2024年7月18日、RadxaはRockchip RK3528Aを搭載するSBC「ROCK 2F」を発売しました。
スペック
| ■ ROCK 2F | |
| CPU | Rockchip RK3528A |
|---|---|
| メモリ | 1～4GB LPDDR4 |
| ストレージ | 0～32GB eMMC |
| インターフェース | USB Type-C(2.0)×1 USB2.0×2 HDMI AV Out microSD |
| wi-fi | Wi-fi 6/BT5.4 |
| サイズ | 65×56mm |
特徴
「ROCK 2F」は先に紹介した「ROCK 2A」の姉妹品で、Radxaの「ROCK」シリーズの中でもエントリークラスとなるSBC(シングルボードコンピューター)です。
立ち位置的には「Raspberry Pi 3 Model B」に対する「Raspberry Pi 3 Model A+」みたいな感じです。
SoC
「ROCK 2F」の搭載SoCはRockchip RK3528A。
4コアのCortex-A53にGPUとしてMali-450 MP2を搭載します。構成的にはAmlogic S905Xと同じです。
正確なリリース日は不明ですが、Mobile World Congress 2023(2023年2月27日～3月2日)で参考展示されていたこと、データシートのRev1.0が2023年7月、あたりから搭載製品は2023年末くらいから出始めたようです。
ブロックダイアグラム図です。
参考 RK3528A データシート ※PDF
“A”のつかないRK3528と比べると、CPUとGPUは変わらず、新たにLPDDR4Xに対応、USB2.0 OTG→USB3.0 OTG、CANインターフェースの削除、などが違っています。
性能については”A”のつかないRK3528でGeekBench 6のスコアがシングル130～150、マルチ360～400くらい。
ざっくりとですがAmlogic S905Xとは同程度、Celeron N3150よりちょっと遅い程度で、Raspberry Pi 3以上、Raspberry Pi 4以下くらいになりそう。
GUIでバリバリ操作する…なんて使い方はちょっと難しいですが、CUIベースなら何とかなるかなぁってとこですね。
メモリとストレージ
メモリは1GBから4GBのLPDDR4。
ストレージはmicroSD。eMMCは、配線パターンはあるものの、実装はされていません。
その他
無線LANはWi-fi 6(802.11ax)対応。Bluetoothはv5.4に対応します。技適は…ないだろうなぁ…
有線LANはありません。
電源はType-Cですが、入力は5Vのみ。電源ポートはデータ転送(USB2.0)にも対応します。
OSはAndroid、Ubuntu、Debian、OpenWrtなどに対応しますが、現在のところ公式で用意されているのはDebian 11(bullseye)のイメージ(「ROCK 2A」と共通)のみとなっています。
外観
インターフェースです。
見た目も「Raspberry Pi 3 Model A+」に近い感じですね。
インターフェースのダイアグラム図。
「ROCK 2A」ではUSB3.0とPCIe2.1 x1のFPCコネクタは排他利用でしたが、「ROCK 2F」はUSB3.0がないので、PCIeが占有できます。
「Penta SATA HAT」にも対応します(画像は「ROCK 3C」)が、ボードサイズが65×56mmなので、サイズ的に頭でっかちになります。
なお、「PoE HAT」はそもそもLANポートがないので使用できません。
まとめ
「ROCK 2F」の価格は公式ストア(Arace)で以下の通り。
1GB：1,500円
2GB：2,200円
4GB：3,700円
「ROCK 2A」も安いと思っていましたが、それ以上に安価です。利益出るんだろうか…？
ラズパイやラズパイZeroの置き換えは数あれど、「Raspberry Pi 3 Model A+」の代替品はほとんど見ないので、ニッチながらうまいところを突いてきたなぁと。
「Raspberry Pi 3 Model A+」は登場時点(2018年11月)時点での供給予定が2023年6月まで。
2021年～2022年頃の半導体不足でスケジュールがかなりずれ込んでいて今も販売されていますが、いつ生産終了になってもおかしくありません。
そういう意味ではタイミングも悪くないですし、「ROCK 2A」と同じく、少なくとも2033年9月までの提供を保証するというのは、長期的利用の観点からありがたいなと。
これ、現場によっては対抗馬のいない製品になったりしそう…
関連リンク
ROCK 2F：Radxa
ROCK 2F：Radxa Documentation Center
Product Brief：Radxa ※PDF
ROCK 2 Series：github
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