【実機レビュー】 ACEMAGIC S3A:ダイアルでお手軽モード変更!高性能だけど静かなミニPC

レビュー

ACEMAGIC「S3A」は、ミニPCとしては珍しい、縦型筐体です。

この形状は、ACEMAGIC製品の製造元であるShenzhen CYX Industrialのオリジナルで、2022年の「AMR5」がおそらく最初の製品となります(「AMR5」はAce Magicianのブランド名で、INDIEGOGOでファンディングされました)。

Shenzhen CYX Industrial, Mini PC、TV Box,Mini PC, mini computer, chuangyingxin, mini host, manufacturer,notebook computer, small host,Notebook computer
Shenzhen CYX Industrialis a minipc manufacturer, focusing on minipcs and laptops. The company produces smart office prod

一応ACEMAGIC名義での販売ページも残っています。

ACEMAGIC AMR5 AMD Ryzen 7 5700U Mini PC
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このユニークな形状は話題性も高く、人気も良かったのか、姉妹ブランド(あるいはOEM先)のChatreey名義で販売されたりもしています。

ダイヤルでモード切替え! Chatreey「AMR5」はゲーミングっぽい見た目のRyzenミニPC
2022年5月15日ころ、Chatreey computersはRyzen 5 5600Uを搭載したミニPC「AMR5」をAliExpressで発売しました。販売ページ:AliExpressスペック■ AMR5CPURyzen 5 5600

この「AMR5」の後継に当たる現行製品が「S3A」で、今回はRyzen 7 8745HSモデルをレビューしていきます。

当レビューはメーカーより機材提供を受けたものですが、内容自由で書かせてもらっています。機材を提供いただいたACEMAGIC様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。
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ACEMAGIC S3A

CPU Ryzen 7 8745HS
メモリ 32GB DDR5-5600
ストレージ 1TB M.2 Gen4 SSD
インターフェース USB Type-C(USB4)×1
USB3.2 Gen2×2
USB3.2 Gen1×4
HDMI 2.0
DisplayPort 2.0
2.5GbE 有線LAN×1
オーディオジャック
wi-fi Wi-fi 6+BT5.2
電源 120W (19V / 6.32A)
サイズ 135×162.7×71.8mm
重さ 0.7kg

GoodPoint
ダイアルでお手軽モード変更
内部アクセスしやすいマグネットカバー
合計7ポートのUSB
静音性高め

BadPoint
背面にType-Cがない
OCuLinkなし

レビュー公開にあたり、クーポンをいただきました。

クーポンコード:A62C7JFQ
クーポン適用価格:69,998円
有効期間:10/21~10/31 23:59

パッケージ

内容物
・本体
・電源アダプタ
・電源ケーブル
・VESAマウンタ
・VESAねじ
・HDMIケーブル
・マニュアル

「S3A」のインターフェース

■フロント
・電源ボタン
・USB4
・USB3.2 Gen2×2
・オーディオジャック
■リア
・USB3.2 Gen1×4
・2.5GbE 有線LAN
・DisplayPort 1.4
・HDMI 2.1
・電源ジャック

電源ボタンはダイアルとなっていて、Silent・Auto・Performanceの3段階にモード変更できます。

モード変更はTDPはそのままですが、PL1とPL2の電力制限が変更されます。

「S3A」の内部

内部はメモリが2枚にM.2 SSD(2280)×2スロット、M.2スロットの下にWi-fiカードがあります。
縦型というだけで中身自体は最近のミニPCとしてはオーソドックスと言える構成です。

下に4つ、LEDが並んでいて、起動するとゲーミングカラーに光ります。
LEDは制御アプリが公開されています。

Drivers & Downloads:ACEMAGIC

「S3A」のパフォーマンス

レビュー機のスペック

レビュー機のスペックは以下の通り。
また、モード切替機能があるので、一部テストはSilent・Auto・Performance(記事中ではS・A・Pで表記)それぞれで計測しています。画像は基本的にAutoモード時のデータを使用します。

