2024年11月13日、NASメーカーのASUSTOR(本社:台湾)は、M.2 SSD専用NAS「FLASHSTOR 12 Pro Gen2 (FS6812X)」および「FLASHSTOR 6 Gen2 (FS6806X)」を発表しました。国内向けの発表は11月19日。製品はすでにAmazonで販売が始まっています。
スペック
■ FLASHSTOR FS6812X/FS6806X | |
CPU | Ryzen V3C14 |
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メモリ | 16GB DDR5-4800 (FS6812X) 8GB DDR5-4800 (FS6806X) |
ストレージ | 8GB eMMC M.2 NVMe×12ベイ (FS6812X) M.2 NVMe×6ベイ (FS6806X) |
インターフェース | USB 3.2 Gen2×3 10GbE 有線LAN×2 (FS6812X) 10GbE 有線LAN×1 (FS6806X) |
wi-fi | なし |
サイズ | 308.26×193×48.3mm |
重さ | 1.45kg (FS6812X) 1.4kg (FS6806X) |
特徴
「FS6812X/FS6806X」はGen2とあるように、「Flashstor FS6712X/FS6706T」の後継機です。
CPUがCeleron N5105からRyzen V3C14へとパワーアップし、上位の「FS6812X」は10GbEが1ポートから2ポートに、下位の「FS6806X」は2.5GbE×2から10GbE×1へと強化、さらに両モデルともにUSB4×2を備えたことで拡張性もアップ。全面的にパワーアップ(ついでに価格もアップ)しています。
CPU
「FS6812X/FS6806X」のCPUはRyzen V3C14。
Ryzen Embedded V3000シリーズに属するCPUで、Zen3アーキテクチャの4コア8スレッド、ベース周波数2.3GHz、最大周波数3.8GHzなCPUです。
組み込み向けということでインターフェース周りが充実しており、ネイティブで10GbE×2と、USB4×2、PCIe Gen4を20レーン(x8+x4×3)持っています。
となると、内部的にはGen4 x8かGen4 x4で接続していますね。
また、組み込み向けCPUということでECCメモリにも対応。システムの安定性と信頼性が向上しました。
参考 AMD Ryzen Embedded V3C14:AMDサポート
性能についてはベンチマークが全く見当たらないのですが、同じZen3で4コア8スレッドなRyzen 3 5400U(2.6GHz/4.0GHz)のPassMarkスコアが11,000であることを考えると、推定でPassMark:10,000前後ですね。
前世代のCeleron N5105のPassMarkスコアが4,000強なので、CPU性能的には2.5倍くらいになりそう。
メモリとストレージ
メモリは16GBまたは8GB DDR5-4800。内部的には2スロットで、最大64GB(32GB×2)まで対応します。
標準メモリにはECCの記載はないので、通常のSO-DIMMメモリと思われます。
ストレージは、OS領域として8GB eMMC。データ領域はM.2 SSD(Gen4対応)が12スロットまたは6スロット。
記事執筆時点の市販のM.2 SSDの最大容量は8TBなので、1台で最大96TBが出来るという。
その他
無線LANは非搭載。
有線LANは前述の通り、「FS6812X」が10GbE×2、「FS6806X」が10GbE×1です。
転送速度は「FS6812X」がリード2,159MB/s、ライト1,095MB/sで、「FS6806X」がリード1,179MB/s、ライト1,181MB/sとなっています。
…「FS6812X」のライト、遅くない?PCIe to NVMeチップの限界?
電源は「FS6812X」が120W、「FS6806X」が90Wと、差があります。
「FS6712X」の90W、「FS6706T」の65Wから比べると増えました。CPUの強化分だけでなく、最近のSSDの消費電力増加(Gen4 SSDは製品によっては最大7.5Wになることもある)も考慮するとこのくらいになるのでしょう。
外観
本体は正面からだと「FS6812X」と「FS6806X」は見た目同じです。
上が「FS6812X」、下が「FS6806X」。
10GbEポートが二つか一つかだけの違いとなっています。
内部はシステム部とSSD部で分かれ、それぞれにファンを備えています。
まとめ
「FS6812X」の価格は238,000円、「FS6806X」は169,000円。
発売時の「FS6712X」(129,000円)、「FS6706T」(72,900円)からだいたい2倍となっています。
最大12枚は現状唯一無二のフラッシュNASで性能が推定2.5倍とはいえ、ちょっと高すぎでは…?
さすがにここまで差があると、当面は先代モデルも併売されそうです。
モノとしてはロマンが溢れるだけに、高嶺の花となるのはちょっと残念ですが…ロマンとはそういうものと割り切って…いや、やっぱ割り切れないかな…
関連リンク
FLASHSTOR 12 Pro Gen2 (FS6812X):ASUSTOR
FLASHSTOR 6 Gen2 (FS6806X):ASUSTOR
プレスリリース:ASUSTOR
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