機能を入れすぎないという選択。Hardkernel「ODROID-M2」はRK3588S2搭載のロープロSBC

シングルボード

2024年8月22日、SBCメーカーの韓国Hardkernelは、Rockchip RK3588S2を搭載したSBC「ODROID-M2」を発売しました。

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スペック

■ ODROID-M2
CPURockchip RK3588S2
メモリ8~16GB LPDDR5
ストレージ64GB eMMC
M.2 Key-M(Gen2.1 x1)
インターフェースUSB Type-C(3.0)×1
USB 3.0×1
USB 2.0×1
HDMI
1GbE 有線LAN
microSDXC
オーディオジャック
wi-fiなし
サイズ90×90×21mm
重さ78g(ヒートシンク込)

特徴

「ODROID-M2」は「ODROID-M1/M1S」におけるフィードバックを受けて作られた、ハイパフォーマンスモデルです。

コンパクト化したよ。 Hardkernel「ODROID-M1S」は「M1」の性能をあまり変えずサイズがほぼ半分に
ストレージが強い。Hardkernel「ODROID-M1」はRK3568搭載で70ドルから

HardkernelはB2Bが売り上げの80%で、顧客からの要望(比較的小型のフォームファクターで必要な機能のみを安価に製造する)に基づいた設計、部品のチョイスを行っています。

SoC

「ODROID-M2」のSoC(System on Chip)はRockchip RK3588S2
採用例にはRadxa「ROCK 5C」があります。

30ドルスタート。Radxa「ROCK 5C/5C Lite」はボードは同じでSoCが異なる兄弟SBC

モノとしてはRK3588Sとだいたい同じで、MIPI-CSIの構成が違う程度です。

両社のブロック図を見比べても、ほとんど差異はありません。
性能に関してもRK3588Sに準じると考えていいかと。

「ODROID-M1」のRK3568B2と比較すると、おおよそ3倍以上のスコアとなっています。

ほか、グラフィックは5倍以上、NPUは3倍以上としていますが、RK3568B2は0.8TOPS、RK3588S2は6TOPSなので、3倍どころじゃない…と思うところですが、ボトルネック(DRAM)と内部バッファの制限により一般的な YOLOv5 モデルで3TOPSを達成することすら容易ではないそう。
それなら3倍以上という数字も納得です。

メモリとストレージ

メモリは8GBまたは16GBのLPDDR5。速度の記載がないので、固定ではなくその時に安価に手に入る規格になるのかも。

ストレージは64GBのeMMC、microSD、そしてM.2 SSD(2280のみ)。なお、NVMeのみでM.2 SATAは使えません。
M.2 SSDはPCIe2.1 x1接続。「ODROID-M1」ではPCIe3.0 x2だったので、速度的には1/4となりますが、400MB/s程度は出るので大きな問題とはならないでしょう。

なお、eMMCはシーケンシャルで260MB/s程度とのこと。

ちなみにRK3588S2ではなくRK3588であればPCIe3.0が使えますが、必要な機能のみを安価に製造する(Hardkernelの売上の80%がB2Bで、主要顧客が望む製品の開発が優先)ためにRK3588S2を選択したそうです。

その他

無線LANはなし。有線LANは1GbE

OSはAndroid 13とUbuntu 20.04 LTSをサポートします。
Factory Installerというものが入っていて、KhadasのOOWOWのようにポチポチ選択していくだけでインストールできるようです。

参考 ODROID-M2:ODROID wiki

電源は12V DCジャック(5.5/2.1mm)。USB PDは非対応です。

外観

A Rockchip RK3588S2 CPU
B 2 x LPDDR5 chips
C 1 x 64GB eMMC on-board
D 1 x Ethernet Transformer
E 1 x RJ45 Ethernet Port (10/100/1000)
F 1 x USB 3.0 Type C with Alt-mod DP
G 1 x USB 2.0 host
H 1 x HDMI
I 1 x USB 3.0 host
J 1x DC Power Jack
K 1 x MIPI DSI 4 Lanes
L 1 x M.2 LED Indicator
M 1 x Micro-SD Slot
P 1 x Power Button
O 1 x Reset Button
P 40 x GPIO Pins
Q 14 x GPIO Pins
R 1 x RTC backup battery holder
S 1 x UART for System Console
T 1 x M.2. M-KEY PCIe2.1 1 Lane
U 1x Slide Switch (Boot mode select)

インターフェースは多すぎず少なすぎず。
「ODROID-M1/M1S」のフィードバックではほとんどの組込みシステムで十分という評価だったそうで、インターフェース構成は「ODROID-M1S」とほぼ同じとなっています。

ヒートシンクを装着するとこんな感じ。
フィン埋め込みタイプのファンで、トータルの厚みは21mmとかなりの薄型です。

このケースも無料で付属します。

まとめ

「ODROID-M2」の価格はメモリ8GBが115ドルメモリ16GBが145ドル。後日発売予定となっていますがメモリ4GBが95ドルです。

電源は別(5.5ドル)ですが、ファン付きヒートシンクとケースがセットでこの価格は悪くないかと。
他にゲームキューブ風のケース(28ドル)、マウンタ付きの8インチLCD(1280×800、39ドル)など、いくつかの周辺機器が用意されています。

B2B向けなので無線LAN非対応とかUSB PD非対応とか使いにくいところはありますが、有線LAN前提の組み込みなどではかなり良さそうです。

関連リンク

ODROID-M2 with 8GByte RAM:Hardkernel
ODROID-M2 with 16GByte RAM:Hardkernel
リリースノート:ODROID forum

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