【レビュー】ASUS Vivobook Pro 16X OLED:4Kで有機ELでGPU搭載な、まさにプロ仕様な16インチノート

レビュー

2021年9月2日、ASUSは有機ELディスプレイを搭載するクリエイター向け「Vivobook Pro」シリーズ4機種8モデルを発表、11月24日に発売しました。

ASUS OLED 有機EL搭載シリーズ:ASUS Store
有機ELノートPCシリーズ:ASUS Store

その中から「Vivobook Pro 16X OLED」をお借りすることができたので、レビューしていきます。
機材を提供いただいたASUS様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

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ASUS Vivobook Pro 16X OLED

CPUCore i7-11370H
GPUGeForce RTX 3050
メモリ16GB DDR4-3200
ストレージ512GB M.2 NVMe SSD
画面16.0インチ OLED 4K
インターフェースUSB Type-C(TB4)×1
USB 3.0×3
HDMI
microSDXC
オーディオジャック
wi-fi802.11ax+BT4.2
サイズ360.5×259×19.5mm
重さ1.95kg

GoodPoint
表現力の高い4K有機EL
dGPU内蔵
デュアルファンでも比較的静か

BadPoint
メモリがオンボード
充電端子とLEDが逆位置
ファンの音に高周波音が混じっている
インターフェース配置がいまいち

パッケージ

内容物
・本体
・電源アダプタ
・電源ケーブル
・ユーザーマニュアル
・その他広告
・ステッカー一式

「Vivobook Pro 16X OLED」のインターフェース

天板とキーボード面はクールシルバーです。
海外ではカラーバリエーションとしてコメットグレーも用意されていて、国内ではAMD Ryzenモデルのカラーとなっています。

■左サイド
・USB 2.0×2
■右サイド
・オーディオジャック
・microSDカードスロット
・Thunderbplt4
・HDMI
・USB 3.2 Gen2
・充電端子

「Vivobook Pro 16X OLED」は最近のノートとしては珍しく、右サイドにインターフェースが集まっています。最近はマウスを置く右は空けるのがトレンドですが、設計的に厳しかったのでしょうか。

ちょっと困ったのが、充電端子は右なのに、充電LEDは左なこと。
コンセントが抜けているのに気づかず端子だけ挿して、充電されていなかったということがありました。わざわざ反対側を見てまで確認はしませんよね…

「Vivobook Pro 16X OLED」のディスプレイ

ベゼル部はブラックです。

ベゼル幅は6.9mm。
最近のノートとしてはそこまで細くありません。

グレアパネルなのでかなり反射します。
というか、グレアパネル=タッチ対応な図式ができてしまっているせいで、触れても反応しなくてあれっ?ってなりました。

ディスプレイはSamsung製の「SDC415D(ATNA60YV02-0)」でした。
検索しても海外の「Vivobook Pro 16X OLED」レビュー記事しか引っ掛からないので、特注の可能性もあります。

発色はとても綺麗で、角度をつけてもはっきりしています。

がじぇっとりっぷではiDisplay Proで色域測定およびキャリブレーションを行うのですが、「Vivobook Pro 16X OLED」はキャリブレーション済みで、すでにプロファイルが作成されていました。

比率カバー率
sRGB135.6%100.0%
AdobeRGB-%-%
NTSC96.0%86.4%
DCI-P3-%-%

AdobeRGBとDCP-P3はなぜかアプリがフリーズしたので計算できず。
とはいえ、グラフを見ると、DCI-P3(ピンクのライン)とほぼ重なっています。右端だけちょっとずれていますね。

ガンマ補正グラフもきれいなものです。

HDRをオンにすると、色深度が10bitになりました。

輝度については最大617nitとされていますが、「iDisplay Pro」で検証したところ、4~330nitでした。

明るさ輝度
04nit
5087nit
60126nit
70174nit
80220nit
90277nit
100330nit

どちらにしろ最大輝度にするとまぶしすぎて目がチカチカしますし、ふと目を離すと部屋が暗く感じるほどです
最大輝度で使うとしたら屋外で、ということになるでしょう。

IPS液晶との比較(左が本機)。
船の陰や画面左の水面など、階調が全然違うのが分かります。右はなんだかのっぺりしていますね。

輝度を上げすぎると白飛びがちになって逆効果で、輝度を50~70にすると階調豊かに表現してくれるようになります。

※比較機はLenovo「IdeaPad L340」

16インチで4Kはさすがに細かくて標準では250%、がじぇっとりっぷは200%(WUXGA解像度相当)で使用していました。
しかしそれでも元の解像度が高い恩恵は大きく出ています。

