2024年9月17日、BeelinkはRyzen AI 9 HX 370を搭載するミニPC「SER9」を発表、国内では10月14日に発売しました。
スペック
■ SER9 |
CPU |
Ryzen AI 9 HX 370 |
メモリ |
32GB LPDDR5X-7500 |
ストレージ |
1TB NVMe Gen4 SSD |
インターフェース |
USB Type-C(USB4)×1 USB Type-C(Gen2)×1 USB 3.2 Gen2×2 USB 2.0×2 HDMI 2.0 DisplayPort 1.4 2.5GbE 有線LAN オーディオジャック×2 |
wi-fi |
Wi-fi 6+BT5.2 |
サイズ |
135×135×44.7mm |
Beelink
¥145,800
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特徴
「SER9」は先日紹介した「GTi14 Ultra」より少し後に登場したミニPCです。
さすがにサイズが違う(「GTi14 Ultra」は158×158×55.8mm)ので電源内蔵とはいかなかったようですが、内部構造は似たところがあり、割と変態チックです。

見た目は普通、中身は変態。Beelink「GTi14 Ultra」は電源とPCIeスロット内蔵のCore Ultra搭載ミニPC
2024年7月15日、ミニPCメーカーのBeelinkは、Core Ultra Series 1を搭載したミニPC「GTi14 Ultra」をグローバル発売しました。国内発売は1か月後の8月15日のようです。また、下位モデルとしてCore
CPU
「SER9」のCPUはRyzen AI 9 HX 370。
12コア24スレッドのCPUに、16CUのAMD 890M、50TOPSのNPU(CPU全体では80TOPS)で構成されています。

思ったより脳筋的発想。「Ryzen AI 300」シリーズは最大12コアとなったAI対応CPU
2024年6月2日、COMPUTEX 2024(2024年6月4日~7日)の前日基調講演でAMDは「Ryzen AI 300」シリーズ(コードネーム:Strix Point)を発表しました。また、同時にデスクトップ向けのRyzen 9000
CPU |
PassMark 11(Multi) |
Core i9-14900HX(24C/32T) |
45859 |
Core i9-13900HX(14C/20T) |
44672 |
Core i7-14650HX(16C/24T) |
39536 |
Core i7-14700HX(20C/28T) |
37808 |
Ryzen AI 9 HX 370(12C/24T) |
35279 |
Ryzen 7 7745HX(8C/16T) |
32911 |
Core Ultra 9 185H(16C/22T) |
29426 |
Core i9-13900H(14C/20T) |
29399 |
Ryzen 7 7840HS(8C/16T) |
28902 |
Ryzen 7 8845HS(8C/16T) |
28412 |
Core i9-12900H(14C/20T) |
28344 |
Core i7-13700H(14C/20T) |
27600 |
Core i7-12700H(14C/20T) |
26850 |
Core Ultra 7 155H(16C/22T) |
24962 |
Ryzen 7 7735HS(8C/16T) |
24279 |
Ryzen 7 6800H(8C/16T) |
23593 |
Core i9-11980HK(8C/16T) |
22894 |
Core i5-13500H(12C/16T) |
22840 |
Ryzen 9 5900HX(8C/16T) |
22635 |
Core Ultra 5 125H(14C/18T) |
22299 |
M1 Pro(10C/10T) |
21793 |
M2 Pro(10C/10T) |
21541 |
Core i5-12500H(12C/16T) |
21437 |
Ryzen 7 5800H(8C/16T) |
21110 |
Ryzen 7 6800U(8C/16T) |
20644 |
Core Ultra 7 258V(8C/8T) |
19539 |
Core i5-1340P(12C/16T) |
19524 |
Core i7-1360P(12C/16T) |
19176 |
Core Ultra 5 226V(8C/8T) |
18922 |
Ryzen 7 7730U(8C/16T) |
18833 |
Ryzen 7 4800H(8C/16T) |
18610 |
Ryzen 7 5825U(8C/16T) |
18423 |
Ryzen 5 6600U(6C/12T) |
16846 |
Core i5-1335U(10C/12T) |
16606 |
Ryzen 5 7530U(6C/12T) |
16419 |
Core i7-1355U(10C/12T) |
15328 |
Ryzen 5 5625U(6C/12T) |
15029 |
Core i3-1315U(6C/8T) |
12715 |
Ryzen 3 7330U(4C/8T) |
11162 |
Core i7-1165G7(4C/8T) |
10327 |
Core i5-1135G7(4C/8T) |
9867 |
GPU |
TimeSpy(Graphics) |
RTX 3070 laptop |
10213 |
RTX 4060 laptop |
10426 |
Radeon RX 7600M XT |
8667 |
RTX 3060 laptop |
8324 |
RTX 4050 laptop |
8209 |
Radeon RX 6600M |
8036 |
RTX 3050 laptop |
4878 |
Core Ultra 7 258V |
3925 |
RTX 2050 laptop |
3873 |
Core Ultra 5 226V |
3540 |
AMD 890M(HX 370) |
3485 |
Core Ultra 7 155H |
3428 |
GTX 1060 Max-Q |
3415 |
VR Readyの壁 |
Core Ultra 5 125H |
3116 |
GTX 1650 Max-Q |
2933 |
AMD 780M(7840HS) |
2871 |
AMD 780M(7840U) |
2670 |
AMD 760M(7640HS) |
2453 |
GeForce MX550 |
2380 |
AMD 680M(6800U) |
2332 |
GTX 1050 Max-Q |
2214 |
GeForce MX450(30.5W) |
2124 |
Core i7-13700H |
1756 |
Core i7-1360P |
1603 |
AMD 660M(6600U) |
1487 |
Core i5-13500H |
1466 |
Core i7-1355U |
1433 |
Core i7-1165G7 |
1365 |
Core i5-1340P |
1383 |
Ryzen 7 5800U |
1224 |
Ryzen 5 5625U |
1186 |
Core i5-1135G7 |
1100 |
Core i3-1315U |
1101 |
Core i3-1115G4 |
757 |
Intel N100 |
321 |
Intel N95 |
306 |
※PassMarkと3DMarkの集計値に基づいています
最上位のHXシリーズだけあって、CPU性能は相当に高め。現在のミニPCに採用されているCPUの中では最高性能です。
グラフィックは、Core Ultra 200Vシリーズには劣るものの、Ryzen 7040シリーズから比較すると1.2倍のスコア。12CU→16CUはコア数1.33倍なので単純計算通りとまではいかないものの、しっかりと上乗せされています。
Core Ultra 200VシリーズはTDP17WのUシリーズ相当なので、CPU性能が低め。なのでトータルで見るとRyzen AI 9 HX 370はミニPCで採用されたCPUの中では最高と言えるでしょう。
メモリとストレージ
メモリは32GB LPDDR5-7500。オンボードメモリなので換装はできません。
現在発売されているRyzen AI 9 HX 370搭載ゲーミングノートも、ざっと確認した範囲ではすべてLPDDR5-7500。
調べると今でこそ対応メモリはDDR5-5600/LPDDR5x-8000となっていますが、登場当初はLPDDR5のみとされていたのが原因のようです。
まぁ、メモリ帯域が一番のボトルネックとなっている現状では、低消費電力なのに高速かつ4ch接続(8GB×4)で帯域を確保できるLPDDR5を使うというのは理にかなっているのですが。
32GB以上に増やしたいってユーザーは、DDR5採用版が出るのを待つしかありません。
ストレージは1TB Gen4 SSD。内部的にはデュアルGen4 SSDスロットを持っています。
その他
無線LANはWi-fi 6(802.11ax)対応。Bluetoorthはv5.2です。
有線LANは2.5GbE×1。
電源アダプタは19V/5.26A(=99.94W)。
Ryzen AI 9 HX 370の消費電力を最大65W(TDPは15-54W)としているとはいえ、100Wで足りるのかちょっと不安。
外観

