【レビュー】 DELL Inspiron 14 5420:安価でハイパフォーマンス、万人におすすめできる良機種

レビュー

DELLは毎年Inspironシリーズを更新しています。
すでに次世代の「Inspiron 14 5430」が発売していますが、記事執筆現在では併売されています。

「Inspiron 14 5420」はIntel 第12世代Alder Lakeを搭載し、価格はそのままに前世代に比べてパフォーマンスが跳ね上がりました。
そのことを実機を通して確認していきます。

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DELL Inspiron 14 5420

■ Inspiron 14 5420
CPU Core i5-1235U
メモリ 8~16GB DDR4-3200
ストレージ 256GB~1TB NVMe SSD
画面 14.0インチ IPS WUXGA
インターフェース USB Type-C(Gen2)×1
USB 3.0×2
HDMI 1.4
SDXC
オーディオジャック
wi-fi Wi-fi 6E+BT5.2
サイズ 314×227.5×19mm
重さ 1.54kg

GoodPoint
とにかくよく動く
16:10ディスプレイ
フルサイズSDカードリーダー

BadPoint
USB4はおあずけ
キーボード手前の段差が気になる…
いまだにHDMIは4K非対応

パッケージ

内容物
・本体
・電源アダプタ
・電源ケーブル
・ドキュメント類

「Inspiron 14 5420」のインターフェース

■右サイド
・SDカード リーダー
・USB 3.2 Gen1 Type-A
・オーディオ ジャック
■左サイド
・電源ジャック
・HDMI 1.4
・USB 3.2 Gen1 Type-A
・USB 3.2 Gen2 Type C

「Inspiron 14 5420」の内部

「Inspiron 14 5420」はシングルストレージ。メモリは2スロットです。

「Inspiron 14 5420」のディスプレイ

「Inspiron」シリーズは基本カラーはプラチナシルバーとしつつも、モデルが新しくなるたびにカラーリングを変更しています。
「Inspiron 14 5420」ではベゼルは標準的なブラック、ベゼル幅は細めの5.0mmです。

「Inspiron 14 5420」のディスプレイはLG Philips製の「140WU2」、別型番だと「LGD06F9」です。
スペック表では輝度は平均250cd/m²で、色域はNTSC比45%、sRGBカバー率64%**。

旧世代の「5410」のパネルは輝度220nits、コントラスト比800:1、NTSC比47%、sRGBカバー率66%だったので、「5420」のパネルは少し明るくなりました。

参考 LP140WU2(LGD06F9):Panelook

DELLのディスプレイは数値上は低スペックなのですが、表面処理がいいのかすごく見やすく、色域の狭さが気になりません。
見え方が優しいというかギラギラ感がなくて、旧機種同様に長時間使っていても目の負担が少ないように感じます

比率 カバー率
sRGB 61.7% 61.6%
AdobeRGB 45.7% 45.7%
NTSC 43.7% 43.7%
DCP-P3 45.5% 45.5%

実測ではやや低いものの、だいたい仕様通りでした。

ガンマ補正グラフは少々ぶれた直線で、R(赤)とB(青)がやや低め。
DELLにしては少々いまいちなパネルを使っていますね。

斜め方向は上下がやや弱め。反射が入ってくるのでちょっと見づらくなります。

「Inspiron 14 5420」のキーボード

キーボードは「5410」とほぼ同じです。縦が長くなった分、タッチパッドが大型化しました。

キー表面はフラット。
特に打ちにくいわけではありませんが、打ちやすいとも言えず。

それと強く打鍵すると旧機種同様に結構たわみます。ブラインドタッチをする分には気になりませんが、キーを見ながら打つとかなりぼよんぼよんするので気になります。

キーピッチも19.0mmを確保しています。

分かりにくいですが、キーボードバックライトは明るさが2段階に設定可能。
キートップがグレーなので、文字が見にくいということもありません。

気になるのがこの段差。
指に当たるわけではないのですが、なだらかにしても良かったんじゃないかなぁと。

「Inspiron 14 5420」のスピーカー

「Inspiron 14 5420」のスピーカーは底面左右にあり、机面に反射して耳に届きます。

音質は「5410」からかなり変わっていて、テレワーク向きに調整されています
音量がアップしていて人の声がよりはっきり聞こえるようになりました。

人の声中心になったことで低音はかなり削られていています。バスドラムや和太鼓がかなり軽い音になりました。あまりに聞こえないのでノイズキャンセリングされている疑惑が。
中・低音はチープ気味。グランドピアノの音がおもちゃのピアノのような音に。
低音~中音と違って高音はクリアです。

