KTC「H27P3」は、ゲームからクリエイティブ作業にまで使える、5K/2.5Kデュアルモードに対応したモニターです。
リフレッシュレートは5Kモード時は60hzでゲーミングには向きませんが、2.5Kモードでは120Hzとなります。
Appleが「27インチiMac Retina 5Kディスプレイ」を発売したのが2014年、モニター単体としては「UP2715K」が発売されたのが2015年。
当時は24インチ4K(主流は5万円台)と28インチ4K(主流は7万円前後)が市場をにぎわしており、199,980円の「UP2715K」は高嶺の花でした。
それから10年、当時はDisplayPortを2ポート同時接続が必要だった5K表示もケーブル一本で済むようになり、PC側も5Kどころか8Kに対応する時代となりました。
というわけで、過去の憧れを思い出しつつ、現代の5Kモニターをレビューしていきます。
当ブログの方針として、悪い点も包み隠さず書いていきます。
また、機材を提供いただいたKTC様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。
KTC H27P27

| 画面サイズ | 27.0インチ |
|---|---|
| 解像度 | 5K(5120×2880)/60Hz 2.5K(2560×1440)/120Hz |
| 表示色 | 10.7億色(8bit+FRC) |
| 輝度 | 500cd/m2 (Typ) |
| 色域 | 135% sRGB |
| インターフェース | HDMI2.0×1 DisplayPort1.4×1 Type-C(65W給電) USB3.0×2 オーディオジャック |
| サイズ | 613.336×453.835×77.87mm |
GoodPoint
✔ 安価な5Kモニター
✔ 輝度最大500nits
✔ デュアルモード
✔ スタンドがかっこいい
BadPoint
✖ モード切替がちょっと面倒
✖ スタンドはチルトのみ
クーポンコード:10TRIPGA
終了日時:2025年12月31日
KTCとは
KTC (Key To Combat)は1995年に設立された、中華人民共和国広東省深センに本社を置く企業です。
正式会社名は「Shenzhen KTC Technology Co., Ltd.(深圳KTC科技有限公司)」で、日本国内では「KTC科技日本株式会社」として日本事業部を展開しています。
日本ではゲーミングディスプレイで進出しましたが、本国ではKTC Playとしてブランドを切り分けているようです。公式サイトを見ると、本業としてはテレビ、商用ディスプレイ、医療用ディスプレイなどを手掛けていますね。
ただ日本ではKTCといえば工具メーカーの京都機械工具株式会社が先に来るので、2025年4月末より「Key To Combat」にブランド名を変更、略称のKTCも併用する形となっています。
外観
外箱

外箱はKTC共通デザインでちょっとゲーミングっぽい雰囲気。

側面のラベル。

中を開けると発泡スチロール。これも以前にレビューしたKTC製品と同じですね。
付属品

付属品はDisplayPortケーブルとType-Cケーブル、電源アダプタ、スタンド脚と簡易ドライバー。

モニターとしては珍しくHDMIケーブルが付属していません。
インターフェースとしてHDMIは搭載しているものの、HDMI2.0、すなわち4K/60Hzまでで5K/60Hz表示ができないため、このようにしたものと思われます。


電源アダプタは24V/7A(=168W)出力。過去にレビューした製品は19V(65W)なので、電源に互換性がありません。複数のモニターを使用する場合は、アダプターの混在に注意してください。
モニターの電源アダプタ―の割に高出力なのは、65W PD給電分込みの出力だからですね。

キャリブレーションレポート。
一台ずつのキャリブレーション結果というより、この基準を満たしていますよ的なものです。

マニュアルは日本語オンリーの日本向け専用。
イラストも交えた説明は文言で引っかかるところも少なく、翻訳精度はかなり良くなっています。
といっても、「作成したPCでは日本語フォントだったんだけど、印刷所のPCに日本語フォントが入ってなくて…」みたいな事例もあるようです。
「H27P3」のマニュアルは、フォントは正しく日本語フォントになっていました。
本体

