外付けGPUか、つよつよ内蔵GPUか。「GPD BOX」は高速接続規格採用のGPD初ミニPC

PC

2026年6月15日、GPDはクラウドファンディングサイトのINDIEGOGOで、Core Ultra X7 358HまたはCore Ultra 7 356Hを搭載したミニPC「GPD BOX」および、対応するGPU BOX「GPD G2」のファンディングを開始しました。

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スペック

■ GPD BOX
CPU Core Ultra X7 358H
Core Ultra 7 356H
メモリ 32GB LPDDR5x-8533
ストレージ 1TB Gen4 SSD
画面 14.0インチ有機EL WUXGA
16.0インチ有機EL 2.8K
インターフェース MCIO 8i (356Hのみ)
USB Type-C(USB4v2)×2
USB3.2 Gen2×4
HDMI 2.1
DisplayPort 2.1
2.5GbE 有線LAN×2
オーディオジャック
Wi-fi Wi-fi 6E+BT5.3
電源 内蔵160W
サイズ 175×134×39.5mm
重さ 0.94kg

特徴

「GPD BOX」はGPD初のミニPCとなります。
最大の特徴はMCIO i8ポートを内蔵すること。

MCIOとはなんぞや?というと、「Mini Cool Edge IO」の略で、PCIe Gen5/Gen6にも対応したエンタープライズ(サーバー)向けコネクタの規格です。

SNIAという技術標準化団体によってSFF-TA-1016という規格名で標準化されていて、調べた限りでは、Amphenol(アンフェノール)というインターコネクト製品メーカーが提唱したようです。2020年に仕様のRev1.0、2021年には技術デモが公開されています。
同じようなPCIe外出し規格のOCuLinkは2012年頃から策定開始、2015年に標準化だったので、結構後輩ですね。

参考 SFF-TA-1016:SNIA ※PDF

SFF-TA-1016 (MCIO)は38ピン(x4レーン+x2サイドバンド)から148ピン(x20レーン+x4サイドバンド)まで、4つの形状が用意されています。
下の段でも分かるように、横向きケーブルも規格の一部です。

「GPD BOX」ではx8レーン(+x4サイドバンド)となる74ピンが採用されています。内部的にはPCIe5.0 x8の外出しで、理論転送速度は片方向256Gbpsとなります。
USB4は片方向40Gbps、OCuLinkで片方向64Gbpsなので、帯域は4倍ですね。

余談ですが、SFF-TA-1016はOCuLink後継とされるCopprLink(PCI-SIGが2024年5月に仕様のver1.0公開)のコネクタにも採用されています。
CopprLinkは内部接続と外部接続の両方の規格が用意されていて、内部ケーブル用コネクタにSFF-TA-1016 (MCIO)を、外部ケーブル用コネクタにSFF-TA-1032 (CDFP)を採用しています。SATAとeSATAくらいの関係と思えばいいでしょう。

ここから分かるように、MCIOはもともと内部向けコネクタ規格です。各種資料でも「Internal Unshielded High Speed Connector System」と説明されています。
それを外出しに使うのかぁとなりましたが、外部ケーブル用のCDFPって割とごついコネクタなので、意図的に避けたものと思われます。

ごついですね。MCIOを選ぶのも納得です。

CPU・GPU

「GPD BOX」のCPUは、Panther Lake世代となるCore Ultra X7 358HまたはCore Ultra 7 356Hを搭載。

シリーズ2のいいとこどり。「Core Ultra シリーズ3」は3種類のパッケージで展開
2026年1月5日、CES2026の基調講演内で、IntelはCore Ultra シリーズ3 プロセッサー、コードネーム「Panther Lake」を発表しました。と言っても技術概要については2025年10月頃から小出しにしており、当日は

Core Ultra X7 358Hは16コア16スレッド(4P8E4LPE)で、Arrow Lake由来の構造を取っています。
グラフィックはXe3アーキテクチャを12コア。モバイル向けCPUの中でも上位のグラフィック性能を誇り、ベンチマークではRTX 3050を上回ります。
また、50TOPSのNPUを内蔵し、GPU計算だと122TOPSに達します。