さらに音のコントラストがきつくなり、J-POPなどはボーカルだけが浮いて聞こえるように。
ただ破裂音のエッジが立っているので、聞きやすくはあるのですが耳がちょっと疲れます。

楽曲を聞くならボーカルと楽器のバランスが取れている「5410」の方が向いていますが、ビデオ会議など人の声メインで他はノイズな使い方だと「5420」の方がいいですね。

「Inspiron 14 5420」のパフォーマンス

「Inspiron 14 5420」の搭載CPUはCore i5-1235Uで10コア12スレッドです。

総合

CPU PassMark9(CPU)
Ryzen 5 5600U 168412875
Core i5-11400H 164882700
本機(Core i5-1235U) 140233618
Core i7-11370H 138753045
Core i7-1165G7 134102974
Ryzen 5 4500U 131682730
Core i5-1035G7 112342558
Core i5-1135G7 101512595
Ryzen 3 4300U 91212672
Ryzen 5 3500U 85731876
Core i5-8250U 79752051
Core i5-10210U 78722361
Core i5-7200U 49561820

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

PassMarkは旧バージョン(v9)と新バージョン(v10.1)の両方を掲載。比較グラフはデータの揃っているv9のみです。

Core i5-1235Uはハイブリッド構成の10コア12スレッド。
Pコアは2コアですが、スコア的には4コア8スレッドのCore i5-1135G7比で4割弱も向上しました。

流石に6コア12スレッドなCore i5-11400Hには及んでいませんが、TDP15WのUシリーズでこのスコアが出るのは十分素晴らしい成績と言えます。

また、シングルスレッド性能も4割弱向上しているので、体感速度にも大きく影響しています。

CPU

CPU CINEBENCH R15
Core i5-11400H 1524223
Ryzen 5 5600U 1353223
本機(Core i5-1235U) 1040224
Core i7-1165G7 859227
Ryzen 5 4500U 858177
Core i5-1135G7 693200
Core i5-1035G7 656170
Ryzen 3 4300U 640161
Core i5-10210U 612165
Ryzen 5 3500U 609136
Core i5-8250U 547144
Core i7-10510U 502170
Core i7-8550U 476163
Core i5-7200U 324126
Ryzen 3 3200U 309124

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

CPU CINEBENCH R23
本機(Core i5-11400H) 99791474
Ryzen 5 5600U 79301368
本機(Core i5-1235U) 76621624
Core i7-1165G7 54451522
Ryzen 5 4500U 53931163
Core i5-1135G7 43361338
Ryzen 3 4300U 42231062
Core i5-1035G7 41001119
Core i5-10210U 36531088
Ryzen 5 3500U 3624940
Core i5-8250U 3035906
Core i7-10510U 29641046
Core i5-7200U 1862799
Ryzen 3 3200U 1736773

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

CINEBENCHはR15とR23で傾向が違い、R23では6コア12スレッドのRyzen 5 5600Uに迫るスコアを出しています。
Core i5-1135G7比だと実に80%アップという、トンでもスコアです。

GPU

GPU 3DMark Fire Strike (Graphic)
Core i7-1165G7(8GB×2) 3883
Core i5-1135G7(8GB×2) 3842
本機(8GB×2) 3581
Ryzen 5 4500U(8GB×2) 3247
Core i5-1035G7(8GB×2) 2693
Ryzen 5 3500U(4GB×2) 2355
本機(8GB×1) 2340
Ryzen 5 4500U(8GB×1) 2217
Ryzen 3 4300U(4GB×2) 2209
Core i5-1135G7(8GB×1) 2061
Ryzen 3 3200U(4GB×2) 1289
Core i5-10210U(8GB×2) 1257
Core i5-8250U(8GB×1) 997
Core i5-7200U(4GB×2) 962

GPU 3DMark Time Spy (Graphic)
Core i7-1165G7(8GB×2) 1236
本機(8GB×2) 1153
Core i5-1135G7(8GB×2) 1118
Ryzen 5 4500U(8GB×2) 940
本機(8GB×1) 860
Core i5-1035G7(8GB×2) 801
Ryzen 5 3500U(4GB×2) 776
Core i5-1135G7(8GB×1) 741
Ryzen 3 4300U(4GB×2) 684
Ryzen 5 4500U(8GB×1) 664
Core i5-10210U(8GB×2) 413
Ryzen 3 3200U(4GB×2) 388
Core i5-7200U(4GB×2) 321
Core i5-8250U(8GB×1) 318