本体背面。上半分が光沢仕様になっています。
「H27P3」はこれまでレビューしてきたKTC製品とは違い、テレビの小型版みたいな作りになっています。
OSD操作用のジョイスティックは正面からみると右下の位置で、ここは一般的。

面白いのがここ。右下の角を丸く取っていて、ジョイスティックに指が届きやすいようになっています。
ちょっとしたことですが、下から操作しやすいので、モニター右側に手を入れるスペースがなくとも操作できるのは割と便利。
まぁ、ここまでやるんだったら、十分な厚みのあるモニター底部にジョイティックを配置しても良かったのでは?と思わなくもなかったり。

インターフェースはHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×1、Type-C(65W PD給電対応)、USB Type-A×2(Type-C接続時利用可能)、オーディオジャック。
下向きではなく後ろ向きに接続するので、抜き差しは楽ですが背後にある程度の余裕が必要です。

ラベルは底部。

スタンド脚はT字型。
台座型のスタンドが多い中、これはスタイリッシュで目を惹きます。

ちょっと見ずらいですが、裏にはゴム足が3か所。三脚と同じで最も安定するスタイルです。

脚にベースを固定。

ベースは前後の傾き(チルト)に対応しています。

本体との固定は、本体側のここに差し込むだけ。

差し込みに失敗しているように見えますが、ちゃんと固定できています。

テレビと同じような排気口の形。
煙突効果を利用して熱を上に逃がしています。

野暮ったい台座タイプと違って、立ち姿がオシャレ。これにはインテリアにこだわる人もにっこりですね。

スタンドはチルト(-5°~15°)のみ対応。
使ってみて
「H27P3」の解像度は5120×2880と広大。

拡大率100%でのGoogleの検索結果。超ちっさい。

見づらいですが、スプレッドシートはZ列まで表示しても半分ちょい。下は123行まで表示されています。
「めっちゃ表示できる!」と「1マスがちっちゃい!」が同時に来て、変な笑いが出ましたね。

当ブログを表示しても、これです。左右余り過ぎ。

Googleマップは高精細表示。
ただし、マシンパワーも相応に必要となります。

5Kで設定できるのは60Hzのみ。

2.5Kだと120Hz表示にも対応します。

HDRモードだと10bit入力に対応します。
明るさは仕様の500nitsではなく、446nitsに制限されるようです。
OSD






OSDは中央に表示。
OSDの内容はアップデートされていて、過去レビュー製品では英語表記だったところがカタカナに修正されたりしています。


ショートカットメニューは右下に表示。
よほど細かく設定するのでなければ、このくらいで十分ですね。
ちょっと残念だったのは、ショートカットに5K/2.5K切り替えを割り当てられなかったこと。
現実的にはそこまで多用する機能ではないとはいえ、「詳細設定→デュアルモード→5K/2.5K」と階層が深いので、せめて2ステップくらいで辿り付けるようにするとか、ショートカットの「入力」の空いている下半分にモード切替を入れるとか、工夫の余地はあるように思えます。
| メニュー | レベル1 | レベル2 | レベル3 |
|---|---|---|---|
| ディスプレイ | 明るさ | 0~100 | |
| コントラスト | 0~100 | ||
| ブラックイコライザ | 0~100 (5刻み) | ||
| プリセット | ユーザー設定/映画/写真/Eco/読書/RTS/FPS | ||
| アスペクト比 | Full/16:9/4:3 | ||
| 鮮明さ | 0~100 (10刻み) | ||
| プロモード | ネイティブ/sRGB/AdobeRGB/DCI-P3/BT.2020 | ||
| しきさい | 色温度 | 標準/暖色/寒色/ユーザー設定 | |
| ガンマ値 | Off/1.8/2.0/2.2/2.4 | ||
| 色相 | レッド/グリーン/ブルー/シアン/パープル/イエロー | ||
| 彩度 | レッド/グリーン/ブルー/シアン/パープル/イエロー | ||
| ブルーライト | 0~100 (25刻み) | ||
| ゲーミング設定 | FrreSync/G-Sync | On/Off | |
| 応答時間 | オフ/標準/高速/超高速/ダイナミックOD | ||
| ゲームアシスト | タイマー | オフ~90分(15分刻み) | |
| クロスヘア― | 6種類 | ||
| AI照準 | On/Off | ||
| FPSカウンター | On/Off | ||
| 鷹の目モード | On/Off | ||
| ナイトビジョン | On/Off | ||
| DCR | On/Off | ||
| MPRT | On/Off | ||
| 詳細設定 | HDR | Off/自動 | |
| KVM | Off/USB2.0/USB3.0 | ||
| DDC/CI | On/Off | ||
| OSDスタイル | オレンジ/ブルー/レッド/グリーン | ||
| デュアルモード | 5K/2K | ||
| 入力 | 自動選択/Type-C/DP/HDMI | ||
| システム設定 | 言語 | 日本語など9言語 | |
| OSD設定 | 水平位置 | 0~100 | |
| 垂直位置 | 0~100 | ||
| 表示時間 | 15~60秒(15秒刻み) | ||
| 透明度 | 0~100(20刻み) | ||
| LED | On/Off | ||
| サウンド設定 | ミュート | On/Off | |
| ボリューム | 0~100 | ||
| ホットキー | 左右・下の割り当て(上は固定) | ||
| ファームウェア更新 | |||
| リセット | |||
メニュー内容の一覧。
パネルについて

