2024年9月14日、GEEKOMはCore Ultra Hシリーズを搭載したミニPC「GT1 Mega」を発表、9月20日に発売しました。
スペック

■ GT1 Mega | |
CPU | Core Ultra 9 185H Core Ultra 7 155H |
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メモリ | 32GB DDR5-5600 |
ストレージ | 1~2TB NVMe SSD |
インターフェース | USB Type-C(TB4)×2 USB3.2 Gen2×5 USB2.0×1 OCuLink×1 HDMI2.0×2 SDXC 2.5GbE 有線LAN×2 オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 7+BT5.4 |
電源 | 120W DC-In |
サイズ | 135×132×46.9mm |
特徴
Core Ultra Series1を搭載したミニPCというのは先例がありますが、その多くはCore Ultra 5 125Hです。
がじぇっとりっぷが知る限り、Core Ultra 9 185Hを搭載したミニPCは、MINISFORUM「AtomMan X7 Ti」、ASUS「ROG NUC 960」、One-Netbook「ONEXPLAYER M1」に次ぐ4製品目で、スタンダードなスタイルのミニPCとしては「GT1 Mega」が初となります。



Core Ultra 7 155HだとミニPCとは違いますが、MSI「Claw A1M」が加わりますね。

CPUとGPU
「GT1 Mega」のCPUはCore Ultra Series 1(コードネーム:Meteor Lake)からCore Ultra 9 185HまたはCore Ultra 7 155Hを搭載します。
製品仕様上ではCore Ultra 5 125Hモデルもあるようですが、記事執筆時点では購入できるラインナップに入っていません。

Core Ultra 9 185HとCore Ultra 7 155Hは16コア22スレッド(6P8E2LPE)、Core Ultra 5 125Hは14コア18スレッド(4P8E2LPE)です。
ちなみにCore Ultra Series 2(コードネーム:Lunar Lake)はすでに発表済みですが、Uシリーズ相当にターゲットを絞ったシリーズなので、Hシリーズは引き続きMeteor Lakeが担当します。

性能面ではHXシリーズには届かないものの、HシリーズとしてはCore i9-13900Hを上回って最高クラス。
Core Ultra 7 155Hのスコアが低めですが、Core Ultra 9 185HはTDPが45-115W、Core Ultra 7 155Hは28-64Wと差をつけていることが如実に表れていますね。
グラフィック性能は、ベンチマーク上は良好なものの、ドライバの最適化不足か、実ゲームだとAMD 780M(Ryzen 7 8845HS/Ryzen 7 7840HS)に劣ることが多かったとされています。
比較的新しいベンチマークを見ると、低負荷時はRyzenより高スコアで、高負荷時は落ち込みが激しく、逆転される傾向にあるようです。
メモリとストレージ
「GT1 Mega」のメモリは32GB DDR5-5600。SO-DIMM×2スロットで最大64GB(32GB×2)まで換装可能。
ストレージはCore Ultra 9モデルが2TB、Core Ultra 7モデルが1TBで、どちらもM.2 Gen4 SSD。
内部的には2280 Gen4+2242 SATAのデュアルストレージに対応しています。
その他
無線LANはWi-fi 7(802.11be)対応。地味にGEEKOM初のWi-fi 7機っぽい。Bluetoothはv5.4です。
有線LANはデュアル2.5GbE。チップに関する言及はありません。
電源は120W。19V/6.32AのDC-Inです。おそらく性能に制限がかかることになりますが、USB PD給電にも対応しているようです。
外観
本体です。
見た目的にはスタンダードなミニPCですが、実は135×132×46.9mmと一回り大きいサイズ。NUCのサイズ感が浸透する中で、大型化するというのは結構な決断ですね。
参考までに、「MINI IT13」は117mm×112mm×49.2mm、「A7」は112.4×112.4×37mmでした。


インターフェース。
背面は平均的なNUCサイズのハイエンドミニPCと比べると、LANポートが一つ多いです。
前面のUSB3.2 Gen2×4ポートは初めて見るかも。
最近ではWeb会議におけるマイク・WebカメラなどUSB機器を複数つなぐ機会も増えているので、現代事情に合わせた変化といえそうです。
内部はこんな感じ。
前面いっぱいにUSBを並べたことで、M.2 SSDのスペースを確保するために大型化が必要になったことが分かります。
…コイン電池の位置を変えれば、デュアル2280にできたんじゃないかなぁ…?そこだけがちょっと惜しいかも。
またハイエンド機ではありますが、最近増えてきたデュアルファン構成(システムファン&SSDファン)ではありません。
パッケージ内容。
「A7」と同じ、120Wながら小型の電源アダプタとなっています。
まとめ
「GT1 Mega」の価格は記事執筆時点の公式ストア価格で、Core Ultra 9モデルが139,900円、Core Ultra 7 155Hモデルが119,000円です。
Core Ultra機はCPUが高いのか全体的に高額となる傾向がある中で、この価格はかなり抑えていると言えます。
そのうえGEEKOMは保証が3年と長めなので、サポート費を考えるとちょっと安いくらいかも。
実のところ、発表前日の9月3日に「MEGAMINI G1」のKickstarterでのファンディングが始まり、日本でのファンディング開始を待っている中での登場だったので、がじぇっとりっぷの中では「違う、お前じゃない」扱いでした。

よくよく見たらサイズと引き換えに実用性を高めたモデルだったわけですが…やっぱり登場タイミング悪いよ…
関連リンク
GEEKOM NUC GT1 MEGA:GEEKOM
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