2025年9月25日、ゲーミングUMPCメーカーのGPDは、ファンディングサイトのINDIEGOGOでRyzen Al Max+ 395を搭載したゲーミングUMPC「WIN 5」のファンディングを開始しました。
GPD WIN 5: The Ultimate External Battery Handheld:INDIEGOGO
スペック

| ■ GPD WIN 5 | |
| CPU | Ryzen Al Max+ 395 Ryzen Al Max 385 |
|---|---|
| メモリ | 32/64GB LPDDR5x-8000 |
| ストレージ | 1~4TB M.2 Gen4 SSD |
| 画面 | 7インチ FHD/120Hz |
| インターフェース | Type-C(USB4)×1 Type-C(Gen2)×1 USB3.2 Gen2×1 miniSSD×1 microSDXC オーディオジャック |
| wi-fi | Wi-fi 6E/BT5.3 |
| 電源 | 180W 80WHr 外付けバッテリーユニット |
| サイズ | 267×111.6×24.21mm |
| 重さ | 590g |
特徴
「GPD WIN 5」はGPDが手掛けるゲーミングコンソール型UMPCの「GPD Win」シリーズの最新モデルとなります。
がじぇっとりっぷでは過去に「GPD WIN 4(2022)」をレビューしています。

CPU
「GPD WIN 5」のCPUは、Ryzen Al Max+ 395またはRyzen Al Max 385。
GPDは以前からCPUは2種類用意ってのが伝統みたいなところがあるのですが、Ryzen Al Max+ 395ばかりが取りざたされる中、Ryzen Al Max 385がラインナップにあるのは珍しいなぁと。
コードネームはStrix Haloで、16コア32スレッド(385は8コア16スレッド)のZen5アーキテクチャCPUに、40CU(コンピュートユニット)のRDNA3.5グラフィックスで構成されるRadeon 8060S(385は32CUの8050S)を内蔵しています。
また、NPUとして50TOPSのXDNA2を内蔵。全体では126TOPS(385は106TOPS)とされています。
Ryzen AI 9 HX 375が16CUなので、Ryzen Al Max+ 395は単純計算で2.5倍のグラフィック性能となります。
Ryzen 7 8845HS(12CU)比だと、3.3倍ですね。
TDPは55W、cTDPは45~120Wですが、「GPD WIN 5」では45~75Wでの運用となるようです。
※GeekBenchと3DMarkの集計値、および当ブログでのレビュー結果に基づいています
Ryzen Al Max+ 395のCPU性能はTDP55Wながら、名だたるデスクトップ向けCPUと並んでいます。
デスクトップ向けコアをモバイル向けにパッケージングしたRyzen 9 7945HXには(おそらく電力配分の関係で)やや及びませんが、モバイル向けCPUとしては圧倒的な性能と言えるでしょう。
一方で8コア16スレッドのRyzen Al Max 385は、同じ8コア16スレッドのRyzen 7 7840HSとRyzen 9 7940HSの間となっています。
グラフィック性能は圧巻の一言。
ざっくりですが、デスクトップ向けのRTX 3060とRTX 4060の間、RTX 4060寄りのスコアを叩き出しています。CPU内蔵グラフィックとしては断トツの性能ですね。
CU数が8割となるRyzen Al Max 385も意外と健闘していて、デスクトップ向けのRTX 3060より高いスコアを出しています。

Steel NomadでTDPごとに計測したグラフ。
25Wくらいからぐんぐん伸びて、70Wでスコア10,000に達します。70Wと110Wではスコアは1割ほどしか伸びないので、TDP75Wでも十分そう。何ならTDP50Wでもスコア9,000くらいなので、駆動時間を考えるとTDP50W設定でも良さそう。
メモリとストレージ
メモリは32GBまたは64GBのLPDDR5X-8000。Strix Haloはメモリ帯域幅を確保する(8チャンネルで動作)ために、オンボードメモリオンリーです。
128GBも検討中とのことですが、初動には間に合わなかった模様。
ストレージは1TB~4TBのM.2 2280 SSD。
Strix HaloはPCIe Gen5非対応なので、Gen4 SSDになります。なお、TLCかQLCかは記載がありません。
(自己責任で)換装する場合は、片面実装のSSDのみとなります。最近は4TBでも片面実装の製品が増えているので、選びやすくはなっていますね。

「GPD Win 5」はMini SSDに対応しています。
「GPD Win 5」は情報を小出しにしていたので、発表したのは「GPD Win 5」が世界初でしたが、製品として販売されたのは「OneXPlayer X1 Air」が先になりました。