グラフィックは第11世代Tiger Lakeと同じXe LPアーキテクチャなので、大きな変化はありません。
底上げはされている感じではありますが、FireStrikeのデュアルチャネルではCore i5-1135G7より低くなったりしています。

後述しますがCPUが熱くなりやすく、だいたいのゲームベンチ(デュアルチャネル時)ではサーマルスロットリングが発生しているようで、Core i5-1135G7より低いスコアとなります。
実使用では特に性能不足を感じませんが、限界まで性能を引き出すには冷却が追い付いていないようです。まぁ、これ以上冷却能力を上げようとするとうるさくなりすぎるんですけど。

ストレージ

ストレージはSamsungのPM991aでした。
なかなかいいやつですね。

参考 PM991/PM991a:SAMSUNG

転送速度はリード3,000MB/s、ライト1,230MB/s。
仕様(リード3100MB/s、ライト1300MB/s)よりやや低いですが、おおむね仕様通りの速度が出ています。

SDカード

「Inspiron 14 5420」はフルサイズのSDカードに対応していますが、挿入時は半分以上が外に出た状態なので、挿しっぱなしでの運用は難しいでしょう。

SDカードはリード24MB/s、ライト23MB/s。
デジカメ程度のデータ移動には使えそうですが、動画ファイルなどは結構厳しいかも。

外観

パッケージ

外箱はいつものDELLですね。

再掲となりますが、パッケージ全体です。

付属品

電源アダプタはミッキープラグ。出力は65Wです。
バレルジャックタイプのDCアダプタですが、「Inspiron 14 5420」はUSB PD給電にも対応しているので、Type-Cを使っていないときや、Type-Cハブ使用時はUSB PD充電器で十分です。

紙類は3種類。

筐体

インターフェースはヒンジ寄りの部分だけです。
パームレスト部の下部にはスピーカー用のスリットが確認できます。

カメラは1080pでスライドシャッター付き
左右にステレオマイクが付いています。

排気口は左右に開いていますが、実際には向かって右側(画像では左側)からしか排気されません。

最大に開いたところ。だいたい135度くらいです。

ヒンジ部の形状はまた変更されました。

ディスプレイの反射波角度がきつくなると顕著に。
逆に言うと、左右からの覗き込みはしづらいです。

旧機種との比較

がじぇっとりっぷでは過去に「Inspiron 14 5402」、「Inspiron 14 5410」をレビューしていますので、比較してみます。

上から順に「5402」、「5410」、「5420」です。
「5420」は画面アスペクト比が16:10となり、奥行きが長くなりました(その分左右が狭くなっています)。

ヒンジ周りの形状もかなり違いますね。

また、カードリーダーがmicroSDからフルサイズSDになったのも「5420」から。これは奥行きが長くなる=基板の幅が取れるようになったってことかなぁと。

ヒンジの形状変化。
全面ゴム→ゴムの突起→全面樹脂の板と変化しました。

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重量

重量はほぼ1.5kg。仕様(1.54kg)よりはわずかに軽いです。

内部構造

底面です。
ここは過去機種とあまり変わりません。

内部全体。

ストレージは2230サイズ。セカンドSSDスペースはありません。

Wi-fiカード

メモリは2スロット。

ADATAのメモリが搭載されていました。

ファンはちょっと面白くて、ヒートパイプの下のフィンが、風の流れに沿うように斜めを向いているんですよね。

SDカードスロットはこんな感じ。
奥行きのスペースに余裕がなく、はみ出すのも仕方ないなぁと。

スピーカーは長方形のフラットスピーカー。

システム

起動前

UEFIは見やすくまとまっています。

恒例のバックアップです。
使用したのは「Macrium Refrect Free」で、バックアップサイズは43.58GBでした。

ちなみにmacriumを使うときは、UEFIからストレージのRAIDモードをオフにする必要があります。

システム情報

デスクトップ

タスクマネージャで見るCPU使用率。
コンシューマ向けなのに12スレッド並ぶのは結構壮観です。

横長で見づらいですが、HWInfo上でのCPU情報。

TDPは15W、PL1は28W、PL2は39Wでした。

マザーボードは「07T4T6」という型番のようです。

無線LANはIntel AX211でWi-fi 6E対応。

独自要素としてDELL謹製の製品管理アプリが入っています。

ゲームベンチマーク

レビュー機のスペック

レビュー機のスペックは以下の通り。

CPU Core i5-1235U(10コア12スレッド)
グラフィック Intel Xe (80EU)
メモリ 8GB /16GB(8GB×2)
ストレージ 256GB

