2025年5月14日、SBCメーカーの韓国Hardkernelは、Amlogic S905X5Mを搭載したSBC「ODROID-C5」を発売しました。
スペック

■ ODROID-C5 | |
CPU | Amlogic S905X5M |
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メモリ | 4GB DDR4-3200 |
ストレージ | eMMCソケット microSD |
インターフェース | USB 2.0×4 microUSB×1 HDMI 2.0 1GbE 有線LAN |
wi-fi | なし |
電源 | DC 12V(5.5×2.1mm) |
サイズ | 85×56mm |
重さ | 42g |
特徴
「ODROID-C5」は2020年発売の「ODROID-C4」の後継モデルに当たります。
そのため、クレカサイズのフォームファクタやインターフェース配置は「ODROID-C4」に準じています。

SoC
「ODROID-C5」のSoCは、Amlogic S905X5M。
「ODROID-C4」のS905X3からは2世代のアップデートですね。
S905X5Mは6nmプロセスで製造されるプロセッサで、4コアのARM Cortex-A55に、GPUはMali-G310 V2。NPUというか、アクセラレータとしてAI-SR(Super Resolusion)を内蔵します。
フルモデルのS905X5の省略版で、CPU・GPUはそのままにメモリが最大8GB→4GB、DDR3世代に非対応、USB3.0非対応など、削れるところを削っています。
S905X5M | S905X4 | S905X3 | |
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発表時期 | 2024Q4 | 2021Q1 | 2019Q4 |
製造プロセス | 6nm | 12nm | |
CPU | Cortex-A55×4コア 最大2.5GHz |
Cortex-A55×4コア 最大2.0GHz |
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MIPS | 28420 MIPS | 22736 MIPS | 21600 MIPS |
GPU | Malo-G310 V2 | Mali-G31 MP2 | |
GPU FP32 | 52 GFLOPS | 20.8 GFLOPS | |
TDP | 5W | ||
HDMI | HDMI2.1 4K/60Hz VRR/ALLM/eARC |
HDMI2.1 4K/60Hz ALLM |
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対応解像度 | 8K/24Hz 4K/75Hz |
8K/24Hz 4K/120Hz |
8K/24Hz 4K/60Hz |
NPU | AI-SR (4TOPS) | – | 1.2TOPS (オプション) |
無線LAN | Wi-fi 6 / BT5.2 | Wi-fi 5 / BT4.2 | Wi-fi 4 / BT4.0 |
メモリ | DDR4-3200 LPDDR4-3200 |
DDR-2133 DDR3L-2133 LPDDR3-2133 DDR4-3200 LPDDR4-3200 |
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LAN | 1GbE | ||
インターフェース | USB2.0 eMMC5.2 |
USB3.0 USB2.0 eMMC5.0 |
S905X3、S905X4、S905X5Mを比較すると、S905X3からS905X4はマイナーアップデート程度の変化に対し、S905X5MはGPUが変更され、製造プロセスも6nmとなっています。
動作周波数の25%アップと製造プロセスのシュリンクにより、CPUは3割強の性能向上となりました。
アーキテクチャが変更されたGPUは2.5倍の性能アップです。
「ODROID-C4」との性能比較はこんな感じです。
理論値までは届いていないものの、消費電力(Power Consumprion)は低下させつつ、十分な性能向上と言えます。
一方でインターフェース周りではUSB3.0がUSB2.0に置き換わっています。
フルスペックのS905X5を採用しなかったのは、コスト的なものと、SBC用途的に5Gbpsの速度が必要になる場面はそう多くないという判断なのでしょう。
ブロックダイアグラム図はこんな感じ。
メモリとストレージ
メモリは4GB DDR4-3200。
ストレージは非搭載で、eMMCソケットとmicroSDスロットが用意されています。
その他
無線LANは非搭載。
有線LANは1GbEです。
電源はDCジャック(5.5×2.1mm)。7.5V ~ 15.5Vに対応し、推奨は12V/2A電源アダプタ。
とはいっても消費電力はCPUフルロードでも2.5W程度です。
OSは Android 14、Ubuntu 22.04、Yocto Styhead 5.1.4に対応。
外観
本体全景。
インターフェース配置は「ODROID-C4」に準じた、ラズパイスタイルです。
B.DDR4 memory (4GiB)
C.4 x USB 2.0 host ports
D.RJ45 Ethernet port (10/100/1000)
E.HDMI 2.0
F.Micro USB 2.0 port (OTG)
G.DC power jack (5.5×2.1mm)
I.UART for system console
J.IR receiver
K.40 x GPIO pins
L, O.Stereo audio
M.eMMC module socket
N.Micro SD slot
インターフェース一覧。
オーディオジャックはなく、ピンで提供されています。
ケースについてはODROID-C4用のケースがそのまま使えるようです。
製品ページにもちゃんと「ODROID-C5」のタグが追加されています。
まとめ
最近のSBCを取り巻く事情として、Intel N100が1万円台の市場を荒らした結果、SBCはIntel N100では対応できない機能を持つか、1万円以下の市場が中心となっています。
「ODROID-C5」は後者にあたり、価格は39ドル(約5,600円)。
HardkernelはIntel N97/Core i3-N305搭載の「ODROID-H4」シリーズ(99~220ドル)やRK3568B2搭載の「ODROID-M2」(115~145ドル)など、高価格路線を頑張っていたので、久しぶりの低価格製品です。
4年の差があるとはいえ、50ドルの「ODROID-C4」から11ドル安くなって、性能は3割アップなので、USB3.0が必須でない用途であればリプレース用としてアリですね。
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