2025年1月8日、LenovoはSnapdragon 8 Gen3を搭載した12.7インチタブレット「Yoga Tab Plus」を発売しました。
スペック

■ Yoga Tab Plus | |
CPU | Snapdragon 8 Gen3 |
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メモリ | 16GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB UFS4.0 |
画面 | 12.7インチ IPS 3K |
インターフェース | USB Type-C(Gen1)×1 |
カメラ | 前:1300万画素 後:1300万+200万画素 |
wi-fi | Wi-fi 7+BT5.4 |
4G/5G | 非対応 |
バッテリー | 10,200mAh |
サイズ | 291.0×188.3×6.7mm |
重さ | 640g |

特徴
毎年コンスタントにタブレットを発売しているLenovoですが、今年は4機種同時発売という珍しいことをしています。
・Lenovo Legion Tab (8.8”, 3):Snapdragon 8 Gen3/12GB/256GB/8.8インチWQXGA
・Lenovo Yoga Tab Plus:Snapdragon 8 Gen3/16GB/256GB/12.7インチ3K
・Lenovo Idea Tab Pro:Dimensity 8300/8GB/256GB/12.7インチ3K
・Lenovo Tab:Helio G85/4GB/64GB/10.1インチWUXGA
「Yoga Tab Plus」と「Idea Tab Pro」はサイズがかぶっていますが、中身はハイエンドとミドルハイ~ローハイエンドでうまく差別化されています。

SoC
「Yoga Tab Plus」のSoCはSnapdragon 8 Gen3。
2024年10月にSnapdragon 8 Eliteが発表されるまではAndroid系最強のSoCであり、旧世代となった現在でも文句なしのハイエンドSoCです。
アーキテクチャは1+5+2構成で、グラフィックはAdreno 750。製造プロセスはTSMCの4nm(N4P)。
プライムコア:Cortex-X4を1コア(3.3GHz)
パフォーマンスコア:Cortex-A720を5コア(3.2GHz)
高効率コア:Cortex-A520を2コア(2.3GHz)
Snapdragon 8シリーズはGen1が1+3+4、Gen2が1+4+3、Gen3が1+5+2と、パフォーマンスコアを増やす傾向にあります。
ちなみにEliteは2+6で高効率コアがなくなりました。
SoCの性能は、AnTuTu(v10)が脅威の総合200万点オーバー。
グラフィックは88万点で「Idea Tab Pro」(Dimensity 8300)の2倍以上のGPUスコアです。
これでゲームが重かったら、ゲームの方を見直すべきですね。
またスコアには現れませんが20TOPSのNPU(Hexagon NPU)を内蔵し、AIアシスタント機能などに使うことができます。
メモリとストレージ
メモリは16GB LPDDR5X。
「Idea Tab Pro」の8GBとは分かりやすく差別化しています。
ストレージは256GB UFS4.0。ここは「Idea Tab Pro」と同じですね。
事前レビューなどがなく現時点では速度不明。「Idea Tab Pro」の転送速度がリード3,500MB/s、ライト3,200MB/sくらいなので、少なくとも下回ることはないでしょう。
その他
無線LANはWi-fi 7対応。Bluetoothはv5.4。
ここも「Idea Tab Pro」のWi-fi 6/BT5.3とは差別化されています。
バッテリーは10,200mAhで、45W(5~11V/4.5A)急速充電に対応します。
OSはAndroid 14。独自アプリとしてAIアシスタントの「Lenovo AI Now」(※記事執筆時点では英語のみサポート)がプリインストールされています。
AI機能は他に「Lenovo NotePad」のAIライティングツール、「Adobe Express Premium」のコンテンツ制作補助、Microsoftの文字起こしサービスなどで利用することができます。
AI機能はメモリを多く使うので、メモリ16GBというのはAIに重点を置いた容量選択と言えそうです。
セキュリティアップデートは2029年までの4年間、メジャーアップデートは2回の予定。
外観
2.Lenovo Tab Pen Pro用のマグネット取り付け&充電場所
3.マイクロフォン×2
5.スピーカー
6.USB 3.2 Type-Cポート(DP-Out対応)
7.スマートコネクタ
「Yoga Tab Plus」はかなり割り切った仕様で、オーディオジャックもmicroSDスロットもありません。
スピーカーは横持ち時左右上下のクアッドHarman Kardonスピーカー…と見せかけて、内部的にはデュアルツイーター+クアッドサブウーファーの6スピーカーです。
端子はUSB 3.2 Gen1(5Gbps)で映像出力に対応。
ディスプレイは12.7インチ2944×1840。リフレッシュレートは144Hzで色域は100% DCI-P3、輝度は650nits、ピーク900nits。コントラスト比は1500:1。
解像度こそ同じであるものの、96% DCI-P3/400nitsな「Idea Tab Pro」よりワンランク上のパネルとなります。
10点マルチタッチとスタイラスペン(Lenovo Tab Pen Pro)に対応します。
Lenovo Tab Pen Proは筆圧8,192段階、「Idea Tab Pro」のLenovo Tab Pen Plusは4,096段階と、こんなところも地味に差別化。
なお、Lenovo Tab Pen Proは同梱されます。
背面はカメラバンプが横幅いっぱいに伸びていて、「Idea Tab Pro」とはまったる異なるデザインに。
カメラはAF付きの1300万画素と固定フォーカスの200万画素マクロカメラの2眼カメラです。
オプションでキーボードセットも用意されていますが…記事執筆時点では国内取り扱いは見当たりません。
キーボードはこんな感じ。
おそらく日本語配列版は作られていないかと。
「Idea Tab Pro」と違って位置固定用の突起はありません。
スタンドのヒンジは何ともLenovoっぽい感じ。
なお、国内向けは青(タイダルディール)のみで、白(シーシェル)はないようです。白系タブレットってほとんどないから、需要ありそうだけどなぁ…
まとめ
「Yoga Tab Plus」の価格は89,980円。2月6日まで発売記念で1年間のアクシデント・ダメージ・プロテクションが無料で付属しています。
SoC・メモリだけでなく、パネルもスピーカーも、何ならスタイラスペンまで「Idea Tab Pro」よりワンランク上となっていて、むしろこれで10万円行かないのか…って感じの内容なので、9万円弱はいい値付けだと思います。
サイズ・スペック的にライバルは「Galaxy Tab S10+」や「iPad Pro(13インチ)」あたりでしょう。
ディスプレイが有機ELではなく液晶で、防水防塵やLiDARスキャナ、カメラ回りなど差のある部分も多いですが、半額以下というのは大きいです。
コンテンツ消費者層は「Idea Tab Pro」でおおむねカバーできると思うので、クリエイター層から一定の評価を得られるかどうかが「Yoga Tab Plus」の今後の分かれ目になりそうです。
…ところで「Yoga Tab “Plus”」ってことは「Yoga Tab “Pro”」とか予定があったりするんですかね?もしかして14.5インチの「Legion Y900」が”Pro”になるんだろうか。
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