| 比率 | カバー率 | |
|---|---|---|
| sRGB | 149% | 100% |
| Adobe RGB | 110.5% | 96.5% |
| DCP-P3 | 109.9% | 98.2% |
| NTSC | 105.6% | 94.8% |
色域実測はsRGB比149%と、超広色域。
AdobeRGBですらカバー率96.5%と、クリエイター向けモニター並みとなっています。

ガンマ特性は青だけでなく赤もちょっと弱い、珍しいグラフに。乖離率は過去のレビュー製品より抑えられています。
他に、暗部の歪みもちょっと気になります。

i1Display Proによる補正後の色精度。平均ΔE=1.1で、2.0を下回りました。

カラー表示は特に違和感なし。

斜め表示はこんな感じです。


照明を消した状態。
輝度について
| 明るさ | 輝度(cd/m2) |
|---|---|
| 100 | 480 |
| 90 | 436 |
| 80 | 395 |
| 70 | 351 |
| 60 | 308 |
| 50 | 265 |
| 40 | 220 |
| 30 | 175 |
| 27 | 159 |
| 20 | 127 |
| 10 | 79 |
| 0 | 36 |
輝度についてはi1Displayで測定。
「H27P27」の明るさは仕様上は最大500nits。SDRモードでの全白実測では480nitsとなりました。

明るさ100での各ポイントの輝度。カッコ内は輝度計での計測。
「H25T7」や「H24T27」とは傾向が違っていて、左右ともに同程度の暗さになっています。
光漏れについて
「H27P27」はminiLEDや有機ELではない、一般的なエッジライト液晶です。
そのため、構造的に黒表示でも外縁部ではわずかに光が漏れてしまいます。

明るいところで正面から見ると違和感はありませんが…

斜めから見ると全体が白くなり、黒ではないことが分かります。


暗いところだと黒いところもぼんやり明るいので分かりやすいですね。
ブラックイコライザについて
ブラックイコライザは0から100までの21段階。標準は50で設定されています。



ハイエンド機ほどではありませんが、それなりに暗いところが持ち上がります。



HDRモードだとさらに効果が強く出ます。
その他表示例





まとめ
「H27P27」の価格は記事執筆時点で71,111円。5Kモニターとしては安価です。
当ブログ専用の10%オフコードを入力することで、64,000円となります。
クーポンコード:10TRIPGA
クーポン期限:2025年12月31日
クリエイター用途に耐えうる5Kモニターが6万円台前半は、激安と言えます。
ちょっと操作は面倒ですが、2.5Kモードにすれば120Hz出るので、ちょっとしたゲーミングにも使えます。
快適表示にはPC側のスペックも必要になりますが、見た目のスタイリッシュさも相まって、個人的には大当たりと言えるモニターでした。



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