2024年5月7日、MINISFORUMはIntel N100を搭載した板状のミニPC「S100」を発売しました。
スペック
■ MINISFORUM S100 | |
CPU | Intel N100 |
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メモリ | 8GB LPDDR5-4800 |
ストレージ | 256GB UFS2.1 |
インターフェース | USB Type-C(Gen2)×1 USB 3.2 Gen2×2 HDMI 2.0 2.5GbE 有線LAN(PoE対応) |
wi-fi | Wi-fi 6+BT5.2 |
サイズ | 152×58×19.5mm |
特徴
「S100」はCES 2024(2024年1月9日~12日)でも展示された薄い板状のミニPCで、表現するとしたらHDMIが直差しではなくなったスティックPCというような見た目です。
類似するのはMeLE「PCG02 Pro」やSkynew「M10」くらいで、現状ではこの形状を的確に表現する用語はなく、今のところはミニPCに分類されます。
CPU
「S100」のCPUはIntel N100。2万円前後の格安ミニPCでよく使われるCPUです。
CPU性能はCore i5-8250Uとほぼ同等。
実際に使ってみると、ディスク読み込みの関係からアプリ起動は少し時間がかかるものの、起動してしまえばモッサリ感を感じることなく結構きびきび動作します。
メモリとストレージ
メモリは8GB LPDDR5-4800。オンボードで換装はできません。
できれば12GBとか16GBモデルがあればよかったのですが…
ストレージは256GBのUFS2.1。
規格上は最大1,200MB/sですが、UFS2.1を採用した「P40HD」での実測だとリード680MB/s、ライト330MB/s程度。
最新のM.2 NVMe SSDに比べれば遅いものの、SATA SSDに比べれば早く、不満を抱くほどではありません。
その他
無線LANはWi-fi 6(802.11ax)対応。Bluetoothはv5.2となっています。
有線LANは2.5GbE。
珍しいことにというか、サイネージ用途を意識した製品のため、PoE(Power over Ethernet)に対応し、下記のようなPoE対応スイッチ経由であれば電源アダプタなしに動作させることができます。
なお、PoEには最大供給電力別に現在3つの規格(+Ciscoの独自規格)がありますが、「S100」が対応するのは最大30WのIEEE 802.3atです。
電源はType-CでのUSB PD給電で、65Wまで対応。
この手の製品だと形状がType-Cというだけの12V入力とかも多いので、USB PDに対応しているのはグッドです。
OSはWindows 11 Homeです。
外観
インターフェースです。
USBはType-C含めて3ポートで、3ポートともUSB 3.2 Gen2(転送速度10Gbps)に対応します。
スペースの都合なのか、オーディオジャックはありません。
映像出力はHDMIとType-Cのデュアルディスプレイが可能。どちらも4K/60Hz対応です。
サイズは152×58×19.5mm。
6.1インチのPixel 8aが152.1×72.7×8.9mmなので、2枚重ねたら幅が余る程度のサイズ感です。
内部イメージ。小型ファンを内蔵しています。騒音はアイドル時24dB、最大43dBとされています。
ファンの横にはPoEモジュールもありますね。
展開図。
開口部が多く、通気性はかなり高めです。
まとめ
「S100」の価格は記事執筆時点で29,980円。
同レベルのスペックのミニPCよりはやや高めですが、PoE動作が可能な一般向けPCがほぼなく、ニッチながら独占に近いことを考えると、割と良心的と言えます。
欲を言えばメモリ16GBとか、M.2 SSD対応とかも欲しかったところ。
主な想定がサイネージ用途なので256GBでも足りますが、一般向け用途も考えているのであれば、ストレージを増設できるとありがたかったなぁと。
まぁ、あれこれ言い出したら切りがないんですけどね…
なお、PoEなんて使わないというのであれば、大きさはあまり変わらずメモリ12GBにM.2 SSD、デュアルHDMIなSkynew「M10」の方がいいかと。
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