2025年9月26日、MINISFORUMはRyzen AI Max+ 395(コードネーム:Strix Halo)を搭載したミニPC「MS-S1 Max」の日本語ページを公開、予約を開始しました。
Ryzen AI Max+ 395は発表当初からがじぇっとりっぷが推していたCPUです。
「MS-S1 Max」は比較的後発の機種になるのですが、「MS-01」や「MS-A1」という前例があるため、MINISFORUMなら内蔵PCIeスロットや10GbEをやってくれると信じて、GMKtec「EVO-X2」やBeelink「GTR9 Pro」を我慢して待った結果、予想以上のインターフェースを持ったマシンが登場しました。
その分値段も想定を超えてきたので少し動揺しましたが、勢いで予約。
先におまけのゲームパッドが到着して肩透かしを食らったりしつつも発売日(11月15日)よりちょっと前に無事に到着、レビューと相成りました。
MINISFORUM MS-S1 Max

| ■ MS-S1 Max | |
| CPU | Ryzen Al Max+ 395 |
|---|---|
| メモリ | 64/128GB LPDDR5x-8000 |
| ストレージ | M.2 Gen4 SSD×2スロット |
| インターフェース | Type-C(USB4 v2)×2 Type-C(USB4)×2 USB 3.2 Gen2×3 USB2.0×2 HDMI 2.1 10GbE 有線LAN×2 オーディオジャック |
| wi-fi | Wi-fi 7/BT5.4 |
| 電源 | 320W 電源ユニット内蔵 |
| サイズ | 222×206×77mm |
| 重さ | 2.8kg |
GoodPoint
✔ モバイル系最強ミニPC
✔ 充実しすぎのインターフェース
✔ 電源内蔵ですっきり
BadPoint
✖ 価格が高い
✖ 騒音はそれなりにある
パッケージ

・電源ケーブル
・HDMIケーブル
・絶縁シート
・M.2 SSD用ヒートシンク
・ネジ類
・マニュアル
・保証案内
「MS-S1 Max」のインターフェース

・3.5mm コンボジャック
・USB4 ×2 (40Gbps, DP出力, PD 15W)
・USB 3.2 Gen2 (10Gbps)
・DMIC ×2
・電源スイッチ
・HDMI 2.1 FRL(8K@60Hz/4K@120Hz)
・USB 2.0 ×2
・USB4 V2 ×2 (80Gbps, DP出力, PD 15W)
・USB 3.2 Gen2 ×2 (10Gbps)
・10GbE LAN x2
・リセット穴 (Clear CMOS)
・盗難防止ロック穴
・AC電源入力
「MS-S1 Max」の内部

内部は巨大なデュアルファンが鎮座。
SSDは2スロットあり、ファンを外さずとも換装できるようになっています。

反対側には内蔵の320W電源ユニットとPCIeスロット。
「MS-S1 Max」のパフォーマンス
「MS-S1 Max」の搭載CPUはRyzen AI Max+ 395。
Zen5アーキテクチャの16コア32スレッドでグラフィックはAMD Radeon 8060S。アーキテクチャはRDNA3.5で、CU(Compute Unit)数が40基。
Ryzen AI HX 370が12CUなので、実に3.3倍です。
また、メモリがクアッドチャネルのLPDDR5x-8000で、メモリ帯域が最大256GB/sと広いのも特徴。
デスクトップ向けRTX 4060が272GB/sなので、旧世代のミドルロークラス並みの速度です。
また、「MS-S1 Max」はモード変更ができるため、パフォーマンス(P)、バランス(B)、クワイエット(Q)の各モードでそれぞれ計測しています。
このモードの違いは何かというと、PPT(パッケージパワートラッキング)とPL1、PL2の設定が違う、となります(詳細は後述)。
総合