CPU Ryzen 7 8745HS
グラフィック AMD 780M
メモリ 32GB(16GB×2) DDR5-5600
ストレージ 1TB Gen4 SSD

Ryzen 7 8745HSはグローバルページに掲載がなく、中国向けページにのみ掲載されています。
中身的にはRyzen 7 7840HSの動作周波数をわずかに落とし、NPU(Ryzen AI)を非対応にしたものとなります。

参考 AMD 锐龙 7 8745HS:AMD(中国)

ストレージ

ストレージはRayson RS1D0TSSD710。
Rayson(晶存科技)は中国深センのフラッシュメモリーメーカーです。

ACEMAGIC「K1」では同メーカーのSATA SSDが搭載されていました。

【実機レビュー】ACEMAGIC K1:3万円台から買えるのに、Zen3でそこそこ使えるミニPC
ACEMAGIC「K1」はここ最近で搭載ミニPCが増えている、Ryzen 5 7430Uを採用した比較的安価なミニPCです。2~3万円の激安ミニPCはCeleron N5095からIntel N100にかけて爆発的に売れ、今も日々新たな機種

参考 PCIe 4.0 SSD:Rayson

実測値はリード4,947MB/s、ライト4,040MB/s
おおむね5,000MB/sクラスと考えてよさそうです。

総合

CPU PassMark11 (CPU)
Core Ultra 9 185H 341063984
Ryzen 9 7940HS 310063942
Ryzen 7 8745HS(P) 307933868
Ryzen 7 8745HS(A) 304523864
Ryzen 7 8745HS(S) 286553818
Core i7-13700H 284583979
Core Ultra 5 125H 263903712
Core i9-13900H 258943720
Ryzen 9 6900HX 257963570
Ryzen 7 7840U 246513861
Ryzen 9 5900HX 245423354
Core i9-12900H 242263640
Ryzen 5 7640HS 234643788
Ryzen 7 5800H 220613169
Ryzen 7 6800U 214203347
Ryzen 7 5825U 181323053
Ryzen 7 5700U 177572687
Ryzen 5 6600U 170313134
Core i3-1220P 165523525
Ryzen 5 7430U 164083063
Core i5-1235U 150453359
Ryzen 5 5500U 148872534
Core i7-11390H 121173376
Intel N100 61222088

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

PassMarkは旧バージョン(v9)と新バージョン(v11)の両方を掲載。比較はv11で行っています。

Ryzen 7 8745HSは、中身的にはほぼRyzen 7 7840HSのNPUなし版なので、Ryzen 9 7940HSのちょっと下というのは妥当な位置でしょう。
というか、モードごとの差が思ったほど出ていないですね。

前述したようにモードの差はPL1/PL2の違いなので、瞬間的なパワーは結構な差が出るのですが、長時間になるとCPU温度とか電力配分とか、他の要因によってリミットがかかり、差が出にくくなるようです。

CPU

CPU CINEBENCH R15
Core Ultra 9 185H 2928251
Ryzen 7 8745HS(P) 2621275
Core i7-13700H 2613278
Ryzen 9 7940HS 2521288
Ryzen 7 8745HS(A) 2447274
Ryzen 7 8745HS(S) 2259272
Ryzen 9 6900HX 2238249
Core Ultra 5 125H 2234243
Ryzen 9 5900HX 2162243
Ryzen 5 7640HS 2071270
Ryzen 7 7840U 2017265
Core i9-12900H 2005248
Ryzen 7 6800U 1624236
Core i5-11400H 1524221
Ryzen 7 5700U 1468190
Core i3-1220P 1346214
Ryzen 5 7430U 1285219
Ryzen 5 5500U 1231177
Core i5-1235U 1113223
Core i7-11390H 948232
Core i7-1165G7 859227
Core i5-1135G7 628160
Intel N100 386152

