2GBで25ドルから。Radxa「ROCK 3C」はRK3566搭載でM.2 SSD対応なSBC

シングルボード

2023年3月16日、RadxaはRockchip RK3566を搭載したSBC「ROCK 3C」を発売しました。
めっちゃ紹介忘れてました。

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スペック

■ ROCK 3C
CPURockchip RK3566
メモリ2~8GB LPDDR4
ストレージM.2 Key-M(2230)
eMMC
microSD
インターフェースUSB Type-C(電源)×1
USB 3.0×1
USB 2.0×3
HDMI
1GbE 有線LAN
オーディオジャック
wi-fiWi-fi 6+BT5.4
サイズ85×56mm
重さ1.3kg

特徴

「ROCK 3C」は位置づけ的には「ROCK 3A」のWi-fi内蔵モデル、といったところになります。

これは期待。Radxa「ROCK 3A」はラズパイサイズのRK3568搭載で35ドルから

インターフェース面ではRaspberry Pi 3互換で、かつRaspberry Pi 3より高機能な製品となります。

SoC

「ROCK 3C」のSoCはRockchip RK3566
構成としては4コアの1.6GHz Cortex-A55に、GPUはMali-G52 2EE、さらに0.8TOPSのNPUも搭載しています。

同SoCはRadxa「Zero 3W」にも搭載されています。

最安15ドルから!Radxa「Zero 3W」は8GB+64GBでも65ドルなRK3566搭載SBC

RK3566はタブレットですが以前にベンチマークを行っています。

【レビュー】 Blackview Tab 8 Wifi:使い方に悩む変わり種SoC搭載タブレット

AnTuTu(v9)は総合11万点。Geekbench5ではシングル160点、マルチ500点くらいになる模様。

メジャーなところだとマルチスレッド性能はRaspberry Pi 4が近いレベルとされています。

メモリとストレージ

「ROCK 3C」のメモリは1GB~8GBのLPDDR4。記事執筆時点で販売されているのは2GB~8GBです。

ストレージはmicroSD、eMMC(ソケットのみ用意)、そしてM.2 2230 SSD
サイズ限定とはいえ、M.2 SSDが使えるのは心強いですね。

その他

無線LANはWi-fi 6(802.11ax)対応。Bluetoothはv5.4に対応。
もとはAP6256(Wi-fi 5(802.11ac)+BT5.0)でしたが、途中でRadxa独自開発のD8ワイヤレスモジュール(Wi-fi 6+BT5.4)に変更されました

ここで悩ましい事態が。旧版(AP6256モデル)は実は販売代理店のOKDOが技適を取得しているんですよね。
なので国内で使う分には旧版のほうがありがたいのだけれど、旧版はすでにOKDOでしか買えない模様。しかも1GBと2GBモデルしか扱っていないし、結構割高です。

参考 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(214-230083):総務省

有線LANは1GbE。PoE HATを使うことでPoE(Power over Ethernet)に対応します。

電源はType-Cで、5V/3A。SSDを使う場合は5V/5A推奨となっています。

外観

インターフェースです。
基板の色は最初は緑でしたが途中から青に。調べた限り、基板色以外の違いはなさそうです。

4ポートあるUSBのうち、真ん中下はUSB3.0。
「ROCK 3A」が2ポートなのに対し、「ROCK 3C」は1ポートに減りましたが、Raspberry Pi 3はUSB2.0のみであることを考えればないよりましです。

代わりに、「ROCK 3A」ではWi-fiカード用だったM.2 Key-Eスロットが、M.2 Key-Mに変更。2230サイズ限定で速度もPCIe2.1 x1接続(片方向500MB/s)ながらM.2 SSDに対応しました。
SBCにつきものの「microSD壊れやすい問題」を回避し、かつ転送速度が高速になる安易な手段が用意されているのは素晴らしいですね。

※最近はOSをRAM化してmicroSDへのアクセスを減らすことで壊れるまでの期間を延ばすという手法がよくとられているようですが、物理的に使わないに越したことはありません。

まとめ

Radcaは2024年3月にAliExpressに公式ストアを構えています。
「ROCK 3C」のAliExpressでの価格は以下の通り(日本円表記は記事執筆時レート)。また、送料が別途7.28ドル(約1,100~1,200円)かかります

2GB:24.95ドル (3,985円)
4GB:34.88ドル (5,571円)
8GB:45.88ドル (7,327円)

Raspberry Pi 4が35ドル(1GBモデル)であることを考えると、かつてのRaspberry Pi (1~3)の最低価格である25ドルスタートは、素晴らしいですね。しかもメモリは2GB。

Raspberry Piはハイスペック化&高価格化を続け、下位は旧製品(Raspberry Pi 3)の併売で埋めるというスタンスをとっています。
枯れた技術と安定性という点ではその方針は間違っていませんが、USB3.0が使いたいとか、Wi-fi 5/6で接続したいとかいう要望には応えられませんし、Raspberry Pi 3も1GBモデルで35ドルなので価格競争力が微妙だったりします。

メモリ2GBで25ドル、USB3.0があってWi-fi 5/6にも対応して何ならM.2 SSDまで使える「ROCK 3C」は、スペック面だけなら何気に25ドルSBCの中でも最強かもしれません。
知見とソフトウェア面はどうやってもラズパイには勝てないんですけどね…

SoCの性能だけなら、「ROCK 5C/5C Lite」という手もあります。

30ドルスタート。Radxa「ROCK 5C/5C Lite」はボードは同じでSoCが異なる兄弟SBC

ワンランク上の価格帯(35ドル~)になりますが、性能面はツーランク上くらいで、Raspberry Pi 5用HATが使えます(その代わり、M.2 SSDはHATが必要)。

関連リンク

公式ページ:Radxa
公式ストア:AliExpress
ニュースリリース:Radxa

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