【実機レビュー】ALLDOCUBE iPlay60 mini Turbo:ミドルクラスになった2025年仕様の8.4インチタブレット

レビュー

2024年10月15日、ALLDOCUBEはSnapdragon 6 Gen1を搭載した8.4インチタブレット「iPlay60 mini Turbo」を発売しました。
「iPlay60 mini Turbo」は価格は2.5万円弱と格安タブレットの範囲ながら、格安タブレットで主流のHelio G99を卒業し、AnTuTu 50万点台のSnapdragon 6 Gen1を搭載した、(ギリギリ)ミドルクラスのタブレットとなります。

さらばHelio G99。 ALLDOCUBE「iPlay60 mini Turbo」はSnapdragon 6 Gen1搭載の8.4インチタブレット

2023年から2024年にかけては2万円前後の格安タブレットはHelio G99ばかりでちょっと飽きていたので、がじぇっとりっぷとしても期待の1台です。

当レビューの機材は自腹購入品です。
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ALLDOCUBE iPlay60 mini Turbo

■ iPlay60 mini Turbo
CPUSnapdragon 6 Gen1
メモリ8GB(+8GB) LPDDR5-6400
ストレージ128GB UFS3.1
画面8.4インチ IPS WUXGA
インターフェースUSB Type-C(3.1)×1
microSD
カメラ前:500万画素
後:1300万画素
wi-fiWi-fi 5+BT5.0
4G/5G非対応
バッテリー5,500mAh
18W PD/QC充電
サイズ202.7×126×7.9mm
重さ323g

GoodPoint
2万円台でAnTuTu 50万点オーバー
端子がUSB 3.2 Gen1で映像出力対応
横持ち時左右ステレオスピーカー
Bluetoothの対応コーデックが豊富

BadPoint
充電器が10W
Wi-fi 5まで
ベゼルが太め

パッケージ

内容物
・本体
・電源アダプタ
・USB C to Cケーブル
・ユーザーマニュアル
・カードスロット取り出しピン

技適は、技適番号まできっちり記載されています。

参考 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(219-239286)

技適の結果を見ると、認証は令和5年9月1日、相互承認(MRA)で認証を受けています。
「iPlay60 mini Turbo」のモデル名(CUL8JN)以外にも複数のモデル名が登録されています。

インターフェース

インターフェースは電源ボタン・音量ボタンともに長辺にあります。
Type-C端子は縦持ち時の上辺、わずかに中心からずれた位置。これ、ゲームプレイなど横向きの両手持ち時にケーブルが邪魔になりにくいというメリットがあるのですが…いっそ、もっと端(上)に寄せてもいいくらいかも。

USB3.2 Gen1(5Gbps)に対応し、映像出力もできます

パフォーマンス

「iPlay60 mini Turbo」のSoCはSnapdragon 6 Gen1。2022年9月に発表されたSoCです。
ARM Cortex-A78を4コア、Cortex-A55が4コアのbig.LITTLE構成で、GPUはAdreno 710。製造プロセスは4nm。
格安タブで一般的なHelio G99はCortex-A76×2コア+Cortex-A55×6コア、Mali-G57 MC2(2コア)、6nmプロセスなので、かなり違います。

Snapdragon 6 Gen 1 Mobile Platform
The Snapdragon® 6 Gen 1 Mobile Platform provides brilliance beyond expectation, fueling dynamic experiences across the board.

AnTuTu(v10)のスコアは総合55.4万点、CPU19.6万点、GPU9.4万点。
Helio G99(iPlay60 Pad Pro)のAnTuTu(v10)スコアは総合36.7万点、CPU11.5万点、GPU6.1万点だったので、全体的に1.5倍くらいの性能となっています。

【実機レビュー】ALLDOCUBE iPlay60 Pad Pro:12.1インチ2.5Kに33W充電と、使い勝手のいい動画視聴向け大型タブレット

3DMarkのストレステストでは通常/Unlimitedともにスコアは全く落ちず
AnTuTuの連続計測でもスコアは落ちていないので、冷却面は問題なさそうです。

GeekBench6ではシングル940点、マルチ2923点。
Intel N100がシングル1100点、マルチ2900点なので、計算性能的にはIntel N100と同等レベルということになります。

