2024年11月14日、Xunlong SoftwareはAllwinner T527を搭載したSBC(シングルボードコンピューター)「Orange Pi 4A」を発売しました。
スペック
■ Orange Pi 4A | |
CPU | Allwinner T527 |
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メモリ | 2 ~4GB LPDDR4/LPDDR4X |
ストレージ | eMMC M.2 Key-M |
インターフェース | USB Type-C(電源)×1 USB 2.0×4 HDMI2.0 microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 5+BT5.0 |
サイズ | 89×56mm |
特徴
最近の「Orange Pi」は、Rockchip RK3588/RK3588Sを搭載する「Orange Pi 5」シリーズを中心に展開していて、「Orange Pi 4」シリーズの新製品は「Orange Pi Compute Module 4」(2023年8月)以来となります。
がじぇっとりっぷで取り上げるのは(Compute Moduleはあまり好きじゃなく、スルーすることが多いので)「Orange Pi 4 LTS」以来ですね。
SoC
「Orange Pi 4A」のSoC(System on chip)はAllwinner T527。
T527はちょっと変わったSoCで、メインプロセッサが8コアのARM Cortex-A55、コプロセッサ(MCU)がRISC-V(XuanTie E906)という、ハイブリッド構成となっています。
ちなみにXuanTie E906はAlibaba子会社であるT-Headの製品です。
性能面ではGeekBenchがシングル220~240、マルチが720~800くらいで、「Raspberry Pi 4」(シングル240~290、マルチ660~780)と同等程度です。
「Orange Pi 4A」は8コア、「Raspberry Pi 4」は4コアなので、マルチスレッド性能が逆転しています。
ほか、GPUはArm Mali-G57 MC1で4K/60Hz表示が可能、NPUは2TOPS。
特筆すべき点としては600MHzのHIFI4オーディオDSPを内蔵していて、高品質なオーディオアプリケーション向けのSoCとなっています。
実際、海外のレビューでは「3.5mmヘッドフォンジャックのオーディオ品質は期待以上のものだった」とコメントされています。
メモリとストレージ
メモリは2GBまたは4GB LPDDR4/LPDDR4X。
ストレージはmicroSD、eMMC(ソケットのみ、eMMCは別売り)、M.2 SSD。
M.2 SSDはPCIe2.0 x1レーンなので、400~450MB/s程度が上限となります。
その他
無線LANはWi-fi 5(802.11ac)対応。チップはAmpak AP6256を採用。Bluetoothはv5.0。
有線LANは1GbEです。
電源はType-Cで、5V/5A。
Allwinner T527の要求電力は5V/2Aなので、3Aや4Aでも動くと思います。
対応OSはUbuntu、Debian、Android13。
外観
インターフェース。
配置的には「Raspberry Pi 3」互換のようです。USBはすべて2.0。
Allwinner T527はUSB3.0とPCIe2.0が排他関係にあるので、USB3.0ではなくM.2 SSDにインターフェースを割り振っています。
「Orange Pi 4A」はもともと産業向け・商業向けがターゲットであり、その条件だと高速なUSB3.0より接続の安定性が高いUSB2.0の方が求められることが多いので、まぁ間違ってはいないのかなと。
想定用途。
産業機械の制御、商業ロボット、商業ディスプレイなどが挙げられています。
まとめ
「Orange Pi 4A」の価格は2GBモデルが35ドル(約5,600円)、4GBモデルが40ドル(約6,400円)。
性能がラズパイ4並みでストレージ別とは言え、久しぶりに安いなーと感じるSBCです。
ハイブリッドSoCという珍しい構成ですが、特に問題があるわけでもなく、シンプルに中性能高コスパといえますね。
2024年はラズパイ3程度の低性能機か、RK3588/RK3588Sを搭載した高性能機が多く、ラズパイ4並みというのが意外と少なかったので、うまくラインナップの穴を埋めるモデルになりそうです。
関連リンク
OrangePi 4A:Orange Pi
OrangePi 4A(4GB):AliExpress
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