい、衝動的に試したのがこれ。
壁掛けディスプレイもどきです。
意外といい感じだったので、うまく固定して使うのはありかもしれません。
もう一つ試したのが、正面から見せないケーブル接続。
こんな感じのアダプタを使います。
こうすることで正面からはほぼ見えない形で接続することができました。
面白いことができる一方、残念な点もありまして、「INVPM001」はスタンド内蔵ゆえ、スタンドカバーが付属していません。
それどころか、スリーブケースの類もないので、保管時にディスプレイ面が傷つく恐れがあります。
なのでがじぇっとりっぷは仕方なくほかのモバイルディスプレイのカバーに依存する形で保管しています。
普通は2台も3台もモバイルディスプレイを持っていないと思うので、何か考える必要がありますね。
まとめ
「INVPM001」はスタンドを内蔵し、ノートPCと横並びにしやすいインターフェース位置など、安価なモバイルディスプレイの中では一歩リードした仕様でした。
横から飛び出たケーブルの干渉って思った以上にイライラするので、こういった構造のモバイルディスプレイが増えるといいなと本気で思います。
ケーブルが充実している反面、カバー・スリーブケースの類がないなど、”モバイル”には必要な要素が足りていなかったりする点は要改善ですね。
トータルの評価としては、2万円以下でモバイルディスプレイを探すならば、有力候補に入れておきたい一台です。
コメント