最強の8.8インチタブ。Lenovo「Legion Tab (8.8”, 3)」は3代目にしてついにLenovoブランドで国内に登場

タブレット

2025年1月8日、LenovoはSnapdragon 8 Gen3を搭載した8.8インチタブレット「Legion Tab (8.8”, 3)」を発売しました。

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スペック

■ Legion Tab (8.8”, 3)
CPUSnapdragon 8 Gen3
メモリ12GB LPDDR5X
ストレージ256GB UFS4.0
画面8.8インチ IPS WQXGA
インターフェースUSB Type-C(Gen2)×1
USB Type-C(2.0)×1
カメラ前:800万画素
後:1300万+200万画素
wi-fiWi-fi 7+BT5.4
4G/5G非対応
バッテリー6,550mAh
サイズ208.5×129.5×7.8mm
重さ350g

特徴

Lenovoは中国市場において、2022年3月にSnapdragon 870を搭載した「Legion Y700」を発売。日本市場で販売されることはありませんでしたが、これが初代です。
2023年7月にはSnapdragon 8+ Gen1を搭載した2代目となる「Legion Y700(2023)」が登場。これはのちにNECから「LAVIE Tab T9 T0995/HAS」という名称で国内販売されます。

ただ、中国市場では下位モデルの8GB+128GBが定価2499元(約5.5万円)、セール時には4万円台前半だったものが、NEC版だと同じ8GB+128GB版で98,780円ということで、(日本向けのローカライズが必要だったとはいえ)高すぎということで、あまり評判は良くありませんでした。

ちなみにNEC版登場直後は中国版の本体にグローバル版やNEC版のROMを入れて似非国内版化するという行為がY700ユーザーの中で流行りましたが、リージョンロック処置が施されたことで終息しました。

そして2024年9月、Snapdragon 8 Gen 3を搭載した3代目となる「Legion Y700(2025)」が登場。2024じゃないんかい!というツッコミはさておいて、下位クラスが12GB+256GBとなり、定価も2899元(約6.3万円)からと上昇しました。
2代目が一応国内発売されたので3代目も期待されていたところ、ついにNECではなくLenovo Legionブランドでの登場と相成ったわけです。

ちなみに、が続きますが、「Y700」シリーズは壁紙に干支(初代は虎、2代目は兎)を採用しています。3代目は2025年モデルなので蛇(巳)…かと思いきやアイキャッチにもあるように龍(辰)で、そこは2024年なんかい!というツッコミも発生していたり。

なお、毎年コンスタントにタブレットを発売しているLenovoですが、今年は4機種同時発売という珍しいことをしています。

・Lenovo Legion Tab (8.8”, 3):Snapdragon 8 Gen3/12GB/256GB/8.8インチWQXGA
・Lenovo Yoga Tab Plus:Snapdragon 8 Gen3/16GB/256GB/12.7インチ3K
・Lenovo Idea Tab Pro:Dimensity 8300/8GB/256GB/12.7インチ3K
・Lenovo Tab:Helio G85/4GB/64GB/10.1インチWUXGA

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SoC

「Legion Tab (8.8”, 3)」のSoCはSnapdragon 8 Gen3
2024年10月にSnapdragon 8 Eliteが発表されるまではAndroid系最強のSoCであり、旧世代となった現在でも文句なしのハイエンドSoCです。

アーキテクチャは1+5+2構成で、グラフィックはAdreno 750。製造プロセスはTSMCの4nm(N4P)。

プライムコア:Cortex-X4を1コア(3.3GHz)
パフォーマンスコア:Cortex-A720を5コア(3.2GHz)
高効率コア:Cortex-A520を2コア(2.3GHz)

Snapdragon 8シリーズはGen1が1+3+4、Gen2が1+4+3、Gen3が1+5+2と、パフォーマンスコアを増やす傾向にあります。
ちなみにEliteは2+6で高効率コアがなくなりました。