上が本機、下が「IdeaPad L340」(15.6インチFHD)です。
LEDと有機ELという差もありますが、読みやすさが全然違っていて、印刷の文字を読むみたいに線がピシッと出ているので、すごく読みやすかったです。

ドットバイドット表示でないと困るという人でもなければ、4Kの200%表示は非常におすすめです。

「Vivobook Pro 16X OLED」のキーボード

キーボードはASUSらしい遊び心というか、ゲーミングノートっぽくなっていますが、よくよく考えたら大半のROGシリーズでもここまでやっていないんですよね。
ざっと見た感じだと、現行品で似たようなことをしているのは「ROG Zephyrus G14」くらいです。

変則部分。”¥”キー以外は幅は取れていますが、矢印キーが細いのはちょっとやりにくかったです。

キーピッチは18.5mm。ちょっと狭いかなー?くらいで、そこまで違和感は感じませんでした。

キートップはわずかにカーブを描いていますが、実際のさわり心地はほぼフラットです。

キーボードバックライトは備えていますが、薄暗い状況だと逆に印字が見えなくなります

ASUS独自の新機能、ダイアルパッド。

標準では音量と輝度が割り当てられています。現在はAdobeソフトが対応しているとのこと。
色々使えそうだなとは思いますが、オンオフがだんだん面倒になってきて、オンにしたまま空きスペースで操作、時々間違ってダイアルが表示される、なんてことにもなったので、後半は機能を使わなくなりました。

対応アプリが充実してくればいっそタッチパッドの隣に円形パッドを置いてもいいんじゃないかと思えるくらいには便利になりそうなんですけどね。

「Vivobook Pro 16X OLED」のスピーカー

スピーカーは底面手前に設置。

性能的にはいまいちだけど計算されているなぁと感じました。
基本は全体的に解像度が低く、音がつぶれ気味です。

低音がスカスカなのはPC用の小型スピーカーだから仕方ないとして。

中音はそこそこ。スカスカだけど変な強調もないので、J-POPなどは意外と聞けます。
ただ人の声はちょっと滑舌が悪いと途端に聞きづらくなります

高音も中音と同じような傾向。クリアだとかのびやかだとかは言えないけれど、邪魔をする要素もないので引っ掛かりや違和感を覚えることもなく聞き流せます。

いくつかのジャンルを聞き比べた限りでは得意不得意はなく、どれもフラットですね。

面白い、というか意図してのことでしょうが、手をホームポジションに置くとぐっと音が締まってスカスカ感が薄まり、だいぶ聞ける音になります。

ここで生きてくるのが底面手前に位置していること。
PCを操作しているときは手を置くことで音が締まり、映像視聴時は画面から1mくらい離れると音のダイナミック感が増します。

スピーカー自体の音質には限界があるものの、それをどう聞かせるかは工夫の余地があるんだなぁと考えさせられました。

「Vivobook Pro 16X OLED」のパフォーマンス

「Vivobook Pro 16X OLED」の搭載CPUはCore i7-11370Hです。

設定については初期値のままで、TDPは35W、PL1は55Wです。

以前にレビューしたDELL「Inspiron 14 5410」と同じCPUなのですが、設定の差か冷却の差か、全然違う結果に…
というか、「Inspiron 14 5410」がおかしくて、本機が本来の性能を発揮している感じです。

【レビュー】 DELL Inspiron 14 5410:高負荷時は爆熱だけどスコアの伸びがいいノート

総合

PassMarkは旧バージョン(v9)と新バージョン(v10.1)の両方を掲載。

「Inspiron 14 5410」は旧バージョンでCPUスコア(マルチスレッド)が10954.8だったので、同じCPUなのに約26%の差がついています。

CPU

CPUCINEBENCH R15
Ryzen 5 5600U1353223
本機(Core i7-11370H)1093237
Core i7-1165G7859227
Ryzen 5 4500U858187
Core i7-11370H708200
Core i5-1135G7693200
Ryzen 3 4300U640161
Core i5-10210U612165
Ryzen 5 3500U609136
Core i5-8250U547144
Core i7-10510U502170
Core i7-8550U476163
Core i5-7200U324126
Ryzen 3 3200U309124