PassMarkは旧バージョン(v9)と新バージョン(v11)の両方を掲載。比較はv11で行っています。
マルチスレッド性能は…ぶっ飛んでますね。比較対象がデスクトップ向けのハイエンドCPUです。
Ryzen 7 9800X3DとかCore i7-14700Kとか、ゲーミングPCで人気のCPUを軽くぶっちぎっています。ほんとにモバイルCPU…?
一応モバイルの枠とされているけれど実態はほぼデスクトップCPUなRyzen 9 7945HXよりもスコアが高いですね。
シングルスレッド性能も伸びているので、Zen4とZen5というアーキテクチャの差でしょうか。
各モードごとの差は、シングルスレッドはほぼ差がありません、マルチスレッドはクワイエットとパフォーマンスで9.0%の差です。
CPU
上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド
CPUのレンダリングパフォーマンスを調べるCINEBENCHでも圧倒的。
CINEBENCHのマルチスレッドベンチマークは、今となっては短時間で終了してしまい、おおむねPL1(モードによって10~20秒)の範囲に収まってしまうので、CINEBENCH R23のクワイエットとパフォーマンスでは、16.2%という大きな差が出ています。
GPU
グラフィック性能は、おおむねGeForce RTX 4060のちょっと上。対Radeonだと、RX 7600 XTと同等程度です。
ひとつ前の世代のミドルクラス相当となるわけですが、内蔵グラフィックでここまでできれば、文句はありません。
クワイエットとパフォーマンスのモード差は、FireStrikeで8.6%、TimeSpyで8.9%。
ストレージ

ストレージはKINGSTON OM8TAP42048K1-A00。
「M1 Pro-125H」に搭載されていたものの2TBとなるSSDです。

2TBの産業向けQLC NAND SSDで、リード6,100MB/s、ライト5,400MB/sとされています。
メーカーサイトでは「データ書き込みが少ない産業用途」って書いてますが、ミニPCもデータ書き込みが少ない範疇になるんだろうか…?

実測値はリード6,173MB/s、ライト5,521MB/sで、仕様をやや上回る速度を出しました。
外観
パッケージ

「MS-S1 Max」は高額製品なだけあって、箱からしっかり作り込まれています。

ラベルを見るだけでニヤニヤしてきます。

パッケージ全体。
付属品

マニュアルはサポートの案内、注意事項などが書かれた付録の2種類。
これまでのMINISFORUM製品同様、文言の一部が機械翻訳のような雰囲気となっています(同じものが入っているので、写真省略)。
「2024-2025年版」なので、おそらく2026年発売モデルからマニュアルが更新されることになるものと思われます。

電源内蔵なので電源アダプタはなく、電源ケーブルのみ。
ディスプレイ用はHDMIケーブルが付属。

M.2 SSDのヒートシンクとネジ類、PCIeスロットカバーを引っこ抜く工具など。

謎のシート。これについては後述。
筐体

本体全景。
重厚感のある金属筐体です。

燦然と輝くRyzenロゴ。

サイズは222×206×77mm。ミニPCの倍はいかないくらいですが、これはミニPCの分類でいいんだろうか…?

mini-ITXデスクトップと比べると、相当に小さく見えます。やっぱりミニPCでいいかな。

インターフェースは前後。
Type-Cは前面がUSB4×2、背面がUSB4 V2×2。

「MS-S1 Max」は縦置き・横置きの両対応なので、ゴム足が2方向についています。

底面はゴム足と、マウンタ用らしき穴。ピッチは180×100mmなので、あまり一般的とは言えません。
それとも、3kg近い物体を2穴マウンタで吊るんだろうか…?