比較対象

[軽量級] DQベンチマーク

設定 メモリ スコア 評価
1920×1080 最高品質 8GB×2 7016 とても快適
8GB×1 5713 快適
1280×720 標準品質 8GB×2 10614 すごく快適
8GB×1 9586 とても快適
DQベンチマーク
Core i7-1165G7(8GB×2) 10398 / すごく快適
Core i5-1135G7(8GB×2) 10382 / すごく快適
Core i5-1035G7(8GB×2) 9703 / とても快適
Ryzen 5 4500U(8GB×2) 9431 / とても快適
本機(8GB×2) 7016 / とても快適
Ryzen 5 3500U(4GB×2) 6861 / 快適
Ryzen 3 4300U(4GB×2) 6043 / 快適
Ryzen 5 4500U(8GB×1) 5722 / 快適
本機(8GB×1) 5713 / 快適
Core i5-1135G7(8GB×1) 5564 / 快適
Core i5-10210U(8GB×2) 5479 / 快適
Ryzen 3 3200U(4GB×2) 4241 / 普通
Core i5-7200U(4GB×2) 3701 / 普通
Core i5-8250U(8GB×1) 3393 / 普通

1920×1080(最高品質)での比較

DQの結果は何度か計測したのですが、いずれも7000前後となぜか振るわず。Core i5-1135G7のスコアを見るに、10,000前後出てもおかしくはないはずなのですが…

[中量級] FF XIV 漆黒のヴィランズ

設定 メモリ スコア 評価
1920×1080 最高品質 8GB×2 2658 やや快適
8GB×1 1538 設定変更
1920×1080 高品質 8GB×2 3574 快適
8GB×1 1959 設定変更
1920×1080 標準 8GB×2 4511 快適
8GB×1 2368 普通
1280×720 高品質 8GB×2 6632 とても快適
8GB×1 3886 快適
1280×720 標準 8GB×2 7794 非常に快適
8GB×1 4476 快適
FF XIV 漆黒のヴィランズ
Core i5-1135G7(8GB×2) 2901 / やや快適
Ryzen 5 4500U(8GB×2) 2685 / やや快適
Core i7-1165G7(8GB×2) 2676 / やや快適
本機(8GB×2) 2658 / やや快適
Core i5-1035G7(8GB×2) 2317 / 普通
Ryzen 5 3500U(4GB×2) 1925 / 普通
Ryzen 3 4300U(4GB×2) 1859 / 普通
Ryzen 5 4500U(8GB×1) 1664 / 普通
本機(8GB×1) 1538 / 設定変更
Core i5-1135G7(8GB×1) 1303 / 設定変更
Core i5-10210U(8GB×2) 1159 / 設定変更
Ryzen 3 3200U(4GB×2) 1152 / 設定変更
Core i5-7200U(4GB×2) 928 / 動作困難
Core i5-8250U(8GB×1) 872 / 動作困難

1920×1080(最高品質)での比較

中量級のFF 14では、同じIris Xeアーキテクチャの第11世代Core i5(計測機種:Inspiron 5402)と比較しても同程度のスコアとなりました。

[重量級] FF XV Windowsエディション

設定 メモリ スコア 評価
1920×1080 高品質 8GB×2 1178 動作困難
8GB×1 711 動作困難
1920×1080 標準品質 8GB×2 1636 動作困難
8GB×1 1037 動作困難
1920×1080 軽量品質 8GB×2 2200 重い
8GB×1 1275 動作困難
1280×720 標準品質 8GB×2 2591 やや重い
8GB×1 1629 動作困難
1280×720 軽量品質 8GB×2 3090 普通
8GB×1 2002 重い
FF XV
Core i5-1135G7(8GB×2) 2733 / やや重い
Core i7-1165G7(8GB×2) 2702 / やや重い
Ryzen 5 4500U(8GB×2) 2606 / やや重い
本機(8GB×2) 2591 / やや重い
Core i5-1135G7(8GB×1) 2001 / 重い
Ryzen 3 4300U(4GB×2) 1914 / 動作困難
Ryzen 5 3500U(4GB×2) 1823 / 動作困難
Ryzen 5 4500U(8GB×1) 1724 / 動作困難
本機(8GB×1) 1629 / 動作困難
Core i5-1035G7(8GB×2) 1543 / 動作困難
Core i5-10210U(8GB×2) 1012 / 動作困難
Ryzen 3 3200U(4GB×2) 1011 / 動作困難
Core i5-8250U(8GB×1) 890 / 動作困難
Core i5-7200U(4GB×2) 867 / 動作困難

