Hanyeは中国瀋陽に運営本部を置くメーカーで、本国の社名は瀋陽逐世貿易有限公司。設立は2003年と古いようですが、日本進出ははっきりとは分からないものの、2020年頃のようです。
HIKSEMIを代表とした蝉族SSD登場の早い段階からMAP1602A+YMTC NANDのSSDを販売しており、中華系SSDメーカーの中では一定の知名度を得ています。

そんなHanyeが、4TBで8万円超えは当たり前の14GB/sクラスGen5 SSDに、突如として5万円台で殴り込みをかけたのが「E500P」です。
あまりの安さに不安になりつつも、まぁ大外れはしないだろうと購入して試したのが、今回のレビューです。
スペック

| ■ Hanye E500P | |
| 容量 | 1~4TB |
|---|---|
| 接続 | PCIe Gen 5.0 x4 NVMe 2.0 |
| 読込速度 | 2/4TB:14,200MB/s 1TB:14,000MB/s |
| 書込速度 | 2/4TB:13,400MB/s 1TB:11,000MB/s |
| NAND | 3D TLC NAND |
| キャッシュメモリ | あり |
| 耐久性 | 4TB:3000TBW 2TB:1500TBW 1TB:750TBW |
| 保証 | 5年 |
本体外観


パッケージデザインは黒を基調として、ちょっと高級感を演出しています。
雰囲気的には「HE70」から変わっていません。

中のスリーブはプラ製。

マニュアルは「HE70」同様、日本を拠点とする代理店が作成したようで、日本語もばっちり。
JNHは嘉年華株式会社のブランドで、Hanyeの他にV-Colorなどの代理店にもなっています。
ただし、サポートに関してはあまり評判がよくなく、不良品に当たった場合は基本的にはAmazonの返品制度を利用した方がいいようです。


本体。
裏面ラベルが浮いているので、両面実装です。
さすがに片面実装は無理だったようです。

ラベルを剥がして中を確認。
NANDは両面実装で、DRAM付き。コントローラには特徴的なシリコンモーションのロゴ。

コントローラーはSilicon Motion SM2508。
TSMCの6nmプロセス製造で、Cortex R8 CPUを4コア搭載。最大8チャネルのNANDに、各チャネル最大3600MT/sで接続、最大転送速度はリード14.5GB/s、ライト14GB/sとなるコントローラーです。
6nmプロセスの採用により、有効電力使用量を前世代比30%減の最大3.5Wとしたとのこと。
「2510」とあるので、25年10週製造と思われます。
参考 SM2508:Silicon Motion ※PDF

DRAMチップには「DL4A32G32T4V EC」の文字。
SCY(索成易半導体)という中国のメーカーの、32Gb(=4GB)のLPDDR4-2400のようです。

NANDは「SNB58RT001EA0000 CC42521」の文字。
ロゴがありませんが、Micronの232層3D TLC NANDです。
参考 B58R Fortis Flash NAND:Micron

flash idの確認。
チェック環境

検証はMinisforum「BD790i」と、システムとしてWD_BLACK SN850X(4TB)を使用。
奥がシステムSSD、手前がレビューSSDです。
通電するとLEDがめっちゃ明るく光ります。


CrystalDiskInfoの情報です。規格容量は4096.7GB。
接続はGen5 x4、規格はNVMe 2.0。

フォーマット後の容量は3815.43GB。
ざっくり調べた感じだと、NVMe 2.0ではZNS Command SetやKV Comman Setが追加され、HDDをサポートするように。
NVMってNon-Volatile Memory(不揮発性メモリ)の頭文字(eはExpress)なのに、磁気ディスクをサポートとは…
「E500P」には管理アプリの類は用意されていません。
公式サイトではドライバー・ソフトウェアは近日公開となっていますが、おそらく永遠に近日公開でしょう。
参考 技術サポート:Hanye
ベンチマーク
自然空冷状態で、エアフローのしっかりしたデスクトップ機に比べると、若干不利な環境となります。
また、AMD系環境のため、4KランダムQ1T1がIntel系環境に比べて低く出る傾向にあります
CrystalDiskMark
CrystalDiskMarkではサイズを1GiB・64GiBにして測定。

シーケンシャルでリード14,338MB/s、ライト13,243MB/sを記録。リード・ライトともにほぼ仕様通り(14,200/13,400 MB/s)の速度でした。
ここまでくると、「すげー…」としか感想が出てきません。

64GiB時もほぼ変わらず。何なら一部は1GiB時を上回っています。性能いいなぁ…

4Kランダムのリードレイテンシ(1GiB時)は46.13μs。Gen4 SSDではだいたいが55μs前後だったので、2割ほど応答が高速です。
同じGen5 SSDでもPHISON PS5031-E31のKIOXIA「EXCERIA PLUS G4」が44.61μs、INNOGRIT IG5666のADATA「LEGEND 970 PRO」は66.70μsだったので、コントローラによるとしか言えなさそう。
この辺りはCPU直結とか遅延要素を徹底的に排除しないと実力が見えないところなので、モバイル向けCPUならこんなものと言えるかと。
AS SSD Benchmark