技適番号は「020-230243」となっています。Mediatek MT7925の技適認証ですね。
参考 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(020-230243):総務省

重量は本体のみで2.8kgオーバー。
内部構造

内部にアクセスするには背面のネジ2本を外すだけで、中を引き抜けます。

再掲になりますが、引き抜いたところ。

このファン、実は下が開いていて、浮いています。
上下から吸気する構造です。

真上から見ると、下が透けています。

SSDはファンを外さずに換装可能。

セカンドSSDはWi-fiカードの上に装着します。

セカンドSSDスペースにはラックマウント時におけるリモート管理用のピン。

反対サイドは電源ユニットとPCIeスロット。

すでに先行レビューで騒がれていますが、電源ユニットは懐かしのLITEON製。
CD-Rドライブでお世話になった、いにしえの自作erは多いんじゃないんかな。

謎の絶縁シートは基板とPCIeカードの間に挟む用でした。

PCIeカードスロットはしっかり固定できるようになっています。

Wi-fi/BTアンテナは、高級機で時々見かける、立体型の金属アンテナ。
シートアンテナよりしっかり電波をつかんでいる気がします。

筐体ケースもアンテナ部分(左右下部)がマスクされています。
システム
起動前

UEFIはMINISFORUM製品共通のグラフィカルUI。

Quiet、Balance、Performance、Rackの4つのモードを選択できます。
公式サイトによると、以下のように設定されているとのこと。
| モード | Fast PPT | Slow PPT | TDP | ファン速度 | 騒音値(50cm) |
|---|---|---|---|---|---|
| Perfomance Mode | 160W | 130W | 130W | 最大95% | 37dB (idle) 48dB (100% load) |
| Balance Mode | 130W | 110W | 95W | 最大76% | 35dB (idle) 42dB (100% load) |
| Quite Mode | 110W | 80W | 60W | 最大76% | 32dB (idle) 41.6dB (100% load) |
| Rack Mode | 140W | 120W | 100W | 最大100% | ファン制御なし |

GPUのメモリ割り当ては1GB~96GBの範囲で可能。

ファンの回転数も確認可能。
ちなみにこの回転数、なぜかHWMonitorやHWiNFOからは確認できません。

恒例のバックアップ。
使用したのは「Macrium Refrect Free」で、バックアップサイズは49.35GBでした。
システム情報

セットアップは最初からローカルアカウントを作成できるモードになっていました。

デスクトップ。
余計なものはありません。

ライセンスはOEM_DM。正規ライセンスですね。

OSはWindows 11 Pro 24H2。

HWiNFO。
メモリはMicronチップで、16GB×8構成。

バランスモードにおけるCPU情報。
TDPが55W、PL1が110W(10秒)、PL2が130W。
モードを変更してもTDPは55Wのままで、PPTとPL1、PL2の値だけが変化します。

GPU情報。
メモリ割り当ては2GBですが、そもそもが共有メモリなので、システムメモリ側にあふれたところで速度は変わらないんですよね。

32コアの暴力。

GPUに96GBを割り当てたらこんな感じ。
代償に、システムメモリが32GBになっています。
ゲームベンチマーク
レビュー機のスペック
レビュー機のスペックは以下の通り。
| CPU | Ryzen AI Max+ 395 |
|---|---|
| グラフィック | AMD Radeon 8060S |
| メモリ | 128GB(16GB×8) |
| ストレージ | 2TB Gen4 SSD |
[中量級] Street Fighter 6

2023年6月に発売し、全世界で460万本(2025年3月時点)を売り上げたストリートファイター6。
最高画質となる”HIGHEST/FHD”でも60FPS張り付きで動作。快適にプレイ可能です。
[中量級] FF XIV 黄金の遺産

| 設定 | モード | スコア | FPS | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| 1920×1080 最高品質 |
Performance | 13627 | 100.85 fps | とても快適 |
| Balance | 13356 | 98.58 fps | とても快適 | |
| Quiet | 11839 | 88.18 fps | とても快適 | |
| 1920×1080 高品質 |
Performance | 18143 | 139.46 fps | 非常に快適 |
| Balance | 17673 | 135.22 fps | 非常に快適 | |
| Quiet | 15731 | 119.20 fps | とても快適 | |
| 1920×1080 標準 |
Performance | 19217 | 147.76 fps | 非常に快適 |
| Balance | 18493 | 141.12 fps | 非常に快適 | |
| Quiet | 16289 | 122.89 fps | とても快適 |
中量級タイトルでは、“FHD/最高品質”でも、パフォーマンスモードで100FPSオーバー。余裕で快適に遊べます。
消費電力削減で静音モードにすると、スコア的には13%減。それでも88FPSなので、モード関係なく遊べますね。
[重量級] FF XV Windowsエディション

