2024年7月15日、ミニPCメーカーのBeelinkは、Core Ultra Series 1を搭載したミニPC「GTi14 Ultra」をグローバル発売しました。
国内発売は1か月後の8月15日のようです。
また、下位モデルとしてCore i9-12900Hを搭載した「GTi12 Ultra」があります。
スペック

■ GTi14 Ultra | |
CPU | Core Ultra 9 185H Core Ultra 7 155H |
---|---|
メモリ | 32GB DDR5-5600 |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
インターフェース | USB Type-C(TB4)×1 USB Type-C(Gen2)×1 USB 3.2 Gen2×5 HDMI DisplayPort 1.4a 2.5GbE 有線LAN×2 SDカードスロット オーディオジャック×2 |
wi-fi | Wi-fi 7+BT5.4 |
サイズ | 158×158×55.8mm |
重さ | 1.3kg |
特徴
「GTi14 Ultra」は、ミニPCとしては珍しい電源内蔵タイプです。
「GTi14 Ultra」以外だと、電源内蔵はLenovo「IdeaCentre Mini Gen8」くらいしか知りません。

145Wと出力が高めなので、Core Ultra 9 185Hでも性能をフルに出し切ることができるでしょう。
電源以外にも他では見かけないギミックが詰め込まれていて、ミニPCメーカーの知見をすべてつぎ込んだと言える一台に仕上がっています。
CPU
「GTi14 Ultra」CPUは、Core Ultra Series 1(コードネーム:Meteor Lake)から、Core Ultra 9 185HまたはCore Ultra 7 155Hを搭載します。

Core UltraはSeries 2が発表済みですが、TDP17W(最上位だけ30W)のモバイル向け特化(これまでのUシリーズ相当)であり、TDP28W以上のHシリーズについてはもうしばらくSeries 1が使われます。

CPU性能非常に高く、Core Ultra 9 185Hは最上位のHXクラスに肉薄しています。
下位のCore Ultra 7 155Hでもスコア25,000弱と、モバイル系CPUとしては十分に上位クラスです。
ちなみにCore Ultra 9 185HはTDP45W(35-115W)、Core Ultra 7 155HはTDP28W(20-115W)という差があり、これがスコア差となっています。
「GTi12 Ultra」のCore i9-12900Hは2世代前となりますが、CPUスコア的には十分現役ですね。
グラフィックは比較的強力ですが、CPU差はほぼなし。登場当初は実ゲームは最適化が進んでおらず、ベンチマークだけとか言われていましたが、さすがに一年経った現在ではマシになっていると思われます。
メモリとストレージ
メモリは32GB(16GB×2) DDR5-5600。画像を見る限りだと、Crucial製となるようです。
2スロットタイプなので、最大96GB(48GB×2)まで増設できます。
ストレージは1TB Gen4 SSD。内部的にはデュアルGen4 SSDが可能です。
その他
無線LANはWi-fi 7(802.11be)。チップはIntel BE200で、Bluetoothはv5.4。
有線LANはデュアル2.5GbE(チップの記載なし)です。
電源は前述の通り内蔵の145W。電源ケーブルはメガネケーブルです。
電源ユニットの横に映っているのが、ビルトインスピーカー。出力は不明ですが、本格的なスピーカー内蔵というのは初めて聞いたかも。
他のギミックとしては、PCIeスロット、ダストフィルターに分割ボードなど。
外観
本体は、見た目は普通のミニPCです。
電源内蔵のため、158×158×55.8mmと、一般的なミニPCより一回り大きいサイズ。
カラーはフロストシルバーとスペースグレイの2色がありますが、国内販売モデルはフロストシルバーのみのようです。
インターフェース。
よくよく見るとUSBがType-C×2+Type-A×5と多く、しかもすべてUSB3.2 Gen2(10Gbps)以上と拡張性は高めです。
筐体が大柄なので、フルサイズのSDカードリーダーまで内蔵しています。
それと、電源ボタンに指紋リーダーが内蔵されているのも、ミニPCとしては珍しいです。
底面は全体がメッシュで吸気口となっています。
目を引くのが、PCIeスロットと書かれた部分。
内部イメージです。メモリ・SSDとダストフィルターの間にある電源ユニットとスピーカーユニットは省かれています。
分かりにくいですが、ボードの右端にPCIeスロットが実装されています。どう使うのかというと…
「GTi14 Ultra」には専用のドッキングステーションが用意されていて、PCIe x8で直結できるようになっています。
記載はありませんが、接続はCPUの仕様的にPCIe Gen5 x8になるんじゃないかと。
ドッキングステーションと合体したところ。
ドッキングステーションには600W電源が内蔵されていて、RTX 4080まで対応します。RTX 4090も動作するようですが、パフォーマンスのロスがないのはRTX 4080までとされています。
電源内蔵なので、実運用時でもこの画像にGPU用の電源ケーブルが加わった程度の見栄えとなります。
ちなみに合体時はプレートで固定。GPUも固定プレートが用意されています。
またドッキングステーションにはSSDまたはWi-fiモジュールを搭載可能。
…Wi-fi搭載って必要なの?と思いましたが、内蔵のフィルムアンテナではなく、外部アンテナを使えるというところがミソなのでしょう。
話を本体に戻すと、「GTi14 Ultra」の持つギミックの中でも、大きいのが冷却面。
ボードの下の部分(前面側)が分割され、段差を作ることで底面から天面側にあるファンへ直接吸気ができるようになっています。
エアフローがボードと筐体の隙間しかないミニPCに比べれば圧倒的に流量が多いわけで、無理に吸い込み力を高める必要がなく、ファンの低回転、低騒音に大きく寄与しています。
PCIeスロットといい、構造が変態すぎない…?
電源内蔵なのでパッケージはシンプル。
吸気が底面だけなので、VESAマウントは想定されておらず、マウンタも付属しません。
まとめ
「GTi14 Ultra」の公式ストア価格は以下の通り。カッコ内は記事執筆時点のAmazonでのクーポン込み価格。
Core Ultra 9 185Hモデル:140,775円 (141,999円)
Core Ultra 7 155Hモデル:130,052円 (130,999円)
ドッキングステーション:24,356円
ドッキングステーション+185Hモデル:151,387円
ドッキングステーション+155Hモデル:140,977円
参考:「GTi12 Ultra」+ドッキングステーション:109,748円
Core Ultra搭載ミニPCは数が少なく価格比較は難しいのですが、これだけ変態ギミックを詰め込んでいる割には高くはない値付けと言えます。
特にCore Ultra 9 185Hモデルはちょっと安いかもと感じるくらいですね。
ライバルはKhadas「Mind 2」と「Mind Graphics」くらいでしょうか。

ドッキングステーションが国内未発売なのでセット買いは公式ストアでしかできませんが、どうせ買うならセット運用したいところ。
比較的コンパクトに本格的なデスクトップ環境を構築できるというのは、魅力的です。
しかしこれ、もうちょっと話題になってもいいと思うんだけどなぁ…国内入手性の悪さが課題か…
関連リンク
Beelink GTi14 Ultra (Core UItra 9 185H):Beelink
Beelink GTi14 Ultra (Core UItra 7 155H):Beelink
Beelink GTi Ultra Series & EX Docking Station Bundle:Beelink
Beelink Multi-Functional EX Docking Station:Beelink
Beelink GTi12 Ultra:Beelink
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