2024年から2025年にかけ、PC各社でブランドを整理する動きが増えています。
そこで、PC各社の2025年現在のPCブランドについてまとめてみました。記載はメーカーのアルファベット順です。
Acer
Acerは台湾の宏碁電脳公司(Multitech)が製造するブランドです。
国内では知名度がなかなか上がらないのですが、2009年にはPC出荷数で世界シェア2位、2022年でもASUSに次ぐ8位という大企業です。
ブランド | ||
---|---|---|
個人向け | スタンダード | Aspire |
モバイル | Swift | |
実験的 | ConceptD | |
デスクトップ | Aspire | |
法人向け | スタンダード | Extensa |
モバイル | TravelMate | |
デスクトップ | Veriton | |
ゲーミング | Predator | |
Nitro |
ブランドは比較的わかりやすく、AspireとSwiftの差が分かりにくいくらいでしょう。

ASUS
ASUSはサブブランド(ROG FlowとかROG StrixとかROG Zephyrusとか)の数が多く、複雑に見えるものの、ブランド体系としては比較的シンプルです。
ここ最近の変更は2024年にIntelのミニPC部門を吸収し、ミニPCブランドがNUCシリーズになったこと、2025年2月にゲーミングのカジュアルブランド「ASUS Gaming」が追加されたことが挙げられます。
ブランド | ||
---|---|---|
個人向けノート | ハイエンド | Zenbook |
メインストリーム | Vivobook | |
クリエイター | ProArt | |
個人向け一体型 | ASUS AiO | |
個人向けデスクトップ | タワー | ASUS Desktop |
ミニPC | NUC | |
法人向け | ノート | Expertbook |
デスクトップ | ExpertCenter | |
ゲーミング | ROG | |
TUF | ||
ASUS Gaming |
新しく加わった「ASUS Gaming」はゲーミング感の薄い筐体で、かつて存在したLenovo「IdeaPad Gaming」シリーズを彷彿させます。

DELL
DELLは2025年1月にブランド名称を刷新しました。
旧ブランド | 新ブランド | ||
---|---|---|---|
l個人向け | ハイエンド | XPS | Dell Premium |
メインストリーム | Inspiron Plus | Dell Plus | |
バリュー | Inspiron | Dell | |
法人向け | ハイエンド | Latitude 9000/7000 | Dell Pro Premium |
メインストリーム | Latitude 5000 | Dell Pro Plus | |
バリュー | Latitude 3000 | Dell Pro | |
Vostro | 2024年2月に終了 | ||
ワークステーション向け | ハイエンド | Precision 7000 | Dell Pro Max Premium |
メインストリーム | Precision 5000 | Dell Pro Max Plus | |
バリュー | Precision 3000 | Dell Pro Max | |
ゲーミング | Alienware | Alienware |
命名規則をシンプル化して分かりやすくはなったのですが、XPSのような特別感がなくなったのはちょっと残念です。
ゲーミングブランドのAlienwareだけはそのまま残っています。
2024年2月には法人向けのVostro(ハードウェアはInspironとほぼ同じで、サポート面などが異なっていた)を終了、法人向けで求められる仕様(TPM搭載やMILスペックの耐久性)をInspiron製品に追加することで、Inspironと統合しています。
ちなみにサポートサービスの名称も変更されています。
Premium Support→Dell Care Plus
Premium Support Plus→Dell Care Premium

富士通(FCCL)
富士通のFMVも2025年1月にブランドをリニューアル。
もともとノートブックは「LIFEBOOK」、デスクトップは「ESPRIMO」に統一されていましたが、両者をFMVブランドに集約、「FMV Note」と「FMV Desktop」の非常にシンプルな構成となりました。
旧ブランド | 新ブランド | |
---|---|---|
ノートPC | LIFEBOOK | FMV Note |
デスクトップ | ESPRIMO | FMV Desktop |
旧ブランド名で発売された製品は、新ブランドを振り直すのではなくそのまま販売されているため、ラインナップがすべて入れ替わる来年までは、新旧が入り乱れた状態となります。

HP
HPは2024年5月にブランドスキームを変更。ノートPCは「OmniBook」、ディスプレイ一体型PCが「OmniStudio」、デスクトップPCが「OmniDesk」となりました。
旧ブランド | 新ブランド | ||
---|---|---|---|
個人向け | ノート | Spectre | OmniBook |
Envy | |||
OmniBook | |||
Pavilion Plus | |||
Pavilion | |||
HP | |||
一体型 | ENVY Move All-in-One | OmniStudio | |
HP All-in-One | |||
デスクトップ | Pavilion Desktop | OmniDesk | |
法人向け | ノート | Dragonfly | EliteBook |
EliteBook | |||
ProBook | ProBook | ||
HP | |||
一体型 | EliteOne | EliteStudio | |
ProOne | ProStudio | ||
デスクトップ | EliteDesk | EliteDesk | |
ProDesk | ProDesk | ||
Pro | |||
ワークステーション | Z | Z | |
ゲーミング | 上位 | OMEN | OMEN |
下位 | VICTUS | VICTUS |
ランク分けは数字およびX、Ultraであらわされることになります。
ぱっと見で上位下位がなんとなく分かるようになったのは利点ですが、DELL同様にブランドでの特別感が薄れています。

