2024年8月9日、ASUSはCore Ultra 9 185HにGeForce RTX 4070を搭載したミニPC「ROG NUC 960」と、下位(Core Ultra 7 155H+RTX 4060)の「ROG NUC 760」を発売しました。
スペック
■ ROG NUC 960 / 760 | |
CPU | Core Ultra 9 185H Core Ultra 7 155H |
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GPU | GeForce RTX 4070 laptop(8GB) GeForce RTX 4060 laptop(8GB) |
メモリ | 16/32GB DDR5-5600 |
ストレージ | 512GB/1TB M.2 Gen4 SSD |
インターフェース | USB Type-C(TB4)×1 USB3.2 Gen2×4 USB2.0×2 HDMI 2.1×1 DisplayPort 1.4a×2 2.5GbE 有線LAN×2 SDXCカードリーダー オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6E+BT5.3 |
電源 | 330W |
サイズ | 270×180×50mm |
重さ | 2.6kg |
特徴
「ROG NUC 960/760」は、ASUSがIntelから譲渡を受けたNUC事業から誕生した製品で、見た目はかつてIntelが発売した「Skull Canyon」や「Hades Canyon」、「Phantom Canyon」を彷彿とさせます。
一般的な正方形型のNUCは一足先、5月30日に発売されています。
CPU
「ROG NUC 960/760」のCPUはCore Ultra(コードネーム:Meteor Lake)世代からCore Ultra 9 185H/Core Ultra 7 155Hを搭載します。
Core UltraはCPUコアを4nm相当のIntel 4、それ以外を5nm/6nmのTSMC N5/N6で製造する、タイル(チップレット)構造となっています。
ハイブリッドアーキテクチャはP+E+LPEの3層になり、グラフィックアーキテクチャがIntel ArcベースのXe-LPGに、さらにNPUも内蔵しました。
グラフィックはモバイル向けのGeForce RTX 4070または4060。
どちらもグラフィックメモリは8GB GDDR6で、TGP(TDPのグラフィック版)はRTX 4070が115W+25W、RTX 4060が110W+25Wです。
+25WはDynamic Boostによるもの。CPUとの電力バランスを調整して、GPUに最大25W多く割り当てることができます。
PassMarkのCPUスコアは、飛び抜けているCore i9 HXシリーズを除けば、モバイル向けCPUの中では最高クラスと言えます。
グラフィックはコア数と動作周波数を抑えたモバイル向けなので、デスクトップ向けと比べるとワンランク半落ちたスコアとなります。
なので、RTX 4070(Mobile)はデスクトップ向けのRTX 4060とRTX 4060 Tiの間、RTX 4060寄りくらいの性能となります。
メモリとストレージ
メモリは16GBまたは32GB DDR5-5600。2スロットで、最大64GB(32GB×2)まで換装可能とされていますが、多分96GB(48GB×2)もいけます。
ストレージは512GBまたは1TBのGen4 SSD。内部的には2280+2230(どちらもGen4)のデュアルストレージに対応しています。
内部的にはトリプルGen4 SSDスロットに対応し、2枚のM.2 SSDを増設できます。
その他
無線LANはWi-Fi 6E(802.11ax)対応。Bluetoothはv5.3です。
チップはゲーミング向けのKillerブランド(Killerを展開していたRivet Networksは2020年にIntelが買収し、ブランドだけ残っている)。型番まで記載がないものの、AX1675と思われます。
有線LANは2.5GbE。こちらはIntelチップです。
電源アダプタは「960/760」共通で330W。さすがに小型化は進んでいないようで、本体の半分くらいのサイズがあります。
外観
本体です。
厚さは50mmと平たく、フットプリント(270×180mm)はB5用紙(257×182mm)からちょっとはみ出すくらいです。
スタンドが付属し、縦置き・横置きどちらにも対応します。
インターフェース。
dGPUを内蔵するので、映像出力端子が多め。Thunderbolt4も使えばクアッドディスプレイに対応します。
内部アクセスはねじ一本外せば、あとはツールレスで行けるようです。
ちなみに光るロゴはASUS AURA Sync対応、ライトを隠すための交換用プレートも付属します。
まとめ
「ROG NUC」の価格は上位の「960」が355,600円、下位の「760」が276,600円。
似たような製品としてはMINISFORUM「AtomMan G7 Pt」がありますが、こちらはRyzen+Radeonの組み合わせ。
CPUはぶっ飛んでいるものの、グラフィックはRTX 4060 Mobileにも及ばず、ゲームタイトルの最適化もGeForceほど進んでいません。
ゲーマーが望んでいた安定のIntel+GeForceなゲーミングミニPC、値段はかなりのものですが、記事執筆時点では公式ストアは在庫切れ、Amazonでも在庫僅少となっていることからも、人気が高いようです。
ただ、事業継承をしている以上、箱型でデスクトップ向けGPUを搭載可能な「NUC Extreme Kit」の後継機が出てくる気がするんですよね…まぁ、代を重ねるごとにでかくなっていて、ミニPCのカテゴリじゃないだろってサイズになっていますが。
(ちなみにIntel時代に発売された「NUC 13 Extreme Kit」は現在はASUSがサポートしています)
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