2024年11月20日、ミニPCメーカーのBeelinkは、Intel N150(コードネーム:Twin Lake)を搭載したミニPC「EQ14」を発表、公式サイトおよび中国のECサイトJD.comで発売しました。
スペック
■ Beelink EQ14 | |
CPU | Intel N150 |
---|---|
メモリ | 16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 500GB M.2 SSD |
インターフェース | USB Type-C(Gen2)×1 USB3.2 Gen2×3 USB2.0×1 HDMI×2 1GbE 有線LAN×2 オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6+BT5.2 |
サイズ | 126×126×39mm |
特徴
「EQ14」は「EQ13」の後継機というか、姉妹機となります。「EQ13」は2024年6月に登場したIntel N100/N200搭載ミニPCです。
内容を見る限り、「EQ14」は「EQ13」のCPUを載せ替えただけのようです。
CPU
「EQ14」のCPUはIntel N150。コードネームはTwin Lake。
記事執筆時点では未発表ですが、Intel N100やN200のAlder Lake-Nの後継となるCPUで、中身はAlder Lake-Nのリフレッシュモデルとなります。なので、Eコアのみの構成という点も変わりません。
大きな違いは、(未発表なので推測段階ですが)製造プロセスがIntel 7からRaptor Lake Refreshで使っていた改良版Intel 7に代わること。
Core Ultra 200シリーズのArrow LakeおよびLunar Lakeの製造プロセスがTSMC「N3B」+TSMC「N5P」+TSMC「N6」のため、空いた製造レーンの活用をするのだろうと言われています。
CPU | コア/スレッド | 動作周波数 | キャッシュ | iGPUコア | iGPU周波数 | TDP |
---|---|---|---|---|---|---|
Intel N150 | 4C / 4T | 最大 3.6GHz | 6MB | 24EU | 1,000MHz | 最大25W |
Intel N100 | 4C / 4T | 最大 3.4GHz | 6MB | 24EU | 750MHz | 6W |
Intel N200 | 4C / 4T | 最大 3.7GHz | 6MB | 24EU | 750MHz | 6W |
分かっている範囲での比較。
N100比で動作周波数が200MHz向上、グラフィックの動作周波数が250MHz向上しています。
TDPは最大25Wとなっていますが、おそらくは標準TDPは6Wのままと思われます。
上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド
参考 Intel N150:Geekbench browser
現時点で分かるざっくり性能は、Intel N100よりは良くなっているけど、Intel N200には届かない程度。
グラフィックについては不明ですが、動作周波数の差から考えても、2割くらいは上がっている…といいなぁ…
メモリとストレージ
メモリは16GB DDR4-3200。Alder Lake-Nから引き続き、1スロット/最大16GBの制限があるものと思われます。
ストレージは500GB M.2 SSD。SATAかNVMeかは不明です。
内部的には2280×2スロットで、それぞれGen3 x4接続(SATA互換)とGen3 x1接続(SATA不可)となっています。
その他
無線LANはWi-fi 6対応。チップはIntel AX101でBluetoothはv5.2。
Intel AX101はあまり見かけませんが、2022年Q3に登場したチップで、1ストリーム(1T1R)で最大600Mbps(5GHz帯)の、一番性能の低いWi-fi 6チップです。
有線LANは1GbE×2。
そして大きな特徴と言えるのが、電源を内蔵していること。外出しの電源アダプタがなくなるので、すっきりします。
内蔵電源の出力は12V/4A(=48W)。Intel N150なら十分ですね。
ちなみに「EQ13」も電源内蔵です。
外観
本体サイズは126mm四方。電源内蔵ですが、サイズアップは最小限です。
インターフェース。
画像は「EQ13」ですが、「EQ14」も同じです。
内部。
デュアルM.2 SSDが素晴らしいですね。
右に映っているのが内蔵電源です。
さらに内部。
まず、内蔵電源部分はボードを切り欠いてスペースを確保していることが分かります。
さらに前面インターフェースは別ボードとすることで、M.2 SSDスロットとの干渉を避けています。
筐体の側面に吸気口はなく、底面吸気から天面側に空気を回し、背面に排気するという構造となっていることも分かります。
底面吸気とすることで、SSD(SSDヒートシンク)周りにも空気の流れを作っているわけです。
ただこの構造は天面側と底面側の間に十分な隙間がないと、高回転ファンの吸引力で強引に空気を回す(=騒音になりやすい)ことになるので、うまく解決できているかは気になるところです。
パッケージ内容。
電源アダプタがないので、シンプルな内容となっています。
まとめ
「EQ14」の価格は公式ストアで209ドル(記事執筆時レートで3.2万円強)。
「EQ13(N100)」の公式ストア価格が249ドル(同3.8万円強)なので、思ったより安いです。
Beelinkは日本市場でも展開していますし、「EQ13」はN100、N200版ともにAmazonで販売中。
そう遠くないうちに「EQ14」も販売が始まることでしょう。「EQ13」のAmazon価格を考えると、多分3万円切りくらいじゃないかな。
デュアルM.2 SSDに電源内蔵と、上位機みたいなエントリー機。いい感じに個性があるので、国内販売が楽しみですね。
なお、記事執筆時点でIntel N150搭載機は他にAsus NUC 14 Essential、GMK NucBox G3 Plus、SZBOX GK3V Proの3機種が判明しています。
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