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

CPUCINEBENCH R23
Ryzen 5 5600U79301368
本機(Core i7-11370H)69391551
Core i7-1165G754451522
Ryzen 5 4500U53931163
Core i7-11370H44451252
Core i5-1135G743361338
Ryzen 3 4300U42231062
Core i5-1035G741001119
Core i5-10210U36531088
Ryzen 5 3500U3624940
Core i5-8250U3035906
Core i7-10510U29641046
Core i5-7200U1862799
Ryzen 3 3200U1736773

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

TDP35WのHシリーズの本領発揮と言わんばかりのスコアですね。
4コア8スレッドで、6個あ①2スレッドのRyzen 5 5600Uの80~87%のスコアを叩き出しています。

GPU

CPU3DMark Fire Strike (Graphic)
GeForce GTX 106010371
本機(GeForce RTX 3050)9278
GeForce GTX 16509264
GeForce GTX 1050 Ti7923
GeForce GTX 10506210
Core i7-11370H(8GB×2)4365
Core i7-1165G7(8GB×2)3883
Core i5-1135G7(8GB×2)3842
Ryzen 5 4500U(8GB×2)3247
Ryzen 5 3500U(4GB×2)2355
Ryzen 5 4500U(8GB×1)2217
Ryzen 3 4300U(4GB×2)2209
Core i5-1135G7(8GB×1)2061
Ryzen 3 3200U(4GB×2)1289
Core i5-10210U(8GB×2)1257
Core i5-8250U(8GB×1)997
Core i5-7200U(4GB×2)962

CPU3DMark Time Spy (Graphic)
本機(GeForce RTX 3050)4114
GeForce GTX 16503495
GeForce GTX 10603332
GeForce GTX 1050 Ti2363
GeForce GTX 10501725
Core i7-11370H(8GB×2)1692
Core i7-1165G7(8GB×2)1236
Core i5-1135G7(8GB×2)1118
Ryzen 5 4500U(8GB×2)940
Ryzen 5 3500U(4GB×2)776
Core i5-1135G7(8GB×1)741
Ryzen 3 4300U(4GB×2)684
Ryzen 5 4500U(8GB×1)664
Core i5-10210U(8GB×2)413
Ryzen 3 3200U(4GB×2)388
Core i5-7200U(4GB×2)321
Core i5-8250U(8GB×1)318

グラフィックはDirectXの世代によって結果が変化しています。

DirectX 11のテストである「Fire Strike」ではGeForce GTX 1060が強いですが、DirectX 12のテストである「Time Spy」では大きく逆転しています。

ストレージ

ストレージはSK hynix製の「HFM512GD3JX013N
仕様上はリード3500MB/s、ライト3000MB/sな高速モデルです。

参考 Client SSD:SK hynix

ベンチマークはほぼ仕様通りのリード3540MB/s、ライト2935MB/sでした。

SDカード

カードスロットはmicroSDに対応し、挿入時は頭が出っ張ります。

正直速度は全くでないので、一応カードリーダーはついている、くらいの気持ちでいましょう。

外観

パッケージ

上でも掲載したパッケージ全体です。

付属品

dGPU搭載モデルだけあって、電源アダプタは120W出力

紙類は大量。半分は広告です。

初めて入っているのを見たのが大量のステッカー
確かにクリエイターさんは天板にステッカーを張っているイメージがありますが…

筐体

左右全体。
インターフェースは奥の方、ヒンジ側に集まっています。

…やっぱり右側に集中しているのは違和感がありますね。

全体像。
シールや説明書きでごちゃごちゃしています。なんというか、国内メーカーのPC感が…

16インチという大画面のわりにベゼル(左右6.9mm)があまり細く感じません。
まぁ、サイズが大きい分細いと剛性に問題が出るので、そこは仕方ありません。

カメラは720pで物理シャッター付き。

「Vivobook Pro 16X OLED」はデュアルファンなので、排気口は左右ともに排気に使われます。

パームレストのロゴシール。
あまり見かけない「Pantone Validated」のシールは、色補正がされていて正確な色彩表現ができることを示しています。

参考 Pantone 認証ディスプレイ:ASUS

最大に開いたところ。だいたい135度です。

天板は右端にロゴ

ロゴを正面から。
目立たないけど主張はするといった感じで、個人的には好みです。

重量

重量は仕様通りの1.95kg。
電源アダプタはケーブルとセットで445gでした。

システム

起動前

ASUSはUEFIがかっこいいんですよね。

恒例のバックアップです。
使用したのは「Macrium Refrect Free」で、バックアップサイズは47.93GBでした。

GeForceのドライバなどが含まれるにしても、容量がかなりあります。Windows 11だからでしょうか?