CPU AnTuTu 10 (総合)
Snapdragon 8 Elite2724991
Apple M42549548
Apple M22119662
Snapdragon 8 Gen32050401
Dimensity 9300+1934965
Apple M11860611
Apple A181607089
Snapdragon 8 Gen21539182
Dimensity 8300-Ultra1524688
Snapdragon 7+ Gen31382454
Apple A161367070
Snapdragon 8+ Gen11336839
Dimensity 83001307627
Dimensity 9200+1217489
Tensor G31192265
Apple A14 Boinic1185436
Tensor G21025269
↑ハイエンド
Snapdragon 7+ Gen2942052
Snapdragon 888908074
Apple A13 Boinic889260
Dimensity 8200-Ultra880227
Snapdragon 870822951
Snapdragon 865762668
Snapdragon 860748600
Apple A12 Boinic662257
Snapdragon 855603846
Snapdragon 7 Gen1584312
Snapdragon 6 Gen1554305
Dimensity 7050550955
↑ミドル
Snapdragon 4 Gen2427408
Helio G99416037
MT8188(Fire Max 11)400934
Dimensity 6020380597
Snapdragon 685346691
MT8186A(Fire 10 HD)315268
Snapdragon 680310236
↑エントリー ↓ローエンド
UNISOC T606267365
UNISOC T618262720
GPU AnTuTu 10 (GPU)
Snapdragon 8 Elite1191452
Apple M41102457
Apple M2909885
Snapdragon 8 Gen3887865
Dimensity 9300+774131
Apple M1781185
Apple A18628322
Snapdragon 8 Gen2579822
Dimensity 8300-Ultra547496
Snapdragon 7+ Gen3470088
Apple A16446961
Snapdragon 8+ Gen1484673
Dimensity 8300407003
Dimensity 9200+532429
Tensor G3435232
Apple A14 Boinic395362
Tensor G2334014
↑ハイエンド
Snapdragon 7+ Gen2352595
Snapdragon 888288952
Apple A13 Boinic338734
Dimensity 8200-Ultra231248
Snapdragon 870217420
Snapdragon 865194445
Snapdragon 860257712
Apple A12 Boinic157230
Snapdragon 855137111
Snapdragon 7 Gen1171072
Snapdragon 6 Gen194636
Dimensity 7050101124
↑ミドル
Snapdragon 4 Gen248864
Helio G9979883
MT8188(Fire Max 11)61898
Dimensity 602060081
Snapdragon 68542979
MT8186A(Fire 10 HD)38420
Snapdragon 68039370
↑エントリー ↓ローエンド
UNISOC T60628416
UNISOC T61843285

SoCの性能は、AnTuTu(v10)が脅威の総合200万点オーバー
前世代「Legion Y700(2023)」のSnapdragon 8+ Gen1比で、計算性能は1.5倍、グラフィック性能は1.8倍です。

メモリとストレージ

メモリは12GB LPDDR5X
中国版では16GBモデルもありますが、国内向けは12GBのみです。

ストレージは256GB UFS4.0。これも中国版では512GB(正確にはメモリと合わせて16GB+512GBモデル)がありますが、国内には来ていません。
中国版のレビューによると、転送速度はリード1.5GB/s、ライト970MB/sとのこと。

その他

無線LANはWi-fi 7対応。Bluetoothはv5.4。
「Legion Tab (8.8”, 3)」はLegionのブランドを冠する通りゲーミング向けタブレットなので、遅延(レイテンシ)が大幅に改善されたとされるWi-fi 7を採用するのは理にかなっています。
まぁ、無線LANルーターの方もWi-fi 7に対応する必要があるので、ハードルとしては高いんですけど。

バッテリーは6,550mAh。充電速度は68Wで、初代・2代目の45Wから向上しました。
また、バッテリー周りは初代から力を入れていて、100%になる前に充電を止めてバッテリー寿命を延ばす「Battery Protection Mode」、バッテリーを介さず本体に直接給電するバイパス充電などの機能を備えています。