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

CPU CINEBENCH R23
Core Ultra 9 185H 192411743
Core i7-13700H 169431925
Ryzen 7 8745HS(P) 161401736
Ryzen 9 7940HS 161261820
Ryzen 7 8745HS(A) 154691734
Core Ultra 5 125H 147491681
Ryzen 7 8745HS(S) 143201724
Ryzen 9 6900HX 135961599
Core i9-12900H 131541730
Ryzen 5 7640HS 128781704
Ryzen 9 5900HX 128601490
Ryzen 7 7840U 128151719
Ryzen 7 6800U 105931500
Core i5-11400H 99791474
Core i3-1220P 89641543
Ryzen 7 5700U 88221262
Ryzen 5 7430U 75841380
Core i5-1235U 75111568
Ryzen 5 5500U 72901186
Core i7-11390H 58561516
Core i7-1165G7 54451522
Core i5-1135G7 40391279
Intel N100 2481923

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

CPUのレンダリングパフォーマンスを調べるCINEBENCHは、比較的短時間でベンチマークが完了するので、分かりやすく差がついています。
が、それでもSilentモードとPerformanceモードの比較でも最大12%、シングルスレッドスコアは誤差レベルです。

温度を見ているとPerformanceモード時は85℃でサーマルスロットリングが発生している(詳細は後述)ので、スコアが伸びない原因となっています。

GPU

CPU 3DMark Fire Strike (Graphic)
GTX 1650 9264
Ryzen 9 7940HS(16GB×2) 8589
Ryzen 7 8745HS(P)(16GB×2) 8348
Ryzen 7 8745HS(S)(16GB×2) 8330
Ryzen 7 8745HS(A)(16GB×2) 8272
Ryzen 9 6900HX(8GB×4) 7928
Ryzen 7 7840U(16GB×4) 7621
Core Ultra 5 125H(16GB×2) 7253
Ryzen 5 7640HS(16GB×2) 7158
Ryzen 7 6800U(16GB×2) 6950
GTX 1050 6210
Core i9-12900H(16GB×2) 5749
Core i7-13700H(16GB×2) 5617
Core i7-11370H 4937
Ryzen 7 5700U(16GB×2) 4155
Ryzen 5 7430U(16GB×2) 3930
Core i7-1165G7(8GB×2) 3883
Core i5-1135G7(8GB×2) 3842
Ryzen 5 5500U(4GB×2) 3350
Core i3-1220P(3GB×8) 2805
Intel N100(16GB×1) 1191

CPU 3DMark Time Spy (Graphic)
GTX 1650 3495
Core Ultra 5 125H(16GB×2) 3205
Ryzen 9 7940HS(16GB×2) 2942
Ryzen 7 8745HS(P)(16GB×2) 2905
Ryzen 7 8745HS(A)(16GB×2) 2862
Ryzen 7 8745HS(S)(16GB×2) 2843
Ryzen 7 7840U(16GB×4) 2811
Ryzen 5 7640HS(16GB×2) 2592
Ryzen 9 6900HX(8GB×4) 2548
Ryzen 7 6800U(16GB×2) 2352
GTX 1050 1725
Core i7-13700H(16GB×2) 1689
Core i9-12900H(16GB×2) 1613
Core i7-11370H 1542
Ryzen 7 5700U(16GB×2) 1312
Core i7-1165G7(8GB×2) 1236
Ryzen 5 7430U(16GB×2) 1200
Core i5-1135G7(8GB×2) 1188
Ryzen 5 5500U(4GB×2) 1078
Core i3-1220P(3GB×8) 854
Intel N100(16GB×1) 326

グラフィック性能は、SilentモードとAutoモードが同程度で、逆転したりしています。

というのも、モード切替はPL1とPL2の値を変更するもので、グラフィック部分には特に制限がないためです。
なので、CPU処理が絡まないグラフィックスコアは、測定誤差程度の差となります。

外観

パッケージ

外箱は何となくゲーミングっぽい。
裏は使い回りの効くチェックマークタイプのスペックシートになっています。

技適番号は「219-248250」となっています。
相互承認(MRA)を利用した技適で、技適取得者は「Shenzhen CYX Industrial Co., Ltd.」となっています。

参考 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(219-248250):総務省

パッケージ全体。

付属品

電源アダプタは19V/6.32A(=120.08W)出力。
最近の高スペックミニPCってほぼこれですね。

HDMIケーブル。

マニュアルは多言語。

マニュアルの日本語は一部中華フォントが残っていますが、大部分は日本語フォント。 なんで中途半端に混在しているんだろう…?
文言については一部は違和感が残るものの、「K1」の時ほどおかしな表現はなくなっています。