Lenovo
Lenovoは実はブランドが結構複雑なメーカーです。
ブランド名だけでも7種類と多く、さらに内部で細分化されているので、慣れていないと混乱します。
Lenovoは2022年まで100~900の3桁の数字でグレードと世代を分類していましたが、2023年からはグローバルと同じ”Gen 〇”表記で世代を表すようになっています。
ブランド | ||
---|---|---|
個人向け | ハイエンド | Yoga 7/9 |
メインストリーム | IdeaPad 3/5 | |
バリュー | Lenovo V | |
準ビジネス | Thinkbook | |
ビジネス向け | ハイエンド | ThinkPad X/Z |
既存客向けハイエンド | ThinkPad X1 | |
新顧客向けハイエンド | ThinkPad X9 | |
メインストリーム | ThinkPad T/L | |
バリュー | ThinkPad E | |
ワークステーション向け | ハイエンド | ThinkPad P |
ゲーミング | ハイエンド | Legion 5/7 |
バリュー | LOQ |
主流となるのはThinkPadとIdeaPad。ビジネス寄りのIdeaPadといった感じの立ち位置となるThinkbookが2019年に登場、近年では徐々に人気を上げています。
個人向けIdeaPadには、かつては最エントリークラスでIdeaPad 100シリーズがありましたが、IdeaPad Slim 170(海外ではIdeaPad 1)を最後にIdeaPad 1 Gen 〇表記のモデルは発売されていません。

MSI
PCメーカーの中でも一番多くのブランド展開を行っているのが、MSI。
新しいコンセプトを思いついたら新しいブランドを立ち上げる、くらいの勢いでポコポコとブランドを増やしています。
なので、1機種しかないブランドなんてのもあったりします。
ブランド | ||
---|---|---|
ビジネス &ライトクリエイター | プレミアム | Summit |
ライトクリエイター | Prestige | |
ベーシック | Modern | |
多機能ビジネス | Commersial | |
クリエイター向け | Creator | |
ゲーミング | フラグシップ | Titan |
薄型ハイエンド | Stealth | |
ハイエンド | Raider | |
ハイスペック | Vector | |
Pulse / Crosshair | ||
Katana / Sword | ||
Cyborg / Thin | ||
Alpha / Bravo | ||
ポータブル | Claw | |
ゲーミングデスクトップ | フラグシップ | Aegis |
キューブ | Nightblade | |
ハイエンド | Infinite | |
スリム | Trident | |
ミドル | Codex | |
エントリー | META | |
ビジネスデスクトップ | Pro | |
オールインワン | Modern | |
クリエイター向け デスクトップ | Creater | |
Prestige |

ブランドを統一しているメーカー
Dynabook
Dynabookは東芝の子会社(東芝クライアントソリューション)のPCブランド…でしたが、2018年にシャープに80.1%の株式を譲渡、2020年に残りの株式も譲渡し、シャープの完全子会社となっています。
社名も2019年にDynabook株式会社と改めています。
ブランド | クラス | |
---|---|---|
コンシューマ向け | dynabook X | プレミアムモバイル(13.3型、バッテリー交換可能) |
dynabook XP | プレミアムモバイル(14型、バッテリー交換可能) | |
dynabook G | プレミアムモバイル(13.3型) | |
dynabook R | プレミアムモバイル(14型) | |
dynabook GS | スタンダードモバイル(13.3型、軽量) | |
dynabook S | スタンダードモバイル(13.3型) | |
dynabook M | ホームモバイル(14.0型) | |
dynabook T | スタンダード(光学ドライブ) | |
dynabook C | スタンダード | |
dynabook V | 5-in-1 プレミアム | |
dynabook K | 2-in-1 デタッチャブル | |
ビジネス向け | dynabook B | スタンダード(15.6型。光学ドライブ) |
dynabook P | スタンダード(16.0型、バッテリー交換可能) | |
dynabook X | プレミアムモバイル(バッテリー交換可能) | |
dynabook G83 | プレミアムモバイル(13.3型) | |
dynabook GA83 | ハイスタンダードモバイル(13.3型) | |
dynabook RJ | プレミアムモバイル(14.0型) | |
dynabook MJ | オフィス内モバイル | |
dynabook P | 大画面スリム | |
dynabook V | 5-in-1 プレミアム | |
dynabook K | 2-in-1 デタッチャブル |
ブランドはdynabookで統一してはいるものの、子分類が複雑すぎますね。

Microsoft
MicrosoftはSurfaceでブランドを統一しています。
NEC
NECはLAVIEでブランドを統一しています。

パナソニック
パナソニックはLet’s Noteでブランドを統一しています。

VAIO
VAIOは2014年にSONYから独立し、VAIO株式会社のブランドとなっています。
個人向けを「VAIO」、法人向けを「VAIO Pro」とし、ラインナップはノートPCのみとなります。

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