【実機レビュー】 EarFun Air Pro 4i:びっくりするくらい音が消える、ノイキャン特化イヤホン

レビュー

2025年8月21日、高コスパなイヤホンを手掛けるEarFun Technologyから、独自のアクティブノイズキャンセリング技術「QuietSmart 3.0」を搭載した完全ワイヤレスイヤホン「EarFun Air Pro 4i」が発売されました。

EarFunは2024年7月に「EarFun Air Pro 4」を発売していて、名前的に廉価版かなーと思いきや、1年の技術向上でノイズキャンセリング性能が向上しているとのこと。あとそもそもデザインも違うしドライバー径も異なっています。これはもう、名前が似ているだけの別物ですね。

がじぇっとりっぷはもともとカナル型イヤホンが苦手なこともあり、ここ最近はオープンイヤーイヤホンを中心にレビューしてきましたが、最大50dBのANCという謳い文句に惹かれて、久しぶりにカナル型をレビューします。

ちなみに同ブランドについては、がじぇっとりっぷでは以前に「OpenJump」というオープンイヤーイヤホンをレビューしています。

【実機レビュー】EarFun OpenJump:ボーカルが聞きやすい、1万円切りなのにLDAC対応なオープンイヤーイヤホン
2025年4月、イヤホンブランドのEarFunはブランド初となる耳掛け式のオープンイヤーイヤホン「OpenJump」を発売しました。今回はその「OpenJump」をレビューしていきます。EarFunのイヤホンをレビューするのは、2021年の
当レビューはメーカーより機材提供を受けたものですが、内容自由で書かせてもらっています。機材を提供いただいたEarFun様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。
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EarFun Air Pro 4i

Bluetoothバージョン v5.4
対応コーデック SBC、AAC、LDAC
ドライバー径 11mm
周波数 20Hz-20kHz
ANC -50dB
バッテリー容量 60mAh(本体)
520mAh(ケース)
バッテリー駆動時間 約9.5時間(本体)
約40時間(ケース込)
充電時間 約1時間(本体)
約2時間(ケース)
急速充電 10分充電で2時間再生
充電端子 USB Type-C(ケース)
防水&防塵規格 IP55
重量 約10.2g(本体)
約51.3g(ケース込)

GoodPoint
強力なディープANC
LDAC対応
5サイズのイヤーピース
Google Fast Pair対応

BadPoint
aptX系は非対応
着脱検出機能非対応
イヤーピース形状から市販品はフィットしない
タッチエリアの範囲が分かりづらい

レビュー公開にあたり、EarFun様よりクーポンをいただきました!

クーポンコード:EFAPFIPY
クーポン価格:5,993円
クーポン期限:2025年10月31日

EarFunについて

EarFunは2018年10月に設立した、深圳市丽耳科技有限公司(Shenzhen EarFun Technology Co., Ltd.)のブランドです。

日本市場には2019年頃に進出、公式サイトの特商法に基づく表記ではEarfun Technology (HK) Limitedとなっていて香港を拠点とする企業のように見えますが、上記の通り中国の深圳を本拠地としています。

パッケージ

内容物
・イヤホン本体
・充電ケース
・充電ケーブル(約50cm)
・イヤーピース(5サイズ)
・ユーザーマニュアル

ユーザーガイドはWebでも提供されています

操作について

設定
電源オン・オフ ケース開け閉め
ペアリングモード ケースボタン3秒長押し
音楽
再生/停止 左右ボタン2回タップ
次の曲 右ボタン3回タップ
前の曲 左ボタン3回タップ
音量アップ 右ボタン1回タップ
音量ダウン 左ボタン1回タップ
通話
応答/終了 左右ボタン2回押し
着信拒否 左右ボタン2秒タップ
マルチ応答 左右ボタン3回タップ
機能
ANC 左ボタン2秒長押し
音声アシスタント 右ボタン2秒長押し
ゲームモード アプリ操作
リセット ケースボタン10秒長押し

操作としては特に不自然な点はありません。
強いて言うならタッチエリアの範囲が分かりづらくて、ポジションを直そうと触れるだけで音量が変わるってことが多発したくらいでしょうか。