AS SSD Benchmarkでは総合12190ポイントと、ついに1万ポイント超え。
5000ポイント前後をうろつくGen4 SSDと比較にならないくらいの高スコアです。
h2testw

h2testwは、3.4GB/sでスタート。Gen4 SSD(2~2.1GB/s)の1.5倍以上で、3600MT/s×8チャンネルの効果がしっかり出ています。

900GB(22~23%)付近で(おそらく)pSLCキャッシュが枯渇。
負荷が28%→70%に、書き込み速度も1.0GB/s前後に落ち込みました。

その後はキャッシュの復活と枯渇を繰り返しながらフィニッシュ。

トータルでは、書き込みは平均1.72GB/s、読み込みは平均1.72GB/sでした。
書き込みは「LEGEND 970 PRO」(平均1.89GB/s)にやや負けていますが、性能差というよりはファンの有無(「LEGEND 970 PRO」はファン組み込みヒートシンク付き)が大きいのかなと。

ちなみにもう一度テストして、途中でファンの風を当ててみたところ。
コントローラが冷えたとたん安定したので、「E500P」は冷やしながら使えば性能が出るようです。
ということは、実はキャッシュの枯渇ではなく、サーマルスロットリングが先に来てたのかな…?
ATTO Disk Benchmark

ATTO Disk Benchmarkはファイルサイズが小さなファイルにおけるスループットを計測するベンチマークです。
リードは128KBから、ライトは256KBでピーク速度に達しています。
「EXCERIA PLUS G4」でもリード2MB、ライト256KBだったので、「E500P」は細かいファイルの読み込みに強いようです。
HD Tune Pro

HD Tune Proでは読み込みは最初が少し荒れたものの、後半3/4くらいはほぼフラットで、平均2,800MB/s。

ライトは800GBを超えたところで落ち込み、ネイティブモードとハイブリッドモードを行き来したのちキャッシュ復活と、非常に分かりやすいグラフを描いています。
ここまで綺麗に出ると、逆に気持ちいいですね。





その他の計測結果。
ファイルベンチマークのぶっ飛び具合がちょっと笑う。
3DMark Storage Benchmark

3DMarkは2949ポイント。
意外なことに3000ポイントを超えませんでした。
ファイル転送(書き込み)
ファイル転送は「DiskBench」を使って計測。



10GB(1GB×10)のファイル:2.276秒 (4499.121 MB/s)
100GB(1GB×100)のファイル:30.703秒 (3335.179 MB/s)
1TB(1GB×1000)のファイル:318.604秒 (3214.021 MB/s)
ファイル転送(書き込み)では1TB(1GBのファイル×1000個)でも3,000MB/sオーバーの書き込み速度を達成。
といっても、WD「SN7100」に負けているので、圧倒的とまでは言えません。
10GBのほぼ4,500MB/sは、がじぇっとりっぷがレビューしてきた中では最速ですが、3,500MB/sでも2秒台に納まるので、体感では違いは感じられないかと。
要は最速ではないけれど最速クラスであることは確か、ということです。
温度について


温度はHWMonitorと、HWiNFOの2種類で調査。
どちらも3種類の温度センサーが見えています
センサー上はコントローラーが最大107度。サーマルスロットリング待ったなしの温度です。

サーモグラフィーで見ると最大88.0度でした。これはさすがにヒートシンクを使わないと厳しいですね。


ファンの風を当てた状態だと最大で91度。
ぎりぎりサーマルスロットリングが発生しない程度に納まっています。
h2testwでも軽く触れたように、冷却さえしておけば安定した性能を発揮できそうです。
まとめ
「E500P」は安価な14GB/sクラスGen5 SSDですが、しっかりと速度も出ていて、冷却を怠らなければ普通に使えるSSDです。
蝉族をはじめとした中華系SSDは、以前は耐久性を疑問視されていましたが、初期不良の類を除けば、思ったほどに故障報告は多くありません。
まぁそこまでヘビーに書き込み続けるユーザーが少ないだけかもしれませんが。
大手メーカーのように保証TBWの数倍を超えた書き込みに耐えるということはないでしょうが、保証TBWの50%くらい(それでも4TBなら1500TBWもある)なら余裕でしょうし、何よりメーカー保証が5年も付いています。
ここ最近のHDD/SSD値上げラッシュに巻き込まれても、4TBモデルの記事執筆時点の価格は59,800円。2TBモデルなら29,980円。
このクラスになると価格で選ぶものじゃないという声も聞こえてきそうですが、コスパは抜群です。
関連リンク
おまけ
fid情報のテキスト版。スクリーンショットじゃなくてテキストでシェアして!って書かれていたので。
v0.2741a OS: 10.0 build 26100 Drive : 0(NVME) Scsi : 0 Driver : W10 Model : Hanye E500P-4T00A Fw : HA02010B Size : 3907018 MB [4096.8 GB] LBA Size : 512 AdminCmd : 0x00 0x01 0x02 0x04 0x05 0x06 0x08 0x09 0x0A 0x0C 0x10 0x11 0x14 0x80 0x81 0x82 0x84 0xC0 0xC1 0xC2 0xC6 I/O Cmd : 0x00 0x01 0x02 0x04 0x05 0x09 0x0C Controller: SM2508 [SM2508AC] FW revision: Y0428T00 ROM version: 2508ACROM:X0613A --- FW params --- FlashID : 0x2c,0xd3,0x8,0x32,0xe8,0x30,0x0,0x0 - Micron 232L(B58R) TLC 1024Gb/CE 1024Gb/die Channel : 8 Ch map : 0xFF CE map : 0x0F Pages/Block : 2784 First Fblock : 1 Total Fblock : 567 Bad Block From Pretest: 18 Start TLC/MLC Fblock : 12 DRAM Info : [0xAE 0xD7] IOCtl: NVME_W10_GetLog 0x1! Telemetry unavailable



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