2025年8月12日、ミニPCメーカーのBeelinkは、Ryzen AI Max+ 395を搭載したミニPC「GTR9 Pro」を発表、販売予約を開始しました。
スペック

| ■ GTR9 Pro | |
| CPU | Ryzen AI Max+ 395 |
|---|---|
| メモリ | 128GB LPDDR5x-8000 |
| ストレージ | 2TB Gen4 SSD |
| インターフェース | USB Type-C(USB4)×2 USB Type-C(Gen2)×1 USB 3.2 Gen2×2 HDMI 2.1 DisplayPort 2.1 10GbE 有線LAN×2 SDXCカードリーダー オーディオジャック |
| wi-fi | Wi-fi 7+BT5.4 |
| 電源アダプタ | 230W電源内蔵 |
| サイズ | 180×180×90.8mm |
特徴
Beelinkは現在、GT、SE、EQ、MEの4sリーズを展開していて、「GTR9 Pro」はGTシリーズとなります。
GTシリーズは電源ユニットを内蔵していたり、外付けGPU用のPCIeスロットを持っていたりする、Beelinkにおけるフラグシップシリーズです。
CPU
「GTR9 Pro」のCPUは、Ryzen AI Max+ 395。
コードネームはStrix Haloで、16コア32スレッドのZen5アーキテクチャCPUに、40CU(コンピュートユニット)のRDNA3.5グラフィックスで構成されるRadeon 8060Sを内蔵しています。
また、NPUとして50TOPSのXDNA2を内蔵。全体では126TOPSとされています。
Ryzen AI 9 HX 375が16CUなので、単純計算で2.5倍のグラフィック性能となります。
Ryzen 7 8845HS(12CU)比だと、3.3倍ですね。
TDPは55W、cTDPは45~120Wです。
CPU性能はTDP55Wながら、名だたるデスクトップ向けCPUと並んでいます。
デスクトップ向けコアをモバイル向けにパッケージングしたRyzen 9 7945HXには(おそらく電力配分の関係で)やや及びませんが、モバイル向けCPUとしては圧倒的な性能と言えるでしょう。
圧巻なのが、グラフィック性能。
ざっくりですが、デスクトップ向けのRTX 3060とRTX 4060の間、RTX 4060寄りのスコアを叩き出しています。
CPU内蔵グラフィックとしては断トツの性能ですね。
さらに、Ryzen AI Max+ 395はLPDDR5Xのみの対応。換装不可のデメリットと引き換えに、256GB/sのメモリ帯域幅を実現したユニファイドメモリを採用、最大96GBまでをVRAMとして割り当てられます。
つまり、VRAM量が重要要素であるLLM(Large Language Model、大規模言語モデル)において、大きなアドバンテージを持っています。
最近はのLLMは上位モデルだと70bや120bといった、メモリを70~100GBくらい必要とするモデルも増えています。
現状でこれらの大型LLMモデルを動作させることができるのはNVIDIA H100(VRAM 80GB、約500万円)、RTX 6000 Blackwell(VRAM 96GB、約150万円)、Macbook Pro(ユニファイドメモリ128GB、約75万円)、Mac Studio(ユニファイドメモリ96~512GB、約67~150万円)、そしてRyzen AI Max+ 395搭載機だけです(もう少しするとAI特化のNVIDIA DGX Sparkが登場します)。
LLMの実測については、Beelink調べでQwen 32b Q8/LM Studioで6.23tok/sとされています。
画像生成AIはAmuseで1536×1024が1.4sとのこと。
メモリとストレージ
メモリは128GBのLPDDR5X-8000。CPU側の制限いっぱいの性能です。
上でも書いていますが、Ryzen Al Max+ 395はメモリ帯域幅を確保する(8チャンネルで動作)ために、オンボードメモリオンリーです。
ストレージは2TBのGen4 SSD。
内部的にはデュアルGen4 SSDに対応しています。
その他
無線LANはWi-fi 7(802.11be)に対応。チップはRZ717(MT7925)で、Bluetoothはv5.4です。
有線LANはデュアル10GbE。これは他のRyzen AI Max+ 395搭載機にはない、「GTR9 Pro」のアドバンテージですが、採用チップが不明なため(チップによって安定性にばらつきがあるため)、界隈では期待しつつも静観というスタンスが取られています。
2025年9月8日追記:コメントによるとIntelの最新チップであるIntel E610とのこと。いつの間にか公式サイトにもE610であると明記されていました。2ポートなのでおそらくはGen4 x4接続のE610-XT2であると思われます。
E610は製造プロセスが7nmで、E610-XT2のリファレンスボードでは消費電力が5.1Wと、従来製品の半分程度になっています。
電源は230Wの電源ユニットを内蔵。見た目的にすっきりします。
外観

本体。
外観的にはMac Studioを髣髴とさせます。

インターフェース。
USB4は背面に2ポート。Type-Aが2ポートしかないので、足りなければUSBハブが必要になります。

内部イメージ。
めちゃくちゃ分厚いツインファンで、騒音はゲームプレイ時で37dB(CPU温度は最大84度)とのこと。
Beelinkは他メーカーより静音性に優れたミニPCが多いので、この数字もそれなりに信用できそう。多分40dBは超えないんじゃないかな。
あと、ここ最近のBeelinkの特色であるビルトインスピーカーは底面にありますね。
電源ユニットはヒートシンクの上にちょこっと見えています。

マザーボードは前面インターフェースが大きく切り欠いていて、別ボードに。

切り欠きによって筐体内の上下をつなぐ隙間が大きく取られているため、底面吸気口からファンに向けてのエアフローが十分に確保されています。
この構造が低騒音に大きく寄与(高速ファンで無理やり吸い上げる必要がない)しています。

底面はほぼ全面吸気口。

Mac Studio同様、底面中央が盛り上がっていて、吸気のための高さを生み出しています。
まとめ
「GTR9 Pro」の価格は1985ドル。
公式ストアを日本円表示にすると、記事執筆現在レートで292,126円です。
30万円近い買い物は決して安くはありませんが、ローカルLLMをやる上では、Ryzen AI Max+ 395は最も安価な選択肢の一つです。
先行する「EVO-X2」は結構うるさいという声が多いですし、静音性を求めるならこちらでしょう。
ただ問題は…すでに「EVO-X2」の発売(予約開始)から4か月も経っているのが。
Ryzen AI Max+ 395を求める人のうち結構な割合が「EVO-X2」を買ってしまっているので…よほど忍耐強く待っていたか、ホイホイ買い替える財力があるかでないと買わなさそうだなぁというのがありまして。
これが5月発売だったら、「EVO-X2」を押しのけてヒット確実だったとは思うんですけど。ほんと、他社もだけど出るのが遅すぎる…
関連リンク



コメント
これ出るの分かってたから耐えた。耐えまくってアナウンスあった瞬間に予約した。10G LANだしこれまでの他社のデメリット全克服。
確かにNICのチップは気になりますね。
判らないと予約できないなぁ……。
Intel Ethernet Controller E610 for 10GBASE-T
コメントありがとうございます。
記事内に追記しました。
いつの間にか公式サイトにもE610と書かれていますね。
最新のドライバをあてるとE610-XT2と出ましたので確定ですね。
9/5に届いてつかってます。とても静か。ガチ使い込んでフルパーで回してもCPUもSSDもメモリも発熱は抑えられていて優秀。デュアル10Gポートも割と控えめの発熱で良き。10G搭載出ると思って待ったかいあった。2台ほしくなる
コメントありがとうございます。
予想通り静かでしたか。