2026年4月15日、Intelは「Core シリーズ3シリーズ」(コードネーム:Wildcat Lake)を正式発表しました。
CES 2026内で「Core Ultra シリーズ3シリーズ」(コードネーム:Panther Lake)を発表した際に、おまけのように簡単な説明がなされましたが、SKU(ラインナップ)を含めた詳細が明らかとなりました。

新要素まとめ
・Compute TileはIntel 18Aプロセスでの製造
・最大6コア(2P+4LPE)
・グラフィックは最大Xe3×2コア
・メモリは1スロットのみ、LPDDR5X-7467またはDDR5-6400まで
・PCIeはGen4×6レーン
・NPUは最大17TOPS
・パッケージサイズは35×25mm
(Intel N100/N150が35×24mm)
ラインナップ
| プロセッサーナンバー | コア数(スレッド数) | Pコア | Eコア | LP Eコア | 標準(Pコア) | 最大(Pコア) | 標準(LP Eコア) | 最大(LP Eコア) | L3キャッシュ | Xeコア数(EU数) | GPU最大クロック | GPU TOPS | NPU TOPS | ベースTDP | 最大TDP | SIPP |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Core 7 360 | 6 (6) | 2コア | – | 4コア | 1.5 GHz | 4.8 GHz | 1.4 GHz | 3.6 GHz | 6MB | 2 | 2.6 GHz | 21 TOPS | 17 TOPS | 15W | 35W | ○ |
| Core 7 350 | 6 (6) | 2コア | – | 4コア | 1.5 GHz | 4.8 GHz | 1.4 GHz | 3.6 GHz | 6MB | 2 | 2.6 GHz | 21 TOPS | 17 TOPS | 15W | 35W | – |
| Core 5 330 | 6 (6) | 2コア | – | 4コア | 1.5 GHz | 4.6 GHz | 1.4 GHz | 3.4 GHz | 6MB | 2 | 2.5 GHz | 20 TOPS | 16 TOPS | 15W | 35W | ○ |
| Core 5 320 | 6 (6) | 2コア | – | 4コア | 1.5 GHz | 4.6 GHz | 1.4 GHz | 3.4 GHz | 6MB | 2 | 2.5 GHz | 20 TOPS | 16 TOPS | 15W | 35W | – |
| Core 5 315 | 6 (6) | 2コア | – | 4コア | 1.5 GHz | 4.4 GHz | 1.4 GHz | 3.3 GHz | 6MB | 2 | 2.3 GHz | 18 TOPS | 15 TOPS | 15W | 35W | – |
| Core 3 305 | 6 (6) | 2コア | – | 4コア | 1.5 GHz | 4.3 GHz | 1.4 GHz | 3.3 GHz | 6MB | 1 | 2.3 GHz | 9 TOPS | – | 15W | 35W | – |
| Core 3 304 | 5 (5) | 1コア | – | 4コア | 1.5 GHz | 4.3 GHz | 1.4 GHz | 3.3 GHz | 6MB | 1 | 2.3 GHz | 9 TOPS | 15 TOPS | 15W | 35W | – |
参考:Intel N100/N150シリーズ
| プロセッサーナンバー | コア数(スレッド数) | Pコア | Eコア | 標準(Pコア) | 最大(Pコア) | 標準(Eコア) | 最大(Eコア) | L3キャッシュ | EU数 | GPU最大クロック | TDP |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Core i3-N305 | 8 (8) | 0 | 8 | – | – | 1.8 GHz | 3.8 GHz | 6MB | 32 | 1.25 GHz | 15W |
| Core i3-N300 | 8 (8) | 0 | 8 | – | – | 0.8 GHz | 3.8 GHz | 6MB | 32 | 1.25 GHz | 7W |
| Intel N200 | 4 (4) | 0 | 4 | – | – | 1.8 GHz | 3.7 GHz | 6MB | 32 | 0.75 GHz | 6W |
| Intel N100 | 4 (4) | 0 | 4 | – | – | 0.8 GHz | 3.4 GHz | 6MB | 24 | 0.75 GHz | 6W |
| プロセッサーナンバー | コア数(スレッド数) | Pコア | Eコア | 標準(Pコア) | 最大(Pコア) | 標準(Eコア) | 最大(Eコア) | L3キャッシュ | EU数 | GPU最大クロック | TDP |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Intel N355 | 8 (8) | 0 | 8 | – | – | 3.9 GHz | 6MB | 32 | 1.35 GHz | 15W | |
| Intel N350 | 8 (8) | 0 | 8 | – | – | 3.9 GHz | 6MB | 32 | 1.35 GHz | 7W | |
| Intel N250 | 4 (4) | 0 | 4 | – | – | 3.8 GHz | 6MB | 32 | 1.25 GHz | 6W | |
| Intel N150 | 4 (4) | 0 | 4 | – | – | 3.6 GHz | 6MB | 24 | 1.00 GHz | 6W |
参考:Core シリーズ 1/2
| プロセッサーナンバー | コア数(スレッド数) | Pコア | Eコア | LP Eコア | 標準(Pコア) | 最大(Pコア) | 標準(Eコア) | 最大(Eコア) | L3キャッシュ | Xeコア数(EU数) | GPU最大クロック | ベースTDP | 最大TDP |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Core 7 150U | 10 (12) | 2コア | 8コア | – | 1.8 GHz | 5.4 GHz | 1.2 GHz | 4.0 GHz | 12MB | 96 | 1.30 GHz | 15W | 55W |
| Core 5 120U | 10 (12) | 2コア | 8コア | – | 1.4 GHz | 5.0 GHz | 0.9 GHz | 3.8 GHz | 12MB | 80 | 1.25 GHz | 15W | 55W |
| Core 3 100U | 6 (8) | 2コア | 4コア | – | 1.2 GHz | 4.7 GHz | 0.9 GHz | 3.3 GHz | 10MB | 64 | 1.25 GHz | 15W | 55W |
| プロセッサーナンバー | コア数(スレッド数) | Pコア | Eコア | LP Eコア | 標準(Pコア) | 最大(Pコア) | 標準(Eコア) | 最大(Eコア) | L3キャッシュ | Xeコア数(EU数) | GPU最大クロック | ベースTDP | 最大TDP |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Core 7 250U | 10 (12) | 2コア | 8コア | – | 1.8 GHz | 5.4 GHz | 1.2 GHz | 4.0 GHz | 12MB | 96 | 1.30 GHz | 15W | 55W |
| Core 5 220U | 10 (12) | 2コア | 8コア | – | 1.4 GHz | 5.0 GHz | 0.9 GHz | 3.8 GHz | 12MB | 80 | 1.30 GHz | 15W | 55W |
ざっくり性能表
※記事執筆時点ではTimeSpyの記録は見当たらず
新要素
ほぼ新規設計

