2024年7月12日、ミニPCメーカーのMINISFORUMは、 Core Ultra 5 125H(コードネーム:Meteor Lake)を搭載したミニPC「UH125 Pro」を発売しました。
スペック
■ UH125 Pro | |
CPU | Core Ultra 5 125H |
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メモリ | 32GB DDR5-5600 |
ストレージ | 1TB M.2 Gen4 SSD |
インターフェース | USB Type-C(USB4)×2 USB3.2 Gen2×2 USB3.2 Gen1×1 USB2.0×1 OCulink×1 HDMI 2.1 DisplayPort 2.0 5GbE 有線LAN×2 オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6E+BT5.3 |
電源 | 120W |
サイズ | 145×145×54mm |
重さ | 800g |
特徴
「UH125 Pro」はMINISFORUMでは上位ブランドの「AtomMan X7 Ti」(Core Ultra 9 185H搭載)に次ぐ2機種目となります。
見比べる限り、どうもボード自体は「AtomMan X7 Ti」と同じものを使っているようで、実質的に「AtomMan X7 Ti」の廉価版と言えます。
廉価版なのにボードが共通なので、インターフェースが上位クラス相当となっています。
CPU
「UH125 Pro」のCPUはCore Ultra(コードネーム:Meteor Lake)世代からCore Ultra 5 125Hを搭載します。
Core UltraはCPUコアを4nm相当のIntel 4、それ以外を5nm/6nmのTSMC N5/N6で製造する、タイル(チップレット)構造となっています。
ハイブリッドアーキテクチャはP+E+LPEの3層になり、グラフィックアーキテクチャがIntel ArcベースのXe-LPGに、さらにNPUも内蔵しました。
PassMarkのCPUスコアは20,000オーバー。通常使用の範囲では十分以上で、不足はそうそう感じないでしょう。
グラフィックはAMD 780M(Ryzne 7 7840Uなどのグラフィック)と同等スコア。ただし、実機レビューではドライバが未成熟なのか、AMD 780Mに比べると劣るという評価が多いようです。
メモリとストレージ
メモリは32GB DDR5-5600。2スロットで、最大96GB(48GB×2)まで換装可能。
ストレージは1TB Gen4 SSD。内部的には2280+2230(どちらもGen4)のデュアルストレージに対応しています。
その他
無線LANはWi-Fi 6E(802.11ax)対応。Bluetoothはv5.3です。
「AtomMan X7 Ti」はWi-fi 7+BT5.4なので、ここはコストを抑えてきました。
有線LANは5GBE×2。2.5GbEではなく、5GbEです。
スイッチやハブは5GbEまでというのは少ないので、十全に性能を発揮させるためには10GbEで構築することになるでしょう。
電源アダプタは120W(19V/6.32A)。
外観
外観は一般的なミニPCとだいたい同じ…ではなく、ボタンが二つあります。
片方は電源ボタン、もう片方はなんとCopilot ボタンです。これ、押す人いるんだろうか…?
インターフェースは「AtomMan X7 Ti」と同じ。
デュアル5GbEにOCuLink(※)もあります。USB4も前後の2ポートです。
OCuLinkは完全独立で、セカンドM.2スロットと排他利用…なんてこともありません。
側面にはSDカードスロットがあり、転送速度は最大60MB/sとされています。
※ OCuLinkとはUSB4/Thunderbolt3(40Gbps)を超える64Gbpsで接続できる規格です。実質的にPCIe x4レーンを外出ししているだけなので、ホットスワップには非対応なのがマイナスポイント。
冷却面は相変化放熱モジュールと3本の銅製ヒートパイプを使用。騒音はパフォーマンスモードでも37dB以下としています。
M.2 SSDは2280と2230が一直線に並び、一つのヒートシンクで冷やされます。
冷え冷えエフェクトで分かりにくいですが、これも「AtomMan X7 Ti」と同じもののようです。
まとめ
「UH125 Pro」の価格は記事執筆時点で公式ストアではベアボーンが69,980円、完成品が97,980円。Amazonだとクーポン込み99,330円。
国内で販売されているCore Ultra搭載ミニPCとしては最安値となります。ちなみにミニPC以外も含めれば、MSI「Claw」が最安値ですね。
「AtomMan X7 Ti」(146,980円)のほぼ2/3の価格なので、廉価版として見ても十分に安くなっているといえます。
なお、次世代CPUのArrow Lakeは2024年4Q発表予定。例年通りなら10月ですが、Meteor Lakeが12月にずれ込んでいたので、遅くなるかもしれません。
Arrow LakeのCPUアーキテクチャはPコアがハイパースレッディング非対応(マルチコア化が進んだのでお役御免となった)のLion Coveに更新、EコアはSkymontに、グラフィックはXe2となる予定です。SoC TileのLP EコアとNPUが、Meteor Lakeから変更がないポイントとなります。
さらに半年後(2025年2~3Q)にはNPUを更新したArrow Lake Refreshが登場するとか。
つまりこの先1年は入れ替わりが激しくなることが予想されるので、待たずに好きなタイミングで購入してしまっていいでしょう。
ちなみに、Copilot+ PC対応として話題になることの多いLunar Lake(2024年3Q発表予定)は、現在までのリーク情報だと8コア8スレッド(4P4E、ハイパースレッディング廃止)でPL1は17W(Core Ultra 9のみ30W)とされています。
つまりはUシリーズ相当なのでここでは関係ないですね。
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