| 設定 | モード | スコア | 評価 |
|---|---|---|---|
| 1920×1080 高品質 |
Performance | 9427 | とても快適 |
| Balance | 9508 | とても快適 | |
| Quiet | 8649 | 快適 | |
| 1920×1080 標準品質 |
Performance | 13880 | 非常に快適 |
| Balance | 12977 | 非常に快適 | |
| Quiet | 12321 | 非常に快適 | |
| 1920×1080 軽量品質 |
Performance | 17409 | 非常に快適 |
| Balance | 16826 | 非常に快適 | |
| Quiet | 15320 | 非常に快適 |
重量級タイトルでも何のその。どのモードでも”FHD/高品質”で「とても快適」評価となりました。
PerformanceモードとQuietモードのスコア差は8.3%です。
[重量級] モンスターハンターワイルズ

| 設定 | モード | スコア | FPS |
|---|---|---|---|
| 1920×1080 ウルトラ フレーム生成 |
Performance | 20850 | 122.02 fps |
| Balance | 19429 | 114.07 fps | |
| Quiet | 18755 | 110.05 fps | |
| 1920×1080 ウルトラ |
Performance | 22381 | 65.54 fps |
| Balance | 20756 | 61.09 fps | |
| Quiet | 19220 | 56.39 fps |
全世界で1070万本を売り上げた(2025年9月時点)、モンスターハンターワイルズ。
ベンチマークではバランスモードでも”FHD/ウルトラ”で60FPSオーバーに。
ベンチマークと本編では全然違うとも言われますが、フレーム生成も活用すれば最低限遊べるラインは超えているんじゃないかと。
生成AI
LLM
Ryzen AI Max+ 395の本領ともいえる、LLM(大規模言語モデル)。
大量のメモリを消費するため、最大96GBをGPUに割り当てられるRyzen AI Max+ 395は、規模の大きいモデルの読み込みが可能です。
…しかし、現状ではAMD環境はバージョンごとの相性があり、がじぇっとりっぷがベンチマークを行ったタイミングでは、定番のgpt-oss-120bのロードに失敗。
あれこれ設定を変えたりしたのですが、ダメでした。

代わりに、gpt-oss-20bの結果。
Vulkanで64.30 トークン/s、ROCmで26.02 トークン/sでした。
画像生成
画像生成では、ちもろぐさんの作成したベンチマークおよびワークフローを利用しています。
参考 【Stable Diffusion】AIイラストにおすすめなグラボをガチで検証【GPU別の生成速度】:ちもろぐ

Confi UIおよびライブラリのバージョン。
なお、ベンチマークはBalanceモードで行っています。

伝統的なStable Diffusionの定番ベンチマーク、ハローアスカベンチマーク(SDS1.5、512×512を10枚)は、29.77秒。
おおむね、RTX 2060とRX 9070の間くらいです。

神里綾華ベンチマーク(SDXL、832×1216、1枚と10枚)では1枚の生成に18.16秒、10枚並列で162.89秒。
おおむね、RTX 2060 SUPERとRTX 2060の間です。

神里綾華(ControlNet)ベンチマーク(SDXL、832×1216、5枚)では109.73秒。
これもRTX 2060 SUPERとRTX 2060の間です。