ANCはANC ON→外音取り込みモード→ANC OFFのループです。

使ってみた

接続について

接続は特に問題なし。
というか、Google Fast Pairに対応しているので、蓋を開けた時点でポップアップが表示されて、「さぁ接続しろ」と言わんばかりにアピールしてきます。

バッテリー残量は左右とケースそれぞれで確認できます。

対応コーデックは初期状態だとSBCとAACのみ。LDACはアプリ上から有効化する必要があります

LDACは消費電力の都合上マルチポイント接続と排他関係にあり、デフォルトではマルチポイント接続が有効化されています。
これは「OpenJump」と同じ仕様です。

アプリについて

「Air Pro 4i」はEarFunアプリで管理できます
ユーザー登録必須かと思いきや、「キャンセル」を選ぶと登録なしで進めたので、実はユーザー登録せずとも利用できます
たまたまキャンセルを押して気付いたわけですが、ボタンの名前を「ログインせずに利用する」とかに変更した方がいいのでは…?

なお、デバイス登録で延長保証(18か月から24か月に延長)は、アプリではなく公式サイトのサポートページからの登録なんですよね…

メイン画面。
先頭にノイキャン設定が来ていますが…ノイキャンの種類多いな!?
デフォルトではディープANCが選択されています。

タップ操作のカスタマイズ。
操作ごとに選択できる内容が異なっています。

イコライザ。
プリセットだけで30種類あります。

前述の通り、LDACとマルチポイント接続は排他関係

音声ガイダンスは日本語が設定できます
「イヤホンを探す」ではピーピーと音を鳴らせます。音量はかなり大きく、ちょっと広いリビング程度でも聞こえると思います。

「OpenJump」でも紹介しましたが、面白い機能が、ホーム画面の「発見」タブ。
アプリに環境音が内蔵されていて、集中したい時や睡眠時に利用できます。
タイマー機能(最大120分)もあるので、時間を区切って作業を行うことにも使えます。

かけ心地

前述したように、がじぇっとりっぷはカナル型のイヤホンが苦手です。
カナル型のイヤホンは耳の穴に突っ込む都合上、内側から押し広げるので時間が経つと耳が痛くなってきます。

「Air Pro 4i」は、一般的なカナル型のイヤホンですが、イヤーピースが5サイズあること、耳穴にねじ込まずとも安定する(後述)ので、うまくフィットするサイズであれば、比較的長時間の装着でも耐えられました

音質について

「Air Pro 4i」は11mm径のチタンコーティングドライバーを内蔵しています。
カナル型イヤホンは大きくても12mm程度なので、やや大きいかなくらいのサイズです。

テストは標準状態(AAC接続、ディープANC、イコライザー:デフォルト)で行いました。
音質は、いい意味で普通
音のバランスが良く、低音から高音まで聞きやすいです。

低音は低音特化イヤホンほどではないものの、ずっしりと構えて全体の土台をしっかり作っています。とはいえあまり重すぎず、中音・高音を抑えて主張するほどではありません。

中音はボーカルの輪郭もはっきりしていて、楽器に埋もれることもなくしっかり聞き取れます。
話し声も聞き取りやすいので、リスニングなどにも良さそうです。

高音はやわらかめ。それでいて破裂音はしっかり響きますし、シンバルなどの煌びやかな音もしっかりと再生できています。

全体的に落ち着いた、安定したサウンドで、得意不得意のない、優等生な音と言えます。

で、これがシアターモードになると評価が一変します

シアターモードはLDAC・イコライザー不可の代わりにサラウンド効果を得られるモードです。
音場が広がり、立体感が強調され、コントラストの強い、かなり刺激的な音に。確かにこれは「シアター」です。優等生がパリピにジョブチェンジです。

代償として全体が軽い音となり、高音にシャカシャカ感が出ます。
正直これは好みが分かれますが…シアターモードをオフにすると物足りなく感じちゃうという。

音質はデバイス側のチップや再生ソフトなど、視聴環境によっても大きく変化します。また、聴き手の好みやジャンルによっても左右されます。
あくまでもレビュー者の個人的感想である点にご注意ください。
また、長時間にわたる大音量での視聴は聴覚障害を引き起こす可能性があります。

