2025年9月16日、395搭載のMINISFORUMは、Ryzen Al Max+ 395を搭載したミニPC 「MS-S1 Max」の製品サイトを公開しました。
2025年9月25日追記:発売されたのでタイトルを変更しました。
Minisforum MS-S1 MAX‐ AMD Ryzen™ AI Max+ 395:MINISFORUM
スペック

| ■ MS-S1 Max | |
| CPU | Ryzen Al Max+ 395 |
|---|---|
| メモリ | 64/128GB LPDDR5x-8000 |
| ストレージ | M.2 Gen4 SSD×2スロット |
| インターフェース | Type-C(USB4 v2)×2 Type-C(USB4)×2 USB 3.2 Gen2×3 USB2.0×2 HDMI 2.1 10GbE 有線LAN×2 オーディオジャック |
| wi-fi | Wi-fi 7/BT5.4 |
| 電源 | 320W 電源ユニット内蔵 |
| サイズ | 222×206×77mm |
| 重さ | 2.8kg |
特徴
「MS-S1 Max」は、2025年5月20日のXのポストで最初の情報が公開、この時点では2025年下半期公開、2Uサーバーラックに収まるサイズという情報しかありませんでした。
なぜサーバーラックかというと、「MS-01/MS-A1/MS-A2」の高さが48mmで、1U(1.75インチ/約44.45mm)に微妙に入らないって意見が多数寄せられたからです。
参考 Minisforum MS-01:MINISFORUM
その後しばらく音沙汰がなかったものの、IFA2025 ベルリン(2025年9月5~9日)で実機が公開されました。
CPU
「MS-S1 Max」のCPUは、Ryzen Al Max+ 395。
コードネームはStrix Haloで、16コア32スレッドのZen5アーキテクチャCPUに、40CU(コンピュートユニット)のRDNA3.5グラフィックスで構成されるRadeon 8060Sを内蔵しています。
また、NPUとして50TOPSのXDNA2を内蔵。全体では126TOPSとされています。
Ryzen AI 9 HX 375が16CUなので、単純計算で2.5倍のグラフィック性能となります。
Ryzen 7 8845HS(12CU)比だと、3.3倍ですね。
TDPは55W、cTDPは45~120Wです。

「MS-S1 Max」は冷却に自信があるのか、cTDPを超えた定格130W・ピーク160W動作となっています。
CPU性能はTDP55Wながら、名だたるデスクトップ向けCPUと並んでいます。
デスクトップ向けコアをモバイル向けにパッケージングしたRyzen 9 7945HXには(おそらく電力配分の関係で)やや及びませんが、モバイル向けCPUとしては圧倒的な性能と言えるでしょう。
圧巻なのが、グラフィック性能。
ざっくりですが、デスクトップ向けのRTX 3060とRTX 4060の間、RTX 4060寄りのスコアを叩き出しています。
CPU内蔵グラフィックとしては断トツの性能ですね。
さらに、Ryzen AI Max+ 395はLPDDR5Xのみの対応。換装不可のデメリットと引き換えに、256GB/sのメモリ帯域幅を実現したユニファイドメモリを採用、最大96GBまでをVRAMとして割り当てられます。
つまり、VRAM量が重要要素であるLLM(Large Language Model、大規模言語モデル)において、大きなアドバンテージを持っています。
最近はのLLMは上位モデルだと70bや120bといった、メモリを70~100GBくらい必要とするモデルも増えています。
現状でこれらの大型LLMモデルを動作させることができるのはNVIDIA H100(VRAM 80GB、約500万円)、RTX 6000 Blackwell(VRAM 96GB、約150万円)、Macbook Pro(ユニファイドメモリ128GB、約75万円)、Mac Studio(ユニファイドメモリ96~512GB、約67~150万円)、そしてRyzen AI Max+ 395搭載機だけです(もう少しするとAI特化のNVIDIA DGX Sparkが登場します)。
LLMの実測については、Beelink調べでQwen 32b Q8/LM Studioで6.23tok/sとされています。
画像生成AIはAmuseで1536×1024が1.4sとのこと。
メモリとストレージ
メモリは64GBまたは128GBのLPDDR5X-8000。128GBまでなのはCPU側の制限によるものです。
上でも書いていますが、Ryzen Al Max+ 395はメモリ帯域幅を確保する(8チャンネルで動作)ために、オンボードメモリオンリーです。
ストレージはM.2 Gen4 SSDが2スロット。記事執筆時点では容量は公開されていません。
デュアル2280スロットですが、内部的にはGen4 x4スロット+Gen4 x1スロットなので、セカンドスロットは1,700~1,800MB/sくらいまでしか出ません。
なぜこのようになっているのかというと、Ryzen Al Max+ 395はPCIeレーンがGen4×16レーンしかないため、他のインターフェースを詰め込もうとすると節約せざるを得ないからです。
その他
無線LANはWi-fi 7(802.11be)に対応。Bluetoothはv5.4。チップについて記載がありませんが、Ryzen系でよく採用されるRZ717(MT7925)と思われます。Intel系Wi-fi 7チップ(Intel BE200)はなぜかRyzenと相性が悪いんですよね…
有線LANは10GbE×2。チップはRealtek RTL8127です。RTL8127はGen4 x1接続のチップなので、ここで2レーン消費します。
2025年9月25日追記:発売前レビューでMT7925であることが確定しました。
電源は320Wの電源ユニットを内蔵。
Beelink 「GTR9 Pro」という前例がありますし、MINISFORUMも「AI X1 PRO」で電源内蔵ミニPCを発売しているので、ノウハウ的にも問題はなさそうです。