なお、バックアップ時はいったんVMDを切る必要があります。

システム情報

デスクトップはやっぱりゲーミングっぽい感じです。
Windows 11だったので、タスクバーが真ん中に寄っていますね。

メーカー固有アプリのMyASUS。

Windows側にないけど欲しいと思う設定項目がピンポイントで用意されていて好印象。

システム情報。
X7600PCはマザーボードのモデル名、N7600が型番になります。

HWiNFOでのCPU情報
メモリはオンボードなので情報が取れていません。

マザーボード情報。

再起動直後のメモリ使用量は3.7GB。結構多いのはWindows 11だからでしょうか?とりあえず、メモリが16GBあるので余裕です。

スタートアップ

デバイスマネージャ

バッテリーは仕様では96WHrですが、充電容量は91WHr程度に抑えられています。
リチウムイオン電池は完全充電するよりも8~9割にとどめたほうが寿命が長くなるそうで、そういったことも考慮しての仕様なのだと思われます。

ゲームベンチマーク

レビュー機のスペック

レビュー機のスペックは以下の通り。

CPUCore i7-11370H
グラフィックGeForce RTX 3050
メモリ16GB(8GB×2)
ストレージ512GB

[軽量級] DQベンチマーク

設定スコア評価
3840×2160 最高品質3603普通
1920×1080 最高品質20564すごく快適
1280×720 標準品質17444すごく快適
DQベンチマーク
本機(8GB×2)20564 / すごく快適
GeFroce GTX 1050 Ti18021 / すごく快適
GeFroce GTX 165015792 / すごく快適
GeFroce GTX 106015347 / すごく快適
Core i7-11370H(8GB×2)12673 / すごく快適
Core i7-1165G7(8GB×2)10398 / すごく快適
Core i5-1135G7(8GB×2)10382 / すごく快適
Ryzen 5 4500U(8GB×2)9431 / とても快適
Ryzen 5 3500U(4GB×2)6861 / 快適
Ryzen 3 4300U(4GB×2)6043 / 快適
Core i5-10210U(8GB×2)5479 / 快適
Ryzen 3 3200U(4GB×2)4241 / 普通
Core i5-7200U(4GB×2)3701 / 普通
Core i5-8250U(8GB×1)3393 / 普通

1920×1080(最高品質)での比較

軽量級タイトルではオーバースペック過ぎて、まともに計測できていません。
4KかWQHD(2.5K)解像度くらいがちょうどいい具合になりそうです。

[中量級] FF XIV 漆黒のヴィランズ

設定スコア評価
3840×2400 最高品質3102やや快適
3840×2400 標準7368非常に快適
1920×1080 最高品質11217非常に快適
1920×1080 高品質13659非常に快適
1920×1080 標準15262非常に快適
1280×720 高品質15786非常に快適
1280×720 標準16668非常に快適
FF XIV 漆黒のヴィランズ
本機(8GB×2)11217 / 非常に快適
GeFroce GTX 10609652 / 非常に快適
GeFroce GTX 16508312 / 非常に快適
Core i7-11370H(8GB×2)3560 / 快適
Core i5-1135G7(8GB×2)2901 / やや快適
Ryzen 5 4500U(8GB×2)2685 / やや快適
Core i7-1165G7(8GB×2)2676 / やや快適
Core i5-1035G7(8GB×2)2317 / 普通
Ryzen 5 3500U(4GB×2)1925 / 普通
Ryzen 3 4300U(4GB×2)1859 / 普通
Ryzen 5 4500U(8GB×1)1664 / 普通
Core i5-1135G7(8GB×1)1303 / 設定変更
Core i5-10210U(8GB×2)1159 / 設定変更
Ryzen 3 3200U(4GB×2)1152 / 設定変更
Core i5-7200U(4GB×2)928 / 動作困難
Core i5-8250U(8GB×1)872 / 動作困難

