2023年11月13日、ASUSTORはRealtek RTD1619Bを搭載した2ベイNAS「AS3302T v2 (DRIVESTOR 2 Pro Gen2)」および4ベイNAS「AS3304T v2 (DRIVESTOR 4 Pro Gen2)」を発表、11月22日に発売しました。
発売から記事化まで半年以上経っていますが、単純に見落としです。
スペック
AS3302Tv2/AS3304Tv2 | |
CPU | Realtek RTD1619B |
---|---|
メモリ | 2GB DDR4 |
ストレージ | 2ベイ/4ベイ 8GB eMMC |
インターフェース | USB 3.2 Gen1×3 2.5GbE×1 |
サイズ | AS3302Tv2:114×170×230mm AS3304Tv2:174×170×230mm |
重さ | 1.6kg/2.2kg |
特徴
「AS3302Tv2/AS3304Tv2」は2021年に発売した「AS3302T/AS3304T」のアップデート製品です。
違いはシンプルにSoCのみ。
SoC
「AS3302Tv2/AS3304Tv2」のSoCはRealtek RTD1619B。
「AS3302T/AS3304T」はRealtek RTD1296で、同じ4コアですがアーキテクチャがCortex-A53からCortex-A55に変更、さらに動作周波数が1.4GHzから1.7GHzに向上しています。
GPUにMali-G51を搭載していますが、「AS3302Tv2/AS3304Tv2」には映像出力はありません。
RTD1619BはエントリークラスのNASでよく採用されていて、TerraMaster「F2-212」やSynology「DS223/DS223j」などでも使われています。
ブロックダイアグラムはこんな感じです。ネイティブでPCIeと排他なSATAを2ポート持っています。
性能についてはRTD1619Bのベンチマークデータが全く見当たらず。
“B”のないRTD1619(6コア、1.3GHz)がGeekBench5でマルチ360なので、4コア(3分の2)にして動作周波数差(1.3GHz→1.7GHz)をかけると、推定313という数字になります。
Atom x5-Z8350が370なので、それより一回り低い程度ですね。
基本はストレージ機能に専念させて、アプリを一つ二つ動かせる程度の性能と考えれば良さそうです。
メモリとストレージ
メモリはオンボードの2GB DDR4。増設は非対応です。
ストレージは2.5/3.5インチが2ベイ/4ベイ。
昨今のミドル~ハイエンドNASのような内部M.2スロットはありません。
その他
無線LANは非対応。
有線LANは2.5GbEが1ポート。
他のRTD1619B搭載NASは1GbEだったので、SoC的に2.5GbE以上ができないのかと思っていましたが、そんなことはなかった模様。
電源アダプタは「AS3302Tv2」が65W、「AS3304Tv2」が90W。
消費電力はそれぞれ13.1W、25.1Wとされているので、かなり余裕を持った出力となっています。
OSは独自(と言ってもLinuxベース)のADM。
セキュリティ面に力を入れていて、NASの状態監視をするDr. ASUSTORやクラウドバックアップ、コールドバックアップのMyArchiveなど、データ保護の手段を多く用意しています。
ファイルシステムはEXT4の他にBtrfsにも対応。
外観
基本的にSoCのアップデートだけなので、外観は「AS3302T/AS3304T」と変わりません。
インターフェースは映像出力はなく、USB3.2 Gen1が計3ポート、有線LANは2.5GbE。
前面カバーを外すとHDDベイ。
ツールレス、スクリューレスでHDDを固定できます。
まとめ
「AS3302Tv2」のAmazon価格は42,048円、「AS3304Tv2」が57,900円。
参考までに「AS3302T」は33,800円前後、「AS3304T」は46,000円前後。当時のドル円は108~110円です。
「AS3302Tv2」は269ドルなので、110円/ドルだったらおそらく「AS3302T」と同水準だったものと思われます。
円換算の価格は上がってしまったものの、メモリ2GBで2.5GbEというアドバンテージがありますし、他社と比べても極端に高いわけでもありません。
SoC性能が上がった分、Dockerのコンテナを一つ増やすとかもできますし、エントリークラスとしては結構いいんじゃないでしょうか。
ちなみに前世代「AS3302T/AS3304T」はAmazon取り扱いはなくなったものの、サードパーティ出品者(というか直販)はされていて、しかもほぼ当時の価格で販売されています。
SoCのアップデートがなくてもいいって場合は、前世代を選ぶのも手ですね。
関連リンク
リリースノート:ASUSTOR
製品ページ(AS3302Tv2):ASUSTOR
製品ページ(AS3304Tv2):ASUSTOR
コメント