2025年6月30日、ゲーミングスマホブランドのREDMAGICは、Snapdragon 8 Eliteを搭載した9.06インチタブレット「REDMAGIC Astra」を発売しました。
スペック

| ■ REDMAGIC Astra | |
| SoC | Snapdragon 8 Elite |
|---|---|
| メモリ | 12~24GB LPDDR5T |
| ストレージ | 256GB~1TB UFS4.1 |
| 画面 | 9.06インチ 有機EL 2400×1504 |
| インターフェース | USB Type-C(Gen2)×1 |
| wi-fi | Wi-fi 6E+BT5.4 |
| OS | REDMAGIC OS 10.5 (Android 15.0ベース) |
| カメラ | リア:1300万画素 フロント:900万画素 |
| バッテリー | 8,200mAh |
| 充電 | 最大80W |
| サイズ | 207×134.2×6.9mm |
| 重さ | 370g |
特徴
REDMAGICは中国のスマホメーカーNubia Technologyが展開するゲーミングブランドです。
Nubiaは2012年にZTE(中興通訊)の子会社としてスタートしましたが、2015年に独立、現在は関連会社という位置づけです。
長らくゲーミング向けのスマホ専業でしたが、2024年にブランド初のタブレット「REDMAGIC Nova」を発表。
「REDMAGIC Astra」はREDMAGICで2番目のタブレットとなります。
中国では「Gaming Tablet 3 Pro」という名称で6月13日に発売されています。
CPU
「REDMAGIC Astra」のSoCはQualcomm Snapdragon 8 Elite。
Snapdragon 8 Gen3の後継機ですが、CPUコアをARM CortexベースのKryoからQualcomm自社設計のOryonにするという、大きな変更がなされています。
このOryonはPC向けのSnapdragon Xシリーズに第1世代が採用されていて、Snapdragon 8 Eliteには第2世代が採用されています。
構成はプライムコア×2+パフォーマンスコア×6の8コアで、高効率コアがなくなりました。
GPUはAdreno 830。
スコアは実機とAnTuTuランキングを使用しています。
性能は、断トツのトップ。
AnTuTuスコアで見る限りという注釈は尽きますが、iPad Pro(M4)をも超えています。
厳密に言うとAndroidとiOSの違いだとかが入ってきますが、どちらにせよ最強レベルの性能であることは間違いありません。
メモリとストレージ
メモリとストレージは12GB+256GB、16GB+512GB、24GB+1TBの3種類の組み合わせ。
メモリはLPDDR5T、ストレージはUFS4.1 Proです。
LPDDR5Tは2023年にSK Hynixが発表したモバイル向け低消費電力DRAMで、LPDDR5Xの最大8.5Gbps/pinに対し、最大9.6Gbps/pinに高速化、全体のデータレートは76.8GB/sに達します。
参考 SK hynix Commercializes World’s Fastest Mobile DRAM LPDDR5T:SK hynix
ストレージのUFS4.1 Proは…Proってのが謎。この表現を使っているのはREDMAGIC以外に見当たりません。
実機ではリード4,200MB/s弱、ライト3,800MB/sとGen3 SSDを超える性能となるようです。
UFS4.0/4.1の規格上の限界(4,640MB/s)に近い速度ってすさまじいですね。
その他
無線LANはWi-Fi 6か6E(802.11axって書かれている)。Bluetoothがv5.4なので、Wi-Fi 6Eかなぁ。
バッテリーは8,200mAhで、最大80Wの急速充電に対応。
ゲーミングタブレットらしく、ゲーム機能は豊富です。
アスペクト比の変更や、フレーム補間・アップスケーリングで原神を120FPS化する、なんてこともできるそう。
外観

本体。
カラーはシルバーとブラックの2色です。
上辺にはLenovo「Y700(初代)」のような赤いスライドスイッチ(マジックキー)が用意されています。
デフォルトではゲームスペースの起動ですが、カスタマイズできます。
「Y700(初代)」ではCPU使用率やFPSをオーバーレイ表示の機能しかありませんでした(サードパーティーアプリでカスタマイズは可能)。
Lenovoの「Legion Tab」のようにデュアルType-Cではありませんが、最近では充電とデータを分離するOTGアダプタも販売されているので、充電しながら映像出力するという用途に対して、シングルポートでも困ることはないでしょう。

ディスプレイは9.06インチ2.4K(2,400×1,504)。16:10なら2400×1500となるので、縦が4ピクセル長くなっています。
パネルは165Hzの有機ELディスプレイ。おそらく8~9インチクラスでは初の有機ELです。
色域は100% DCI-P3、色差は△E<1、最大輝度は1600nits。表面はGorilla Glassを使用。
ちなみに現時点では60Hzか165Hzかの2択となるようです。

2. 画面下高導電性グラフェン
3. 画面下高導電性銅箔
4. 画面下ベイパーチャンバー
5. マザーボード銅箔
6. マザーボード冷却システム
8. 複合液体金属2.0
9. 20,000 RPM 冷却ファン
10. 高強度アルミニウム合金ミッドフレーム
11. グラフェン層
12. 高導電性銅箔
13. マザーボードベイパーチャンバー
冷却はPAD ICE-Xと名付けられた、13層にもわたる冷却システムが使われています。

何気に、20000RPMの17×17mm小型ファンが組み込まれています。
排気口が開いているわけではなく、SoCから出た熱を押し流して筐体全体に分散させることで、SoC周辺だけが爆熱になってサーマルスロットリングが発生する、という状態を避ける仕組みです。
ファンの音は最大回転時で聞こえるかどうかくらいの、かなり静かな音だとか。

満充電後はタブレットに直接給電する、バイパス充電にも対応。

タブレットとしては非常に珍しい、リニアモーター振動ユニット。
タブレットなのに振動機能があります。

背面はフラット。カメラバンプはありません。
ライトを挟んだ左がファンで、RGBカラーで光らせることもできます(光らせてもプレイ中は見えませんが)。
まとめ
「REDMAGIC Astra」の価格は以下の通り。先行予約で7月30日(水)午前11時59分まで5,000円オフとなります。
・12GB+256GB:87,800円
・16GB+512GB:114,800円
・24GB+1TB:149,800円
中国ではそれぞれ3,999元(約8.3万円)、4,699元(約9.7万円)、5,999元(約12.4万円)なので、12GBモデルはかなり頑張った価格ですね。
正直この内容なら12GBモデルでも10万円超えておかしくないくらいなので、先行予約で82,800円は破格と言えます。
欠点としてはGPSがないことくらい。microSDスロットもありませんが、内蔵ストレージとの速度差を考えると、仕方ないかなぁと。
なんにせよ、記事執筆時点では「Legion Tab(Y700)」を抜いて、8~9インチクラスの頂点と言えるタブレットです。
今後のタブレットはこのスペックと価格で比較されるのかぁ…
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