メーカーAlldocube
モデル名iPlay60 mini TurboiPlay60 Pad ProiPlay60
CPUSnapdragon 6 Gen1Helio G99UNISOC T606
メモリ8GB8GB4GB
ストレージ128GB UFS3.1128GB UFS2.2128GB
OSAndroid 14Android 14Android 13
AnTuTu (v10)総合554305367797完走できず
CPU196030115534完走できず
GPU9438961557完走できず
MEM13535378502完走できず
UX128533112204完走できず
GeekBench 5シングル724546313
マルチ292417721262
Compute15011493517
GeekBench 6シングル940723379
マルチ292319661362
Compute13111307452
3DMarkWild Life23541084420
Wild Life Unlimited23951231422
Wild Life EX60434191
Wild Life EX Unlimited597337101
Sling Shot545832852268
Sling Shot Unlimited567237222452
Sling Shot EX402624352274
Sling Shot EX Unlimited448526162498
Steel Nomad L199134メモリ不足
Steel Nomad L Unlimited199134メモリ不足
IceStormMaxed outMaxed outMaxed out
IceStorm EXMaxed outMaxed outMaxed out
IceStorm Unlimited602833328816939
PassMarkSystem1375193145302
CPU37533258402412
Memory255611556412047
Disk1230526386499553
2D317081903013244
3D254372555313724
ブラウザjetstream291.84880.27854.4
BaseMark391.56363.38229.75
WebXPRT41018357
MotionMark990.62609.22372.81
Octane329122505813537
Speedometer 2.096.876.845.5
Speedometer 3.05.945.013.38
PCMarkWork 3.094659871完走できず
Battery (100%)6h15m3h10m完走できず
Battery (50%)6h53m完走できず
Burnout18.212.47.6
AI-Benchmark73120037.3
GeekBench MLCPU Single277
CPU Half279
CPU Quantized600
GPU Single157
GPU Half214
GPU Quantized216
NPU Single54
NPU Half54
NPU Quantized139
AiTuTu v3総合288861
Super Resorusion29024
Style Transfer149879
画像分類43581
オブジェクト検出66307

他の製品との比較。

ストレージ

「iPlay60 mini Turbo」のストレージは128GB UFS3.1

カードスロットはmicroSDのみで、SIMスペースはつぶされています。

ストレージ速度の計測結果。#2が内部ストレージ、#1がmicroSD(Sandisk Extreme Pro 128GB)です。

内部ストレージはリード1.01GB/s、ライト496MB/s
「iPlay60 Pad Pro」(UFS2.2)がリード512MB/s、ライト181MB/sだったので、大幅な速度アップです。

microSDもリード84.8MB/s、ライト45.2MB/sで実用レベルの速度。

使ってみた

ディスプレイ

「iPlay60 mini Turbo」のディスプレイは8.4インチWUXGA(1920×1200)
「iPlay50 mini」(2023年)から始まった現在の8.4インチブームでは一般的な解像度です。最近ではHeadwolf「FPad6」など8.4インチ2.5Kも復活しつつあるので、そのうちALLDOCUBEも2.5Kにするんじゃないかなと思っていたり。

明るさごとの比較。
「iPlay60 mini Turbo」のパネル輝度は350cd/㎡とされているので、100%でちょうどいいくらい。
画像ではかなり暗く見えますが、実際には0%でもそこまで暗くならず、室内なら(暗いけど)普通に操作できる程度です。

サウンド

「iPlay60 mini Turbo」はデュアルスピーカーを内蔵。
ただスピーカーは横持ち時左右下部にあり、タブレットを両手で持つと手のひらで隠れる位置なんですよね。

んで、実際に持って比べてたところ、予想通りこもった音に。
スピーカーと手のひらの間に少しでも隙間が空いていたら音が抜けるのですが、ゲームしている時にそんなところに気を遣う余裕はないわけで。

