2024年7月10日、MINISFORUMはRyzen 9 7945HXにRadeon RX7600M XTを搭載したゲーミングミニPC「G7 Pt」の予約を開始しました。
スペック

■ G7 Pt | |
CPU | Ryzen 9 7945HX |
---|---|
GPU | Radeon RX7600M XT(8GB) |
メモリ | 0/32GB DDR5-5200 |
ストレージ | 0/1TB NVMe SSD |
インターフェース | USB Type-C(Gen2)×2 USB 3.2 Gen2×4 HDMI 2.1 DisplayPort 2.0 2.5GbE 有線LAN オーディオジャック×3 |
wi-fi | Wi-fi 7+BT5.4 |
サイズ | 268×153.5×61mm |
特徴
AtomManはMINISFORUMのハイエンドブランドで、実験的・AI向けのXシリーズと、ゲーミング向けのGシリーズの2シリーズからなります。
「G7 Pt」は名前の通りGシリーズ。中身もハイエンドと呼ぶにふさわしい構成となっています。
Xシリーズは以前に紹介した「X7 Ti」がそれですね。

CPUとGPU
「G7 Pt」のCPUはRyzen 9 7945HX。
Ryzen 7000シリーズ最上位の7045シリーズ、かつその最上位となります。(一応さらに上位にRyzen 9 7945HX3Dがあるものの、採用例は見当たらず)

7045シリーズはデスクトップ向けCPUをノートPC用にパッケージングしたもので、Ryzen 8000シリーズにはないグレード。
Ryzen 9 7945HXは16コア32スレッドという、ミニPCにあるまじきレベルのCPUです。
一方で内蔵GPUは2CUと貧弱でdGPUが必須。「G7 Pt」ではdGPUとしてRadeon RX7600M XTを搭載します。
CPUは圧倒的。PassMarkのCPUスコアに限定すれば、デスクトップ向けのCore i7-14700F(スコア:44600)を大きく引き離し、Core i7-14700K(スコア:54500)を上回ります。これほんとにミニPCに搭載していいの…?
CPUに比べればdGPUは常識的というか、モバイル向けRTX 4050とモバイル向けRTX 4060のちょうど中間くらい。
ただ「G7 Pt」の場合はTGP(グラボ版TDP)が120Wとされています(CPUはバランスモードで65W、パフォーマンスモードで85W)。
Radeon RX 7600M XTはTGPの設定範囲が75~120W、つまり「G7 Pt」では最大値で設定されているわけで、平均より高いスコアを出す可能性は高いです。
上位スコアは28000~30000くらいなので、「G7 Pt」もそのくらいは出るかも。
なお、Radeon RX 7600M XTの上は7700Mと7800Mをすっ飛ばしてRadeon RX 7900M(スコア:37400)になり、TGP(TDPのグラボ版)が160~200Wと跳ね上がるので搭載は難しく、実質的にRyzen 9 7945HX+Radeon RX 7600M XTの組み合わせがオールAMDなミニPCとしての到達点と言えそうです。
メモリとストレージ
「G7 Pt」はベアボーン(メモリ・ストレージ・OSライセンスなし)と完成品が用意されています。
完成品のメモリは32GB DDR5-5400。2スロットで換装可能(最大96GB)です。
ストレージは1TB Gen4 SSD。
Ryzen 7045シリーズは中身はデスクトップ向けCPUということで、デスクトップ向けRyzenと同じくPCIe Gen5に対応しています。
そのため、「G7 Pt」のM.2 SSDはGen5+Gen4の2スロット構成となっています。
同じRyzen 7045シリーズを採用したCPUオンボードマザボ「BD770i/BD790i」ではデュアルGen5 SSD+PCIe Gen5スロットだったことを考えると、「G7 Pt」でもデュアルGen5 SSDをできそうなものですが…

その他
無線LANはWi-fi 7(802.11be)に対応。把握している限りではミニPCでは「X7 Ti」に次いで2機種目と思われます。
有線LANは2.5GbEが1ポート。
電源はDC19Vとだけ書かれていて、出力は不明。まぁ200W以下ということはないでしょう。
外観
本体は縦長。
とはいっても「NUCXi7」のように薄さは追及していません。

インターフェース。dGPUにSSDにと盛大にPCIeレーンを消費しているので、USB4までは無理だった模様。
Type-Cはリア端子だけ映像出力に対応。HDMIとDisplayPortと合わせてトリプルディスプレイができます。
オーディオはフロントにコンボジャック、リアにLINE OUTとMIC IN。この辺りは配信者にも配慮といったところでしょうか。
内部的にはとにかく冷却。Cold Wave Ultra冷却構造により、最大205W(CPU85W+GPU120W)の冷却能力を持っています。
なので、内部の半分以上が冷却構造に費やされています。
CPUとGPUは8パイプのヒートシンクを使い、裏側はメモリとストレージをデュアルファンで冷却します。
合計4つのファンがあるのに、騒音は45dBで収まるようです(といっても45dBはそこそこうるさいのですが)。
側面には「UM780XTX」で(少なくとも日本語圏では)いまいち評判の悪かったバックライトエッチングシート。
…諦めてなかったのか…
まとめ
「G7 Pt」の予約価格はベアボーンで172,780円、32GB+1TBの完成品で207,180円。Amazonはクーポン込み209,774円なので、ちょっと高め。
まぁ大体想定通りの価格くらいですね。
ゲーミングデスクトップ(BTO)だとCore i7-14700F+GeForce RTX 4060で20万弱。
おそらくGPUは同等程度の性能となり、それでいてCPUは大幅に勝っているので、トータルで見ればゲーミングデスクトップとよりもちょっといい程度のコスパ感になるとみてよさそうです。
…これだけ小型化してフルサイズデスクトップよりコスパがいいのか…
関連リンク
製品ページ:MINISFORUM
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