2025年10月16日、ASUSはRyzen AI Z2 Extremeを搭載した「ROG Xbox Ally X」および、Ryzen Z2 Aを搭載した7インチポータブルゲーミングPC「ROG Xbox Ally」を発売しました。
スペック

| ■ ROG Xbox Ally X | |
| CPU | Ryzen AI Z2 Extreme |
|---|---|
| メモリ | 24GB LPDDR5X-8000 |
| ストレージ | 1TB M.2 Gen4 SSD |
| 画面 | 7インチ FHD/120Hz |
| インターフェース | Type-C(USB4)×1 Type-C(Gen2)×1 microSDXC オーディオジャック |
| wi-fi | Wi-fi 6E/BT5.4 |
| バッテリー | 80WHr |
| サイズ | 290×121×27.5~50.9mm |
| 重さ | 約715g |

| ■ ROG Xbox Ally | |
| CPU | Ryzen Z2 A |
|---|---|
| メモリ | 16GB LPDDR5-6400 |
| ストレージ | 512B M.2 Gen4 SSD |
| 画面 | 7インチ FHD/120Hz |
| インターフェース | Type-C(Gen2)×2 microSDXC オーディオジャック |
| wi-fi | Wi-fi 6E/BT5.4 |
| バッテリー | 60WHr |
| サイズ | 290×121×27.5~50.9mm |
| 重さ | 約670g |
特徴
「ROG Xbox Ally/Ally X」は、位置づけ的には2023年の「ROG Ally」及びアップデートモデルの「ROG Ally X」の後継モデルです。


が、名称に”Xbox”が入っていることからも分かるように、XBoxの開発元であるMicrosoftとの共同開発となっています。
ただしXbox Series X|S向けタイトルはプレイできません。
中身はカスタム版Windows 11で、通常のWindowsに比べてメモリの消費量を抑えていたり、「全画面表示エクスペリエンス」というゲームPC向け新UIが搭載されていたりします。
CPU
「ROG Xbox Ally X」のCPUは、Ryzen AI Z2 Extreme。Zen5アーキテクチャの8コアCPU(正確にはZen5×3+Zen5c×5)で、グラフィックは16コアのRDNA3.5。50TOPSのNPUを内蔵。
これに対し「ROG Xbox Ally」のCPUはRyzen Z2 A。名前は似ていますが中身は全く別物で、こちらは4コアのZen2アーキテクチャと8コアのRDNA2という組み合わせになっています。
この構成は「SteamDeck」に搭載されているCPUと同じなので、性能面でも同程度と思われます。
なお、NPUは内蔵していません。
※GeekBenchと3DMarkの集計値、および当ブログでのレビュー結果に基づいています
Ryzen AI Z2 Extremeは、Zen4+RDNA3のRyzen AI Z1 Extremeから順当にパワーアップ。
特に12CUから16CUとなったグラフィック性能は、スコアが大幅に伸びています。
Ryzen Z2 AはZen2×4コアなのでCPU性能は過去の4コアCPUと同程度。
グラフィック性能はデータがないものの、同じRDNA2アーキテクチャのRyzen 5 6600U(6CU、Radeon 660M)とRyzen 76800U(12CU、Radeon 680M)の間くらいになると思われます。
性能面ではRyzen AI Z2 Extremeにかなり遅れを取りますが、ストリーミングプレイのXbox Cloud GamingやXboxリモートプレイをする分には、Ryzen Z2 Aでも不足はなくなります。
メモリとストレージ
メモリは「ROG Xbox Ally X」が24GB LPDDR5X-8000、「ROG Xbox Ally」が16GB LDDDR5-6400。
規格が異なっているのはCPUの仕様による差ですね。
メモリ量はそれぞれが先代の「ROG Ally X」と「ROG Ally」と同じになっています。
従来では16GBだとメモリがかつかつでしたが、前述のカスタムWindows(メモリ消費量が2GB削減されたという話)により、16GBでも多少の余裕があるものと思われます。
ストレージは「ROG Xbox Ally X」が1TB、「ROG Xbox Ally」が512GBのM.2 Gen4 SSD。
“アップグレードが容易”とあるので、2280 SSDを使っているんじゃないかなぁと。
その他
無線LANはどちらもWi-fi 6E(802.11ax)に対応。Bluetoothはv5.4。
有線LANはありません。
バッテリーは「ROG Xbox Ally X」が80WHr、「ROG Xbox Ally」が60WHr。
ここで差を付けるのは意外でした。
この差によって「ROG Xbox Ally X」は715g、「ROG Xbox Ally」は670gと、重さにも差が出ています。
ちなみに先代「ROG Ally X」は80WHrで678gだったので、「ROG Xbox Ally X」はちょっと重くなっていますね。
「ROG Ally」から引き続き、管理アプリの「Armoury Crate SE」も組み込まれています。
外観

本体全景。
これまでのハンドヘルド機と大きく異なる点が、グリップです。
形状をXboxコントローラーに近づけていて、ここまでコントローラーチックなグリップは初めて見ました。
発売前レビューを見てもXboxユーザーは違和感なく使えているようです。

表面にはびっしりと「ROG XBOX」の文字。ちょっと狂気。
左上には「XBOXボタン」が用意され、Xboxゲームバーにアクセスできます。
Xboxゲームライブラリ上では、ROG Xbox Allyとの互換性がわかるHandheld Compatibility Program(最適化バッジ)に対応 しています。

ちなみにカラーは「ROG Xbox Ally X」がブラック、「ROG Xbox Ally」がホワイトです。
ディスプレイは共通で7インチFHD(1920×1080)。IPSパネルでリフレッシュレートは120Hz、最大輝度は500nits。
表面はCorning Gorilla Glass Victus+DXC反射防止加工。
有機ELは消費電力の観点(明るいと消費電力大)から見送ったとのこと。

インターフェースは上部に集中。
Type-C端子は「ROG Xbox Ally X」がUSB4+USB3.2 Gen2、「ROG Xbox Ally」がUSB3.2 Gen2×2となっています。

底面は何もなし。

背面には吸気口とマクロボタン。
まとめ
「ROG Xbox Ally X」の価格は139,800円、「ROG Xbox Ally」は89,800円。Xbox Game Passの3か月利用権も付属します。
内容の差を考えれば、5万円差は納得ですし、「ROG Xbox Ally X」は先代「ROG Ally X」と同価格である点もポイント。
お値段そのままでいい感じにアップグレードされた「ROG Xbox Ally X」と、性能は低めな代わりに低価格な「ROG Xbox Ally」。
割とうまい組み合わせに見えますが…まぁ大半の人は「ROG Xbox Ally X」を選ぶんじゃないかなぁ…さすがにちょっと性能がね…




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