なお、超シンプルな解決法として上下逆に持つというのがあるのですが…これはこれで左右が逆になるんですよね。

音質は、最近のタブレットとしては標準的

音量はそれほど大きくはありませんが、そもそも画面サイズ的に1mも2mも離して使うことがないので、手に持つ範囲の距離であれば十分な音量です。

BluetoothはLDAC、aptX HD、aptX Adaptive、aptX TWS+などに対応。
対応コーデックの豊富さはさすがSnapdragonと言いたくなりますね。

動画

「iPlay60 mini Turbo」のWidevineはL1で、VOD(動画配信)サービスのHD画質視聴に対応
NetflixのHD再生にも対応していますが、契約していないので未確認です。

Amazon PrimeではFHD(1080p)再生表示を確認。といっても8.4インチは動画視聴にはいささか小さいので、あくまでマイナス要素(Widevine L3)ではないというだけですね。

WidevineとはDRM(Digital Rights Management、デジタル著作権管理)のひとつで、Google独自のデジタル著作権管理テクノロジーです。
他のDRMにはMicrosoftのPlayReady、AppleのFairPlayなどがあります。

WidevineにはL1(最高)からL3(最低)の3段階があり、Amazon PrimeではHD画質以上での再生にはL1(と独自のAmazon認証)が必要となります。
NetFlixなどもWidevineDRMを採用しており、L1でないとHD画質での再生ができません。

ゲーム

PUBG

PUBGは選択できるのは“ウルトラHDRのHDR”まで選択可能。これは衝撃的です。
とはいっても”ウルトラHDRのHDR”だと表示しているだけで本体がほんのり暖かくなってくるうえ、FPSが安定しないので、ひとつふたつ下げてプレイした方がよさそうです。

原神

原神は、低画質で”スムーズ”、中画質で”非常に高い”けれどMaxではなく、高画質で”非常に高い”(バーもMax)になりました。
低画質で”やや高い”、中画質で”非常に高い”(バーMax)となっていたHelio G99とは大違いです。

実際のプレイでは高画質/60fpsの設定でも安定して30FPS以上出ています
CPU/GPU温度もそこそこ高くはなっていますが、サーマルスロットリング(動作抑制)が発生するほどではありませんでした。

カメラ

カメラはリアが1300万画素(4160×3120)、フロントが500万画素(2592×1944)です。
最近はタブレットでも1600万+800万くらいが当たり前になっているので、やや控えめですね。

カメラアプリは過去製品とは全く違うアプリがプリインストールされています。
これ、推測ですがSnapdragon向けのカメラアプリなのかなぁと。

エフェクト選択もできます。

PROモードだとエフェクト選択が消える代わりに、細かく設定できるようになります。

設定画面も全く別物。
アプリで顔認識もできるようです。

バージョンを連打したらdeveloper modeに入るイースター機能もありました。

下の画像は幅800に縮小した以外の加工はしていません。

リアカメラでの撮影。映りは思ったよりしっかりしています。

等倍での切り抜き。
フォーカスはしっかりとれていますが、グラデーションの表現など甘い部分も。

フロントカメラでの撮影。
左右正しい向きで撮影し、リアカメラより寒色で表現しています。

焦点はある程度あっていますが、元が500万画素なので、画質は最低限レベル

実際のところは、カメラ性能が良くてもタブレットのカメラを使うくらいならスマホを使うので、リアカメラも性能を落としてカメラの盛り上がりをなくしてフラットにした方がユーザーの受けがいいと思うんですよね…

バッテリー

バッテリーは5500mAh、ディスプレイ輝度100%で6時間15分、輝度50%で15時間13分でした。

最近の8.4インチタブレットは「iPlay60mini Pro」が6050mAh、Headwolf「FPad6」なら6,500mAhなど、6,000mAhを超えることが多いです。
ただ、「iPlay60mini Pro」は310g、「iPlay60 mini Turbo」は323gなので、重量差を考えると安易に増やすわけにも行かず、明るさ100で6時間を超える程度のライン(他のタブレットも明るさ100で6時間前後が多い)で設定してきたのかなと。