筐体

本体。
縦型筐体は、デスクトップでは一般的ながらミニPCではMINISFORUMや、以前にレビューしたAOOSTAR「R3」など種類が限られます。
ましてやモード変更ダイアル付きなどというユニークなものは、このシリーズしかありません。

再掲ですが、インターフェースは前後のみ。何気に最近は標準搭載みたいになっていたマイク穴がありません。あとリセット穴もないですね。

USBは前面がUSB3.2 Gen2(10Gbps)、背面がUSB3.2 Gen1(5Gbps)。
前面のUSB4も併せて合計7ポートはなかなかに豪華です。

背面には排気口が開いています。

これも再掲ですが、上部にはロゴとダイアル。
ダイアルは軽い力で回り、カチカチと小気味よい感触です。

左右は吸気口。

底面にはラベルと、実はここにも排気口があります。つまり、2方向排気というわけです。
ヒートシンクが二方向にあるので、その分総表面積が大きくなり、ファンの回転数(=騒音)の割に冷却能力が高くなっています。

本体重量は707.0g。
ミニPCとしては少々重めです。

内部構造

「S3A」の側面はマグネットカバーなので、非常に簡単に内部にアクセスできます。
カバーの造り的に、SSD側にもファンを設置できるようですが、「S3A」では非搭載でした。

左傾ですが内部全体。
これよく見ると、SSDスペースとメモリスペースが区切られています。

SSDは2スロット。
SSDファンがない代わりに、SSDにヒートシンクを装着しています。
5,000MB/sクラスなら、これで十分です。

システム

起動前

UEFIはBIOSスタイル。

恒例のバックアップ。
使用したのは「Macrium Refrect Free」で、バックアップサイズは60.62GBでした。

システム情報

セットアップは最初からローカルアカウントを作成できるモードになっていました。

デスクトップ。
余計なものはありません。

ライセンスはOEM_DM。正規ライセンスですね。

OSはWindows 11 Pro 24H2。

HWiNFO

CPU(Autoモード)はTDPが45W、PL1が45W、PL2が54W。最大ジャンクション温度は85度です。
最大ジャンクション温度がめちゃくちゃ低く設定されているので、割とすぐにサーマルスロットリングが発生します。代わりにファンが高速で回る必要がないため、騒音が低く抑えられます。

ゲームベンチマーク

[中量級] Street Fighter 6

2023年6月に発売し、全世界で460万本(2025年3月時点)を売り上げたストリートファイター6。
思ったより動作し、”LOW/FHD”でも58FPSで動作。
カジュアルプレイであればギリギリレベルながらプレイできなくもないといったところです。

[中量級] FF XIV 黄金の遺産

設定 モード スコア FPS 評価
1920×1080
最高品質
P 3917 27.33 fps 設定変更
A 3910 27.14 fps 設定変更
S 3636 25.20 fps 設定変更
1920×1080
高品質
P 6649 49.73 fps やや快適
A 6615 46.39 fps やや快適
S 5767 40.13 fps 普通
1920×1080
標準
P 6780 47.26 fps やや快適
A 6674 46.69 fps やや快適
S 5976 41.60 fps 普通
1280×720
高品質
P 9304 68.33 fps 快適
A 9265 68.10 fps 快適
S 7905 57.98 fps やや快適
1280×720
標準
P 10000 73.02 fps 快適
A 9920 72.45 fps 快適
S 8703 63.78 fps 快適
FF XIV 暁月の終焉
Core Ultra 5 125H(16GB×2) 3987 / 設定変更
Ryzen 7 8745HS(P)(16GB×2) 3917 / 設定変更
Ryzen 7 8745HS(A)(16GB×2) 3910 / 設定変更
Ryzen 9 7940HS(16GB×2) 3838 / 設定変更
Ryzen 7 7840U(16GB×4) 3801 / 設定変更
Ryzen 9 6900HX(8GB×4) 3765 / 設定変更
Ryzen 7 8745HS(S)(16GB×2) 3636 / 設定変更
Ryzen 5 7640HS(16GB×2) 3522 / 設定変更
Core i7-12800H(16GB×2) 2629 / 設定変更
Core i9-12900HK(16GB×2) 2447 / 設定変更
Core i5-1335U(8GB×2) 2315 / 設定変更
Ryzen 7 5700U(8GB×2) 1977 / 設定変更
Ryzen 5 7430U(16GB×2) 1873 / 設定変更
Core i3-1220P(3GB×8) 1428 / 設定変更
Intel N100(16GB×1) 700 / 動作困難