1920×1080(最高品質)での比較

中量級になると差が見え始めますがCPU内蔵グラフィックと比較すると圧倒的ですね。
ここまでは4K解像度にしてもプレイできます。

[重量級] FF XV Windowsエディション

設定スコア評価
3840×2160 高品質1610動作困難
3840×2160 軽品質2985やや重い
1920×1080 高品質4271普通
1920×1080 標準品質6021快適
1920×1080 軽量品質7709快適
1280×720 標準品質8950快適
1280×720 軽量品質10694とても快適
FF XV
本機(8GB×2)8950 / 快適
GeFroce GTX 10608162 / 快適
GeFroce GTX 16506272 / 快適
GeFroce GTX 1050 Ti6353 / 快適
GeFroce GTX 10505281 / 快適
Core i7-11370H(8GB×2)3431 / 普通
Core i5-1135G7(8GB×2)2733 / やや重い
Core i7-1165G7(8GB×2)2702 / やや重い
Ryzen 5 4500U(8GB×2)2606 / やや重い
Core i5-1135G7(8GB×1)2001 / 重い
Ryzen 3 4300U(4GB×2)1914 / 動作困難
Ryzen 5 3500U(4GB×2)1823 / 動作困難
Ryzen 5 4500U(8GB×1)1724 / 動作困難
Core i5-1035G7(8GB×2)1543 / 動作困難
Core i5-10210U(8GB×2)1012 / 動作困難
Ryzen 3 3200U(4GB×2)1011 / 動作困難
Core i5-8250U(8GB×1)890 / 動作困難
Core i5-7200U(4GB×2)867 / 動作困難

1280×720(標準品質)での比較

重量級タイトルでは、FHD解像度なら設定次第では遊べるものの、4Kは無理という結果となりました。
RTX30シリーズの最エントリークラスであることを考えると、FHD解像度で遊べるだけでも十分といえます。

VR Ready

GeForce RTX 3050はVR Readyなのかどうかって、実はずっと気になっていたんですよね。
その割にいまいち情報がなくてやきもきしていたので、ここが個人的に一番検証したかったポイントです。

ずばり、ぎりぎりVR Readyでした。
ほんとにぎりぎりですね。

VRMarkだと多少の余裕をもってVR Readyライン(5000ポイント)を超えています。

レイトレーシング

レイトレーシング用のベンチマーク「Bright Memory」では36FPSでした。
エントリークラスなのでさすがにスコアが伸びませんが、ベンチマーク中は光の反射がしっかり描かれていて、リアル感があってよき…となりました。

消費電力・稼働時間・騒音・温度

消費電力

アイドル時0.2-18.1W
画面オフ時0.04-5.4W
スリープ時0.02-5.2W
充電(アイドル)34.1W (20%以下)
64.4W (20%以上)
充電(電源オフ)29.6W (20%以下)
59.3W (20%以上)
CINEBENCH(S)41.3W
CINEBENCH(M)72.7W
最大109W
最大(充電中)125W

「Vivobook Pro 16X OLED」の電源アダプタは120W。Type-C端子からのPD給電にも対応していますが、全力を出すには電源アダプタが必要になります。
充電も、バッテリーが20%以下ではゆっくりめで、負担をかけないようになっています。
そしてアイドル時の消費電力が安定しません

アイドル時はこんな感じです。20分くらい放置してもこんな状態が続いたので、これがデフォルトなのでしょう。
ちなみにディスプレイの輝度を変化させても測定したのですが、消費電力の変化は乱高下のせいで判断できませんでした

それともう一つ気になるのがCINEBENCH。マルチスレッド時は72.7Wも消費しています。
そもそもが65W仕様なDELL「Inspiron 14 5410」では性能を発揮できないのも当然でしたね。

稼働時間

キー入力のみ51348秒(14.2時間)
動画再生50021秒(13.9時間)
フルロード10256秒(2.85時間)

稼働時間は90WHrという大容量に見合った時間となっています。
これだけ持つのであれば、特に問題はないでしょう。

騒音

状況音量聞こえ方
電源オフ35.3dB
アイドル35.3dB無音
最大44.9dBそこまではうるさくないが耳につく

騒音レベル[dB]音の大きさのめやす自室内の聞き騒音
うるさい70掃除機
騒々しい街頭
非常にうるさい
60普通の会話・チャイム
時速40キロの自動車の内部
非常に大きく聞こえうるさい
声を大きくすれば会話ができる
普通50エアコンの室外機
静かな事務所
大きく聞こえる
通常の会話は可能
40深夜の市内
図書館
多少大きく聞こえる
通常の会話は十分に可能
静か30ささやき声
深夜の郊外
非常に小さく聞こえる
20ささやき
木の葉のふれあう音
ほとんど聞こえない