充電

「iPlay60 mini Turbo」は18W急速充電に対応。
しかし実際の計測では20.9Wを確認。これはちょっと予想外でした。

外観

外箱はALLDOCUBE共通デザインの真っ白にロゴだけ。
底面の表記もあっさりしています。

パッケージ全体。

同梱物

電源アダプタは5V/2A(=10W)の出力。
そろそろもっと高出力の電源アダプタにするか、いっそ付属しないという選択を取ってもいいんじゃないかなぁと。

マニュアルはいつものALLDOCUBEと同じ、図解入りのシンプルなもの。
日本語表記もありますが、中華フォントか判別できるほどの文字量ではありません。

本体

本体。

ベゼルは他のタブレットと比べると1mmから2mm程度太く、元のサイズが小さいことも相まってかなり太く見えます。

角は丸みを帯びています。
実用上は問題ありませんが、筐体のカーブの中心と、ディスプレイのカーブの中心がずれているせいで強い違和感というかモヤっと感を感じます。
ディスプレイの角が丸くても、スマホだとそれほど違和感がないので、ベゼルの太さが問題なのかなぁ…

インターフェース。
前述の通り、Type-C端子は横置き時に真ん中より上で、両手持ちした時に邪魔になりにくい位置、スピーカーは横置き時左右のステレオです。
また、オーディオジャックはありません

目立たないですが、ディスプレイとベゼルの隙間にマイクが仕込まれています

背面デザインはALLDOCUBE共通。

カメラ(再掲)。

保護フィルムは標準で張られていますが、ちょっとこすっただけでも跡が残り、いいフィルムとは言えません。
真面目に使うのであればフィルムは張り替えた方がいいでしょう。

カメラの出っ張りも過去製品と同程度。
スマホと違ってタブレットのカメラはおまけ程度になっているんだし、フラットにしちゃってもいいと思うんですけどね…

重さはほぼ仕様(323g)通り。

システム

「iPlay60 mini Turbo」のOSは、Android 14をベースとしたALLDOCUBE OS Lite
上の画像における一番下の段のDockバーや、ダブルタップで画面オン、「File Transfer」などの機能が追加されています。

独自機能の一つが、ホーム画面のカスタマイズ。

アイコンの丸みを調整できる機能は地味にいいかも。

アプリ一覧。
「FFT」とあるのが「File Transfer」アプリです。

こんな感じで、他のデバイスと接続してデータのやり取りを行います。

“設定”画面は素のAndroidと変わらない感じ。

Androidバージョンは14
セキュリティアップデートは2024年6月で、システムは2024年10月が最新。

ディスプレイ設定。
カラー設定の項目がありません。一番下の”ダブルタップで画面オンオフ”が独自機能です。

まとめ

「iPlay60 mini Turbo」の価格は記事執筆時点でクーポン込み24,999円
Helio G99搭載の「iPlay60 mini Pro」が同19,649円なので、5,350円差で性能1.5倍ということになります。

価格差としては適当だと思いますし、映像出力もできて、AnTuTu50万点オーバーで2.5万円切りは普通に安いと言えます。
端子位置とかディスプレイの角とか、気になる点を挙げればキリがありませんが、格安ミドルタブレットとしては十分です。

とはいうものの、2025年は脱Helio G99が続きそうな雰囲気もありまして。

例えばHeadwolfからはDimensity 7050(Snapdragon 6 Gen1とほぼ同程度の性能)を搭載し、2.5Kディスプレイな「FPad7」が発売されました。
ALLDOCUBEも2月か3月に登場予定の「iPlay70」シリーズでは Snapdragon 7+ Gen 3(AnTuTu130万点)搭載の高性能機が予定されています(その分価格は5万円台になりそうですが)。
他にもOPPOが8.8インチタブレットを出すという噂もありますし、ハイエンドの「Legion Tab」も7万円台で国内発売されました。

最強の8.8インチタブ。Lenovo「Legion Tab (8.8”, 3)」は3代目にしてついにLenovoブランドで国内に登場

レビューしておいてアレですが、2025年の小型タブレットは一通り出揃うまで様子見した方がよさそうです。

関連リンク

付録:ベンチマーク スクリーンショット

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