ちなみに2代目は「Battery Protection Mode」が40~60%の範囲でしたが、3代目は80%までになった模様。
60%はさすがに少ないなぁと感じていたので、良アップデートですね。

OSはAndroid 14とありますが、Android 14をベースにカスタムしたZUI 16になると思われます。
同じSnapdragon 8 Gen3を搭載する「Yoga Tab Plus」はAI関連機能が充実していましたが、「Legion Tab (8.8”, 3)」はゲーミングタブレットなので、Legion Spaceなどゲーミング周りのアプリ・機能を充実させています。

こんな感じでゲームプレイ中もモード切替をしたり、FPSや温度などを表示するフローティングディスプレイを表示させたりできます。
あと地味にWi-fiのレイテンシが表示されるのもポイント。

OSメジャーアップデートは3回の予定。セキュリティアップデートの期限については記載がありません。

外観

1.ボリュームボタン
2.パワーボタン
3.USB 2.0 Type-Cポート
4.USB 3.2 Type-Cポート(DP-Out対応)

「Legion Tab (8.8”, 3)」の大きな特徴として、USB 3.2 Gen2(10Gbps)+USB2.0のデュアルType-Cであることが挙げられます。
これは2代目から採用されたもので、横持ち時の底辺中央にも充電端子を置くことで、充電ケーブルがゲームプレイの邪魔にならないというメリットがあります。

また、片方を映像出力、もう片方を充電という使い方もできるので、大画面モニターに表示しながら長時間プレイするということも可能です。

なお、マイナスポイントとしてmicroSDは非対応となりました

ディスプレイは8.8インチ2560×1600
サイズと解像度は初代から変わっていないものの、初代が120Hz/500nits、2代目が144Hz/500nits、3代目は165Hz/500nits(ピーク900nits)と、パネル性能はしっかりと上がっています。

色域は98% DCI-P3、コントラスト比は1500:1。
さらにスタイラスペン(Lenovo Tab Pen Plus、別売り)にも対応するので、モバイルサイズのアイデアメモ帳とか落書きに使うこともできます。

カメラは四角のカメラバンプでAF付きの1300万画素と固定フォーカスの200万画素マクロカメラの2眼カメラです。

まとめ

「Legion Tab (8.8”, 3)」の価格は79,860円。2月6日まで発売記念で1年間のアクシデント・ダメージ・プロテクションが無料で付属しています。
中国向け価格(2899元、約6.3万円)に比べれば割高ですが、おそらく数万台もいかない、下手したら数千台レベルのオーダーとなる製品に対してのローカライズや国内サポート込みで+1.7万円は良心的な範囲だと思います。

「Legion Y700」シリーズはがじぇっとりっぷも初代、2代目を所有していますが、技適がないという問題を抱えています。
それに中国版ROMは日本語化でしても中国向けのプリインストールアプリは残ったまま。

そういう問題が全部クリアされているというだけでも、「Legion Tab (8.8”, 3)」は手に取る価値があると思います。

「Legion Tab (8.8”, 3)」を含む「Legion Y700」シリーズは世界的に見ても2022年からずっと8インチクラスで唯一のハイエンドタブレットシリーズであり、ライバルと呼べるのはiPad miniくらい。Androidタブの中ではライバルがいません。

その不在のライバルに初めて名乗りを上げそうなのが、2月か3月に登場する予定のSnapdragon 7+ Gen 3搭載となるALLDOCUBE「iPlay 70 mini Ultra」。
Snapdragon 7+ Gen 3はAnTuTu総合138万点の、Snapdragon 8+ Gen 1と同程度のSoCです。
…他のスペックも含めると、だいたい「Legion Y700(2023)」と同程度になりそうだし、デュアルType-Cなどもなさそうな雰囲気なので、ライバルと呼ぶにはやっぱり微妙かも。

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