2025年3月3日、ミニPCメーカーのBeelinkはIntel N150を搭載したミニPC「ME mini」を発表しました。
発表からしばらく続報がなかったものの、4月半ばに中国天猫(Tmall)で発売、5月8日に公式ストアで発売され、5月22日にようやく国内(Amazon)での発売です。
Beelink Launches New ME Series Storage Devices, First Product ME mini Coming Soon:Beelink
スペック

■ Beelink ME mini | |
CPU | Intel N200 Intel N150 |
---|---|
メモリ | 12GB LPDDR5-4800 |
ストレージ | 64GB eMMC NVMe SSD×6 |
インターフェース | USB Type-C(Gen2)×1 USB3.2 Gen2×1 USB2.0×1 HDMI 2.5GbE有線LAN×2 |
wi-fi | Wi-fi 6+BT5.2 |
電源 | 45W |
サイズ | 99×99×99mm |
特徴
「ME mini」は現在GT、SE、EQの3シリーズを展開していますが、MEはBeelink 4番目のシリーズとなります。
MEシリーズはHome NAS向けの製品という位置づけで、「ME mini」は99×99×99mmという手のひらサイズにM.2 SSD×6と電源を納めた、これまで見たことがない程の集積度を誇るミニPCです。
CPU
「ME mini」のCPUはIntel N150。中国向けだとIntel N200もあります。
Intel N150はIntel N100(Alder Lake-N世代)のリフレッシュ版で、動作周波数が3.4GHz→3.6GHz(グラフィックは750MHz→1GHz)に向上していますが、基本的な部分は同じです。
Intel N200はIntel N100の上位モデル。
いずれも4コア4スレッドでTDPが6Wという点に変わりはなく、Intel N100が3.4GHz、N150が3.6GHz、N200が3.7GHzという違いくらいです。
性能はIntel N100から数%アップ。
エントリーCPUですが、Core i5-7200Uよりは高性能です。
メモリとストレージ
メモリは12GB LPDDR5-4800。これは中国モデルもグローバルモデルも同じです。
しかしながらBeelinkはBIOSアップデート情報の中でさりげなく16GBモデルの存在をばらしています。
参考 Beelink March & April BIOS Update Summary:Beelink
ストレージは64GB eMMCとM.2 SSDが6スロット。Gen3 x2が1スロットに、Gen3 x1が5スロットです。
国内向けだと2TB M.2 SSDが1枚入っています。SSDはCrucial製のようです。
システム領域をeMMCに置くことで、M.2 SSDは完全にデータ領域とすることができます。
こういうところは確かにNAS向けだなぁと。
速度が欲しい場合はスロット4(Gen3 x2)にシステムを置くこともできます。
その他
無線LANはWi-fi 6。チップはIntel AX101なので1×1、最大433+150Mbpsとなります。Bluetoothはv5.2です。
有線LANは2.5GbE×2。チップはIntel i226-Vです。
OSについては、実は記載がありません、なので、OSなしの可能性が高いです。
Windows、Linuxといった汎用OS、Proxmox、ESXIなどの仮想環境、TrueNAS、UNRAIDなどのNAS OSに対応します。
海外のレビューを見るとTrueNASをインストールするケースが多いですね。
外観
本体は99×99×99mmの手のひらサイズ。
インターフェース。
USBは3ポート。もう1ポートくらいあっても良かったんじゃないかなぁ。
底面吸気、天面排気ですが、吸気口の小ささが気になるところ。
内部です。M.2 SSDは縦に並べます。
省スペース化としてあっておかしくないのに、今まで類似品がなかったのが不思議なくらいです。
縦置きなのでファンも75mmか80mmくらいの大型のものが使われています。
1500RPMで騒音レベルは33dBとのことですが、前述の通り吸気口が小さいので、実際はどうなるのかが気になるところです。
また、45Wの電源ユニットもうまく内蔵しています。
冷却のイメージ。
内部イメージをよく見ると、M.2 SSDの部分のボードが切り欠いていて、空気の通り道となっています。
また分かりにくいですがヒートシンクと基板の間にはスペースが開いている(基板と接しているのはCPU部分だけ)ので、エアフロー自体は確保できているようです。
色は3色。
現在国内で販売されているのはパールホワイトのみです。
まとめ
「ME mini」の価格はクーポン込み53,900円。前述の通り、国内向けは2TB SSDを1枚装着しています。
中国TMALL(天猫)の公式ストアだとIntel N200+SSDなしで1295元(約2.8万円)。
国内価格はやや高めな上、(おそらく)OSなしとハードルも高めですが、M.2×6は本格的なNASしかなく、汎用的な小型NASが欲しいと考えていた層には刺さる製品です。
すごく気になる製品なわけですが…Beelinkは他に「ME pro」と「ME max」を予告していて、記事執筆時点では名称以外の情報は一切なし。
先走って買ってもあとから「ME maxを待てば良かった!」となる可能性があり…手を出すのをちょっと躊躇しちゃうんですよね…
関連リンク
公式製品ページ:Beelink
コメント