Wildcat Lakeは「Core Ultraシリーズ3」(Panther Lake)をベースとしており、アーキテクチャ自体はPコア(Cougar Point)、LPEコア(Darkmont)ともにPanther Lakeと同じものが使われています。
しかしながら、Panther LakeではCPU+GPU+I/Oの3タイル設計だったのに対し、Wildcat LakeはCPU/GPU+I/Oの2タイル設計となっています。
CPU/GPUタイルはIntel 18Aプロセスでの製造、I/Oタイルは不明ですが、Panther Lakeと同じTSMC N6ではないかと思われます。
GPUもPanther Lakeと同じXe3アーキテクチャのようですが、最大2コアとなっています。
同じXe3×2コアのCore Ultra 5 332のTimeSpyのスコアが1282なので、おそらく同程度になるものと思われます。
NPUもPanther Lakeと同じ第5世代ながら、最大17TOPSと控えめ。Copilot+ PCの要件は満たしていません。
内部構造については不明。
あくまでエントリー向けであり、主力製品ではないからか、Intelもあまり多くの解説を出していないんですよね…
対応ソケットはFCBGA1516。
パッケージサイズは35×25mmで、これはAlder Lake-N/Twin Lakeの35×24mm(ソケットはFCBGA1264)とほぼ同じ大きさになります。
このことからも、Wildcat LakeはIntel N100/N150の後継のように見られています。
インターフェースも控えめ
I/OタイルことPlatform Controller tileもPanther Lake比でかなり削られています。
Thunderbolt4は2ポートに削られ(Panther Lakeは4ポート)、PCIeもGen4が6レーンしかありません。
ただこれは変なオプションが用意されていて…

