2025年7月31日、ペンタブレットで有名なWacomが、Wacom Pro Pen 3が使えるHelio G99を搭載した11.45インチタブレット「MovinkPad 11」を発売しました。
スペック

| ■ MovinkPad 11 DTHA116C | |
| SoC | Helio G99 |
|---|---|
| メモリ | 8GB |
| ストレージ | 128GB |
| 画面 | 11.45インチ IPS 2200×1440 |
| インターフェース | USB Type-C(2.0)×1 |
| wi-fi | Wi-fi 5+BT5.2 |
| OS | Android 14 |
| カメラ | リア:470万画素 フロント:500万画素 |
| バッテリー | 7,700mAh |
| サイズ | 266×182×7mm |
| 重さ | 588g |
特徴
スタイラスペンに対応したAndroidタブレットは、Samsungなどのハイエンドタブレットメーカーのほか、昨年から今年にかけてHUIONやUGEE、XP-Penなどの液晶タブレットメーカーが相次いで発売しています。

先日は非液タブメーカーからの参戦として、TECLAST「Artpad Pro」を紹介しました。

そんな戦国時代の様相を呈してきたAndroidペンタブ市場に、ついに本命というかペンタブレット最大手のWacomが参戦です。
ちなみにMovinkというブランド名は2024年5月に発売した「Movink 13」(13.3インチの有機ELペンタブ)があります。
CPU
「MovinkPad 11」のSoCはHelio G99。
2023年~2024年に発売されたタブレットの半分くらいはG99搭載というくらいに人気の高いSoCです。
2コアのARM Cortex-A76(2.0GHz)と6コアのCorex-A55(2.0GHz)の8コアCPUに、グラフィックはMali-G57 MC2。AnTuTuスコアは約40万点。
スコアは実機とAnTuTuランキングを使用しています。
性能は、2025年基準だとエントリークラス上位となります。
エントリークラスではありますが、下限がかなり底上げされたこともあって、ネットサーフィンや動画視聴など、重いゲームをプレイしなければそれなりに問題なく使えます。
…正直なところ、あのWacomがHelio G99というのはどうなんだろうなぁと思わなくもなかったり。
ここ最近脱Helio G99の動きが見えていたのが、停滞している感があります。
非ゲーミング用途ということでのチョイスなのでしょうが、安い買い物ではない以上、せめてAnTuTu 50万点以上、Snapdragon 6 Gen1くらいはやって欲しかったなぁと。
メモリとストレージ
メモリは8GB。規格は不明ですが、Helio G99なのでLPDDR4と思われます。
ストレージは128GB。こちらも規格は不明。さすがに今どきeMMCはないとは思いますが…
なんというか、「うちはあくまでペンタブメーカー。ペンで描いていて違和感がないスペックを持っているなら、それ以上は追及しない」という姿勢が見えますね。
あと、microSDスロットはありません。
その他
無線LANはWi-Fi 5(802.11ac)。Bluetoothはv5.2。
バッテリーは7,700mAhで、充電速度は不明。多分18Wだろうなぁ…
OSはAndroid14。アップデートはあるんだろうか…?
デバイス内の画像を一覧化して表示できるWacom Shelf、下描きに特化したWacom Canvas、スリープ状態からペンでWacom Canvasを起動させるQuick drawing機能など、独自にカスタマイズが施されています。
Wacom Canvasはペンが黒鉛筆/青鉛筆/筆の3種と消しゴム、Undo/Redoはあるものの、ブラシの色や太さの変更はできず、レイヤー機能もない、本当にアイデアスケッチや下書きに特化したアプリです。下書きデータはCLIP STUDIO PAINTで開くことができるとのこと。
指紋認証・顔認証はありません。
外観

本体。表示されているのがWacom Canvasです。
ディスプレイはアスペクト比3:2の、11.45インチ2200×1440。サイズ、解像度はHUAWEI「MatePad 11.5-inch」と同じですが、同じパネルかは不明です。
1677万色表示のIPSパネルで、リフレッシュレートは最大90Hz、色域はsRGBカバー率(CIE 1931) 99%、輝度は400cd/m2、コントラスト比は1200:1。
…ハードウェアスペックは適当なのに、ディスプレイスペックについてはやたら細かい辺りはさすがです。
また、表面はアンチグレア処理がされていて、照明の映り込みがなく、ドローイングの邪魔をしないようになっています。
お絵かきタブということでWidevineはL3。動画視聴タブとの兼用にはならなさそう。
背面は大きな画像が見当たらなかったのですが、カメラはでっぱりのないフラット。
そして背面の四隅にゴム足がついていて、テーブルに置いたときにがたつきがなく、かつ滑らないようになっています。また、カメラレンズの傷つき防止にもなっています。

ペンはWacom Pro Pen 3(替え芯ホルダー付き)が付属。ペン内部に替え芯(フェルト芯)が2本入っています。
Androidタブレットとしては珍しい、電磁誘導方式(EMR方式)です。
HUION、UGEE、XP-Pen、TECLASTはすべてUSI2.0などの静電容量・電磁誘導ハイブリッド方式で、書き味としては一段落ちることが多い印象。
その点、Wacom Pro Pen 3はCintiq Proシリーズなどでも使われるペンなので、書き味については抜群で、事前レビューを見ても高評価を得ています。
また、Wacomのペンなので、互換ペンや替え芯が販売されていることも強みの一つです。
ちなみに「替え芯ホルダー付きWacom Pro Pen 3」の単品販売の予定はないそう。
まとめ
「MovinkPad 11」の価格は69,080円。
Androidタブレットとしてはスペックの割にかなり割高ですが、Wacomデバイスとしては比較的安いという、評価に困る価格です。
スペックを上げると価格に跳ね返り、もろにiPadと価格帯が被るからこうなったという事情も透けて見えるだけに、やっぱり評価に困ります。
スペックがスペックだけに、レイヤーを100枚、200枚と重ねるようなガチプロの使い方は無理ですが、アイデアスケッチやレイヤー20~30枚程度(キャンパスサイズによる)での作業なら問題ありません。
メモリマシマシのPCでの作業よりは制限があるものの、「どこでもWacomペンで作業ができる」は一つのメリットです。
「Wacom Pro Pen 3を使うための最小・最安構成」と考えれば一定の需要は見込めますし、実際にイラストレーター界隈では話題になっているので、一定の成功は収めるんなないかと思います。
とまぁ、あれこれ書きましたが、個人的には同じWacom EMR方式を採用する「Galaxy Tab S10 FE」でもいいんじゃないかなぁと思ったり。
「Wacom Pro Pen 3」(8192段階)ではなく「Wacom One Pen」(4096段階)互換で、アンチグレアはありませんが、AnTuTu 90万点、10.9インチ2304×1440、Widevine L1で、ついでにIP68でお風呂持ち込み可能で、価格相場は同程度です。
まぁ、完全ドローイング特化か、ドローイングにも強い汎用機かの差なので、あくまで個人的には、の話です。
関連リンク
公式製品ページ:Wacom





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