2025年2月13日、MSIはCore Ultra 7 258Vを搭載した7インチゲーミングUMPC「Claw-7-AI+A2VM-202JP」を発売しました。
遅れて2月20日、8インチゲーミングUMPC「Claw-8-AI+A2VM-201JP」を発売しました。
スペック

■ Claw-8-AI+A2VM-201JP | |
CPU | Core Ultra 7 258V |
---|---|
メモリ | 32GB LPDDR5x-8533 |
ストレージ | 1TB Gen4 SSD |
画面 | 7.0インチ WUXGA(120Hz) |
インターフェース | USB Type-C(TB4)×2 microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 7+BT5.4 |
バッテリー | 80WHr |
サイズ | 299×126×24mm |
重さ | 795g |

■ Claw-7-AI+A2VM-202JP | |
CPU | Core Ultra 7 258V |
---|---|
メモリ | 32GB LPDDR5x-8533 |
ストレージ | 1TB Gen4 SSD |
画面 | 7.0インチ FHD(120Hz) |
インターフェース | USB Type-C(TB4)×2 microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6E+BT5.3 |
バッテリー | 54.5WHr |
サイズ | 290×117×21.2mm |
重さ | 675g |
特徴
2024年、MSIはCore Ultra Series 1を搭載した「Claw A1M」を発売しました。

Ryzen 7840U/8840UおよびZ1 Extremeがほぼ独占していたゲーミングUMPCにおいて数少ないIntel系ということで注目を集めていましたが、最適化不足ゆえか性能が振るわず、酷評が多く見受けられる事態に。
期待の裏返しと言えばそうなのですが、販売価格もどんどん下がり、一時はCore Ultra5モデルが69,800円とか、投げ売りも同然な時期もありました。
そんな状況にもめげず、第2弾として出してきたのが「Claw-7-AI+A2VM-202JP」と「Claw-8-AI+A2VM-201JP」。
まさか2サイズで出してくるとは思いませんでした。
CPU
「Claw-7-AI+/Claw-8-AI+」のCPUはLunar Lake世代のCore Ultra 7 258V。
ハイパースレッディング廃止、オンダイメモリ、Xe2アーキテクチャのグラフィック、CoPilot+に対応したNPUなど、新要素が満載のCPUです。

※GeekBenchと3DMarkの集計値、および当ブログでのレビュー結果に基づいています
CPUは8コア8スレッド(4P4E)で、性能は控えめ。Core Ultra 5 125Hにも及びません(一応、シングルスレッドスコアは伸びています)。
一方でグラフィックはアーキテクチャを刷新し、GTX 1650を超えるスコアを叩き出しています。
ただしやはり最適化の問題か、Core Ultra 7 258Vは実ゲームでは大体の場面ではCore Ultra 7 155HやRyzenを上回っていますが、ベンチマークほどには引き離せていないようです。
特にCPU性能も必要となるタイトルだとその傾向が顕著です。
この辺りは「Claw A1M」でも徐々に改善されたみたいなので、おそらく数か月かけて最適化が進む形になるでしょう。
メモリとストレージ
メモリは32GBのLPDDR5x-8533。CPUオンダイなので換装不可。
ストレージは1TB M.2 SSD。Gen3なのかGen4なのかは不明です。
先代「Claw A1M」ではKIOXIA製のGen4 SSD(リード3,500MB/s、ライト3,000MB/s程度)が搭載されていましたが、少なくともこれを下回ることはないでしょう。
その他
無線LANは「Claw-7-AI+」がWi-fi 6E(802.11ax)/BT5.3なのに対し、「Claw-8-AI+」がWi-fi 7(802.11be)/BT5.4。地味に差をつけています。
Wi-fi 7は現時点では対応ルーターも少なく、活用できるのは一部の層に限られます。
有線LANは非対応。
バッテリーは「Claw-7-AI+」が6セルの54.5WHr。動画再生が最大8時間。
「Claw-8-AI+」は6セルの80WHrで、動画再生が最大10時間です。
ゲームプレイは「Claw-8-AI+」が最大4時間とされています。
先代「Claw A1M」(53WHr)は最大2時間とされていたので、2倍ですね。
ただしこれはどうも省電力かバランスモードの話のようで、TDP30W固定だと1時間30分~40分くらいになるようです。
重さは「Claw A1M」と「Claw-7-AI+」は675g、「Claw-8-AI+」は795gと、120gの差があるため、「Claw-8-AI+」を手に持って数時間操作するには結構負担になるとか。
外観
「Claw-8-AI+」の外観です。
先代「Claw A1M」からカラーが変わったこともありますが、角ばったシルエットが丸くなって、受ける印象が全然違います。
背面吸気口の形状が変わったことで、両手持ちした時のスース―感が改善されているのだとか。
下の「Claw-7-AI+」の画像と比べればわかりますが、ディスプレイ周りの余白がかなり狭くなっています。
「Claw A1M」を触ったとき、「本体サイズに比べて画面が小さいな…」と感じていたので、これはいい変更ですね。
インターフェース。
「Claw-8-AI+」「Claw-7-AI+」ともにThunderbolt4が2ポートに増え、利便性が向上しています。
「Claw-7-AI+」の外観です。
ほぼ先代「Claw A1M」と同じというか…おそらくインターフェース面以外の金型は使いまわしているんじゃないかなぁと。
ディスプレイはどちらもリフレッシュレートは120Hzですが、「Claw-8-AI+」が8インチWUXGA(1920×1200)、「Claw-7-AI+」が7インチFHD(1920×1080)と解像度が違います。
上部から見た両者の違い。1インチ差なのに筐体の大きさは画面ほどに差がありません。
「Claw-7-AI+」の内部イメージ。
まとめ
「Claw-8-AI+」の価格は159,800円、「Claw-7-AI+」の価格は139,800円。「Claw-8-AI+」は人気が高いのか、記事執筆時点ではどこも売り切れです。
「Claw-8-AI+」は2025年3月31日までの購入でディアブロIVゲーム本編 & 拡張パック「ディアブロIV:憎悪の器™」プレゼント!キャンペーンに応募できます(応募期間は2025年4月14日まで)。
価格については先代「Claw A1M」が2024年3月の発売時139,800円、7月頃の価格改定で119,800円、現在は99,800円。
「Claw-7-AI+/Claw-8-AI+」も同じようになるとは限りませんが、情報としては頭に入れておいた方がよさそうです。
「Claw-8-AI+」は「Claw A1M」でがっかりされた部分をきっちり改良し、かなり良くなっています。
メモリが標準で32GBな点も魅力ですね。
ただ、この後にはRDNA 3.5/16CUのZ2 Extremeを搭載するゲーミングUMPCの登場が控えています。
同じRDNA 3.5/16CUのRyzen AI 9 HX 370のスコアから見る限り、Core Ultra 7 258Vには届かないでしょうが、CPU性能はCore Ultra 7 258Vを上回り、バランスのいいCPUになることが予想されます。
かなりいい感じに仕上がっているんだろうなぁとは思いつつも、Ryzen系の製品が出るまで待った方がいい。そんなジレンマに悩まされる機種です。
というか、Core Ultra 255H搭載機が出てきたらすべてを薙ぎ払って解決する気がするんですけど。出ないかなぁ…
関連リンク
Claw 8 AI+ A2VM; Copilot+ PC:MSI
Claw 7 AI+ A2VM; Copilot+ PC:MSI
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