ファンの音はやや高音寄り。

ゲーミングノートなどに比べるとかなり緩く回していて、その分絶対的な音量は低いのですが、キイィィィンというかヒイィィィンというか、ジェット機のエンジン音を遠くで聞くような音が混じっているので、そこは少し耳につきます。

温度

CPU温度は最高95度、GPUは最高75度まで上昇しました。
多少の余裕はありますが、ファンの回転数を抑えている分温度上昇につながっているなぁという印象があります。

まとめ

4Kな有機ELディスプレイにdGPUまで搭載した「Vivobook Pro 16X OLED」は、確かにプロ仕様なクリエイター向けでした。

とにかく、何をするにしてもきびきびと動くし、画面はとにかく美麗だしと、文句が出ません。
いや、インターフェース周りはもうちょっと何とかしてほしいかな…

「Vivobook Pro 16X OLED」の価格は税込197,820円

RTX 3050機にしてはやや高めですが、Core i7-11370H/16GB RAM/RTX 3050 Tiという、似たスペックを持つ「TUF Dash F15」が税込149,800円なので、ここに有機ELディスプレイ代を足したくらいと考えると、結構妥当なのかなぁと。

これでオンボードメモリではなく自分で増設できるのであれば最高なのですが…

関連リンク

ASUS OLED 有機EL搭載シリーズ:ASUS Store
有機ELノートPCシリーズ:ASUS Store

付録

ベンチマーク結果一覧

メーカーASUS
モデル名Vivobook Pro 16X OLED
CPUCore i7-11370H
GPUIris Xe
RTX 3060
メモリ16GB
ストレージ512GB
PassMark 9Total6083.1
CPU Single3045
CPU Multi13875.1
2D832
3D8662.6
Memory2954.9
Disk26523.8
PassMark 10Total3951
CPU Single3323
CPU Multi13419.1
2D385.6
3D8675.9
Memory2936.2
Disk26842.8
3DMarkTimeSpy4114
Graphics4007
CPU4848
FireStrike9278
Graphics10344
Phisics13640
Combined4119
NightRaid18778
Grapihics21901
CPU10386
SkyDiver19916
Graphic24360
Phisics11449
Combined15822
CloudGate22251
Graphics38486
Phisics9208
IceStorm28432
Graphics26743
Phisics36504
IceStormEX39552
Graphics40444
Phisics36720
IceStormUnlimited207116
Graphics453521
Phisics71380
3DMarkTimeSpy4108
Graphics3999
CPU4867
FireStrike9140
Graphics10109
Phisics13943
Combined4089
NightRaid18577
Grapihics21744
CPU10178
CINEBENCH R15OpenGL134.88fps
CPU(M)1093cd
CPU(S)237cd
CINEBENCH R20CPU(M)2590pts
CPU(S)596pts
CINEBENCH R23CPU(M)6939pts
CPU(S)1551pts
CPU-ZSingle614.7
Multi2962.2
CrystalMarkMark611886
ALU180875
FPU103257
MEM175816
HDD76674
GDI27382
D2D5560
OGL42322
GeekBench4Single6810
Multi21527
OpenCL45611
OpenCL(dGPU)155521
GeekBench5Single1579
Multi5240
OpenCL15820
OpenCL(dGPU)52803
PCMarkALL6014
Essensial9491
Productivity9444
DigitalContent6586
VR Mark5652
DQ(DX9)1920・最高20564
すごく快適
1280・標準17444
すごく快適
FF XIV(DX11)
紅蓮
1920・最高10983
非常に快適
1920・高14021
非常に快適
1920・標準16013
非常に快適
1280・高16339
非常に快適
1280・標準16990
非常に快適
FF XIV(DX11)
漆黒の反逆者
1920・最高11217
非常に快適
1920・高13659
非常に快適
1920・標準15262
非常に快適
1280・高15786
非常に快適
1280・標準16668
非常に快適
FF XIV(DX11)
暁月の終焉
1920・最高11026
とても快適
1920・高13697
とても快適
1920・標準16045
非常に快適
1280・高18131
非常に快適
1280・標準19953
非常に快適
FF XV(DX11)1920・高4271
普通
1920・標準6021
快適
1920・軽量7709
快適
1280・標準8950
快適
1280・軽量10694
とても快適
MHF(DX10)
大討伐
192024263
128041706
ブラウザjetstream2192.794
BaseMark598.06
WebXPRT284
MotionMark521.55
SpeedMeter2.0182
octane68395

ベンチマーク結果画像

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