PCIeスイッチを介することでGen4 x2をGen3 x12に拡張することができるそう。
PCIeスイッチを導入してもGen4 x4は残るので、Gen4 SSDに対応できます。
地味なところではWi-fi 7 R2に対応。Wi-fi 7 R2は2026年2月に正式発表された規格です。
通信速度や利用する電波の周波数帯などは従来(Wi-fi 7 R1)と同じですが、複数帯域接続での効率向上や接続の安定性の強化などが盛り込まれています。
価格はちょっと高め
「Core シリーズ3」は、そもそも名称的には「Core シリーズ1」、「Core シリーズ2」の後継であり、「Intel N100/N150」の後継ではありません。
Core シリーズ1とCore シリーズ2はRapter Lake、すなわち第13世代Core CPUと同じアーキテクチャを採用し(Intelは下位CPUに古いアーキテクチャを使い回す傾向にあった)、設備投資の回収が完了した製造ラインを使い続けることで、製造コストを押し下げる戦略を取っていました。
ところが「Core シリーズ3」では突然Panther Lakeと同じIntel 18Aプロセスを採用。
上にも書いたようにパッケージサイズをIntel N100/N150並みに切り詰めたことで、1枚のウェハーから切り出せる数を増やして製造原価を下げることができ、最新プロセスを採用しながら「Core シリーズ1」「Core シリーズ2」と変わらない価格感に抑えることに成功しています。
ここで重要なのが、「Core シリーズ1」「Core シリーズ2」と変わらない価格ということ。
Core 3 304/305のRCP(推奨顧客価格、実質の定価)は309ドル、Core 5 320は340ドル、Core 7 360は426ドルと言われています。
過去製品と比較すると、Core i3-1315U、Core 5 220Uが309ドル、Core 5 120Uが340ドル、Core 7 250Uが426ドルなので、そのままスライドしていることが分かります。
なお実際にメーカーが購入するときは、ここにボリュームディスカウントがかかります。
一方で、Intel N150は140~160ドルと言われているので…最終製品(ミニPC/ノート)の価格はどうしてもIntel N100/N150搭載製品より高くなりますね。
なおこの背景として、AI特需でデータセンター向けのXeon 6シリーズ(ComputeタイルがIntel 3、I/OタイルがIntel 7またはIntel 4)の供給ひっ迫があり、Intel 7/4/3のラインを空けるためにコンシューマ向けをIntel 18Aの製造ラインに押し込む必要があった(PCメーカーに対してもPanther Lake/Wildcat Lakeに移行しろと圧をかけているという噂も)などという話も出ています。
まとめ
「Core シリーズ3」についてIntelではエッジ向けCPUと位置付けています。
実際、資料でのターゲットセグメントも組み込み、エネルギー、小売りなど、管理用途ばかりが挙げられています。

とはいえ、実際はコンシューマー向けにも開放されていて、すでに複数のメーカーが製品を発表しています。
ASUS:Core 7 350まで搭載可能な「NUC 16」
Core 5 320を搭載するノートPC「Vivobook 14SE/16SE」(675ドル/約11万円~)を発表
Beelink:最下位のCore 3 304を搭載したミニPCを3種発表。記事執筆時点で価格未公表
Chuwi:Core 3 304搭載ノート「UniBook」(449ドル/72,500円)を発売

Beelink発表の製品スペックですが、10GbEを持っていたり、デュアルUSB4だったりと、明らかに格安エントリー機のデザインではありません。
上でも書いた通り、「Core シリーズ3」は名称的には「Core シリーズ1」、「Core シリーズ2」の後継ですが、世間的にはAlder Lake-N/Twin Lakeの後継として見られています。
が、2026年5月にIntelの最新ロードマップが流出。2028年にEコアのみで構成されるMoon Lakeなるものが登場する予定とのことで、こちらがAlder Lake-N/Twin Lakeの直系となりそうです。
とはいえさすがに先すぎる話なので、結局「Core シリーズ3」がいったんの後継品として扱われていることも確か。
Alder Lake-N/Twin Lakeとの性能差が2倍3倍となっていること、価格もワンランク変わってくることから、現実的にはIntel N100/N150の上位機みたいな立ち位置で販売され、Ryzen 7 7730UなどのZen2世代のミニPC/ノートを駆逐する存在になる気がします。
性能表を見るに「Core シリーズ1」「Core シリーズ2」とはたいして性能差はないのですが、アーキテクチャの更新と製造プロセスの微細化による省電力化は十分に期待できるので、処理性能が高くて省電力な常時稼働マシンとするにはいいかもしれません。


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