中量級タイトルのベンチマークとなる「FF14 黄金の遺産」では、結構面白い結果に。
グラフィック負荷が同程度だとCPU性能にスコアが左右される、つまりモードごとの差が見えてきます。

PerformanceモードはAutoモードと同程度ですが、わずかに上のスコアを記録、PL1/PL2によるリミットがかかったSilentモードは、最大で15%程度低いスコアとなっています。

[重量級] FF XV Windowsエディション

設定 モード スコア 評価
1920×1080 高品質 P 2770 やや重い
A 2733 やや重い
S 2695 やや重い
1920×1080 標準品質 P 3818 普通
A 3817 普通
S 3649 普通
1920×1080 軽量品質 P 4987 やや快適
A 4924 やや快適
S 4899 やや快適
1280×720 標準品質 P 6167 快適
A 6250 快適
S 6314 快適
1280×720 軽量品質 P 7907 快適
A 7933 快適
S 7819 快適
FF XV
GTX 1650 8162 / 快適
Ryzen 7 8745HS(S)(16GB×2) 6314 / 快適
Ryzen 7 8745HS(A)(16GB×2) 6250 / 快適
Ryzen 9 7940HS(16GB×2) 6231 / 快適
Ryzen 7 8745HS(P)(16GB×2) 6167 / 快適
Ryzen 7 7840U(16GB×4) 5994 / やや快適
Ryzen 9 6900HX(8GB×4) 5913 / やや快適
Ryzen 5 7640HS(16GB×2) 5659 / やや快適
Core Ultra 5 125H(16GB×2) 5363 / 普通
Ryzen 7 6800U(16GB×2) 5250 / 普通
Core i9-13900H(16GB×2) 3757 / 普通
Core i7-13700H(16GB×2) 3629 / 普通
Ryzen 5 5700U(8GB×2) 3138 / 普通
Ryzen 5 7430U(16GB×2) 2957 / やや重い
Core i5-1135G7(8GB×2) 2733 / やや重い
Core i7-1165G7(8GB×2) 2702 / やや重い
Ryzen 5 5600U(8GB×2) 2634 / やや重い
Ryzen 5 4500U(8GB×2) 2606 / やや重い
Core i5-1235U(8GB×2) 2591 / やや重い
Core i7-11390H(8GB×2) 2585 / やや重い
Core i5-1135G7(8GB×1) 2001 / 重い
Core i3-1115G4(4GB×2) 1961 / 動作困難
Ryzen 3 4300U(4GB×2) 1914 / 動作困難
Ryzen 5 3500U(4GB×2) 1823 / 動作困難
Ryzen 5 4500U(8GB×1) 1724 / 動作困難
Core i5-1035G7(8GB×2) 1543 / 動作困難
Core i5-10210U(8GB×2) 1012 / 動作困難
Ryzen 3 3200U(4GB×2) 1011 / 動作困難
Core i5-8250U(8GB×1) 890 / 動作困難
Core i5-7200U(4GB×2) 867 / 動作困難

1280×720(標準品質)での比較

重量級タイトルのFF15は、グラフィック性能の比率が高いのか、各モード横並び。
これはこれで面白い結果に。

消費電力・稼働時間・騒音・温度

消費電力

モード Performance Auto Silent
アイドル時 6.7~10.5W
画面オフ時 6.6~10.3W
スリープ時 0.05~3.6W
CINEBENCH(S) 32.5W 32.5W 33.1W
CINEBENCH(M) 91.3W 77.0W 66.5W
FF14 黄金の遺産 79.2~83.9W 68.4~74.8W 56.9~62.9W
最大 98.5W 82.4W 71.6W

消費電力は、アイドル時では6.7~10.5WとミニPCとしては心持ち高め。
もうちょっと低いと思ってたんだけどなーと考えていたら、気付きました。これLEDの分じゃない?