1280×720(標準品質)での比較

重量級FF15では、第11世代Core i5(計測機種:Inspiron 5402)に負けています。
一応、直系の後継機になるんですけどねぇ…

なんとなくの感触ですが、熱・冷却回りだけでなく、CPU部分が4コア8スレッドから10コア12スレッドになったことで、CPUとGPUの電力バランスが、CPU寄りになったんじゃないかなぁと。あくまで私見ですが。

消費電力・稼働時間・騒音・温度

消費電力

アイドル時(輝度100%+KB) 9.3-13.6W
アイドル時(輝度100%) 6.0-12.1W
アイドル時(輝度50%) 2.4-11.4W
アイドル時(輝度0%) 0.1-8.2W
画面オフ時 0.1-13.6W
スリープ時 0.03W
充電(アイドル) 48.2W(輝度100%+KB)
充電(電源オフ) 39.1W
CINEBENCH(S) 37.5W
CINEBENCH(M) 51.8W
最大 61.4W
最大(充電中) 65.1W

アイドル時の消費電力はあまり安定せず、結構乱高下が激しいです。
ふと思いついてアイドル時は画面の輝度を変えたり、キーボードバックライト(KB)をつけてみたりしたのですが、キーボードバックライトだけで3W前後と思ったより電気を消費していてびっくりしました。

給電はどうも65Wが上限のようです。何かしらの上限を整えれば超えるかもしれませんが、65Wあれば最大負荷を駆けてもなおちょっとだけ充電できるので、不足はありません。

稼働時間

キー入力のみ 36,561秒(10.1時間)
動画再生 35,350秒(9.8時間)
フルロード 6,980秒(1.94時間)

「bbench」を使って計測した稼働時間(100%→5%)は、アイドル状態で約10.1時間でした。
「Inspiron 14 5402」(Core i5-1135G7)が11.9時間、「Inspiron 14 5410」(Core i7-11370H)が14.2時間だったので、かなり短くなっています。

要因としてはCPUの違い、そしてディスプレイが変更されたこと辺りが考えられます。

騒音

状況 音量 聞こえ方
電源オフ 34.8dB
アイドル 34.8dB 無音
最大 46.0dB 川の瀬のような音

騒音レベル[dB] 音の大きさのめやす 自室内の聞き騒音
うるさい 70 掃除機
騒々しい街頭
非常にうるさい
60 普通の会話・チャイム
時速40キロの自動車の内部
非常に大きく聞こえうるさい
声を大きくすれば会話ができる
普通 50 エアコンの室外機
静かな事務所
大きく聞こえる
通常の会話は可能
40 深夜の市内
図書館
多少大きく聞こえる
通常の会話は十分に可能
静か 30 ささやき声
深夜の郊外
非常に小さく聞こえる
20 ささやき
木の葉のふれあう音
ほとんど聞こえない

「Inspiron 14 5420」はアイドル時はファンが止まり、無音です。
割と低い負荷でもファンは回り、CINRBENCHのシングルスレッドベンチでも、2分程度で全開となります。

音は山中の川の瀬とか、勢いが一定な大雨の音のような感じで、それなりの騒音にはなりますが不快感はありません。

温度

CPUは最大96度。Core2~6はなぜか温度が上がりません。
結構あっさりと限界近い温度に達するので、もしかするとこの辺りがベンチマークスコアが伸びきれない原因なのかもしれません。

表面温度は最大で43度程度。
熱くはないものの、長時間指を置いていると少し不快に感じます
といってもパームレストまで熱が回らず手のひらは置きっぱなしにできるので、打鍵パフォーマンスが下がるほどではありません。

まとめ

「Inspiron 14 5420」というか第12世代Alder Lakeは、計算処理が強力になった分、グラフィック回りが割を食う形となっていました。
とはいえそれこそゲームでもするのでなければ十分なグラフィック性能は確保できているので、メリットの方が大きいですね。

バッテリーの稼働時間が短くなったのはデメリットですが、その分画面が広くなったと考えれば相殺できる範囲です。
評価としては「さすがDELLのメインストリームだけあって出来がいい」といったところでしょう。

レビュー公開が遅くなってそろそろ終売しそうですが、次のモデルの「5430」はメモリオンボードに変更されています。
大容量メモリを求める場合は「5420」の方が向いているわけで、メモリ32GBとかを考えているのであれば、今のうちに確保しておいた方がよさそうです。