外観

2.DMIC ×2
3.USB 3.2 Gen2 (10Gbps)
4.USB4 ×2 (40Gbps, DP出力, PD 15W)
5.3.5mm コンボジャック
7.USB 2.0 ×2
8.USB4 V2 ×2 (80Gbps, DP出力, PD 15W)
9.USB 3.2 Gen2 (10Gbps)
10.10GbE LAN x2
11.盗難防止ロック穴
12.リセット穴 (Clear CMOS)
13.AC電源入力
インターフェース。
衝撃なのが、背面のUSB4 V2。
USB4 V2は2022年10月に発表された規格(USB4は2019年8月)で、転送速度はUSB4の2倍となる最大80Gbps、オプションで非対称通信(120Gbps/40Gbps)にも対応します。
Thunderbolt5のような内容ですが、Thunderbolt5よりも要件が緩く、USB4とThunderbolt4みたいな関係となっています。
ゆえにThunderbolt5に対応していればだいたいはUSB4 V2にも対応しています(実際、最初のUSB4 V2対応チップはIntel Thunderbolt5チップセットです)。
とはいえThunderbolt5はApple/Intel系なので、AMD系列としては初のUSB4 V2対応製品と思われます。
参考 USB4 Version 2.0:アリオン株式会社
参考 【2025年完全版】USB 4.0 Version 2完全解説:自作.com
また、USB4 V2とは別に、USB4も2ポート持っています。とんでもないなぁ…

インターフェース画像では移っていない天面部分には、大きく吸気口が開いています。

内部アクセスはネジを2つ外すだけの構造。

内部にはPCIeスロット(スロット形状はx16ですが、接続はx4)。
インターフェース画像でもスロット口が映っていますが、1スロットのロープロファイルとなります。
これで、SSD(4+1)、10GbE(1+1)、PCIeスロット(4)で11レーン。こうなるとUSB4 V2はおそらく4レーンが割り当てられることになります。

冷却は6本のヒートパイプとデュアルファン。
複数のモードが用意され、モードとファン速度、騒音の関係は以下とされています。
| モード | Fast PPT | Slow PPT | TDP | ファン速度 | ノイズ(50cm) |
|---|---|---|---|---|---|
| パフォーマンス | 160W | 150W | 130W | 最大95% | 37~48dB |
| バランス | 130W | 110W | 95W | 最大76% | 35~42dB |
| 静音 | 110W | 80W | 60W | 最大76% | 32~41.6dB |
| ラック | 140W | 120W | 100W | 最大100%ファン制御なし | |
「MS-S1 Max」はサーバーラック運用も想定されているので、騒音を気にしないラックモードがあるのが面白いところ。

さらにサーバーラック運用に向けてクラスター制御ピンヘッダーも備えています。
まとめ
「MS-S1 Max」の価格は不明ですが、発表動画の中で「2000ドルを少し超えるくらい」と述べています。また、同動画の中で「発売は9月20日ころ」とも述べています。
また、事前のメールアドレス登録で発売開始日に200ドル(28,000円)のクーポンを届けるとのこと。Discord登録で、併用できる30ドルクーポンも発行するそう。
2025年9月25日追記:発売されました。価格は359,990円です。
MINISFORUMなら何かしら盛り込んでくるだろうとは思っていて、PCIeスロットとデュアル10GbEまでは予想の範囲内でしたが、USB4 V2は完全に予想外でした。
既存のRyzen Al Max+ 395搭載PCを置き去りにするような内容であり、「EVO-X2」を我慢していた人たちにとっては待った甲斐があったと言えるものとなっています。
おそらくというか、初回ロットはほぼ確実に瞬殺になるので、欲しい人はメアドを登録して発売日に購入する準備を整えておいた方がいいでしょう。
関連リンク
Minisforum MS-S1 MAX‐ AMD Ryzen™ AI Max+ 395:MINISFORUM





コメント