アプリでLEDをオフにしたら、下限が6.5W台後半まで落ちたので、LEDが0.1~0.2W程度消費していたようです。
あとは、電源アダプタの変換効率くらいかなぁ…

高負荷時は、モードごとの消費電力に思ったより差がついています。
以下はCINEBENCH R15 マルチスレッドテスト実行時の各モードごとの消費電力の様子。

Performanceモードでは瞬間的に90Wに達した後、80Wを数秒維持して75Wに下がっています。
Autoモードでは数秒間75~77Wを維持した後、65~67Wに落ちています。
Silentモードでは65~67Wを数秒間維持した後、53~55Wに落ちています。

CINEBENCH R15のマルチスレッドベンチは短時間で終了するので、モード間の差が分かりやすいですね。

騒音

騒音計を本体から30cm離れた位置に置いて測定しています。

モード Performance/Auto Silent
電源オフ 34.7dB 34.7dB
アイドル 34.8dB 34.8dB
FF14ベンチ時 36.1dB 35.3dB
最大 39.1dB→36.2dB 35.8dB
最大(背面) 39.5dB→36.5dB 36.2dB

騒音レベル[dB] 音の大きさのめやす 自室内の聞き騒音
うるさい 70 掃除機
騒々しい街頭
非常にうるさい
60 普通の会話・チャイム
時速40キロの自動車の内部
非常に大きく聞こえうるさい
声を大きくすれば会話ができる
普通 50 エアコンの室外機
静かな事務所
大きく聞こえる
通常の会話は可能
40 深夜の市内
図書館
多少大きく聞こえる
通常の会話は十分に可能
静か 30 ささやき声
深夜の郊外
非常に小さく聞こえる
20 ささやき
木の葉のふれあう音
ほとんど聞こえない

騒音については、PerformanceモードとAutoモードはほぼ同じだったので、まとめて掲載。
あれこれ負荷をかけたのですが、40dBを超えない優秀な静音性でした。
音もやや低めの、サーっと水が流れるような音で不快感は全くなし。

Silentモードは瞬間的な跳ね上がりがなく、ゆるっと回転数が上がる感じでとても静か。

Celeron/Intel N100系ならともかく、ハイエンド系のミニPCでは、これまでレビューしてきた中でもトップクラスの静音性と言えます。

温度

HWiNFOのデータより、「S3A」の最大ジャンクション温度は85℃、かなり低めに設定されています。

温度はHWMonitorとHWiNFOで測定。
CINEBENCH時、Performanceモードでは見事に85℃の壁に引っかかってサーマルスロットリングが発生していることが分かります。
先の電力消費でPerformanceモードだけグラフが変な形だった理由ですね。

あと、PerformanceモードはPL2が65Wですが、実際にはコア消費電力は54Wに達していない点も注目ポイント

FF14 黄金の遺産ベンチ時は内蔵グラフィックも電力を消費するため、パッケージ消費電力が54Wを超えますが、それでも58W程度。
内蔵グラフィックが消費する分、CPUコアに回せる電力が減っている(コア消費電力が低い)ので、これがAutoモードと同程度のスコアになった要因と思われます。

FF14ベンチ時の内蔵グラフィック側の温度と消費電力はこんな感じ。

まとめ

「S3A」はお手軽にモード変更ができる、縦型ミニPCでした。
温度と消費電力面ではしっかりとモード間の差が出ているものの、CPU温度の最大値が低く設定されていることから、ベンチマークではこの差が見えにくくなっています。

画像編集でフィルターをかけるといった、瞬間的・短時間のCPU負荷が発生する状況であればPerformanceモードは有効的ですが、それ以外ではAutoモードで十分でしょう。
さらにグラフィックにはモードが適用されないので、ゲームはAutoモードが最適となります。

ベンチマークスコア自体はRyzen 9 7940HSに匹敵しているので、サーマルスロットリングの影響としては軽微とみなしていいかと。
それよりもCPU温度を抑えたことによる静音性の方が、ユーザーにとってはメリットが大きいです。