関連リンク

付録

ベンチマーク結果一覧

メーカー DELL DELL
モデル名 Inspiron 5420 Inspiron 5420
CPU Core i5-1235U Core i5-1235U
GPU Iris Xe Iris Xe
メモリ 8GB×1 8GB×2
ストレージ 256GB 256GB
PassMark 9 Total 5022.2
CPU Single 3618
CPU Multi 14023.2
2D 1119.1
3D 1881.1
Memory 2092.5
Disk 11492
PassMark 10 Total 2434.1 3287.4
CPU Single 3611 2886
CPU Multi 13619.9 11358.2
2D 249.2 400.3
3D 1852 2336.9
Memory 2215.1 2842.7
Disk 4410.6 4178.7
3DMark TimeSpy 970 1297
Graphics 860 1153
CPU 3563 4446
FireStrike 2085 3248
Graphics 2340 3581
Phisics 13253 13589
Combined 677 1145
NightRaid 8681 11919
Grapihics 9235 14070
CPU 6481 6388
SkyDiver 8885 11544
Graphic 8851 11709
Phisics 10140 11225
Combined 7687 10865
CloudGate 13041 16921
Graphics 15469 22535
Phisics 8418 9040
IceStorm 66328 97730
Graphics 66688 109562
Phisics 65100 70923
IceStormEX 51062 73374
Graphics 47264 75252
Phisics 71044 67483
IceStormUnlimited 128218 137152
Graphics 160132 177982
Phisics 75532 76073
3DMark TimeSpy 959 1277
Graphics 851 1137
CPU 3484 4294
FireStrike 2070 3238
Graphics 2311 3578
Phisics 12968 13292
Combined 681 1138
NightRaid 8675 11808
Grapihics 9121 14006
CPU 6796 6251
CINEBENCH R15 OpenGL 73.58fps 95.27fps
CPU(M) 1040cd 1113cd
CPU(S) 224cd 223cd
CINEBENCH R20 CPU(M) 2954pts 2928pts
CPU(S) 630pts 605pts
CINEBENCH R23 CPU(M) 7662pts 7511pts
CPU(S) 1624pts 1568pts
CPU-Z Single 646.5 644.5
Multi 4118.8 4027.6
CrystalMark Mark 535606 531110
ALU 228498 217827
FPU 104532 101489
MEM 82376 109311
HDD 64690 42251
GDI 28836 32959
D2D 4061 4328
OGL 22613 22945
GeekBench4 Single 6688 7171
Multi 22147 26170
OpenCL 27037 38850
OpenCL(dGPU)
GeekBench5 Single 1518 1556
Multi 4913 6109
OpenCL 9818 12844
OpenCL(dGPU)
PCMark ALL 5145 5165
Essensial 9922 10020
Productivity 7144 6994
DigitalContent 5125 5338
VR Mark 1037 1700
DQ(DX9) 1920・最高 5713
快適
7016
とても快適
1280・標準 9586
とても快適
10614
すごく快適
FF XIV(DX11)
紅蓮
1920・最高 1584
設定変更
2641
やや快適
1920・高 2079
普通
3679
快適
1920・標準 2528
やや快適
4704
快適
1280・高 4235
快適
6775
とても快適
1280・標準 4454
快適
8139
非常に快適
FF XIV(DX11)
漆黒の反逆者
1920・最高 1538
設定変更
2658
やや快適
1920・高 1959
設定変更
3574
快適
1920・標準 2368
普通
4511
快適
1280・高 3886
快適
6632
とても快適
1280・標準 4476
快適
7794
非常に快適
FF XIV(DX11)
暁月の終焉
1920・最高 1595
設定変更
2693
設定変更推
1920・高 2066
設定変更
3615
設定変更推
1920・標準 2509
設定変更推
4667
普通
1280・高 3969
設定変更
6498
やや快適
1280・標準 4673
普通
7978
やや快適
FF XV(DX11) 1920・高 711
動作困難
1178
動作困難
1920・標準 1037
動作困難
1636
動作困難
1920・軽量 1275
動作困難
2200
重い
1280・標準 1629
動作困難
2591
やや重い
1280・軽量 2002
重い
3090
普通
MHF(DX10)
大討伐
1920 3684
1280 6782
ブラウザ jetstream2 227.515
BaseMark 221.51
WebXPRT 310
WebXPRT4 231
MotionMark 687.37
SpeedMeter2.0 247
octane 76831

ベンチマーク結果画像

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