高解像度のヘルタ(Hires.Fix)ベンチマーク(SDXL、1664×2432、1枚)では103.00秒。
VRAM量がモノを言う領域となり、VRAM 8GBのGPUがランクを落としています。
RTX 2060 SUPER(8GB)を超え、RTX 2070 SUPER(8GB)と同等程度となりましたが、メモリの多いRTX 2060(12GB)には及ばず。

更にVRAMを要求されるうえ、ちもろぐさんのベンチではRadeon系全滅だったヘルタ4K(Hires.Fix)ベンチマーク(SDXL、3840×2160、1枚)は、なぜか232.95秒で完走。
RTX 3060 Tiが近い秒数となっています。

最後にプロンプトを話し言葉で書け、文字の描写にも強いQwen Image Q3ベンチマーク(Qwen、832×1216、1枚)。これは73.39秒でした。
近いのはRTX 2080 TiやRTX 3050。
全体としては、画像生成AIのWindows向け最適化が進んでいないAMD環境であることと、メモリ帯域(256GB/s)がネックとなり、ゲームベンチマークほどには高い性能を出せていない、という結論になります。
消費電力・稼働時間・騒音・温度
消費電力

| モード | Quiet | Balance | Performance |
|---|---|---|---|
| アイドル時 | 7.1~8.5W | ||
| スリープ時 | 2.3~2.5W | ||
| CINEBENCH(S) | 35.6~38.2W | 35.5~37.0W | 34.4~40.7W |
| CINEBENCH(M) | 143W | 167W | 206W |
| FF14ベンチ時 | 76~93W | 124~150W | 97~197W |
| 最大 | 148W | 173W | 212W |
消費電力はモードごとで思った以上に差がありました。
クワイエットモードとパフォーマンスモードでは、ほぼ3割の差ですね。
ベンチマークのスコア差が8~16%であることを考えると、150Wにも届かないクワイエットモードは高いワットパフォーマンスを示していることになります。
まぁ、パフォーマンスモードでも、ハイエンドCPUに匹敵するスコアをたたき出しておきながら200Wちょいなので、へたなデスクトップ機よりもはるかに高いワットパフォーマンスなんですけどね。
また、アイドル・スリープはどのモードも変わらない程度というか、ここだけ見たらミニPCらしい低消費電力です。
騒音

| モード | Quiet | Balance | Performance |
|---|---|---|---|
| 電源オフ | 35.0dB | ||
| アイドル | 正面:37.0dB、側面:37.8dB | ||
| FF14 | 正面:37.8dB 側面:39.1dB |
正面:45.3dB 側面:48.1dB |
正面:53.4dB 側面:55.8dB |
| 最大 | 37.3dB →36.1dB |
47.3dB →43.3dB |
57.2dB →54.7dB |
| 最大(側面) | 39.1dB →37.7dB |
50.3dB →46.1dB |
59.8dB →55.8dB |
| 騒音レベル[dB] | 音の大きさのめやす | 自室内の聞き騒音 | |
|---|---|---|---|
| うるさい | 70 | 掃除機 騒々しい街頭 |
非常にうるさい |
| 60 | 普通の会話・チャイム 時速40キロの自動車の内部 |
非常に大きく聞こえうるさい 声を大きくすれば会話ができる |
|
| 普通 | 50 | エアコンの室外機 静かな事務所 |
大きく聞こえる 通常の会話は可能 |
| 40 | 深夜の市内 図書館 |
多少大きく聞こえる 通常の会話は十分に可能 |
|
| 静か | 30 | ささやき声 深夜の郊外 |
非常に小さく聞こえる |
| 20 | ささやき 木の葉のふれあう音 |
ほとんど聞こえない | |
FF14は最も高負荷となる戦闘シーンでの騒音値、最大時は瞬間的な音量と、高負荷状態で安定した状態の音量を併記。
「MS-S1 Max」はデュアルファンと電源ファン、計3つのファンを持っています。
デュアルファンは側面吸気であり、側面に大きな吸気口が開いている関係上、背面よりも側面の方が音が大きくなるため、正面と側面で計測しました。
音としては掃除機とドライヤーを足して割ったような音です。不快とまではいきませんが、結構気になります。
ハイパフォーマンスだけあって、音はうるさめ。パフォーマンスモードだと瞬間的に60dB弱まで達することも。ドライヤーの”弱”くらいの音量です。
50dBを超えるくらいからチリチリパチパチという異音(おそらくはファンの軸音)が混ざり始め、「長時間やるとファンが死ぬだろうなぁ」と予感させます。
一方でクワイエットモードだと40dBを超えるシーンはなく、比較的静かです。
ただ無音には程遠く、アイドル時に軽くファンが回るだけでも、静音性の高いミニPCに負荷をかけた時くらいの音が出ます。
卓上サイズではありますが、できればデスクトップ機のように机下に置いておきたいくらいにはうるさめです。