「S3A」の価格は、記事執筆時点では82,280円+10%オフクーポンで74,052円
同等クラスの最安値とはいきませんが、十分な性能とトップクラスの静音性を兼ね備えていると考えれば、最安値品との価格差分以上の付加価値はあると言え、普通におすすめできるミニPCです。

レビュー公開にあたり、クーポンをいただきました。

クーポンコード:A62C7JFQ
クーポン適用価格:69,998円
有効期間:10/21~10/31 23:59

関連リンク

付録

ベンチマーク結果一覧

メーカー ACEMAGIC
モデル名 S3A
CPU Ryzen 7 8745HS
GPU Radeon 780M
メモリ 16GB×2
DDR5-5600
ストレージ 1TB Gen4
PassMark 9 Total 7121.3
CPU Single 3725
CPU Multi 28741.2
2D 1016.2
3D 7949.1
Memory 2391
Disk 35318.1
PassMark 11 Total 8227.9
CPU Single 3864
CPU Multi 30452.4
2D 952
3D 7910.9
Memory 3311.1
Disk 35077.1
3DMark TimeSpy 3214
Graphics 2862
CPU 10657
FireStrike 7657
Graphics 8272
Phisics 27069
Combined 2909
NightRaid 30441
Grapihics 36050
CPU 15450
WildLife 17880
Graphics 107.07 fps
SteelNomad 436
Graphics 4.36 fps
SteelNomadLight 2715
Graphics 20.12 fps
CINEBENCH R15 OpenGL 204.47 fps
CPU(M) 2447 cb
CPU(S) 274 cb
CINEBENCH R20 CPU(M) 6062 pts
CPU(S) 673 pts
CINEBENCH R23 CPU(M) 15469 pts
CPU(S) 1734 pts
CINEBENCH 2024 CPU(M) 822 pts
CPU(S) 103 pts
CrystalMark Mark 1346441
ALU 417846
FPU 209662
MEM 211998
HDD 89704
GDI 18679
D2D 5144
OGL 393358
CrystalMark Retro All 22883
CPU-Single 13295
CPU-Multi 128431
2D-text 6410
2D-square 14683
2D-circle 11785
2D-image 15554
3D-scene1 61121
3D-scene2 42510
3D-scene1-CPU 14762
3D-scene2-CPU 13122
CrystalMark Retro2 All 22790
CPU-Single 13345
CPU-Multi 127488
2D-text 6381
2D-square 14873
2D-circle 11856
2D-image 16123
3D-scene1 100
3D-scene2 100
3D-scene1-CPU 59543
3D-scene2-CPU 43636
GeekBench5 Single 1881
Multi 11643
OpenCL 33979
OpenCL(dGPU)
GeekBench6 Single 2572
Multi 12686
OpenCL 30040
OpenCL(dGPU)
PCMark ALL 6786
Essensial 10094
Productivity 9000
DigitalContent 9335
VR Mark 3539
DQ(DX9) 1920・最高 11827
すごく快適
1280・標準 13758
すごく快適
FF XIV(DX11)
暁月の終焉
1920・最高 5997
普通
fps
1920・高 7302
やや快適
fps
1920・標準 8842
快適
fps
1280・高 11378
とても快適
fps
1280・標準 12910
とても快適
fps
FF XIV(DX11)
黄金の遺産
1920・最高 3910
設定変更
27.14 fps
1920・高 6615
やや快適
46.39 fps
1920・標準 6674
やや快適
46.69 fps
1280・高 9265
快適
68.10 fps
1280・標準 9920
快適
72.45 fps
FF XV(DX11) 1920・高 2733
やや重い
1920・標準 3817
普通
1920・軽量 4924
やや快適
1280・標準 6250
快適
1280・軽量 7933
快適
ブラウザ jetstream2 406.248
BaseMark 2111
WebXPRT4 317
MotionMark 2671.78
SpeedMeter2.0 459
SpeedMeter3.0 26.5
Octane 96748
Octane Multi 800197

ベンチマーク結果画像

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