2025年4月28日、MinisforumはRyzen 9 9955HXまたはRyzen 9 7945HXを搭載したミニPC「MS-A2」の予約を開始しました。出荷予定は5月20日です。
スペック

■ MS-A2 | |
CPU | Ryzen 9 9955HX Ryzen 9 7945HX |
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メモリ | So-DIMM DDR5-5600×2 |
ストレージ | Gen4 NVMe SSD×3 |
インターフェース | USB Type-C(Gen2)×2 USB3.2 Gen2×1 USB3.2 Gen1×3 USB2.0×1 HDMI 2.1 10GbE SFP+×2 2.5GbE RJ45×2 オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6e+BT5.2 |
サイズ | 196×189×48mm |
重さ | 1.3kg |
特徴
「MS-A2」は型番からもわかる通り、「MS-A1」の後継機です。
「MS-A1」はSocket AM5で、好みのCPUを導入できるという利点がありましたが、Intel系の「MS-01」で人気を博した要素(10GbEやPCIeスロット)がなく、評価は「MS-01」に及ばぬものでした。
「MS-A1」でのフィードバックを受けて、「MS-A2」は「MS-01」に近くなり、PCIeスロットと10GbEを搭載してきました(その代わりUSB4がなくなりましたが…)。

CPU
「MS-A2」のCPUは、Ryzen 9 9955HXまたはRyzen 9 7945HX。
Ryzen 9 9955HXはRyzen 9 7945HXと同じく、デスクトップ向けCPUをモバイル向けにパッケージングしたものです。
コードネームはFire RangeなRyzen 9 9955HXはZen5アーキテクチャで16コア32スレッド、グラフィックは2CUのRadeon 610M、TDPは55W(55-75W)となっています。
Ryzen 9 7945HXと比べるとグラフィックは変わらず、CPUアーキテクチャがZen4→Zen5、製造プロセスが5nm→4nmへと変更されています(I/Oダイは6nmのまま)。
小さなところだとメモリがDDR5-5200→DDR5-5600という変更もありますね。
Ryzen 9 9955HXのCPU性能はRyzen 9 7945HXから数%程度向上。シングルスレッド性能は1割程度のアップとなっています。
現行の、デスクトップ向けを含めた中でも最上位クラスのスコアを持っていて、ほんとにこれ55W?ってなるとんでも性能ですね。
反面、元がdGPUと組み合わせる前提のCPUだけにグラフィックは貧弱です。
貧弱と言ってもIntel N100よりは高く、4K表示やブラウジングであれば問題ない程度です。
サーバー用途であればセットアップができて、GUI表示ができればいいわけで、この程度でも十分なんですけどね。
メモリとストレージ
メモリはSO-DIMMが2スロット。CPUの制限でDDR5-5600まで、合計96GBまでの対応となっています。
ストレージは、M.2 SSDが3スロット。
スロット1はU.2 NVMe/M.2 22110規格に対応しています。スロット2と3はM.2 2280で、Gen4 x4接続に対応(デフォルトだとGen3になっていて、BIOS上で変更する必要あり)。
Ryzen 9 9955HX/7945HXのPCIeはGen5対応なので、Gen5 SSD対応にしても良かったんじゃないかなぁと思わなくもないですが、排熱面あるいは価格面で厳しかったのかなぁと。
また、OS、メモリ、ストレージもセットになった完成品モデルも用意されています。
完成品だとOSはWindows 11 Proになります。
その他
無線LANはWi-fi 6E(802.11ax)対応。Bluetoothはv5.2。
有線LANは10G SFP+が2ポート、2.5G RJ45が2ポート。
ミニPCながら内部にはPCIeスロット(Gen4 x16)を内蔵。接続はx8です。1スロットかつロープロファイル限定ですが、PCIeボードを組み込めるのはいいですね。
外観
本体全景。前面と天板の前半分が吸気口となっています。
フットプリントは196×189mmで、Lenovo「IdeaCentre Mini Gen8」などと同程度のサイズ感です。
自作er向けだと、mini-ITXボードがすっぽり入る程度と言えば分かりやすいでしょうか。

インターフェースは「MS-01」にそっくりです。違いはUSB4がUSB3.2 Gen2になっているくらい。
Ryzen 9 9955HXはベースがデスクトップ向けだからか、USB4をネイティブサポートしていないんですよね。
かといってPCIeから変換しようにも、内部PCIeスロット(x8)、M.2 SSD(x4が3枚)、10GbE変換と2.5GbE変換でPCIeスロットを使い切っちゃっているので、やっぱり難しいという。
なお、Type-CはAlt DP出力には対応しているので、HDMIと合わせてトリプルディスプレイに対応しています。
内部構造も「MS-01」に準拠。
トリプルM.2 SSDスロットが並び、一番左のスロットはU.2 NVMe/M.2 22110に対応します。
U.2 NVMeはサーバー向けというかデータセンター向けで、見た目は2.5インチSSDです。「MS-01」では最大15TBとされていますが、現行では最大61.44TBまで製品ラインナップが存在します。
自己責任となりますが、U.2 SSDを使うことで「MS-A2」を大容量ストレージサーバーとして使うことができるわけです。
PCIeはGen4 x16スロットで、内部接続はx8となっています。
1スロットかつロープロファイル限定なので、グラフィックボードは限定されます。
現実的なところだと、OCuLinkアダプターカードを使って、GPU Boxを接続した方がグラフィック性能は得られるでしょう。
もしくは、M.2 SSDの拡張ボードでストレージを増設するかですね。
冷却は厚めのシングルファン。ヒートシンクは「MS-01」のヒートパイプが2本だったのに対し、「MS-A2」は3本に増えています。
底面(ストレージサイド)はほぼ全面が通気口となっています。
まとめ
「MS-A2」の価格は、ベアボーンだとRyzen 9 7945HXモデルが92,790円、Ryzen 9 9955HXモデルが132,790円。
完成品モデルはそれぞれ7945HX+32GB+1TBで119,990円、9955HX+64GB+1TBで175,190円。
「MS-01」(Core i9-13900H)が発売時105,980円、現在96,980円なことを考えると、Ryzen 9 9955HXモデルは少々高めですが、Ryzen 9 7945HXモデルは価格的には変わらないところですね。
CPUは十分にパワフルですし、内部も不満点が解消された「MS-A2」は「MS-01」並みか、それ以上に人気が出そうです。
関連リンク
Minisforum MS-A2:Minisforum
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