「SER9」の外観。カラーは「GTi14 Ultra」と同じく、フォレストシルバーとスペースグレイの2色。

インターフェース。USB4は背面に配置されています。というか、めっちゃ詰め込んでいます。
前面にアレイマイクがあるのも「GTi14 Ultra」と同じですね。
ちなみにUSB4だとThunderbolt4デバイスが動かない場合がある点に注意(逆にThunderbolt4はUSB4に対する後方互換性を持っています)。

内部構造。135mm角の中にスピーカーを内蔵しています。よく入ったな…
また、ボードの一部が分割された上、ファンの部分が穴となっているので、吸気口が底面のみながら吸気量を確保できています。
この辺りの構造も「GTi14 Ultra」と同じですね。
また分かりにくいですが、SSDはヒートシンクが当たっています。
底面吸気だとファン一つでSSDまで冷やせるというメリットもあり、ここ最近のハイエンド系で主流となっているデュアルファン(システムファン+SSDファン)に対する静音面での優位点と言えます。
まとめ
「SER9」の価格は公式ストアで152,130円。Amazonだとクーポン込み153,000円。
モノとしてはミニPC最高クラスですが、価格も最高クラスですね。
とはいえHXシリーズ搭載機はIntel・AMD関係なく20万オーバーが当たり前と考えれば、実は15万円台はかなり安いと見ることもできます。
NPU使用で画像生成AIが数秒~十数秒で生成できたという話もあり(ただし現状では解説はあるものの、しっかりとした手順も確立されていない)、将来的に生成AIやCoPilotを本格的に活用できるミニPCと考えれば、アーリーアダプター向けとしてはアリかもしれません。
関連リンク
Beelink
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