2024年4月15日、HARDKERNEL社はIntel N97を搭載した「ODROID H4/H4+」およびCore i3-N305を搭載した「ODROID H4 Ultra」を発売しました。
スペック
■ ODROID H4/H4+/H4 Ultra | |
CPU | Core i3-N305 Intel N97 |
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メモリ | DDR5-4800×1 SATA×0 or 4 eMMC |
ストレージ | NVMe Gen3 SSD×1 |
画面 | 14.0インチ IPS FHD |
インターフェース | USB 3.0×2 USB 2.0×2 HDMI DisplayPoet×2 2.5GbE 有線LAN×1 or 2 オーディオジャック |
wi-fi | 非対応 |
サイズ | 120×120×47mm |
特徴
「ODROID H4」は3機種が同時に登場しましたが、「H4」と「H4+」はCPUが同じでインターフェースが違い(2.5GbEが1ポート→2ポート、SATAが0→4)、「H4+」と「H4 Ultra」はインターフェースが同じでCPUが違います。
CPU
「ODROID H4」シリーズのCPUはIntel N97またはCore i3-N305。どちらもEコアだけのAlder Lake-Nシリーズに属するCPUです。
Intel N97はTDP12Wで4コア4スレッド、Core i3-N305はTDP15Wで8コア8スレッド。GPUはIntel N97が24EU、Core i3-N305が32EUとなります。
CPU性能は4コアと8コアなので、Intel N97とCore i3-N305では2倍近い差があります。
Core i3-N305はi3を冠するだけあってEコアだけなのにCore i3-1215Uに近い性能を持っていますね。
またN97もTDPが高いだけあってIntel N95やN100より高いスコアを付けています。
グラフィックはEU数ほどの差はありません。
ひとつの物差しでしかありませんが、他のベンチマークを見ても10~20%程度の差のようです。
メモリとストレージ
メモリは非搭載でDDR5-4800が1スロット。仕様上は48GBまでの対応となります。
CPUの仕様では最大16GBなのですが、Celeron時代もそう言いつつガンガン積めたので、おそらくAlder Lake-Nも同じなのでしょう(試していないので断言はできませんが…)。
ストレージはM.2 SSDが1スロット。接続はGen3 x4接続です。
他にeMMCスロット、「H4+」と「H4 Ultra」はSATAを4ポート搭載します。
その他
無線LANは非対応。
有線LANは「H4」が2.5GbE×1、「H4+」と「H4 Ultra」が2.5GbE×2。
電源は14V~20V入力に対応。
3.5インチHDDを接続しない場合は15V/4A、接続する場合は19V/7Aを推奨しています。
本体の消費電力は負荷テスト時で19~22Wとのこと。
x86アーキテクチャなのでOSはWindowsも使えます。
HARDKERNELではUbuntu 22.04をテストしているとのこと。
外観
上が「H4」、下が「H4+/H4 Ultra」です。
ボード自体は同じものが使われていて、表面実装で差が付けられています。
SATAコントローラ、SATA電源、2.5GbEコントローラなどは裏面にあり、「H4」ではパターンのみになっています。
ヒートシンクを外したところ。
電源周りが結構しっかりしている印象です。
CPUの左下にはeMMCソケットが見えます。
インターフェース。
2.5GbEの有無に目が行きますが、DisplayPort+HDMIのコンボポートに縦向きのDisplayPortで、トリプルディスプレイに対応しています。
「H4」シリーズにおけるブロックダイアグラム図。
有線LANはI226-Vを使っていることが分かります。
PCIeは最大7レーンを使うようですが、AlderLake-Nは9レーン持っているので残り2レーンも何とか活用してほしかったところ。まぁスペース的に厳しそうですが。
拡張ボードとして2.5GbE×4の「Net Card 2 for H-series」(47ドル)が用意されています。
M.2スロットを使うので、M.2 SSDとは排他利用になります。なので使用時はeMMCかSATA SSD/HDDでの運用となります。
ケースはSATAストレージ用のスペースがないもの、Net Cardスペース用(SATAスペースなし)、Net Card+クアッド2.5インチ用、Net Card+クアッド3.5インチ用の4種類が用意されています。
いずれも92mmファン(15mm厚まで)が取り付けられます。
また、樹脂製のケースも6月頃に登場するとのこと。
他にmini-ITXキットも用意されていて、汎用的なmini-ITXケースを使うこともできます(この場合はNet Cardが使えるケースはないでしょう)。
ちなみにファン取り付けとmini-ITXキットは「ODROID H3」シリーズユーザーからのフィードバックによるものだそう。
まとめ
「H4」シリーズの価格は以下の通り。
H4:99ドル (約1.55万円)
H4+:139ドル (約2.15万円)
H4 Ultra:220ドル (約3.4万円)
電源(15V/4A):9.4ドル (約1,500円)
電源(19V/7A):25ドル (約3,900円)
ケース:10~17ドル
メモリ・ストレージ・OS・電源は含まれないので、実際の稼働では+1万円くらいを見込んだ方がいいでしょう。
「H4」シリーズは”ミニPCの中身”のようにも見えますが、一応GPIOはありますし、何よりクアッドSATAを備えていて、どちらかというと”NASとミニPCのあいの子”と言った方が近いでしょう。
CPUもパワフルになりましたし、これで見栄えのいいNASケースが出てきたらDIY NASとして人気が出そう。でもそんなケースは出ないんだろうなぁ…
関連リンク
ODROID-H4:ODROID
ODROID-H4 PLUS:ODROID
ODROID-H4 ULTRA:ODROID
Net Card 2 for H-series:ODROID
ODROID-H4:ODROID wiki
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