Core Ultra 7 356Hは同じく16コア16スレッド(4P8E4LPE)。
グラフィックはXe3アーキテクチャを4コアと、Core Ultra X7 358Hの1/3ですが、代わりにPCIeを20レーン(Gen5×12、Gen4×8)持っています。
50TOPSのNPUを持ち、こちらもCopilot+ PCの要件(40TOPS以上のNPU、16GB以上のメモリ、256GB以上のストレージ)をクリアしています。

CPU PassMark (CPU)
M3 Ultra(32C) 72136
Ryzen AI Max+ 395 63064
Core Ultra 9 275HX(24C/24T) 62366
Ryzen 9 9955HX3D 62285
Core Ultra 7 265K (125~250W) 58720
Core i9-14900K (125~253W) 58454
Ryzen 9 7945HX3D(16C/32T) 57819
Core i7-14700K (125~253W) 52125
Ryzen 9 5950X (105W) 45329
Core i9-14900HX(24C/32T) 44418
Core Ultra 5 235HX(14C/14T) 40684
Ryzen 7 9800X3D (120W) 39975
Core Ultra X9 388H(16C/16T) 39930
Ryzen AI 9 HX 470(12C/24T) 39583
M4 Pro(14C/14T) 38075
Core i7-14700HX(20C/28T) 36913
Core Ultra X7 358H(16C/16T) 34594
Ryzen 7 7800X3D (120W) 34287
Core Ultra 9 185H(16C/22T) 34106
Core Ultra 7 356H(16C/16T) 33798
Core Ultra 9 285H(16C/16T) 32892
Ryzen 9 7940HS(8C/16T) 31006
Core Ultra 7 255H(16C/16T) 30708
Core Ultra 5 235H(14C/14T) 29454
Ryzen 7 8845HS(8C/16T) 28429
M5 10core 27604
Core i9-13900H(14C/20T) 25894
Ryzen 9 6900HX(8C/16T) 25796
Core 7 240H(10C/16T) 24667
Ryzen 7 7840U(8C/16T) 24651
Ryzen 9 5900HX(8C/16T) 24542
M4(10C/10T) 23699
Ryzen 7 6800U(8C/16T) 21420
Core Ultra 7 355(8C/8T) 20543
Core Ultra 9 288V(8C/8T) 20101
Core Ultra 7 258V(8C/8T) 18962
Ryzen 7 5700U(8C/16T) 17757
Core Ultra 5 322(6C/6T) 15438
Core i7-1165G7(4C/8T) 9830
Core i5-1135G7(4C/8T) 9396
Intel N100(4C/4T) 6122
Ryzen 5 3500U 5940
Intel N97(4C/4T) 5858
CPU TimeSpy
RTX 5060 (8GB) 13713
RTX 3070 (8GB) 13641
RTX 4060 Ti (8/16GB) 13467
RTX 5060 laptop(8GB) 12015
RTX 3080 laptop 12002
Radeon 8060S 11815
RTX 3060 Ti (8GB) 11707
RTX 3070 Ti laptop 11340
RX 7600 XT (16GB) 11203
RTX 4060 (8GB) 10620
RTX 5050 laptop (8GB) 9441
RTX 3060 (12GB) 8749
RTX 4050 laptop (6GB) 8211
Core Ultra X9 388H(B390) 6971
Core Ultra X7 358H(B390) 6420
RTX 3050 6228
GTX 1660 desktop 5444
GTX 1060 desktop 4203
Core Ultra 9 288V(Arc) 4039
Core Ultra 7 258V(Arc) 3892
Core Ultra 9 285H(Arc) 3891
Ryzen AI 9 HX 470(890M) 3811
GTX 1650 desktop 3565
Core Ultra 5 228V(Arc) 3522
Core Ultra 5 225H(Arc) 3451
Core Ultra 9 185H(Arc) 3432
Core Ultra 9 386H 3429
Core Ultra 7 155H(Arc) 3413
Radeon 890M 3373
Core Ultra 7 355(4Xe3) 3198
Core Ultra 5 125H(Arc) 3088
Core Ultra 5 325 2958
GTX 1650 Max-Q 2932
Core Ultra 7 356H 2898
Ryzen Z1 Extreme 2836
Radeon 780M 2785
Radeon 680M 2339
Core i9-13900H(Xe) 1663
Ryzen 7 5800H(Vega 8) 1374
Core i7-1165G7(Xe 96EU) 1358
Core i5-1135G7(Xe 80EU) 1096
Intel N100(UHD 12th) 321
Ryzen 5 3500U 273

