20245年3月6日、MINISFORUMはRyzen AI 9 HX 370(コードネーム:Strix Point)を搭載したミニPC「AI X1 PRO」の予約を開始しました。
発売予定日は2025年4月6日です。
スペック

■ AI X1 PRO | |
CPU | Ryzen AI 9 HX 370 |
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メモリ | 32~96GB DDR5-5600 |
ストレージ | 1~2TB NVMe SSD |
インターフェース | USB Type-C(USB4)×2 USB 3.2 Gen2×2 USB 2.0×1 OCuLink×1 HDMI 2.1×1 DisplayPort 2.0×1 2.5GbE有線LAN×2 SDXC オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 7+BT5.4 |
電源 | 内蔵135W |
サイズ | 195×195×47.5mm |
重さ | 1.5kg |
特徴
「AI X1 PRO」は、MINISFORUMにとって2機種目のRyzen AI 9 HX 370搭載ミニPCとなります。最初の「AI370」はすでに終売しています。
「AI370」は130×127mmのスタンダードなフットプリントのミニPCで、メモリが高速なオンボード(LPDDR5x-7500)でしたが、32GB固定で増設できない、スペースの都合でインターフェースが限られているという弱点がありました。
一方で「AI X1 PRO」は195×195mm(「MS-01」や「MS-A1」と同じくらいのサイズ)と大型化しましたが、インターフェースの種類と数が増え、さらに最近増えている電源内蔵モデルとなりました。
CPU
「AI X1 PRO」のCPUは、前述の通りRyzen AI 9 HX 370を搭載。
Zen5+Zen5cのbig.LITTLE構成をとることでこれまでの限界(8コア)からコア数を増やし、12コア24スレッドを実現しました。
グラフィックはRDNA3.5になったほか、AMD 790Mの12CUから16CUに、こちらも数を増やしています。また、NPUは50TOPSと強力なものとなりました。

コア/スレッド数が増えた分、CPU性能はかなり向上。PassMarkスコア上ではデスクトップ向けのRyzen 7 7800X3Dを超えるスコアを叩き出しています。
グラフィックも前世代となるRadeon 780Mから2割増しのスコア。
Intel Arcよりはやや低く、Intel系に比べればCPU偏重と言えますが、CPUもグラフィックもスコアを伸ばした、バランスのいいCPUといえます。
メモリとストレージ
メモリは32GBから96GBのDDR-5600。最大は96GBです。
最初から最大容量が用意されているのは珍しく、これは「AI370」(32GB固定)でメモリが足りないという声が多かったんじゃないかなと勝手に予想しています。
ストレージは1TBまたは2TBのGen4 SSD。事前レビューによると5,000MB/sクラスのようです。
内部的にはトリプルGen4 SSDに対応。この辺りは「MS-01」や「MS-A1」の流れを受け継いでいる感があります。
なお、x4接続が2スロットに、x1接続が1スロットとなります。
その他
無線LANはWi-Fi 7(802.11be)に対応。Bluetoothはv5.4です。
…事前レビューだとMediaTek MT7925(BT5.3)だったそうですが、製品版では変更されたのかな?
有線LANはデュアル2.5GbE。
電源は135W(19V/7.1A)電源ユニットを内蔵しています。
なので、こんな感じにすっきりとした配線に。
更にUSB PD給電(最大100W)にも対応しているので、性能に制限がかかっていいのならケーブル一本での動作も可能です。
外観
電源スイッチ×1
USB3.2 Gen2 Type-Aポート×2
USB4ポート×1(Alt PD out 15W )
3.5 mmコンボジャック×1
Copilot ボタン×1
DMIC×2
CLR CMOS×1
Kensington Lock×1
USB2.0 Type-A ポート ×1
OCuLink×1(PCIe 4.0×4)
USB4ポート×1(Alt PD)
DP2.0 ×1
HDMI 2.1 FRL×1
RJ45 2.5G ネットポート×2
電源接続端子×1
インターフェースは前面と背面にUSB4が1ポートずつ。背面にはOCuLinkも用意されています。
電源コネクタを挟んで左側がCPUファンの排気口、右側が電源ユニットの排気口となります。
また前面にはCoPolotボタン。
CoPolot PC認定機には物理ボタンが付いているので、おそらくは認定の要件の一つなのだと思われます。
側面にはフルサイズのSDカードスロット。
ただし内部はUSB2.0接続の可能性が高く、30~40MB/sしか出ないようです。
上部には指紋認証。
押下できるようにしてCoPolotボタンと兼用はできなかったんですかね?
内部のトリプルSSDスロット。
これの上には電源ユニットが来るため、ヒートシンクは付けられないか、付けられたとしても極薄のものになるでしょう。
内部画像はありませんが、事前レビューによるとCPUファン/ヒートシンク、電源ユニット、そして内部スピーカーがみっちり詰まっているとのこと。
スピーカーはDELLのノートに入っているような細長いフラットスピーカーです。
ただ底面を向いているのでこもった音になるとか。
まとめ
「AI X1 PRO」の価格は記事執筆時点で32GB+1TBモデルが149,590円。最上位の96GB+2TBモデルだと186,390円。
32GB+1TBモデルは、「AI370」の17万円オーバーから2万円以上安くなっています。
フットプリントは大きくなりましたが、スタンドが付属するので縦置きできますし、電源内蔵になったので電源アダプタを置くスペースも不要。
前面/背面にUSB4があるので、PD動作時も前面端子につないだみっともない姿をさらさずに済みます。
ミニPCに対する「こうだったらいいな」がほとんど実現しており、大半のユーザーの要望を満たせると言っても過言ではないでしょう。
まぁその結果、全機能を使い切るのはかなり大変になっていますが。
機能を持て余しつつも大満足な一台。そんな感じになりそうです。
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