Mini SSDは中国のストレージメーカーBiwinが提唱した規格で、15mm×17mm×1.4mmのカードをmicroSDのように差し込んで使います。microSDと同じく、電源を入れたまま抜き差しできる(ホットスワップ)のがポイント。
Mini SSDの接続はPCIe 4.0 x2で、転送速度は最大3,700MB/s。
Nitendo Switch2で話題になったmicroSD ExpressでもPCIe 3.0 x1接続で最大985MB/s(理論値)なので、文字通り桁違いの速度です。
その他
無線LANはWi-fi 6E(802.11ax)に対応。Bluetoothはv5.3。
Wi-fi 7(807.11be)ではないのは意外ですが、現状のWi-fi 7ルーターの普及度合いを考えると、Wi-fi 6Eでも十分との判断でしょう。
有線LANはありません。
バッテリーは80WHr。内蔵ではなく外付けです。
当初発表されたときは賛否両論でしたが、Ryzen Al Max+ 395/Max 385用の冷却構造を組み込むとデバイス内に納まり切れないというのは分かります。
また、外付けにすることでバッテリー交換が容易になり、これまでのUMPCの弱点であった駆動時間の短さを、複数のバッテリーを交換することで克服するというのはいいアイデアかと。
欲を言えばKhadas「Mind」のように小容量のバッテリーを内蔵して、稼働したままバッテリー交換をできるように出来たらなおよかったですね。
電源アダプタは180W。
TDPを抑えている割に出力が高いな?と思いましたが、本体に直接供給しつつ、バッテリーも充電するとなると確かにこのくらいは必要になりそう。
外観

本体。
底面はMini SSDスロットとUSB 3.2 Gen2だけと比較的シンプル。
音量ボタンをくぼみに配置しているのはいいですね。「GPD Win 4」では天面に電源ボタンと並んでいるので、よく誤クリックしていました。
あと何気に右側に光学式ポインティングデバイスが組み込まれています。
マウス/コンソールのモード切替が側面スイッチからXボタンの斜め上に移動したのもポイント。
画面はネイティブランドスケープの7インチFHD(1920×1080)。リフレッシュレートは120Hzで、輝度は最大500nits。

独立したスクリーンキーボードとReturn to Desktop(全ウィンドウ最小化)ボタン。
ここまで書いていませんでしたが、「GPD Win 5」は内部スペースが足りないので、物理キーボードは廃止されています。

冷却はデュアルファン。最大TDP 70Wはシングルファンでは間に合いません。
内部構造を見れば、バッテリーが入るスペースがないのも納得です。

背面。
マイクロスイッチでLT/RTボタンのモード(256段階/2段階)を切り替えられます。

バッテリーをくっつけるとこんな感じ。
本体が590gでバッテリーが350gなので、合わせて940gと実は結構重量級。

バッテリーケーブルを使うことで、切り離しての動作も可能。この場合は本体の重量のみとなるので、腕への負担がぐっと軽くなります。

バッテリーは本体に装着したまま充電もできます。満充電まで1.5時間とのこと。

ドッキングステーションで充電することもできます。
予備バッテリーを購入しておけば、交互に使うことで長時間のプレイもできそうです。

給電中であればバッテリーレスでの動作も可能。
天面はほぼ排気口で、USB4とType-A(USB3.2 Gen2)、オーディオジャック、電源ポートとシンプル。
排気口スペースを確保するために電源ボタンや音量ボタンが移動したんだなと納得です。

ドッキングステーションに載せていると、こんな感じになります。
USB4でeGPU Boxを接続することも可能。
まとめ
「GPD Win 5」の価格は以下の通り。
・385+32GB+1TB:1,448ドル(約21.5万円)
・395+32GB+2TB:1.650ドル(約24.5万円)
・395+64GB+4TB:2,120ドル(約31.5万円)
・Mini SSD(1TB):93ドル(約1.4万円)
・追加バッテリー:93ドル
・ドッキングステーション:93ドル
価格的にはRyzen Al Max+ 395搭載ミニPCよりは高いものの、コンパクトさを考えるとこんなものですね。
というか、最小限のインターフェースとはいえ、よく7インチ筐体(しかもベゼル細め)に納め切ったなぁと。
サブ用途としてLLMも考えているのなら128GB版の登場を待つことになりますが、ゲーミング用途であれば64GBでも十分。GPUとメモリを共有しますが、32GBでも9割がたは大丈夫だと思います。
発表当初は「バッテリー外付けってダサくない…?」とちょっと不安でしたが、メリットとデメリットを天秤にかければ「これはこれでアリ…かも」という気になってきます。
ゲーミングUMPCでRyzen Al Max+ 395搭載を宣言しているのは、他には「AYANEO Next 2」くらい。
タブレットスタイルだと既発売のASUS「ROG Flow Z13」のほか、One-Netbook社が「OneXPlayer Super X」の発売を予告しています。
逆に言えば、最初のRyzen Al Max+ 395搭載機(ROG Flow Z13)から9か月かかってもこれだけしかないわけで。
ゲーミングでRyzen Al Max+ 395を考えている人は、色物として見るのではなく、まじめに検討する必要がありそうです。




コメント
このタイミングでまさかのonenetの隠し玉が来て驚きましたね
こういう時に物理キーボードがあればいい差別化になるんですけど