PassMark3DMarkの集計値、および当ブログでのレビュー結果に基づいています

CPU性能はCore Ultra X7 358H、Core Ultra 7 356HともにPassMark 3万点オーバー。普段使いでそうそう困ることのない性能です。

グラフィック性能はXe3コアが4コアと控えめなCore Ultra 7 356Hでも、実際のところはゲーミングUMPCで使われてきたRyzen 7 7840UやZ1 Extremeと少し上回るレベルです。
12Xe3コアのCore Ultra X7 358Hは2倍超のスコアで、RTX 3050と少し上回っています。

メモリとストレージ

メモリは32GBのLPDDR5x-8533。オンボードで、増設・換装はできません。
製品説明を見る限りでは、のちのち64GBモデルも出そうな雰囲気ですが、出るかどうかは要望の多さ次第でしょう。

ストレージは1TBのGen4 SSD。

内部的にはGen5 x4+Gen4 x2のデュアルM.2 SSDに対応しています。

その他

無線LANはWi-Fi 6E(802.11ax)に対応。Wi-fi 7じゃないのか…
チップ(Wi-fiカード)は不明、Bluetoothはv5.3に対応します。
有線LANはデュアル2.5GbE。

電源は内蔵の165W電源。ミッキープラグケーブルを使用します。

外観

インターフェース。
Core Ultra X7 358HモデルとCore Ultra 7 356Hモデルの見た目の違いはMCIOコネクタの有無だけです。

ファンは両サイドにあり、SSDも冷やせるようになっています。

MCIOに対応した外付けGPU BOXの「GPD G2」も用意されています。
800W電源を内蔵し、MCIOコネクタのほか、USB4 v2にも対応。Gen3 x2接続のM.2 SSDを含むUSBドッキング機能を内蔵しています。

なお、「GPD BOX」のMCIOコネクタはPCIe5.0 x8の外出しですが、「GPD G2」の入力はPCIe4.0 x8となっています。
帯域としては片方向128Gbpsと、OCuLinkの2倍にとどまりますが、ベンチマークではRTX4090で2%のロスにとどまるとのこと。

ちなみに一般的なデスクトップPCでも、対応ボード(ICY DOCK EXLink MB409A5)を使うことで接続できますが…ロープロファイルしか入らないスリムデスクトップならありかなぁ…

まとめ

「GPD BOX」の価格は以下の通り。

356H単体:1452ドル (約23.3万円)
X7 358H単体:1534ドル (約24.6万円)
356H+G2:1837ドル (約29.5万円)
X7 358H+G2:1919ドル (約30.8万円)
G2単体:385ドル (約6.2万円)

まぁまぁなお値段ですね。でもLenovo「Yoga Mini 01IPH11」はX7 358H+32GBモデルが297,770円だったので、X7 358Hモデル単体で25万円切りは、比較的安いかも。

コロンと丸い。 Lenovo 「Yoga Mini 01IPH11」はCore Ultra X7 358Hも選べるミニPC
2026年4月10日ころ、LenovoはCore Ultra シリーズ3を採用したミニPC「Yoga Mini 01IPH11」を発売しました。スペック■ Yoga Mini 01IPH11CPUCore Ultra X7 358HCore

価格だけで言えば、RTX5050 laptop内蔵ノートが20万円前後、RTX5060 laptop内蔵ノートが24万円前後。
CPU性能は「GPD BOX」の方が圧倒的ですが、同じ予算でグラフィック性能重視なら普通にゲーミングノートを買った方がいいです。

「GPD BOX」はRTX 5080とか強めのGPUを使いつつ、全体をコンパクトにまとめたい人(356H+G2)、CPU強めでグラフィックもちょっと欲しい人(X7 358Hモデル)あたりがターゲットでしょう。

これまでのUMPCのみのラインナップから踏み出して、356H+G2モデルでGPUの主要層であるゲーマー向けの据え置き機を出しつつ、X7 358Hモデルでゲーマー以外の層にも目を向ける。
そんな感じの思惑が見えてきます。

MCIOを採用したのはかなり野心的と言えますが、上でも説明したように、元は内部接続向けの規格です。
今後他社も追随するのか、GPDのみで終わってしまうのか、その点も注目です。

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