ANCについて

「Air Pro 4i」はANC(アクティブノイズキャンセリング)特化と言えるようなイヤホンです。
EarFun独自のQuietSmart 3.0ハイブリッドANC技術を搭載し、効果範囲は20Hz〜2000Hz、最大50dB低減します。50dB低減ってだいたい1/300です。

初期の頃(ナンバリングのない「Air Pro」)は38dB低減だったので、12dB差。つまり、「Air Pro」と比べてもさらに1/4に低減されるということになります。
また、周波数の効果範囲も広がっています。

デフォルトでは「ディープANC」となっていまして、装着した瞬間ほぼ無音に
窓も開けていて、少し離れた幹線道路を車がバンバン通っているのに、突然の静寂です。期待以上でびっくりしました。
範囲が20Hz〜2000Hzと広いので、以前のANCイヤホンでは消えなかった中音もしっかり消えています。高音は…爪で机をたたくとか、椅子をギシらせるとかしないと、高音って意外と身の回りにないんですね

しばらく装着した後に外すと、「周囲はこんなに音がしてたの!?」と2度驚きました。

外観

外箱は過去のレビューと同じく、ブランドカラーの黄色を上下側面にあしらっています。
「OpenJump」ではホログラムだった製品名称が黒になり、読みやすくなっています。

裏面。
シリアルナンバーのシールは底面に移動していました。
技適番号は220-JP9104でした

参考 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(220-JP9104):総務省

技適は相互承認(MRA)を利用していて、認証されているモデルは「TW230」、つまり「「Air Pro 4i」」のみです

再掲ですが、パッケージ全体。

同梱品

紙類は3種類。
製品登録案内は…ちょっとフォントがひどいですね…

マニュアルは冊子タイプで、一部に中華フォントが残っています
「OpenJump」ではちゃんと日本語フォントになっていたのに…

ケーブルはいつも通り。

これまで書いてきた通り、イヤーピースは5サイズ用意されています。

ケースと本体

ケースは比較的コンパクト。
最近多い、指紋の残らない表面加工がなされています。

背面には充電用のType-Cポート。

蓋を開けるとこんな感じ。本体はつまみやすく、取り出しやすくなっています。
真ん中にリセットボタン。

蓋の内側には認証情報。

本体は、カナル型としては良くある形状。
スティック部は全体が細く、タッチエリアの範囲が分かりづらいです。

耳にかけるとこんな感じ。
ハウジング部が対珠(耳穴周りの下のカーブ)の上にどっかりと乗るので意外と安定性は高いです。
耳が痛くなりにくいのは、耳穴にねじり込まなくても(ある程度)安定するためですね。

マイクはこの3か所で…

分かりにくいですが通話マイクとフィードバックマイクの穴が開いています。
フィードバックマイクは通気口と兼用です。

ノズル形状は楕円形。
ノズルの上にちらっとフィードフォワードマイクの穴兼通気口が見えています。

なのでイヤーピースもよく見たら楕円形。
市販のイヤーピースは円形なので、フィットしません。標準で5サイズも用意したのはこのためですね。

重さは本体が10.3g、ケース込みで54.4g。仕様(10.2g/51.3g)よりケースがちょっと重いですが、許容範囲です。

まとめ

「Air Pro 4i」の価格は7,990円。セール時は6,500円弱くらいになります。

レビュー公開にあたり、EarFun様よりクーポンをいただきました!

クーポンコード:EFAPFIPY
クーポン価格:5,993円
クーポン期限:2025年10月31日

「ANC特化」の謳い文句に偽りなしの、圧迫感を抱くほどの静寂は、これまでレビューしてきた中で最高の性能と言えます(と言っても最近はANCのないオープンイヤーばかりでしたが…)。

「ANC特化」ではありますが、音もこれまで積み重ねてきたノウハウが反映されていて、どのジャンルでも80点は取れる、優等生な音となっています。
逆に言えば90点や100点の音は出ないのですが…定価でも8,000円切りの製品、しかもコンセプト特化イヤホンに、そこまで求めるのは酷というものでしょう。
とはいえシアターモードでははっちゃけますし、イコライザーで調整も可能。割と広い層に受け入れられる素地は持っています。

幹線道路の近くとか、繁華街の近くとかの、騒がしい環境で集中したい、ベターな音でいいから音楽を楽しみたいって人にはちょうどいいイヤホンです。

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