2024年5月9日、Banana Pi teamはRockchip RK3576を搭載したSBC「BPI-M5 Pro」を発表、7月頃に発売しました。
スペック
■ BPI-M5 Pro | |
CPU | Rockchip RK3576 |
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メモリ | 8~16GB LPDDR4x |
ストレージ | 32~128GB eMMC M.2 Key-M(2280) |
インターフェース | USB Type-C(電源)×1 USB Type-C(2.0)×1 USB 3.0×1 USB 2.0×1 HDMI 1GbE 有線LAN×2 microSDXC |
wi-fi | Wi-fi 6/BT5.2 |
サイズ | 92×62mm |
特徴
「BPI-M5 Pro」は型番的に「BPI-M5」の派生的上位モデルのように見えますが、どちらかというと「BPI-M7」の姉妹モデルと呼んだ方が近いボードです。
「BPI-M5」はAmlogic S905X3でラズパイフォームファクターですし、むしろ「BPI-M7 Lite」とかの方が分かりやすかったんじゃないかなぁと思ったり。
SoC
「BPI-M5 Pro」のSoCはRockchip RK3576。当ブログでは初登場となるSoCです。
4コアのCortex-A72と4コアのCortex-A53からなる8コアCPUに、GPUはMali-G52 MC3、6TOPS(INT8)のNPUで構成されています。
位置づけ的にはRK3588とRK3399の間を埋めるSoCとなりますね。
RK3588 | RK3576 | RK3399 | RK3568 | |
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CPU | A76@2.2GHz×4 A55@1.8GHz×4 | A72@2.2GHz×4 A53@1.8GHz×4 | A72@1.8GHz×2 A53@1.4GHz×4 | A55@1.8GHz×4 |
CPU-DMIPS | 93k | 58k | 30k | 20k |
GPU | G610 MC4@1.0GHz | G52 MC3@1.0GHz | T864@800NHz | G52 MC1@800MHz |
GFLOPS(FP32) | 512 | 145 | 103 | 39 |
NPU(TOPS) | 6.0 | 6.0 | 0.0 | 1.0 |
DRAM | LP4/LP4X-4266 LP5-5500 最大32GB | LP4/LP4X-4266 LP5-4800 最大16GB | DDR3/LP3-1866 LP4-1866 最大4GB | DDR3/LP3-2133 DDR4/LP4/LP4X-3200 最大8GB |
Flash | eMMC5.1 HS400 | UFS2.0 eMMC5.1 HS400 | eMMC5.1 HS400 | eMMC5.1 HS200 |
Video | D: 8K60 H264/H265/VP9/AVS2 D: 4K60 AV1 E: 8K30 H264/H265 | D: 4K120 H264/H265/VP9 D: 4K120 AV1/AVS2 E: 4K30 H264/H265 | D: 4K60 H264/H265/VP9 E: 2K30 H264 | D: 4K60 H264/H265/VP9 E: 2K60 H264/H265 |
Display | 最大 8K/60 4K×3+2K×1 | 最大 4K/60 2.5K+2.5K+2K or 4K+2K | 最大 4K/60 4K+2.5K | 最大 4K/60 4K+2.5K+1080p |
Camera | ISP: 16MP×2 MIPI: 4lane×4 | ISP: 16MP×1 MIPI: 4lane×2+DVP | ISP: 14MP×2 MIPI: 4lane×2+DVP | ISP: 8MP×1 MIPI: 4lane×2+DVP |
Connectivity | PCIe x5/USB3/Type-C×2 SATA GMAC×2 | PCIe x2/USB3.1/Type-C×1 SATA×2 GMAC×2/CAN×2/I3C×2 | PCIe x1/USB3/Type-C×2 | PCIe x3/USB3 SATA GMAC×2 |
Package | FCBGA1088L 23×23mm ballpitch=0.7mm | FCCSP698L 16.1×17.2mm ballpitch=0.55mm | FCBGA828 21×21mm ballpitch=0.65mm | FCCSP636L 19×19mm ballpitch=0.65mm |
RK3588、RK3399、ついでに最近の下位であるRK3568と比較した表です。
CPU性能(DMIPS)はRK3399のほぼ2倍、GPU性能(TFLOPS)は、RK3399の1.5倍くらい。
AnTuTu(v10)は総合37万点、CPU10万点、GPU5.8万点くらいになるようです。
ブロックダイアグラム図。
ちょっと地味なポイントとして、UFS2.0に対応しました。何気にRK3588はUFS非対応なんですよね。
参考 RK3576:Rockchip ※PDF
メモリとストレージ
メモリは8GBまたは16GBのLPDDR4x。標準は8GBです。
ストレージは32~128GBのeMMC、またはmicroSD。標準では64GBです。
SoC的にUFSに対応してはいるものの、「BPI-M5 Pro」では採用しなかったようですね。
今のところ販売が確認できているのは、8GB/64GBモデルのみとなります。
その他
無線LANはWi-fi 6(802.11ax)対応。チップはRTL8852BSで、Bluetoothはv5.2に対応します。
有線LANはデュアルGbE。
電源はType-C。USB PD対応で、9V/2A、12V/2A、15V/2Aを受け付けます。
対応OSはAndroid 14およびDebian 11。
外観
インターフェース。
配置デザインは「BPI-M7」と共通です。
なので、ケースも「BPI-M7」のものを流用できます。
まとめ
「BPI-M5 Pro」の価格はAliExpressの公式ストアで131.58ドル。記事執筆時のレートで20,486円となっています。
RK3588搭載でデュアル2.5GbEの「BPI-M7(8GB/64GB)」が163.61ドルなことを考えると、30ドルのスペック差が大きいですね。
せめて110ドル台、50ドル差くらいあれば分かりやすく住み分けできたのでしょうが…
さらに他メーカーまで入れると「Orange Pi 5 plus(16GB)」などはストレージなしですが129ドルなので、RK3588搭載SBCよりも割高ということに。
正直なところ、ラインナップの隙間を埋めるものではあるものの、現状では積極的に選択される製品ではないかなぁと。
関連リンク
販売ページ:AliExpress
製品ページ:Banana Pi Docs
ドキュメント:Banana Pi Docs
リリースノート:Banana Pi Forum
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