ファンの設定については、UEFIからマニュアルモードで調整可能。
ファンが停止する温度、ファンが回り始める温度、フルスピードになる温度、回り始めた時の回転数(最大回転数に対するパーセンテージ)などが設定できます。
といっても、最低回転数(多分15付近)以下に設定した場合は無視されます。
サイレントモードで温度を高めに設定(50℃で開始、40℃で停止くらい)しておくと、アイドル時や瞬間的な負荷時にファンが回ることがなくなり、快適性が多少向上します。
コントロールモードもあるようですが、詳細は不明。
温度
「MS-S1 Max」の最大ジャンクション温度は100℃、HTC温度制限は115.5℃、サーマルトリップ制限は125.0℃。


温度はHWMonitorとHWiNFO、モードはBalanceで測定。
あれやこれやとベンチマークを多重起動したりして何とか出たのが最大75.8度。かなり余裕があります。
まとめ
「MS-S1 Max」の価格は記事執筆時点で、公式サイトで487,999円、Amazonで478,999円。
元は35万円程度でしたが、128GBものメモリを搭載していることが仇となり、メモリ価格高騰の波をもろに受けています。おそらく今後も値上げされるでしょう。
正直この価格だと気軽におすすめはできません。
卓上サイズにハイエンドデスクトップ並みの性能は、2025年のミニPCの中では間違いなく最高峰と言えますし、拡張性も十分。
高い買い物ではありましたが、後悔はしていないと断言できるくらいには、満足しています。
本当、発売のタイミングがなぁ…
LLMはやらないって人は、Core Ultra 9 285HX/275HX(PassMark:58,000/56,000)で、RTX 5060(ロープロファイル版)まで搭載できる「MS-02 Ultra」の方が、バランスが取れていてかつ「MS-S1 Max」より安価に購入できます。
いやほんと、「MS-02 Ultra」の登場で、「MS-S1 Max」はLLMしか取り柄がなくなったからね…
関連リンク
付録
ベンチマーク結果一覧
| メーカー | MINISFORUM | |||
|---|---|---|---|---|
| モデル名 | MS-S1 Max | |||
| CPU | Ryzen AI Max+395 | |||
| GPU | RX8060S | |||
| メモリ | 16GB LPDDR5x-8000×8 | |||
| ストレージ | 2TB Gen4 | |||
| モード | Quiet | Balance | Performance | |
| PassMark 9 | Total | 7402.8 | 7756.4 | 7664.9 |
| CPU Single | 4480 | 4615 | 4485 | |
| CPU Multi | 52096.9 | 55416.5 | 55411.7 | |
| 2D | 1258.9 | 1247.7 | 1257.5 | |
| 3D | 21492.9 | 19141.6 | 22967.8 | |
| Memory | 1786.9 | 1841.2 | 1780.9 | |
| Disk | 14908.8 | 34876.7 | 30242.2 | |
| PassMark 11 | Total | 11572 | 11879.8 | 11625.1 |
| CPU Single | 4353 | 4357 | 4348 | |
| CPU Multi | 57424.7 | 61916.8 | 63064.1 | |
| 2D | 1210.1 | 1165 | 1196.1 | |
| 3D | 21611.6 | 21547.4 | 24050.2 | |
| Memory | 2482.1 | 2549.5 | 2492 | |
| Disk | 44745 | 44398.1 | 36941.3 | |
| 3DMark | TimeSpy | 10781 | 11346 | 11687 |
| Graphics | 10770 | 11411 | 11815 | |
| CPU | 10850 | 10993 | 11015 | |
| FireStrike | 25430 | 26929 | 28161 | |
| Graphics | 28834 | 30415 | 31519 | |
| Phisics | 32969 | 33873 | 34438 | |
| Combined | 11413 | 12427 | 13589 | |
| NightRaid | 64733 | 70804 | 72989 | |
| Grapihics | 110607 | 131846 | 141212 | |
| CPU | 19322 | 19540 | 19528 | |
