2022年7月13日、NASメーカーのQNAPは3.5インチ/2.5インチストレージ対応NAS「TS-253E」および「TS-453E」を発表、8月24日ころに国内発売しました。
スペック

■ TS-253E/TS-453E | |
CPU | Celeron J6412 |
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メモリ | 8GB LPDDR4 |
ストレージ | 2ベイ/4ベイ M.2 NVMe SSD×2 |
インターフェース | USB 3.0×2 USB 2.0×2 HDMI×2 2.5GbE 有線LAN×2 |
サイズ | TS-253E:105×225×168mm TS-453E:180×235×177mm |
重さ | TS-253E:1.28kg TS-453E:3kg |
型番 | TS-253E | TS-453E |
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メーカー | QNAP | |
価格 | 109,800円 | 140,800円 |
発売日 | 2022/09 | |
幅 | 105 | 180 |
高さ | 225 | 235 |
奥行き | 168 | 177 |
CPU | Intel Celeron J6412 Quad Core | |
内部フラッシュメモリ | 4GB | |
メモリ | 8GB LPDDR4 | |
最大メモリ | × | |
ホットスワップ | ○ | |
SSD対応 | ○ | |
NIC (1GbE) | 2(2.5GbE) | |
NIC (10GbE) | – | |
LA/PT | ○ | |
USB2.0 | 2 | |
USB3.0 | 2(Gen2) | |
USB type-c | – | |
eSATA | – | |
PCIe | M.2 NVMe ×2 | |
SDカード | – | |
HDMI | 1.4b x2 | |
4K対応 | 4K/30Hz | |
DisplayPort | – | |
S/PDIF | – | |
オーディオジャック | – | |
スピーカー | – | |
赤外線 レシーバー | – | |
ハードウェア 暗号化 | – | |
ハードウェア アクセラレーション | ○ | |
IPカメラ (無償) | 8 | |
IPカメラ (最大) | – | |
仮想化 (VMWare) | ○ | |
仮想化 (Windows) | ○ | |
仮想化 (Citrix) | ○ | |
仮想化 (OpenStack) | ○ | |
仮想マシン (VirtualBox) | ○ | |
仮想マシン (Docker) | ○ | |
対応RAID | 0/1 | 0/1/5/6/10 |
ファイルシステム | EXT4 | EXT4 |
システム ファン | 70mm x 1 | 120mm x 1 |
ノイズレベル | ||
Wi-fi | ||
消費電力 | 18.09W | 33.88W |
重さ | 1.28kg | 3kg |
DTCP+ | ||
DTCP-IP | × | |
DLNA | ○ | |
iSCSIターゲット | ○ | |
iSCSI LUN | ○ | |
ユーザー数 | 4096 | |
グループ数 | 512 | |
並列接続数 | 1500 | |
共有フォルダ | 512 | |
スナップショット | 256 | |
read性能 | 578 | |
write性能 | 576 | |
read性能 (暗号化) | 578 | |
write性能 (暗号化) | 558 | |
備考 |
特徴
「TS-253E/TS-453E」はSMB(Small and Middle Business)向けのエントリークラスに属するNASです。
型番的には「TS-253D/TS-453D」の後継っぽいのですが、「TS-x53D」はSMBミドルクラスで併売されるようなので、型番の似た別シリーズくらいに思った方がいいでしょう。


CPUは強力なもののメモリはオンボード、HDMIは1.4b止まりであるなど、ところどころにエントリークラスらしさが見受けられます。
CPUについて
CPUは組み込み向けCeleronのElkhart Lake世代であるCeleron J6412です。
Elkhart Lake発表時のラインナップには入っていませんでしたが、そのあとに発表されました。

Celeron J6412は4コア4スレッドでTDP10W。
動作周波数はやや高めの2.0GHz、ターボ周波数は低めの2.6GHzです。
PassMarkスコアは4000弱。だいたいCeleron N5105/N5095と同程度です。
メモリ・ストレージについて
メモリはオンボードの8GB LPDDR4。メモリスロットはありません。
エントリークラスながら8GBを搭載する時代になったんだなぁと。
ストレージは2ベイまたは4ベイの2.5/3.5インチに加えて、内部にSSDキャッシュ用のM.2 2280スロットを2スロット備えています。
M.2スロットはPCIe Gen3 x2接続(片方向1.97GB/s程度)です。
「TS-464」ではPCIe Gen3 x1接続(片方向980MB/s程度)なので、よりNVMe SSDの速度を生かせるようになっています。
その他
無線LANはUSBでの対応。
有線LANはデュアル2.5GbEです。
ここがElkhart Lakeを採用した理由と言えますね。
Elkhart Lakeはインターフェースとして2.5GbEを持っています。Jasper LakeなCeleron N5105/N5095は有線LANを持たず、PCIeまたはUSBから変換する必要があります。
そのため、Celeron J6412にすることでM.2 SSDにPCIeレーンを多く割いてもデュアル2.5GbEが可能となっています。
そういえばQNAPは以前は各機種での転送速度を測定していましたが、2.5GbEが主流となってからは提示しなくなりましたね。
Web上では載っていないだけで、YouTubeでの紹介ビデオ内ではリード578MB/s、ライト576MB/s(2.5GbE×2でリンクアグリケーションを組んだ場合)と説明されています。
外観
正面はベイカバーなしです。
新要素として、ベイの上部に吸気口が追加されています。
ベイ上部、上位機種ではPCIeスロットが入る部分にM.2 SSDスロットが配置されています。上で言及した吸気口はこのM.2 SSD用ですね。
M.2 SSDは結構な発熱があるので、吸気口を設けるのは正しいデザイン変更と言えます。
吸気口はボード側にも。
こちらは以前からありました。
背面です。
デュアルHDMIにデュアル2.5GbEにUSBって、なんだかミニPCっぽいです。
製品ページを見ると用途の一番最初に「24時間無休監視ソリューション」が来ていて、デュアルHDMIで複数の監視カメラ映像を同時表示するという使い方が想定されているようです。
Intel CPUなので仮想マシン(VM)でWindowsやLinuxを動かすこともでき、USBにキーボード・マウスをつなぎ、HDMIで出力させることでPC的な使い方も可能です。
増設こそできませんがメモリが8GBあるので、余裕をもって複数の使い方をこなせるでしょう。
まとめ
エントリークラスとは思えない豪華な仕様の「TS-253E/TS-453E」ですが、「TS-253E」が109,800円、「TS-453E」が140,800円と、エントリークラスとは思えない価格です。
産業向けCPUを使っているうえに昨今の円安も合わさっての価格なのでこの価格なのでしょうが、ぶっちゃけ現状だと「TS-253D/TS-453D」の方が安い上にCPU以外の機能が上ですし、同価格帯なら「TS-473A」あたりの方がお得かなぁと。
これで価格が8万円程度(1ドル110円時代ならこのくらいだったと思われます)であれば価格バランスが取れていたのでしょうが…
なんというか、モノはいいのに時代に恵まれなかった不憫な一台と言えます。
あ、その代わり2029年までの供給保証がありいますね。法人・産業向けと考えればこの価格でもいい…のか…?
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