【レビュー】Teclast P40HD:高速ストレージにFHD画質で動画も見れる、そこそこスペックな良コスパタブレット

レビュー

2022年12月06日、TeclastはUnisoc T606を搭載したタブレット「P40HD」を発売しました。

この「P40HD」、「P30HD」のSC9863Aから大幅な性能アップでしたが、発売当時はメモリ4GB、ストレージは64GB eMMCでWidevineもL3と、ライバルに埋もれるような存在でした。

それが2023年3月頃、メモリを6GBに増量、ストレージは128GB UFSに高速化、そしてWidevineもL1に対応した”2023年モデル”が登場。
それでいて価格は微増に留まるということで、高コスパの動画鑑賞向けタブレットとして突然頭角を現しました。

今回レビューするのはその”2023年モデル”です。
機材を提供いただいたBanggood様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

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Teclast P40HD

■ Teclast P40HD
CPU UNISOC T606
メモリ 6GB LPDDR4X
ストレージ 128GB UFS
画面 10.1インチ IPS WUXGA
インターフェース USB Type-C×1
microSD
オーディオジャック
カメラ 前:200万画素
後:500万画素
wi-fi 802.11ac+BT5.0
4G/5G 4G対応
B1/B3/B7/B8/B19/B20
バッテリー 6,000mAh
サイズ 242×160.1×8.4mm
重さ 525g

GoodPoint
思った以上にベンチマークが高スコア
WidevineがL1
かなり安価

BadPoint
稼働時間は短め
スピーカーは2つだけ
急速充電非対応

記事公開に当たり、Banggood様よりクーポンをいただきました。

クーポンコード:BGJP4c01
クーポン適用価格:119.99ドル
クーポン期限:2023年6月30日まで

パッケージ

内容物
・本体
・電源アダプタ
・変換アダプタ
・USB CtoCケーブル
・トレー押し出しピン
・ユーザーマニュアル
・保証説明書

提供いただいた「P40HD」は電源アダプタから分かるように日本向けパッケージではありませんが、技適マークが付いていて国内での使用に支障はありません

インターフェース

インターフェースは電源ボタン、音量ボタン、USBポートが同じ辺に配置されています。
この配置はあまり見ないですね。

パフォーマンス

「P40HD」のSoCはUnisoc T606。2021年に発表(搭載製品の登場は2022年)された、T600番台の下位モデルとなります。
2019年発表のT618/T610と比較すると、グラフィックがMali-G52 MP2(2コア、16nmプロセス)からMali-G57 MP1(1コア、7nmプロセス)に変更され、AV1に対応、またUFSストレージ規格に対応したことが大きな違いです。

AnTuTu(v9)のスコアは総合23.5万点、CPU6.2万点、GPU3.5万点。
思っていたよりもスコアが高めです。

GeekBench5ではシングル308点、マルチで1306点。
Celeron N4100が1350点前後なので、だいたい同じくらいの性能ということになります。

メーカー Teclast BMAX Teclast Alldocube
モデル名 P40HD I11 M40SE iPlay50 Pro
CPU Unisoc T606 Unisoc T618 Unisoc T610 Helio G99
メモリ 6GB 8GB 4GB 8GB
ストレージ 128GB UFS 128GB eMMC 128GB eMMC 128GB UFS
OS Android 12 Android 11 Android 10 Android 12
AnTuTu (v9) 総合 234677 223069 216447 356077
CPU 62146 68995 66012 103868
GPU 35130 44818 31356 85286
MEM 72720 37250 59172 72112
UX 64681 72006 59907 94811
GeekBench 4 シングル 1469 1620 1766 2527
マルチ 5006 4851 5615 7115
Compute 4159 4556 4786 5627
GeekBench 5 シングル 308 371 365 548
マルチ 1326 1248 1374 1835
Compute 517 821 754 1544
GeekBench 6 シングル 367 447 428 724
マルチ 1360 1304 1403 2015
Compute 448 833 757 1295
3DMark Wild Life 416 559 512 1246
Wild Life Unlimited 414 556 506 1231
Wild Life EX 114 142 126 344
Sling Shot 1417 1741 1719 3522
Sling Shot Unlimited 1501 1756 1119 3780
Sling Shot EX 952 1178 1123 2593
IceStorm Maxed out Maxed out Maxed out Maxed out
IceStorm EX Maxed out Maxed out Maxed out Maxed out
IceStorm Unlimited 16488 20943 21618 32695
PassMark System 6286 6045 3687 9766
CPU 2977 2930 2733 4744
Memory 12065 14171 13053 16196
Disk 68125 14295 28293 57356
2D 14479 24330 24007 23207
3D 10585 18181 16772 21681
ブラウザ jetstream2 40.959 52.617 35.425 68.892
BaseMark 215.73 258.39 211.94 290.9
WebXPRT3 68 90 63 98
WebXPRT4 44 59 52 72
MotionMark 51.81 114.6 105.22 32.37
Octane 11126 14590 10311 22248
Speedometer 32.59 37.1 30.3 42.6
PCMark Work 3.0 7249 7952 7917 8875
Battery (100%) 4h29m 5h20m 7h48m
Battery (50%) 7h48m 10h6m 15h55m

他の製品との比較。
CPU・GPUはT618/T610に劣るものの、高速なUFSストレージによる底上げがかなり効いていることが分かります。

ストレージ

「P40HD」のストレージは128GB UFS2.1
microSDも対応しています。

カードスロットはmicroSD+nanoSIMのコンボスロット。

ストレージ速度の計測結果。
上が内部ストレージ、下がmicroSD(SanDisk Extreme Pro 128GB)です。

内部ストレージはリード687MB/s、ライト330MB/sと高速。まさかSATA SSDより早いとは。
microSDもリード82MB/s、ライト40MB/s弱と実用的な速度が出ています。