| WildLife | 66547 | 71980 | 78979 | |
| Graphics | 398.49 fps | 431.02 fps | 472.93 fps | |
| SteelNomad | 2102 | 2135 | 2194 | |
| Graphics | 21.03 fps | 21.35 fps | 21.95 fps | |
| SteelNomadLight | 10483 | 11042 | 11362 | |
| Graphics | 77.66 fps | 81.80 fps | 84.16 fps | |
| CINEBENCH R15 | OpenGL | 365.49 fps | 375.76 fps | 377.86fps |
| CPU(M) | 5143 cb | 5676 cb | 6004 cb | |
| CPU(S) | 317 cb | 319 cb | 319 cb | |
| CINEBENCH R20 | CPU(M) | 12780 pts | 14186 pts | 15243 pts |
| CPU(S) | 798 pts | 805 pts | 800 pts | |
| CINEBENCH R23 | CPU(M) | 32658 pts | 36493 pts | 38959 pts |
| CPU(S) | 2041 pts | 2049 pts | 2042 pts | |
| CINEBENCH 2024 | CPU(M) | 1832 pts | 1923 pts | |
| CPU(S) | 113 pts | 115 pts | ||
| CrystalMark | Mark | 2760733 | 2483312 | 278890 |
| ALU | 896428 | 753701 | 773217 | |
| FPU | 391324 | 252465 | 374305 | |
| MEM | 694750 | 583594 | 772591 | |
| HDD | 95101 | 90107 | 94409 | |
| GDI | 29727 | 31663 | 30519 | |
| D2D | 7050 | 7406 | 7177 | |
| OGL | 736353 | 764376 | 736672 | |
| CrystalMark Retro | All | 32282 | 35451 | 34223 |
| CPU-Single | 16329 | 16395 | 16370 | |
| CPU-Multi | 263766 | 296474 | 315661 | |
| 2D-text | 12724 | 12029 | 11885 | |
| 2D-square | 20452 | 20429 | 19740 | |
| 2D-circle | 16682 | 20055 | 19690 | |
| 2D-image | 19405 | 23277 | 22609 | |
| 3D-scene1 | 84157 | 111988 | 83972 | |
| 3D-scene2 | 76399 | 103425 | 83758 | |
| 3D-scene1-CPU | 20503 | 24300 | 20503 | |
| 3D-scene2-CPU | 21870 | 29524 | 24603 | |
| CrystalMark Retro2 | All | 31989 | 34401 | 33647 |
| CPU-Single | 16281 | 16382 | 16353 | |
| CPU-Multi | 266595 | 292485 | 314605 | |
| 2D-text | 13116 | 11189 | 13146 | |
| 2D-square | 20386 | 20252 | 20448 | |
| 2D-circle | 16586 | 20086 | 16714 | |
| 2D-image | 19800 | 23104 | 19792 | |
| 3D-scene1 | 100 | 99 | 100 | |
| 3D-scene2 | 100 | 99 | 100 | |
| 3D-scene1-CPU | 82202 | 102162 | 85105 | |
| 3D-scene2-CPU | 72967 | 93836 | 80859 | |
| GeekBench5 | Single | 2248 | 2248 | 2235 |
| Multi | 22040 | 23077 | 23468 | |
| OpenCL | 126587 | 114006 | 122903 | |
| OpenCL(dGPU) | – | – | – | |
