方向性が違う.HIGOLE「F9B」は2.5GbEに4G/LTE対応な7インチ液晶内蔵のIntel N100搭載ミニPC

国内未発表

2024年6月10日、ミニPCメーカーのHIGOLEは、Intel N100に7インチ液晶を内蔵したミニPC「F9B」を発表、AliExpressで発売しました。

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スペック

■ HIGOLE F9B
CPUIntel N100
メモリ16GB LPDDR4-3200
ストレージ256GB eMMC
画面7.0インチ IPS WXGA
インターフェースUSB Type-C(3.0)×1
USB 3.0×2
USB 2.0×2
HDMI
2.5GbE 有線LAN×2
microSD
オーディオジャック
wi-fiWi-fi 5+BT5.0
バッテリー5,000mAh/7.6V
サイズ173×116×23mm
重さ560g

特徴

HIGOLEは液晶付きミニPCの火付け役である「GOLE1」を発売したメーカーです。
「GOLE1 PRO」をファンディングした際のQ&A内で、「GOLE1はサードパーティ経由でファンディングを行い、GOLE1 PROはオフィシャルのHIGOLE名義でファンディングを行った」(意訳)とコメントしています。

HIGOLEは国内ではHigolePCの名称でAmazonで販売を行っており、「GOLE1 PRO」のほか、Celeron N5095を搭載した「GOLE2 PRO」(グローバルでは「GOLE M2 Pro」)を販売しています。

なお、先日紹介したSZBOX「S7」は同じ7インチ液晶内蔵ミニPCですが、リリースのタイミングが近かっただけで無関係です。筐体も全く別設計です。

ちょっと大きめ。SZBOX「S7」は7インチLCD内蔵のIntel N100ミニPC

CPU

「F9B」のCPUはIntel N100
いわゆるEコアのみが使われていて、4コア4スレッドとなります。

CPUPassMark(Multi)
Ryzen 7 5825U(8C/16T)18382
Ryzen 5 5625U(6C/12T)14969
Core i3-1215U(6C/8T)11028
Core i7-1165G7(4C/8T)10270
Core i3-N305(8C/8T)10090
Core i5-1135G7(4C/8T)9813
Ryzen 5 7520U(4C/8T)9307
Core i3-1115G4(2C/4T)6098
Intel N97(4C/4T)5853
Core i5-8250U(4C/8T)5885
Intel N100(4C/4T)5536
Intel N95(4C/4T)5377
Intel N200(4C/4T)5145
Celeron N5105(4C/4T)4058
Celeron N5100(4C/4T)3295
Celeron J4125(4C/4T)2959
Celeron N4100(4C/4T)2442
GPUFireStrike(Graphics)
Core i7-1165G75013
Ryzen 7 5825U3924
Core i5-1135G73671
Ryzen 5 5625U3401
Core i3-1215U2974
Core i3-1115G42337
Core i3-N3051878
Intel N971617
Ryzen 5 7520U(4C/8T)1547
Intel N2001380
Intel N1001180
Core i5-8250U1166
Intel N951086
Celeron N51051085
Celeron J4125412
Celeron N4120303

PassMark3DMarkの集計値に基づいています

性能的には計算・グラフィックともにおおむねCore i5-8250Uと同等程度
Intel N100は2023年のCPUですが、2017年のメインストリームクラスと並ぶわけで、6年の差を感じます。

また実際にIntel N100やN95を搭載したミニPCをレビューしていますが、ゲーム性能は低いものの、ネットサーフィンを中心とした通常利用の範囲であれば、ストレスを感じない程度にサクサク動きました。

【レビュー】 MINISFORUM UN100D:フルパワーでもほぼ無音!ちょっとお高めなだけのことはあるIntel N100搭載ミニPC
【レビュー】 NiPoGi GK3Plus:やや大型だけど熱対策されていて静音なN95搭載ミニPC

メモリとストレージ

メモリは16GB LPDDR4-3200。ストレージは256GB eMMC。M.2 SSDではありませんが、Intel N100だとそこまで差は感じないかと。
メモリ・ストレージともに換装・増設はできないものと思われます。

その他

無線LANはWi-fi 5(802.11ac)対応。チップはRealtek RTL8821CE-VCで1T1Rとのことなので、最大433Mbpsです。Bluetoothはv5.0までの対応です。
弱めの無線LANとは変わって、有線LANはデュアル2.5GbEと豪華。チップはRealtek RTL8125BG-CG(PCIe to 2.5gbEチップ)です。Intel N100の持つPCIeをこっちに使ったので、ストレージがeMMCなのだと思われます。

一番のポイントといえるのが、4G/LTEに対応していることでしょう。
miniPCIeカードの形で提供され、主要バンドは対応しています。
ただし、技適は認証していないと思われます。

「F9B」は初代「GOLE1」からの伝統とばかりに、5,000mAh/7.6V(=38WHr)のバッテリーを内蔵
バッテリーでの動作時間は5時間、動画視聴なら8時間としています。

電源はバレルジャックで12V/3A。また、Type-Cからの入力もでき、PD 3.1に対応します。

外観

本体です。
ディスプレイは7.0インチWXGA(1280×800)。IPSパネルで輝度は300ANSIとされています。

インターフェース。
なぜか「F9B Pro(512GBで4G/LTEなし)」のものが使われています

「F9B」だとこんな感じにSIMスロットがあります

六面図ならぬ五面図。
先に紹介したSZBOX「S7」とは違ってスタンドはありません。

本体と合わせてトリプルディスプレイに対応。

冷却はファンを内蔵。

よくわからないのが、このメイン画像。
主要なポイントが記載されていますが…

HEIGAOLAPCってなに…?

他にも、説明画像がCeleron N5095だったりと、いかにもな中華メーカーしぐさがあちこちに残っているんですよね…
「GOLE1」から実績のあるメーカーなのでモノはきちんとしているでしょうが、怪しさが漂ってるのはもったいないところ。

まとめ

「F9B」の価格は292.36ドル(記事執筆時レートで47,576円)。
4G/LTEがあるので、国内に来たとしても4G/LTEのない「F9B Pro」になるかも。

「S7」はスタンドもあってモバイルで切るサブPCっぽい感じでしたが、「F9B」は2.5GbEを活用した監視サーバーとか、ちょっと方向性が違うように見えます。

もしもこれで技適認証済みの4G/LTEカードを内蔵して発売されたりしたら、面白いことになりそうではありますが…そもそものパイが小さいから、そこまでコストをかけることはなさそう…

関連リンク

HIGOLE F9B 7-inch Mini PC, Intel 12th Gen Alder Lake-N100:HIGOLE
販売ページ:Aliexpress

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