使ってみた

ディスプレイ

「P40HD」のディスプレイは10.1インチWUXGA(1920×1200)
10インチクラスとしては標準的なサイズと解像度です。

ベゼル幅は12.0mmでやや太め。
とはいってもタブレットは手持ちすることも多く、指をかける幅があった方が都合がいいので、そこまで気になりません。

あと、動画を見る際はこのくらいの黒縁があった方が画面が締まります

明るさごとの比較。
室内だと0%でも見えますが、50%くらいがちょうどいい感じです。

USB顕微鏡で見ると、への字型のドットが並んでいます。

サウンド

「P40HD」のスピーカーは横置き時に底面になる部分にしかないものの、スタンド等で立てると机上に反射するので、こもった感じはありません。
音量は60~80%くらいがちょうどよく、100%にすると音割れやハウリングが発生する一歩手前な感じになります。

音質は…安価なタブレットという時点でお察し。

まず低音が行方不明です。和太鼓が別の楽器になっています。
中音は出てはいますが、なんというか再現力が低い感じ。
高音は伸びがなく、少々詰まっています。

人の声は割とはっきりしているのですが、削られている音域が多く、歌の類はモノマネ芸人が歌っているかのように…
なんというか、動画鑑賞なら問題ないけど音楽鑑賞は無理って感じに仕上がっています。

限られたコストの中でタブレットの目的に沿った取捨選択がされているといったところでしょうか。

動画

「P40HD」のWidevineはL1。VOD(動画配信)サービスがHD画質で閲覧できます。

Amazon Primeでは1080pの高画質再生ができました。

WidevineとはDRM(Digital Rights Management、デジタル著作権管理)のひとつで、Google独自のデジタル著作権管理テクノロジーです。
他のDRMにはMicrosoftのPlayReady、AppleのFairPlayなどがあります。

WidevineにはL1(最高)からL3(最低)の3段階があり、Amazon PrimeではHD画質以上での再生にはL1(と独自のAmazon認証)が必要となります。
NetFlixなどもWidevineDRMを採用しており、L1でないとHD画質での再生ができません。

ゲーム

PUBG

PUBGはTeclast「M40SE」と同じ”HDの高”まで選択可能。

原神

原神は、”最低”画質で”スムーズ”、”低”画質で”やや高い”、”中”画質で”非常に高い”になりました。

また、カスタムで60fpsにすると”最低”画質でも”非常に高い”に。

実際のプレイでは”最低”画質で60fpsの方が見やすくはあるものの、時折かくつきが発生します。
スムーズなプレイがしたいのであれば、”最低”画質(30fps)で我慢する必要があるでしょう。

カメラ

カメラはリアが500万画素、フロントが200万画素です。
下の画像は幅800に縮小した以外の加工はしていません。

リアカメラでの撮影。文字は読めるものの、コントラストが低めでやや白っぽくなります。

フロントカメラでの撮影。
リアとは逆にかなり暗め、200万画素なので画像も荒いです。

正直、タブレットのカメラを使うくらいならスマホを使うので、リアカメラも性能を落としてカメラの盛り上がりをなくしてフラットにした方がユーザーの受けがいいと思うんですよね…

バッテリー

バッテリーはディスプレイ輝度100%で4時間29分、輝度50%で7時間48分でした。

輝度50%なら標準的かなぁと感じますが、他の製品は10時間超えてくるのでやっぱり短いですね。

充電はUSB PD充電器を使った場合でも、最大で12.9W。USB充電器の消費分も含むので、実際は10~12Wでしょう。
せめて18Wくらいには対応してほしいなぁと思わなくもないですが、ここもコストとの兼ね合いですね。

外観

外箱です。
裏面の技適マークには技適番号がありませんが、前述の通り本体に記載があるので問題なし。

再掲ですがパッケージ全体。

同梱物

電源アダプタは中国で多いCタイプ(日本はAタイプ)。最大10Wの出力に対応しています。
PSEマークがないので、国内での使用は非推奨です。別途USB充電器を購入すべきでしょう。

マニュアルと保証書。

マニュアルの日本語はいわゆる中華フォントが使われています

がじぇっとりっぷも最近まではそんなものと流していましたが、「放置すると世界的にこれが”正しい日本語の漢字”と思われるようになる」という意見を見てからは、指摘することにしています。

本体

インターフェースは片側に寄っています。

上側にはオーディオジャックとmicroSD/nanoSIMスロット。
下側にはステレオスピーカー。

背面にもフィルムが張られています。

重量は、本体が523.5g、電源アダプタ込みで590.5gでした。ほぼ仕様通りですね。

システム

「P40HD」はほぼ素のAndroidです。

アプリ一覧でも独自アプリは見当たりません。
色とコントラストはそれぞれ3段階に設定できます。

Androidバージョンは12
アップデートも降ってきていました。

ストレージとメモリの使用量はこんな感じです。

まとめ

「P40HD」はそれなりの性能を持ちつつも動画鑑賞に最適化された、安価なタブレットです。
Banggoodでの価格は139.99ドル(約19,000円)。1080pで動画鑑賞ができるのに、2万円を切っています。

充電が早くないとか、スピーカーが微妙だとか不満点もありますが、そこそこの性能で高コスパな動画鑑賞機という、割り切った戦略は見事だなぁと。

YouTubeやアマプラ、Netflixなどなど。動画をよく見る人にはおすすめできる一台です。

記事公開に当たり、Banggood様よりクーポンをいただきました。

クーポンコード:BGJP4c01
クーポン適用価格:119.99ドル
クーポン期限:2023年6月30日まで

関連リンク

公式ページ:Teclast

付録:ベンチマーク スクリーンショット

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