| GeekBench6 | Single | 2929 | 2941 | 2887 |
| Multi | 19472 | 19807 | 19826 | |
| OpenCL | 98852 | 90935 | 97394 | |
| OpenCL(dGPU) | – | – | – | |
| PCMark | ALL | 8654 | 8685 | 8780 |
| Essensial | 10726 | 10688 | 10782 | |
| Productivity | 10294 | 10166 | 10301 | |
| DigitalContent | 15933 | 16364 | 16539 | |
| VR Mark | 14589 | 15383 | ||
| DQ(DX9) | 1920・最高 | 24086 すごく快適 |
24217 すごく快適 |
23957 すごく快適 |
| 1280・標準 | 23688 すごく快適 |
23564 すごく快適 |
23543 すごく快適 |
|
| FF XIV(DX11) 暁月の終焉 |
1920・最高 | 16093 非常に快適 116.86 fps |
17107 非常に快適 126.39 fps |
17700 非常に快適 132.09 fps |
| 1920・高 | 17017 非常に快適 126.38 fps |
19280 非常に快適 147.51 fps |
20047 非常に快適 154.61 fps |
|
| 1920・標準 | 19430 非常に快適 146.60 fps |
22030 非常に快適 170.59 fps |
22651 非常に快適 175.78 fps |
|
| 1280・高 | 21452 非常に快適 165.10 fps |
23543 非常に快適 182.28 fps |
22937 非常に快適 177.57 fps |
|
| 1280・標準 | 22985 非常に快適 177.82 fps |
25136 非常に快適 195.39 fps |
23880 非常に快適 184.75 fps |
|
| FF XIV(DX11) 黄金の遺産 |
1920・最高 | 11839 とても快適 88.18 fps |
13356 とても快適 98.58 fps |
13627 とても快適 100.85 fps |
| 1920・高 | 15731 とても快適 119.20 fps |
17673 非常に快適 135.22 fps |
18143 非常に快適 139.46 fps |
|
| 1920・標準 | 16289 とても快適 122.89 fps |
18493 非常に快適 141.12 fps |
19217 非常に快適 147.76 fps |
|
| 1280・高 | 20976 とても快適 165.94 fps |
24346 非常に快適 196.47 fps |
24564 非常に快適 fps |
|
| 1280・標準 | 21956 とても快適 173.59 fps |
25193 非常に快適 202.87 fps |
25981 非常に快適 fps |
|
| FF XV(DX11) | 1920・高 | 8649 快適 |
9508 とても快適 |
9427 とても快適 |
| 1920・標準 | 12321 非常に快適 |
12977 非常に快適 |
13880 非常に快適 |
|
| 1920・軽量 | 15320 非常に快適 |
16826 非常に快適 |
17409 非常に快適 |
|
| 1280・標準 | 16315 非常に快適 |
18259 非常に快適 |
17839 非常に快適 |
|
| 1280・軽量 | 19385 非常に快適 |
20675 非常に快適 |
20518 非常に快適 |
|
| ブラウザ | jetstream2 | 481.501 | 469.099 | 472.121 |
| BaseMark | 3143 | 2503 | 3204 | |
| WebXPRT4 | 358 | 364 | 355 | |
| MotionMark | 1643.08 | 4443.78 | 1641.01 | |
| SpeedMeter2.0 | 629 | 641 | 620 | |
| SpeedMeter3.0 | 38 | 35.4 | 37 | |
| Octane | 115104 | 114542 | 126036 | |
| Octane Multi | 1255144 | 1281681 | 1243312 | |
ベンチマーク結果画像














































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